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2013/04/05

沼沢均「神よ、アフリカに祝福を」感想。
共同通信記者の取材エッセイ。2013年03月28日読了。

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神よ、アフリカに祝福を

田中真知「アフリカ旅物語」で、本書の著者 沼沢均氏のことが書かれていた。(たぶん、うろ覚え)


著者は1958年生まれ、82年に共同通信に入社し、記者に。90年から外信部。90年8月に起きた湾岸戦争を取材。92年からナイロビ支局長。1994年12月、ルワンダ難民取材でゴマへ向かうチャーター機で向かう途中、墜落事故死した。

本書は、1995年に出版された著者の遺稿集。記者仲間が、発表済みの原稿や未発表(ボツになった)の原稿などを集め、著者ならこういうまとめ方をするであろうと想像し、まとめられた本。ケニア、ソマリア、ルワンダなどの危険地域に踏み込んでの取材で、悲惨な現実にも目をそむけずに綴った、一人の記者の記録。

モザンビーク内戦を取材し、政府側も反乱軍側も、なにも食べる物がなくなった大飢饉で内戦が終結したと記されている。

ソマリアが混乱に陥り、首都を制圧した雑多な反乱軍vs国連平和維持軍になった際、国連平和維持軍のパキスタン兵がソマリア市民を無差別射殺した現場を見ていた。国連安保理は,パキスタン兵士側の証言のみ採用、ソマリアの一般市民は置き去りになった。

※パキスタンやバングラデシュ、ネパール、インドなどの国軍は、外貨を稼ぐために,積極的に国連平和維持軍や多国籍軍に参加する。

ルワンダ内戦の取材では、ツチ族(少数派・虐殺された側)対フツ族(多数派・虐殺した側),双方の言い分を聞き、民主主義的な公正な選挙が大虐殺に至った一因であると書いている。ツチ族が「いずれ選挙が行われる。そうすると数でまさるフツ族が勝つ。数が問題なのだ。敵の数を減らせば選挙に負けない」。しかしツチ族は、逆にフツ族に大虐殺された。

※しかし、フツ族の間隙を縫ってツチ族反乱軍は首都を奪還した。そのツチ族反乱軍のリーダーが、現大統領ポール・カガメ。


まだインターネットが普及する前の時代の通信社記者だから、命の危険はあるが、取材にはそれなりの金をかけられた。今だと、ここまでの取材費は出ないような気がする。


通信社にとってと手もいい時代に記者人生を送った著者の、記者としての冷徹な視点と、人間としての温かみある視点と、記者でありながらまだまだ知らないことがたくさんあることへの苛立ちと、それらすべてが混ざった素晴らしい本。

9点/10点満点


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