« 田中真知「アフリカ旅物語 北東部編」感想。
紀行文。2013年01月24日読了。
| トップページ | 黒田龍之助「その他の外国語」感想。
エッセイ。2013年01月27日読了。 »

2013/02/09

田中真知「アフリカ旅物語 中南部編」感想。
紀行文。2013年01月26日読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

アフリカ旅物語 中南部編

続いて中南部編。

著者(男性です)は、奥さんとハネムーンでスーダンに行った。その後、コンゴ川の川下りに挑戦した。ハネムーンで。それが1991年。それが本書に載っている。

現コンゴを流れるコンゴ川(ザイール川)。

アマゾン川に次ぐ、世界第2位の流域面積を誇る大河である。流域面積ではナイル川より巨大なのだ。
長さはおおよそ4700kmで、世界8番目くらいである。(1位から順に、ナイル川、アマゾン川、長江、ミシシッピ川、エニセイ川、オビ川、黄河、コンゴ川)

このコンゴ川の中流に、キサンガニという街がある。

大きな地図で見る

この街は、ルワンダ虐殺→虐殺された方が政権を奪取、虐殺した方がコンゴにに逃げる→コンゴの住民と揉める→コンゴを舞台とした内戦勃発→ルワンダやその他国家も参戦してアフリカ大戦に発展、した舞台となった街であり、今は近づくのも難しい街である(別に行こうと思えば行けるけど、身ぐるみ剥がされる可能性が高い)。

著者と奥さんは、ケニアからウガンダを経て、ナイロビから3週間かかって陸路でキサンガニに到着した。キサンガニで14日待って、オナトラ船(Google検索で引っかかる写真)に乗り込んだ。

世界有数の不思議な客船オナトラ船は、コンゴの首都キンシャサからキサンガニまで、1700キロの航路を片道約2ヶ月かけて往復する定期船。

船の中は客が住み着いており、川沿いの村々から商人が丸木舟でオナトラ船に乗り込み、いろいろなものを商売する。猿の丸焼きだったり(コンゴでは猿を食う)、生きた豚や羊だったり(肉にして持ち込むとすぐ腐るから生きたまま乗せて食うとき船上で解体する)、得体の知れない何かだったり。村々の商人は食い物を持ってきて現金を得る。その現金を船上で売っている衣類や石けんや薬やその他生活必需品を買う。インフレが激しいので、現金をいつまでも持っていてもしょうがないから、現金化を得たらすぐに使ってしまうのだ。

著者夫婦はオナトラ船に乗った。2等のチケットを持っていた。キャビン・食事付きだったが、キャビンは見知らぬコンゴ人に占領され、食事は、食事争奪戦に負けて一回も食べられなかった。まるでスラム船だった。そんな船に2泊3日乗り、ブンバという町で下船し、丸木舟を買い求め、コンゴ川の川下りに出た。

川下りの最中に、雲が出てきたと思ったら10分ですさまじいスコールに見舞われた。いろいろ酷い目に遭いながら試行錯誤して、午後3時くらいに双眼鏡で村探しをはじめ、夕方になる前に陸地に上がり、村の人びとの許可を取ってテントを張り、飯を作って寝る。というパターンを確立した。

川沿いの村々は、5~6軒の小さな集落もあれば100人以上すんでいる集落もあった。(上記のように毎日どこかの村に寄り、テントを張っていたことから、コンゴ川沿いには無数の集落が存在するのだろう)

著者夫婦が村々に行くと、たくさん物を持っている先進国(東洋人をあまり見たことがないコンゴの人から見ると、日本人は白人に見えるらしい)の人は薬を持っていると思われ、薬をくれと言われる。5歳くらいの女の子の右足が腫れて2倍くらいになっている。どうにもできないが、親が薬をくれと言ってくる。気休め程度にメンソレータムを塗る。たぶんこの女の子は死んでしまうだろう。熱帯雨林の厳しい自然環境で暮らすと言うことは、その暮らしに打ち克てた者だけが大人になることを許されるのだろう。と著者は書く。

著者夫婦も、数百ヶ所も蚊に食われ、奥さんはマラリアに罹った。丸木舟の上で。川下りの途中で。

何度も夫婦喧嘩をしたけど、逃げ場がない。コンゴ川の川下りの途中だから。

そして夫婦は、25日かけて、ンバンダカという町に着いた。そこにはオナトラ船が停泊していた。丸木舟でコンゴ川を25日も下ってきたら、オナトラ船が神々しいノアの方舟に見えた。


他、マダガスカルで、地元の動植物についてものすごく博学な知識を持つ少年、しかもフランス語を喋る少年と出会った話、
ボツワナのオカバンゴデルタの水が、政策の失敗が原因で減っている話、
ボツワナのピグミーが森を追い出され、狩猟生活をやめ、惨めな状態に陥っている話、
ナミビアも黒人隔離政策がとられていて、イギリス人旅行者は黒人の生活には見向きもしなかった話、
ヨハネスブルクのスラム街=ソウェトを観光した話。
などが載っている。


コンゴ川を丸木舟で下る。大学の探検部部員じゃなきゃやらないような苛酷な旅。それをハネムーン旅行でやってしまう、そしてやり遂げてしまう著者夫婦。

すごいな。


8点/10点満点


|

« 田中真知「アフリカ旅物語 北東部編」感想。
紀行文。2013年01月24日読了。
| トップページ | 黒田龍之助「その他の外国語」感想。
エッセイ。2013年01月27日読了。 »

■アフリカ」カテゴリの記事

◇エッセイ・紀行文」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43036/56555714

この記事へのトラックバック一覧です: 田中真知「アフリカ旅物語 中南部編」感想。
紀行文。2013年01月26日読了。
:

« 田中真知「アフリカ旅物語 北東部編」感想。
紀行文。2013年01月24日読了。
| トップページ | 黒田龍之助「その他の外国語」感想。
エッセイ。2013年01月27日読了。 »