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2013/11/08

小牧利寿「ゴム時間共和国インドネシア」感想。
インドネシア特派員のエッセイ。2013年10月24日読了。

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ゴム時間共和国インドネシア

2004年に出版された本。2005年頃に買った。

この頃、私は無趣味で、株に投資することとスターウォーズのフィギュアを集めるくらいしか金を使わず、また将来の展望も持っていなかったので、年間50万円くらい本を買っていた。結果的に読もうが読むまいが、「これ読んでみたい」と思った本は何でも買っていた。本書も、何かの書評で見て面白そうだと思って買った本。

いま私は貧困層の仲間入りをし、本を買う金を捻出するのも一苦労。なので、10年近く前に買ってほったらかしだった本を次から次へと読んでいる。まあいいや。


本書は、日本経済新聞社の記者で、1987年から93年まで6年間でジャカルタ支局長を務め、以降も毎年数回インドネシアを訪れている著者が書いた、素のインドネシアである。

新聞記者の書く本は、それまでの取材経験を元に書いているため、過去の取材経験が残念な人は、残念なバイアスがかかった本を書いてしまうことが間々ある。

本書はどんなもんだろか?とちょっとだけ懐疑的な視点で読んだけど、予想を大幅に良い方向で上回る、良書だった。


2004年までのインドネシアなので、2013年、経済発展著しいと言われているインドネシア情勢とはちょっと違うだろう。(私は30カ国に行ったことがあるけど、インドネシアはまだ行っていない)

けど、2004年までのインドネシアが、実にいきいきと描かれている。

新聞記者という立場で、高い所からのぞき見るインドネシアではなく、地に足をつけて、地道に取材し、現地スタッフと仲よくなり、生の、素のインドネシアを体験した人だから書けるような内容になっている。

文章も軽快で、読みやすく、かといって軽くもなく、実に良い。amazonレビューは2件だけだけど、2件とも満点である。その評価も頷ける。

以下、興味深かったこと抜粋。
・インドネシア人はイスラム教徒だけど、闘鶏などの賭け事が大好きだ。(イスラム教は賭博禁止)

・初代のスカルノ大統領、2代目スハルト大統領、その次の3代目ハビビ大統領。ハビビ大統領は、ドイツの名門航空機会社めっさーシュミット社の副社長を務めた先端的な技術者である

インドネシアの上級官僚って、ホントにすごい経歴の持ち主が多いんだよなあ。サウジの官僚もすごいけど。

・1975年、ポルトガル領の東ティモールをインドネシアが強制的に武力併合した。これは東ティモールの共産化を恐れたアメリカの後押しがあったから。東西冷戦終結後の1990年代になると、アメリカは態度を一変させた。

・死者を祀る49日の法要。これは、仏教だけのしきたりではなく、イスラム教徒も同じである。(イスラム教全体が49日を祀るのか、仏教の影響が色濃く残るインドネシアのイスラム教徒に限った話なのか、ちょっと分からない)

・インドネシアのイスラム教団体は、テロ行動を行うイスラム過激派について、「イスラムの教義に反する」と明確なメッセージを出している。そりゃそうだ、普通のイスラム教徒は平和を望んでいる。

・インドネシアは18,000以上の島々で構成されている国である。18,000のすごさというのは、毎日1個の島に行ったとして、すべての島を回りきりのに約50年かかるということである。

この島々の隅々にまで政府の通達を届けようとすると、(インターネットが普及する前の2004年当時は)ファックスや電話など様々な手段を講じて、3ヶ月要するのが普通。これを後進国と言ってはいかん。18,000と言うのは膨大なのである。

・インドネシアはたびたび洪水等の災害に見舞われる。その度、コメが全滅など、農家の被害は甚大になる。しかし日本と違って、インドネシアは冬がないので、二毛作、三毛作が当たり前であり、コメが全滅しても、4ヶ月後には違う作物が取れるのである。(もちろん4ヶ月分のコメ収入がなくなるので、次に育てる作物の種の代金など問題はいろいろあるが)


などなど、面白かった。


8点/10点満点


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