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2012/01/09

福田充「メディアとテロリズム」感想。
いわゆる新書。2012年01月08日読了。

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メディアとテロリズム

2009年8月に出た本。出てすぐ買ったんですが、積ん読……


◆本書の内容(紀伊國屋bookWebより)
「メディアの存在はテロリストに酸素を供給しているようなもの」(サッチャー英元首相)。
いまやテロリストはTVやネットなどのメディアで自らの存在をアピールし、犯行を喧伝する。
対するメディアはそれを報じ、部数や視聴率を稼ぐ。
これでは“共生”どころか“共犯”ではないのか?
気鋭のメディア社会学者による“負のスパイラル”の歴史、現状、そして解決策―。


◆感想

テロリストはメディアを利用している。

何らかの思想を持ったテロリスト(無差別殺人者ではない)は自分たちの主張を世に知らしめたい。テロを起こせば、新聞やテレビなどのメディアが勝手に犯行声明を読み上げてくれる。テロのやり方次第では、自分たちの主張が世界中のメディアに取り上げられる。自分たちの主張を広めるには実に効率の良い方法である。

この現象を手っ取り早く言い表した言葉が、本書の帯に載っている。

テロリストは言った。「ゴールデンタイムまで撃つな!」


テロが長引くと、メディアは過熱報道になる。本書で例として出ていたのはペルーで発生した在ペルー日本大使公邸占拠事件。この事件は解決まで4ヶ月以上かかったが、事件が継続している中、共同通信の記者やテレビ朝日がペルー政府に知らせず突入取材を行った(共同通信は成功、テレ朝は失敗)。

この行為は、人質解放のために尽力しているペルー政府を無にし、人質の生命を危険にさらしたと言うことで世界中からバッシングされた。

しかし、ジャーナリストには取材する権利(表現の自由)があり、テロリストへ取材することも自由であるはず。これを法律で規制するのもおかしい。

筆者はここでイギリスのDAノーティス制度を紹介している。DAノーティス制度とは、イギリスの政府代表と、テレビ、新聞、出版、ネット等の書くメディア代表とが合同でDPBACという機関を常時設置し、安全保障に関する報道が生じた場合に、国家と国民の安全性のためにその報道(内容)を検討する制度だそうだ。

対して日本のメディアはどうだろうか?


また、日本に限らず、メディアの報道には(善し悪しは別として)報道に偏向性がある。

テロが発生した場合、通常最初はテロが発生した地域の治安事件として報じられる(9.11のような巨大テロの場合でも、一番最初のニュースでは「単なる飛行機の操縦ミス」の可能性で報じられていた)。テロリストが犯行声明をメディアに送ると、治安事件からテロ事件へ変化する。

例えば先に挙げたペルーの事件は、テロ事件ではあるが、日本国内ではペルーに住んでいる日本人が被害にあった治安事件としての報道に終始した。

去年から続いている「アラブの春」に関しても、チュニジア、エジプト、リビア、シリア、イエメンで起こっている出来事に対し、基本的な報道姿勢は「民主化は是」「独裁者は悪」である。

シンガポールも独裁政権なんだけど、経済が上手く回っている国だから(かつ国民があまり不満を持っていないのか?)、メディアはそのことをあまり報じない。


まあ、そんなこんなで興味深く読めましたが、無意味な繰り返しが何度かあったのでちょっと減点。


7点/10点満点


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