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2013/11/24

大治朋子「アメリカ・メディア・ウォーズ」感想。
アメリカの新聞の未来。2013年11月19日読了。

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アメリカ・メディア・ウォーズ ジャーナリズムの現在地

またも新刊の感想(今年9月に出た本です)

新聞の売上減少が目立ち、新聞はもう終わり、という論調が出だしてから久しい。私が読んだだけでも、

河内孝「新聞社 破綻したビジネスモデル」2007年03月27日読了。5点
歌川令三他「サイバージャーナリズム論」2007年08月24日読了。4点
中川一徳「メディアの支配者(上)」感想。2008年04月01日読了。9点
中川一徳「メディアの支配者(下)」2008年04月07日読了。8点
佐々木俊尚「2011年 新聞・テレビ消滅」2009年09月16日読了。9点
三橋貴明「マスゴミ崩壊」2009年08月27日読了。7点
河内孝「次に来るメディアは何か」2010年1月18日読了。5点

などがある。2010年くらいでこの手の話題は飽きたので、以降はあまり読んでいない(と思う)


本書は、毎日新聞ワシントン特派員だった著者が、2009年から2011年頃にかけてアメリカの新聞社や、ニュースをネットで配信するNPO法人などを取材し、毎日新聞紙上に連載していた記事を元に、新たに新書用に書き起こしたモノ。

アメリカで新聞崩壊が本格的に叫ばれるようになったのは、2008年のリーマンショック以降で、新聞広告が激減してから。小さな新聞社が潰れたりするのは前からあったが、2009年にボストンの最大紙であるボストン・グローブ紙が、自紙の1面トップニュースで「つぶれるかもしれない」と報道したことで、新聞社の危機がこれまで以上の危機感を持って語られるようになった。

新聞というビジネスモデルは、日本もアメリカも変わらないように思えるが、アメリカの新聞社の売上は広告に大きく依存しているのに対し、日本は販売(宅配)の占める比重が大きい。

アメリカ:販売13%、広告87%
日本:販売65%、広告35% (2008年データ)

また、アメリカは国土が広く宅配システムがそれほど普及していないため、全国紙は2紙しかなく(USAトゥデイとウォールストリートジャーナル)、しかし新聞社は1431社もある。アメリカの新聞社の多くは、地域密着型のローカル紙である。

アメリカ:新聞社数1431社、総発行部数4857万部
日本:新聞社数110社、総発行部数5044万部

アメリカの潰れてしまった新聞社は、地域に於ける2番手紙、3番手紙であることが多い。

それ故、アメリカで起きていることがそのまま日本できるとは限らない。


ニューヨークタイムズなども、ニューヨークを拠点とするローカル紙(日本で例えると中日新聞や北海道新聞みたいな存在なのだろう)。但し規模が大きいのでアメリカ全土のみならず、世界各地に特派員を派遣していた。

しかし広告費の減少=売上の減少に伴い、海外支局を減らし、国内拠点も減らし、それでもコスト削減が間に合わず記者の希望退職を募るようになる。

希望退職で辞めた記者(高給取りである場合が多い)は、自分の食い扶持を稼ぐため、報道取材を行うNPO法人を立ち上げ、自分を解雇した会社に対し「記事を書くから年幾らで契約してくれ」と持ちかけたり、ネット専門のニュース配信会社を立ち上げたり、様々なことをやっている。


本書は今アメリカで起こっている新聞崩壊と、それに立ち向かう記者の取り組み方を紹介した本である。


なかなかの良書。


7点/10点満点


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