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2013/05/26

勝俣誠「新・現代アフリカ入門」感想・
いわゆる新書。2013年05月18日読了。

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新・現代アフリカ入門――人々が変える大陸

著者は1946年生まれで、早稲田→パリ大一大学の博士課程を出た開発経済学博士で、セネガルのダカール大学やカナダのモントリオール大学などの勤務を経て、現在、明治学院大学国際平和研究所所長兼国際学部教授。

2007年に勝俣誠「アフリカは本当に貧しいのか」を読んでいるが、その時と肩書きは変わらない。


さて本書。アフリカ入門書という位置づけなのだが、額面通りに受け取ってはいけない。

本書はアフリカの諸問題を先進諸国が多く集まる「北半球」と、貧国の多い「南半球」の、いわゆる「南北問題」に収斂させようと狙って書かれているのだが、そこまで単純化するのはどうなのかと思う。(本書のamazonレビューに星1つが付いていて、そのレビュアーも同じようなことを書いている)

のっけから本書のマイナス面を書いてしまったが、ある程度アフリカの政治問題に関心がある人なら、興味深い話がたくさん出てくる。


P31
1951年のリビア独立(イタリア領地→英仏共同統治)から始まり、1956年にスーダンがイギリスから独立、以降、モロッコ、チュニジア、ガーナ、ギニアと続き、1960年は実に17カ国も独立し「アフリカの年」と呼ばれているくらいである。

それらの国は独裁者が政権を握っていても、米ソのどちらかが独裁者一人をコントロールすれば国全体をコントロールできることから、米ソのあやつり人形として黙認されてきた。しかし、東西冷戦の終結とともに、「南」側諸国≒国連はアフリカ諸国に民主化を求めだした。

アフリカ諸国は仕方なく複数政党を認めたり、監視付きの選挙を実施するようになった。

しかしこれは、選挙の候補者が「国の発展のために何かをしたい」という具体策があるわけではなく、争点無き選挙だった。争点無き選挙は、「俺に投票した奴だけ得するよ」的な選挙運動が展開され、子分たちは親分を当選させるために頑張る。

結果として内戦にまで発展したケースが幾つもある。(2007年の「ケニア危機」など)


P197
セネガルは、1980年から2002年まで世界銀行の融資を受けていた。この間の年間経済成長率は2.7%だった。しかし、人口増加率が3%だったので、実質的なマイナス成長だった。(そういう考え方が成り立つのか。へえーっ。という感じ)


P243
カメルーンが1960年に独立した際、「カメルーン人民同盟(UPC)」というナショナリスト運動があり、その運動を支持していた村々は、フランス軍からナパーム弾を喰らって破壊された。フランス庇護下で発足した新政権は、UPC狩りを行って、UPC指導者を次々と殺していった。


いろんな点で、アフリカに関する新しい知識を得た。欠点も多々感じたけど、全体的にはとても良い印象で読み終えることが出来た。


※2013/6/3 追記
この本を読んで何が驚いたかというと、ジンバブウェのムガベ大統領は、黒人国民に対する人気取り政策で白人の土地を強制収容して、結果として農業が壊滅状態に陥ったのだが(ジンバブウェはイギリスの白人移住者が大地主で、西洋の先進的農業ノウハウを持っていた)、そのムガベが長期政権を築いていることについて(1987年から2013年の今に至るまでずっと大統領)、国民の支持がゼロだったら、暴力で支配する独裁者であってもここまで長持ちはしない、ましてやジンバブウェは西洋から経済制裁を加えられているのだから、黒人国民がその政策に不満を持っていたら、どこかで爆発したはずだ。つまり、ムガベは西洋のマスコミが思っている以上に、ジンバブウェの黒人国民に人気があるらしい。ちなみにムガベは、白人(=イギリス)から独立を勝ち取った闘志でもある。
※追記終わり


9点/10点満点

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