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2013/05/06

中村和恵編「世界中のアフリカへ行こう」感想。
アフリカの文化ガイド。2013年04月25日読了。

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世界中のアフリカへ行こう―「旅する文化」のガイドブック

2009年に出版され、タイトルだけで即買いした本。今まで積ん読でした。


世界中にアフリカ文化が広まっています。それを紹介しましょう。
というテーマで書かれた、8人の学者による9つの話。


個々の話は興味深い物もあるが、内容が学術的すぎる。地誌学の学術論文を読んでいるのかと戸惑うくらい、学術的である。

学術的でやや読みづらいだけで、内容は悪くないのだが、1冊の本としてまとまりがなさ過ぎる。

・アフリカの呪術は、カリブ海にもありますよ
  (中村和恵・明治大学准教授)
・南アフリカの詩人、作家の話
  (くぼたのぞみ・アフリカ文学翻訳者)
・ケニアの成年式(儀式)の話
  (小馬徹・神奈川大学教授)
・コンゴはどうして貧しいか、を在日コンゴ人教授が語る
  (ムンシ・ヴァンジラ・ロジェ ・南山大学講師)
・南北アメリカ大陸からアフリカに渡った食物(トウモロコシなど)の話
  (旦敬介・明治大学准教授)
・カリブ海にはアフリカンミュージックが根付いています
  (鈴木慎一郎・関西学院大学教授)
・アフリカの強烈な腰振りダンスは、世界中に根付いています
  (岡崎彰・一橋大学教授)
・アフリカから移住した人びとが書いた小説がヨーロッパで認められてきました
  (中村和恵・明治大学准教授)
・ヒップホップとアフリカと文学について
  (管敬次郎・明治大学教授)


音楽とダンスと文学とカリブ海ばかりの印象を受ける。(数千万人のアフリカ人が南北アメリカ大陸に奴隷として連れて行かれたんだから、文化的に結びつきが深いのはしょうがないのだが)


コンゴの話とトウモロコシの話は、個人的にたいへん興味深かった。
以下、注目ポイント。

コンゴ(旧ザイール)の話で、
・コンゴの公用語はフフランス語、国民語はキコンゴ語、リンガラ語、スワヒリ語、チルバ語。他に200以上の言葉が存在する。学校での言葉の教育は、幼稚園と小学校で県の言葉(著者の場合はサカタ語?)を学び、同時にフランス語を習う。中学ではフランス語と英語を学び、高校以降はフランス語のみとなる。4つの国民語は、高校大学で選択できる。

・ルワンダとの関係性をコンゴ人の視点で書いた部分では、かなり厳しいルワンダ批判が展開される。曰く、ダイヤモンドを産出しないルワンダでダイヤモンドが取引されているのは、コンゴは侵略され資源を搾取されているから、等々。

・コンゴを含めたアフリカの教育システムは、旧宗主国が被支配民を支配するために作られている。例えばコンゴの教育システムは、ベルギーを元にしている。自国の歴史を教え、創造的に物を考えるように改めなければならない。


アフリカに渡った食物の話では、
・マニオク(キャッサバ(芋)の一種)は、アメリカ大陸原産。ブラジルやコロンビアなどでも食べられている。毒性のあるキャッサバの方が、害虫の被害に遭いにくいので、好んで栽培されている。

・マニオクがアフリカに渡ったのは16世紀の頃、ポルトガル人が持ち込んだという説が有力。そこから現在では、コンゴとナイジェリアだけで世界のマニオク生産量の25%を占めるようになった。

・トウモロコシも、16世紀にアメリカ大陸からアフリカに持ち込まれた。トウモロコシは、栽培家庭のいろんな段階で食べることができるので、アフリカには適していた。(芽が出た段階はヤングコーン、熟す前は日本人が主に食べる状態、完熟して堅くなったらポップコーンになったり粉にして小麦粉っぽく使える)

・アフリカの各地で食されているウガリは、完熟し乾燥させたトウモロコシの細粒が原料。これを、2倍の量のお湯に溶かし、捏ねて、10分蒸らせば完成。お湯に溶かすだけで煮込む必要がない。燃料費の節約にもなるので、アフリカの多くの地域でウガリが食されている。


なるほどなあ。


でも、本としての完成度が低すぎるので、辛口採点。


3点/10点満点


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