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2013/08/08

月村太郎「民族紛争」感想。
いわゆる新書。2013年07月24日読了。

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民族紛争

民族紛争とはいったい何であるか?
なぜ発生するのか?
なぜ過激化するのか?
どうやって収束するのか?

を、
・スリランカ(シンハラ人の政府vs独立を望むタミル人の反政府組織「タミルイーラム解放の虎」の泥沼の戦い)

・クロアチアとボスニア(クロアチアに住むセルビア人vsクロアチア人、ボスニアに住むセルビア人vsボスニア人vsボスニアに住むクロアチア人)

・ルワンダ(多数派で支配側で農耕民族のフツ族が、少数派で元支配側で狩猟民族のツチ族を一方的に虐殺。ところがフツ族の隙を突いてツチ族が首都奪還。現在のルワンダ大統領カガメはツチ族のゲリラ闘士)

ナゴルノカラバフ(アゼルバイジャンにあるアルメニア人地区が独立宣言して始まったアゼルバイジャンvsアルメニアの戦争)

・キプロス(多数派ギリシャ系と少数派トルコ系の争いでギリシャ系政府が軍事クーデター、それを口実にトルコが全面介入)

・コソヴォ(セルビアの自治区であったコソヴォの独立闘争、といえば聞こえは良いがコソヴォはアルバニア系が多く、アルバニアの政府ぐるみのネズミ講で国民が破綻したことのはけ口としてセルビアからの独立急進派が政権を握り、NATOを味方に付けセルビアを空爆させて、コソヴォの勝利)

という6つの事例について、それぞれの概略を20~40ページで紹介し、

その上で、なぜ民族紛争が発生するのか、なぜ防げないのか、どうやって激化していくのか、について考察している。


私はこういう系統の揉め事に関して興味があり、上記6つの事例はすべて何らかの本で読んでいる。なので、本書で書かれている事例に新鮮味はさほど感じなかったし、事例紹介に割くページ数が少ないため、どれもこれも中途半端な印象を受けてしまった。

とはいえ、これは私が趣味でこういう系統の本を読んでいるから知っていることなのであり、一般の人が読む新書と考えたら十分な内容なのかもしれない。

私個人的には、ルワンダ虐殺の際、ベルギー軍があっという間にいなくなり、いつの間にかフランス軍がいたのが不思議だったが、フツ族のハビャリマナ政権を維持するためにフランスが派兵していたらしい(p84)

とか、キプロスでギリシャ系の軍事クーデターが失敗することがほぼ明らかになった頃、アメリカはギリシャを見捨ててトルコに乗り換えた(p141)

セルビアの大統領で民族虐殺の指導者と言われているミロシェビッチは、チトー統治時代からのユーゴスラビアのエリートで、セルビア民族主義とは距離を取っていたが、セルビア人の前で演説した内容が大受けしたので路線変更した(p159)

など、知らないこと(忘れただけかも)も書かれていたので、まあまあ満足した。


7点/10点満点


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