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2013/01/29

桜井啓子「シーア派―台頭するイスラーム少数派」感想。
イスラム教関連新書。2013年01月21日読了。

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シーア派―台頭するイスラーム少数派

大学のレポートを書くための参考書として古本で買いました。レポートに必要な部分しか読む気はなかったんだけど、意外と興味深いことがたくさん書かれていて、ついつい全部読んでしまいました。

シーア派は歴史的経緯から、多数派のスンナ派から邪教扱いされてきました。

シーア派の人達は、今のイランやイラク、トルコなどに逃げ、ひっそりと暮らしていました。そのため、自分の宗派を言うと不都合な状況に陥る場合、宗派(シーア派)を隠しても良いという「タキーヤ(信仰隠蔽)」が認められるようになりました。スンナ派はタキーヤを認めていません。

そんな中、1979年にホメイニ師がイランでイスラム革命を起こし、イランはシーア派の国となります。

サウジアラビアはスンナ派の過激な宗派であるワッハーブ派が王族であり、ワッハーブ派はサウジアラビアに住むシーア派を弾圧します。

アフガニスタンでは、1900年頃、スンナ派が全土制圧を目指し、シーア派の弾圧に乗り出し、同時にシーア派も徹底抗戦を開始。1978年、スンナ派が勝ち社会主義政権を樹立、シーア派は散り散りに。社会主義政権は土地の国有化などを進めたら、アフガン各地で反発勃発。社会主義政権を歓迎するソ連もうろたていたところ、隣国イランでシーア派政権誕生、アメリカの介入などもあり、それはアフガンに侵攻、急進派政権を倒して穏健派を据える。

などなど、シーア派の動きが多数解説されております。


8点/10点満点


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2013/01/27

中村廣治郎「イスラム教入門」感想。
イスラム教入門の新書。2013年01月19日読了。

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イスラム教入門

大学のレポートを書くための参考書として古本で買いました。レポートに必要な部分しか読む気はなかったんだけど、意外と興味深いことがたくさん書かれていて、ついつい全部読んでしまいました。

The Pew Forum というワシントンに本部があるNGOの統計によると、2010年の正解のイスラム教人口は16億人いて、2030年には22億人になるだろうとのこと。

本書は、イスラム関連の書籍を読むと、必ずといっていいほど参考文献に挙げられる書籍で、イスラム教を知ろうとする人は必読すべき本です。

Ⅲ章、Ⅳ章は、コーランの内容解説やイスラム教の儀式にページが割かれていて、入門と銘打つにはちょっと深入りしすぎているような気もしましたが、まあ些細なことです。

本書を読むとこんなことが分かります。

◆分派の経緯(主3派のみ)
・610年、ムハンマドが預言を授かり、614年からメッカで布教を開始。ウマイヤ家と敵対しメディナへ移住、632年没。
・預言者はムハンマドただ一人であり、没後の後継者はカリフ(後継者の意)と呼ばれる。
・三代目カリフ・ウスマーンが「コーラン」を編纂。四代目はアリー。
・ムハンマドの慣行(スンナ)、すなわち「コーラン」が全てと主張する者がスンナ派(ウマイヤ朝)、ムハンマドの血族(四代目カリフ・アリーの子孫)を重んじる者がシーア派となり、ウマイヤ家との徹底抗戦を叫んでアリーと袂を別った者がハワーリジュ派(イバード派の源流)を興した。

◆イスラム版図の拡大
・二代目カリフ・ウマルがアラビア半島を超え布教(戦争)、ビザンツ帝国からヨルダン、シリア、パレスチナを獲得。ササン朝ペルシアからチグリス川以西を獲得。
・7-13世紀、ウマイヤ朝(スンナ派)、アッバース朝(シーア派からスンナ派に転向)が、東はインダス川、サマルカンド(ウズベキスタン)、シルクロード(ウイグル族地域)、西は北アフリカ一帯及びヨーロッパのイベリア半島まで侵攻、ビザンツ帝国や唐を破り制圧。モロッコやチュニジアを支配したムラービト朝(スンナ派)がガーナやスーダンにイスラム教が伝わる。
・10-11世紀から、中東イスラム商人がダウ(大型帆船)に乗り紅海、インド洋を渡り交易を行い、それとともにソマリア、タンザニアなどアフリカ沿岸部、ゴアなどのインド西岸、ベンガル湾、マラッカ、スマトラ島などにイスラム教が伝わる。
・13世紀、多宗教を容認していたモンゴル帝国が中国に攻め入り、征服。その際、雲南省などの地域にもイスラム教(宗派不明)が伝わった。
・15世紀、明の武将でイスラム教徒だった鄭和の大航海によりマラッカ(交易王国=ヌガラ)を中心にイスラム教が広まる。

◆聖地
・622年、メッカで迫害を受けたムハンマドがメディナに移住(ヒジュラ)し、632年に没する。没後、メディナにムハンマドの霊廟(預言者のモスク)が建てられる。
・630年、ムハンマドがメッカを征服し、360体あった聖像のうち359体を破壊し、唯一残した黒石がカアバとなる。
・680年、カルバラー(イラク)でウマイヤ朝がシーア派を殲滅。カルバラーはシーア派の聖地となる。
・688年、ウマイヤ朝(スンナ派)がエルサレムに「岩のドーム」建立。


7点/10点満点


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2013/01/20

アクセスカウンター23万突破に感謝。

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トップに設置している忍者Toolsアクセスカウンターが23万を突破しました。
お読み下さっている皆様に感謝です。

2005年12月15日 ブログ始める
2006年11月23日 アクセス01万突破 (344日) 一日平均 29
2007年10月09日 アクセス02万突破 (321日) 一日平均 31
2008年06月21日 アクセス03万突破 (255日) 一日平均 39
2009年01月19日 アクセス04万突破 (212日) 一日平均 47
2009年05月28日 アクセス05万突破 (129日) 一日平均 77
2009年09月06日 アクセス06万突破 (101日) 一日平均 99→11月に世界一周開始
2010年01月06日 アクセス07万突破 (122日) 一日平均 82
2010年02月22日 アクセス08万突破 ( 47日) 一日平均212
2010年04月27日 アクセス09万突破 ( 65日) 一日平均154→5月末に世界一周終了
2010年07月01日 アクセス10万突破 ( 65日) 一日平均154
2010年09月02日 アクセス11万突破 ( 62日) 一日平均161
2010年11月21日 アクセス12万突破 ( 80日) 一日平均125
2011年02月01日 アクセス13万突破 ( 72日) 一日平均139
2011年04月26日 アクセス14万突破 ( 86日) 一日平均116
2011年07月08日 アクセス15万突破 ( 73日) 一日平均137
2011年09月07日 アクセス16万突破 ( 60日) 一日平均167→フィリピン留学記
2011年11月25日 アクセス17万突破 ( 80日) 一日平均125
2012年01月30日 アクセス18万突破 ( 66日) 一日平均152
2012年04月23日 アクセス19万突破 ( 83日) 一日平均120
2012年06月24日 アクセス20万突破 ( 62日) 一日平均161
2012年08月28日 アクセス21万突破 ( 65日) 一日平均154
2012年11月01日 アクセス22万突破 ( 65日) 一日平均154
2013年01月20日 アクセス23万突破 ( 81日) 一日平均123

※合計2594日で23万アクセス突破です。通算平均で一日88.7アクセスです。

※Twitterで知り合った人がGoogleAdSenseで月に1万円以上の稼ぎがあると言っていたので、どのくらいアクセス数があるのか聞いたら、1つのエントリーで4万アクセスくらいだそうです(当ブログは1年間で5万アクセスくらいです)。稼げるブログってのはアクセス数が多いんですね。

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2013/01/18

白石隆「海の帝国―アジアをどう考えるか」感想。
東南アジアの歴史。2013年01月10日読了。

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海の帝国―アジアをどう考えるか


2012年9月から大学の週1夜間スクーリングで、「地誌学特講・東南アジア成立の歴史」というのを休講を挟み10週間学んだのだが、その副読本に指定されていたのが本書。

私はまったく知らなかったのだが、「東南アジア」という言葉は、第二次世界大戦後の1949~50年になってから生まれた言葉なのだそうだ。

戦時中までこの地域は「中国とその周辺」という呼ばれ方をしていたが、1949年に中国が独立し、1950年に朝鮮戦争が勃発したため、「その周辺」を「中国」から切り離すために生まれた概念なのだそうだ。

但しこれはあとがきに出てくる話。

本編はシンガポールの創設者ラッフルズ(ラッフルズ・ホテルで名前は有名)が、14歳でイギリス東インド会社に入社し、マレー半島に赴任しマレー語を習得し、1811年当時、人口数百人の小さな漁村だったシンガポールをいかにして建国しようとしたのか。しかし実際はラッフルズの理想通りに進んだのか否か、、、

というところから始まり、東南アジアそのものの成り立ちとして、スペインやオランダが植民地化した16~18世紀、イギリスが支配した19世紀のインドネシア(マラッカ)史、シンガポール史、フィリピン史を中心に組み立てられている。

中国史の専門家、タイ史の専門家、ジャワ島の専門家、マラッカの専門家、ボルネオ島の専門家など、地域地域の専門家はたくさんいるが、東南アジアという広い範囲を俯瞰して研究するようになったのは、「東南アジア」という言葉ができた1950年以降のことなのだそうだ。




興味を惹いたエピソードを一つだけ。
(p57)
ビルマの初代首相ウ・ヌーはその自伝において、1984年のビルマ独立に際し、かれが首相として英国から継承した国家を自動車に喩える。
「はからずもわたしが首相となり、自動車の運転席に座ることになった。しかし、わたしには自動車の運転はこれがはじめてのことで、もうそれだけでも大変なのに、この自動車のなんたる有様か、タイヤはパンクしオイルは切れラジエーターは壊れている。しかも道路はおそろしく悪い」



とても役にたつ話がいっぱい載っている。



……のだが、この本、単独ではとても難しい。

私は大学で「地誌学特講」を3ヶ月かけて学んだので、まだ何とか理解できたが、東南アジア史をまったく囓っていない人には難しいと思う。

「2の2乗は4です」という説明が多いのである。
この文章、2乗の意味を知っていれば何の問題もなく理解できるが、

「2のlogは0.301である」
となると、さっぱり意味が分からなくなる。(底が10の対数が分かっていれば問題なく理解できる)

この本、後者のような書き方が多く、東南アジア史を囓っていないと「どういう意味なんだ?さっぱりわからん」となってしまうのである。

ちなみに私は2012年11月から読み始め、結局読んだだけだと理解できない部分が多々あり、「地誌学特講」の授業が終わってから改めて読み直した。(「地誌学特講」の試験日が1月11日だったので、レポートやりながら大慌てで読んだ)

ま、学術的な新書だから、このくらい難しくて当たり前だってことで。


7点(難しかったー)/10点満点


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2013/01/16

21世紀研究会編「イスラームの世界地図」感想。
イスラム概説。2013年01月07日読了。

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イスラームの世界地図

1月10日に大学のレポート締め切りがありまして、12月中旬から必死に取り組みまして、平均2000文字のレポートを8問も一気に片付けたのです。1月1日から1週間は酒も飲まずテレビも見ずに取り組んだのです(独り者は盆暮れ正月の遊び相手がいないんです)。

うち二つは人文地理学と自然地理学の学術論文の要約です。人文はまだしも、自然地理学の論文は基礎知識が足りなくてしんどかった。

論文要約とは別に、自分でテーマを取り上げる設題がありまして、イスラームを選びました。

で、本書は2002年に出版された本で、私が買ったのが2005年。ずーーっとほったらかしにしていた本だったのですが、ちょうど良い機会なので読みました。

ビンラディン率いるアルカイダ=イスラム原理主義ってなんぞや?
そもそもイスラーム教とはなんぞや?
スンナ派とシーア派とはなんぞや?
パレスチナ問題とはなんぞや?
なんでタリバンはアフガニスタンのバーミヤン遺跡を破壊したのか?


などなど、興味本位なネタもありますが、浅く広くイスラームの知識を得るには、かなりまとまった本ではないかと感じた次第です。

浅く広く書かれている本なので、イマイチよく分からないところも出てきまして、もともとイスラームを勉強するために買った以下の本も併読しました。

世界の歴史〈8〉イスラーム世界の興隆
世界の歴史〈15〉成熟のイスラ-ム社会
世界の歴史〈20〉近代イスラ-ムの挑戦
中村廣治郎「イスラム教入門」
小杉泰「イスラームとは何か」
桜井啓子「シーア派」

ちなみに中央公論社の「世界の歴史」シリーズは、単行本はカラー図版、文庫本はモノクロ図版。
でありながら古本で買うなら単行本の方が安いです。


で、他の本をつまみ読みした結果、本書はちょっと難解なイスラム関連書籍から、一般読者が興味を持つような構成で、かつ分かり易く書き直したような本だな、という感想です。

学術書じゃないから、これはこれでいいのかな。


8点/10点満点

中公文庫版「イスラーム世界の興隆」

単行本版「イスラーム世界の興隆」

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2013/01/10

東野真「緒方貞子-難民支援の現場から」感想。
人物伝。2012年12月28日読了。

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緒方貞子―難民支援の現場から

すみません、古本で買ってしまいました。

1990年から2000年までの約10年、第8代国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんの活動をまとめた本で、緒方さんのインタビューも多数掲載されています。

緒方貞子さんは515事件で暗殺された犬養毅のひ孫で、祖父は外交官、父も外交官、母は共同通信社元社長の従兄弟。

ネット上では、その血筋の良さから、「血筋で国連機関のトップになれたんだろう」という声も聞こえてくるが、国連関係の職員になるには最低限大学「院」修士課程卒で、博士号を持っていた方が有利。つまり超頭良い人が採用対象で、尚且つ契約期間が定められている契約社員状態でしか採用されない。そういう人達の中から超頭良くて尚且つマネジメント能力も問題解決能力も利害関係調整能力もある人だけが、国連機関の上層部に辿り着ける。

というようなことが以下の本などに記載されていた。

西水美恵子「国をつくるという仕事」2009年04月22日読了。10点満点

山本一巳・山形辰史編「国際協力の現場から」2007年06月20日読了。5点

山本敏晴編「世界と恋するおしごと」2006年07月12日読了。7点


というわけで、近年国際貢献に携わった日本人として、明石康氏と知名度一二を争う緒方貞子氏の足跡および考え方を記した本です。

国際貢献したい方は、読んで損のない本でしょう。


7点/10点満点


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2013/01/08

田村明子「知的な英語、好かれる英語」感想。
英語関連の新書。2012年12月25日読了。

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知的な英語、好かれる英語


今の私の英語レベルにピッタリはまった本だった。

文法がとにかくダメダメな私は、TOEICの点数を上げるよりも、「I have a good command of English」(私はテストの成績より、十分マシな実践英語を使えます的な意)を目指している。だから実践的なビジネス会話ができるよう、ビジネスの基本的な定型会話を丸暗記しようと日々繰り返し練習している。

そういう意味で、ビジネスで(も)使える英語の言い回しが多く載っていた本書は参考になった。


前回感想文からの続き。

「私はご飯を食べました」
という日本語の文章を日本語文法的に説明すると、

私=主語
は=助詞
ご飯=目的語
を=助詞
食べ=動詞
まし=助動詞
た=助動詞

である。「主語(S)+目的語(O)+動詞(V)」である。

英語は「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」であり、英語の語順のように
「私は食べましたご飯を」でも意味は通じるっちゃ通じる。

また、助詞や完了形や丁寧語を排除して、
「私、ご飯、食べる、た」
と言われても、日本語を習っている外国人が喋るのなら、まあ、意味は分かるよな。「食べる」か「食べた」か微妙だけど。

友達でもない外国人から日本語で「私、ご飯、食べる、た」と語りかけられても、まあ言いたいことは何となく分かる。

でも、友達ではない日本語を喋る外国人に対し、「食べる、た」はおかしな表現なので、「食べる」なのか「食べた」なのか、きちんと言おうね、と言葉の間違いを指摘する日本人はほとんどいない。(「食べたいの?食べたの?食べるの?どれを言いたいの?」と聞き返す人はいると思う)




と言うことと同じで、アメリカの大学に留学していて、ネイティブの英会話が出来る日本人が、必ずしも正しい英語を喋っているとは限らないのである。

以下は日本語で書いているけど、アメリカ人大学生の男同士の英会話だと想像してみよう。

「うぃーっす。元気してる-? 俺さぁ、昨日渋谷でマジかわいい女の子見つけちゃってさぁ、んでさぁ、ナンパしたんよ、そしたらさぁ、とりあえずーってことでメアドくれたんだ、マジ、ラッキー」
「超ラッキーじゃーん、んで、その後どっかしけ込んだの?」

アメリカの大学留学の日常生活でこんな会話ばかりしていた日本人が喋る英語は、「知的な英語」だろうか?

もちろん no である。

留学経験のある自称「ネイティブと会話が出来る日本人」がビジネスマンになり、ビジネスの取引現場で英語圏の人びとと上記のような学生ノリのバカ英会話を連発しても、取引相手のアメリカ人やイギリス人は別に咎めない。汚い英語を喋るなあ、こんな奴と取引したくないなあ、と思われるだけなのである。



友達でもない日本人が汚い英語を喋っていたとしても、「正しいビジネス英語を使おうね」と指摘してくれる親切なアメリカ人やイギリス人などいない。

と言うことが、本書が言わんとしていることのひとつである。

私の英語レベルにちょうどはまって面白かった。

※本書に出てくる英文は末尾に記します。(英語に興味のない人には、英語の例文を載っけても読む必要がないですから)


8点/10点満点

以下、本書に掲載されていて私の知識が増えて役にたったなあ、と思う英語の例文。

(1)マニュアル以上のことを「わざわざ~してくれる」を「go out of one's way」
 例文: She went out of her way to find seats for you.
 例訳:彼女はわざわざあなたのために席を探してくれた

(2)丁寧な言葉遣い
 例文1: You shouldn't go tomorrow.
 例文2: It's probably better not to go tomorrow.
 例文3: It may not be a good idea to go tomorrow.
 例訳1:明日は行くべきではない(打ち解けた人になら使っても構わない)
 例訳2:おそらく明日は行かない方が良い(丁寧)
 例訳3:明日行くのは、あまり良い案ではないかもしれない(冗長すぎるが、とても丁寧な言い方)

(3)日本語で言うところの「すみません」
 例文1: Excuse me.
 例文2: Sorry to bother you. or Sorry to bother you again.
 (相手が忙しそうなのに声をかける場合)

(4)英語があまり上手くない人が最初に言っておくと良い言葉
 例文: I'm sorry that my English limited. Please bear with me.
 例訳:私の英語は拙いので、どうかご辛抱下さい

などなど。興味が出た方は、本書をお読み下さい。

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2013/01/05

黒田龍之助「はじめての言語学」感想。
言語学入門書。2012年12月22日読了。

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はじめての言語学


本エントリーは渾身の感想文であります(書くのにかなり手間がかかった、ってだけですけど)


言語学というのはいかなる学問であるか。真面目に解説するととても面倒且つ理解されにくいので、分かり易く且つ誤解を恐れず簡単に書く。

というのが本書。

本書は、私が数年前に海外で日本語を教える先生に転身しようかなと漠然と思い立ち、そのために必要な日本語教育能力検定の資格を取ろうとしていた頃に買った本。だったような記憶が。

※横道に逸れる

英語を喋れる外国人が、日本で英会話スクールの講師になるのに特別な資格は必要なく、英語を喋れればそれでいい。講師の採用基準は講師のルックスと、安月給でも我慢できるかどうかに尽きる(と昔通っていたベルリッツの講師が言っていた)。英語は世界中で研究が進んでいる言語なので、どの国に行ってもきちんとした英会話の教材が充実しているからなのだそうだ。

(1/5追記:注:日本の小中学校で英語の先生をやっている外国人は、教員免許を持っているハズです)

対して、日本人が外国に行って日本語会話スクールの講師になるには、何らかの資格を持っていないと難しい。世界中、どの国でも日本語研究者は少ないから、日本語会話の教材が充実していないからなのだそうだ。

その資格である「日本語教育能力検定試験」というのはかなり難しく、例えば
「私はご飯を食べました」
という文章に対して、どれが主語でどれが動詞でどれが目的語で……ってのをきちんと分かっていないと受からない試験である。

私=主語
は=助詞
ご飯=目的語
を=助詞
食べ=動詞
まし=助動詞
た=助動詞

「食べました」は、「食べる」の下一段活用の丁寧語の完了形らしいです(違うかも)。

※Yahoo知恵袋からの引用
「食べる」(下一段活用の動詞) の連用形→「食べ」
「ます」(丁寧を表す助動詞) の連用形→「まし」
「た」(完了を表す助動詞) の終止形。
※Yahoo知恵袋からの引用終わり


連用形って古文だけの文法じゃないのか!

と思ったあなたは正解で、多くの日本人が日本語の文法を学ぶのは古文を読むために習うであると思いがちだが(というようなことが本書に書いてある)、日本語の古文を解読するために学んだ日本語文法は、古文の文法じゃなくて日本語文法そのものなのである。

兎にも角にも、日本語を真面目に文法で説明するのは難しい、こんなことを他人に教えられるレベルに達するにはどれだけ勉強しなきゃならないんだ……ってことで、日本語教育能力検定の資格を取るのは諦めました。

それはさておき、先ほどの例文に関し、主「語」と目的「語」と動「詞」と助動「詞」を一緒くたにするなよ、などと文句を言わないように。

※本書の感想に戻る

で、本書に記載されている話。


つまり日本語は「主語(S)+目的語(O)+動詞(V)」という組み合わせが標準形になる言葉である。
 私=主語
 ご飯=目的語
 食べ=動詞
もちろん例外はある。「私は食べましたご飯を」でも意味は通じるっちゃ通じる。

ちなみに英語は「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」であり、
アラビア語やヘブライ語、アイルランド語は「動詞(V)+主語(S)+目的語(O)」である。


ま、そんなこんなで分析していくと、言語学というのは難しい。

何が難しいかというと、言語学というのは文法を学ぶ学問ではないからなのである。文法を研究する学問は文法学である。言語学じゃないのである。(じゃあ何で日本語の文法の話をつらつら書いたのかというと、次回読書感想文に続くからなのである)

言語学とは、その言葉が、どのような音を発し、どのように意思疎通をしているかを研究する学問なのである(たぶん)

なので、音を分析する学問を、文字で表現するのは極めて難しいのである。


というわけで、例。



◆コサ語
舌打ちをするとき「チッ」という音を口から出る。まあ普通の人なら誰でも一度は舌打ちしたことがあると思うが、これを舌打音(吸着音の一種らしい)という。

のどの奥にある声門というところを開け閉めして出す放出音というのがあるらしい。「ぐえっ」とか「ぽこん」という音になるらしい(本書にそう書いてある)

この舌打音と放出音を両方(下のビデオでは clicking sounds と言っている)使う言葉が、南アフリカの公用語のひとつであるコサ語。この言葉を喋る人数(話者)は約790万人!ですって。

下の動画の1:27頃から、コサ語独特の喋り方例が出てきます。(英語とちゃんぽんなので、英語との境目が分かりづらいかも、ですが)

チッチやらチュッチュやらカックッコと鳴らしてますが、これは苛々して舌打ちしてるんじゃなくて、コサ語の発音なんですって。



◆中国語
中国語は音の上げ下げで、同じ音でも意味が異なってくる。それを声調といい、中国の場合は4種類あるので四声という。

中国語練習の有名な早口言葉で、
妈妈骑马,马慢,妈妈骂马
日本語訳:
お母さんが馬に乗る。馬が遅くて、お母さんは馬を罵る

と言うのがあり、この発音は、
mā ma qí mǎ mǎ màn mā ma mà mǎ

マーマチーマー マーマン マーママーマーと、言っているのは全部「マー」なんだけど、
母の妈はmā
馬の马はmǎ (ǎは正しく表示できていないかも。下のビデオを見て下さい)
罵るの骂はmà

となる。

下の動画の0:15頃から、マーマチーマーの中国語が出てきます。(ポルトガル語とのちゃんぽんなので分かりづらいかも、ですが)

ちなみに中国語を勉強する場合は、四声の前に拼音(ピンイン)=要するに中国語の「あいうえお」を勉強しないと、中国語をマスターするのは無理らしいです。

日本語は、あかさたな、がぎぐげご、ぎゃぎゅぎょ、などを全部区別しても110音くらいしか存在しないのに対し、中国語は拼音だけで400音以上あり、更に四声が加わります。



◆ベトナム語
ベトナム語の声調は、四声じゃなくて六声あるらしく、中国語より難しいとか。
六声のイントネーションは参考リンクの図をご覧あれ:「ふむふむベトナム」

下のビデオは「ベトナム語練習 旅行につかえるベトナム語」
このビデオだと今ひとつベトナム語の難しさが伝わらないけど、ビデオのベトナム文字に六声の発音記号が書かれているので、ご参考に。






ね、難しいでしょ。

コサ語なんて、「チッチッぺらぺらチュッチュぺらぺらカックッコッぺらぺら」と舌打ちが言語なんですよ。

そんなこんなで分析していくと、フランス語とイタリア語とスペイン語とルーマニア語には何となく共通点があることを見つけた学者がいて、辿っていくとインドの古代語であるサンスクリット語が起源であることが分かった。こういうことを見つける学問を比較言語学という。らしい。

その分析結果によると、インドのベンガル語と英語は親戚であり、
英語は「インド・ヨーロッパ語族/ゲルマン語派/西ゲルマン語群」
ベンガル語は「インド・ヨーロッパ語族/インド・イラン語派/インド語群」
なんですって。


2012年の秋、私は大学スクーリングで「地誌学特講・東南アジアの起源」について学んでいて、インドネシア語は「オーストロネシア語/インドネシア語派」という話を聞いて、

む!

と思って、ほったらかしにしていた本書を手に取ったので御座います。


というわけで(どんなわけだ)、言語学に興味を持った人は本書を読むとよろしいと思われるのであります。


8点/10点満点


ちなみにコサ語の言語学的言語系統はwikipediaによると、

ニジェール・コンゴ語族
 大西洋コンゴ語派
  ベヌエ・コンゴ語群
   バントイド諸語
    南部バントイド諸語
     バントゥー語群
      中央バントゥー語群
       ングニ諸語
        コサ語

だそうだ。


コサ語の類似語(?)にサンダウェ語(リンク先は英語)というのがあって、以下のような言葉。タンザニアのドドマに住む約4万人のサンダウェ族が使っているらしい。
コサ語に負けず劣らず、チュッチュカッコチッチ言ってますな。


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2013/01/03

大原ケイ「ルポ 電子書籍大国アメリカ」感想。
ルポ。2012年12月20日読了。

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ルポ 電子書籍大国アメリカ

「Books and the City 本とマンハッタン」というブログがありまして、私は好きで更新があるとすぐ読みます。

そのブログ主が大原ケイ氏で、日本とアメリカで育ったバイリンガル、何故か講談社アメリカで働くことになったけど、講談社アメリカは弱小出版社でした、それからランダムハウス(つい先日2012年12月17日に日本法人は破産した)に勤務し、現在は日本の本をアメリカの出版社に紹介するエージェントのようなことをやられている方。

アメリカの著作権動向に関心がある私は、大原氏のブログが楽しみなのである。(私はドラマやアニメを作ったり輸出したりする会社で法務をやっていましたので)

アメリカの書籍業界は日本と全く違う部分が多々あり、
・再販制度がない
 →小売価格は書店が決めて良い
・著者に専属エージェントが付き、エージェントが出版社と交渉する
 →出版権だけじゃなく、映画化したら分配金はどうなるのだ、等々の二次利用についてもエージェントが著者の代わりに交渉してくれるから心強い。
・売れる作家には、前払い印税(アドバンス)が支払われる
 →ハリーポッターのJKローリングが新作書く前に××出版社と数十億円の契約をした!みたいな話。日本の出版印税は、印刷時に印刷部数分だけ支払われる。


ブログで大原氏が、「私が書いた本」として紹介していたのが本書。

2010年9月に出た本なので、内容はちょっと古い。コボが楽天に買収される前の話である。

それは仕方ないとして。


ブログの方が面白いし完成度が高いかな。


4点/10点満点

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2013/01/01

石井光太「戦場の都市伝説」感想。
2012年12月19日読了。

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戦場の都市伝説

新年明けましておめでとうございます。


◆内容(紀伊國屋Bookwebより)
常に狂気に包まれた戦地や紛争地帯では、多くの都市伝説や怪談が生まれる。
ウガンダ・ビクトリア湖の「死体を食べて大きくなった巨大魚」、パレスチナの「白い服を着た不死身の自爆テロ男」、カンボジアの「腹を切り裂こうとする幽霊」、ナチス・ドイツの「ユダヤ人の脂肪でつくった人間石鹸」―。
これらの噂話が妙に生々しいのには理由がある。
その裏側には、往々にして、軍や政府、ゲリラ組織が隠蔽した「不都合な真実」があるからだ。
海外取材経験豊かな気鋭のノンフィクションライターが「都市伝説」から解き明かす、人間の心の闇と、戦争のリアル。

第1章 人間の残酷さ(ビクトリア湖の巨大魚―ウガンダ内戦;消えたユダヤ人―アメリカ同時多発テロ事件 ほか)
第2章 死者の訴え(ナチスの石鹸―ホロコースト;ヒットラー生存説 ほか)
第3章 食う者、食われる者(お守りはどこ?―コンゴ内戦;はらわたの髪―食糧戦争 ほか)
第4章 戦争と処刑(高額な出稼ぎ労働―湾岸戦争;ねえ、遊ぼうよ―シエラレオネ内戦 ほか)
第5章 日本軍の暗部(せき止められた大河―南京大虐殺;少年たちの斑点―七三一部隊 ほか)


◆感想

基本的な構成は、「戦場で広まっている噂話(都市伝説)」を紹介したあと、何故そのような噂話が広まったのかその背景を石井光太が解説するスタイルになっている。

内容は上記に書かれているような話が盛りだくさん。

噂話(都市伝説)の部分は読み物としてまあまあ面白かったが、アフリカ内戦のルポなどを読んでいる私にしてみたら、解説部分に目新しさは感じなかった。


5点/10点満点

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