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2013/03/02

ボストンコンサルティンググループ/水越豊監修・中山宥訳「新興国発 超優良企業」感想。
新興国企業解説書。2013年02月23日読了。

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新興国発超優良企業

先に読んだ「中国貧困絶望工場」は、中国人労働者の側から見た中国の状況を、フィナンシャルタイムズ記者が書いた本。

で、今回読んだ「新興国発 超優良企業」は、経営者や投資家の視点から見た新興国の企業隆盛を、超有名なコンサル会社ボストンコンサルティンググループ(BCG)の現役社員3人が書いた本。

視点が異なると、ここまで書かれる内容が違うのか、という意味で、連続で読むと好対照だった。

ちなみに本書の著者は、
ハロルド・L・サーキン/BCGシカゴ シニアパートナー&マネージングディレクター
ジェームズ・W・ヘマリング/BCGサンフランシスコ シニアパートナー&マネージングディレクター
アリンダム・K・バッタチャヤ/BCGニューデリー パートナー&マネージングディレクター
皆さん、超エグゼクティブですな(たぶん)


原書も訳書も2008年に出版されているが、リーマンショックの前である。

リーマンショックの前というのは、BRICsを筆頭に、株式市場で新興国の存在感が大きくなってきたことを、一般投資家も認識し始めた頃で、私もその頃タイ株や中国株やロシア株の現物に加え、マカオやエジプトやアフリカ関連株の投信を買っていた。結果はリーマンショックで全ての外国株&投信が涙目になるくらい下落したが。

というわけで、BRICs株を仕入れて儲けるために買った本だったのだが、リーマンショックによる海外株価下落が、本書をt\よんで新しい銘柄を仕入れるどころじゃないくらい下落したので、放置していた本である。


というわけで、本書で紹介されている企業を紹介する。

◆中国のモーターメーカー「ジョンソン エレクトリック
おもちゃ用のモーターから事業を始めたこの会社は、ヘアドライヤーやHDD用モーターなど、どんどん事業を拡大している。この文章を書いている2013年3月現在、日本人ビジネスマンがモーターと聞いて思い出すのは、マブチモーターや日本電産だろうが、世界的にはジョンソンエレクトリックの存在感はすごい。

◆トルコの人口5万人の小さな街トゥズラは、造船業の街
1980年代の末に、ヨーロッパの企業向けに安いアルミ製の「裸船体」を作り始めたトゥズラの起業家は、造船職人をいろんな国から集め、トルコ人技術者を育て、わずか10年で街の人口を15万人、造船業に携わる人を3万人もいる町に発展させた。

◆小型ジェット機のメーカー、世界第4位の飛行機メーカーはブラジルの「エンブラエル
国営企業で、1990年に一度倒産しかかったエンブラエルは、企業再生にあたりブラジル人エンジニアを育てるべく、自前で大学を作り、卒業生を優先的に採用する。気付けば世界第4位の飛行機メーカーになっていた(ボーイングとエアバスが首位争い、カナダのボンバルディアとエンブラエルが3位争い)。


みたいな話がてんこ盛りで、本書に書かれている企業の多くは、今は更にパワーアップして世界中を席巻している。ファーウェイとか、ZTEとか。


トヨタや日産やホンダが、アメリカ市場を圧倒するのに何年かかったか思い出せ。

ジャップの作る車なんてアメリカで通用するわけ無い! と高をくくっていたら、石油ショックを契機に燃費の良い日本車があっという間にアメリカを席巻したではないか。

そしてフォードもクライスラーもゼネラルモータースも、あっという間に危機に陥ったではないか。

今の中国企業を「パクリだろ」とバカにしていると、
今のトルコ企業を「イスラムだろ」とバカにしていると、
今のブラジル企業を「ラテン民族だろ」とバカにしていると、

信じられない勢いで市場を席巻されてしまうかも知れないぞ。


なぜ新興国がパワーを持っているのか、その理由が分かった気になる、良い解説がたくさん載っている。


良書。


8点/10点満点


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