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2012/04/12

高野秀行「未来国家ブータン」感想。
探検記。2012年04月04日読了。

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未来国家ブータン


2週間ほど当ブログの更新が滞っていましたが、再開します。


◆本書の紹介(紀伊國屋Bookwebより)
GNPよりGNH、生物多様性、環境立国…今世界が注目する「世界でいちばん幸せな国」の秘密を解き明かす。

第1章 ブータン雪男白書(政府の公式プロジェクトで雪男調査;雪男を捕まえた話 ほか)
第2章 謎の動物チュレイ(天国にいちばん近い村;謎の動物チュレイ ほか)
第3章 ラムジャム淵の謎(遠野は生きている;ラムジャム淵の謎 ほか)
第4章 ブータン最奥秘境の罠(雪男のための保護区;幽霊を怖がってはいけない ほか)
第5章 幸福大国に隠された秘密(未来国家への道;「自由」に苦しまないブータン人 ほか)
ブータン政府公認プロジェクトで雪男探し!!
「あの国には雪男がいるんですよ!」。そのひと言に乗せられて高野氏はブータンヘ飛んだ。雪男を探しながらも、「世界最高の環境立国」「世界で一番幸せな国」と呼ばれる本当の理由にたどりつく。


◆感想

私のイチオシ紀行作家、高野秀行の新刊である。

禁煙国家であるブータンは、本書を読む前まで、GNH=国民総幸福量の話と、民族衣装をまとって農業中心で最近まで鎖国をしていてその姿は古き良き昔の日本みたいな国、という取り上げられ方ばかりで、ヘビースモーカーの私的にはイマイチ魅力のない国であった。(実態の一例として、ブータンでは民族差別を行い、ネパール系ブータン人は難民と化している(ブータン難民を参照))


個人的にはブータンに行くこともないだろうし、ブータンの本は読んだことがないし読む気もなかったけど、高野秀行が書いた本なら別だ。読まなきゃ。


マレーシアでバイオベンチャーの会社を経営している友達の要請で、ブータンで生物資源の調査をすることになった高野秀行。当初はそれほど興味はなかった。

だがしかし、ブータン国立生物多様性センターのプロジェクト主任が「ブータンには謎の生物などいません。でも雪男ならいますよ」という衝撃の告白をさらりと言ってしまったことから、未確認動物(UMA)ハンター高野秀行の心は大きく動かされるのだった。


という出だしからして、高野秀行ファンの心を鷲掴みにする展開である。


空港のあるパロに着き、首都ティンプーへ行き、プナカ、ガサ、ラヤと行き、プナカに戻って、ジャカル、タシガン、ランジュン、メラ、サクテンと行って、ティンプーに戻る。

すげえ、GoogleMapで道も出てないような場所ばかりだ。

ガサ(A)とタシガン(B)だけピンを打ったGoogleMapを作ってみた。

大きな地図で見る


本書に出てくるブータンの人々や暮らしは、ちょっと想像を超えていた。

想像以上に、昔話の日本人みたいな生活をしていた。

そこかしこに民話みたいな話が転がっている。「精霊がいる」「不思議な生き物(チュレイ)がいる」「役場の職員が数年前に雪男に攫われた」

ヒマラヤ山脈の真ん中に位置するブータンの田舎町に行くには、道なき山道を、標高3000m超級の山道を何日も歩かないと行けない。車が通れる道はないから、歩き+荷役動物(馬など)でなければ行けない。そんな場所があちこちにある。

それで(現代の世界経済の中で)生活できていた(例えば山の中に冬虫夏草が採れるので、それを取って中国人と取引している)。


高野秀行の本の面白さは、高野秀行が書くユーモア溢れる文体にあるので、私はその魅力を伝えることはなかなか出来ないのだが、それはさておき、本書は日本で出版されている数少ないブータン本の中でも出色の出来であるとの書評もある(らしい)ので、

いや、実際に読んで、この本は今までの高野本の中でも相当完成度が高いぞ!

と思うのである。

堪能。


9点/10点満点


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