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2013/11/14

ワリス・ディリー/武者圭子訳「砂漠の女ディリー」感想。
スーパーモデルの自伝。2013年11月05日読了。

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砂漠の女ディリー

ワリス・ディリーというアメリカで活躍するスーパーモデルがいる。たぶん1965年生まれ。

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ソマリアの遊牧民の夫婦の元に生まれた彼女は、父親に命じられ、家畜に水をやるため砂漠中を歩き回り水場を探素毎日だった。砂漠で暮らしているため、食事にありつけないこともしばしばある。

学校などにはもちろん行っていない。

13歳の時、60歳くらいの老人と結婚させられそうになったため、首都モガディシュに向かって家出する。ソマリアの小さな田舎町を裸足で歩いていたら田舎者とバカにされ、ヒッチハイクで止まってくれたトラックに同乗したら、ドライバーに強姦されそうになり、それでもどうにか首都モガディシュに着き、同じく家出していた姉や、ソマリアでは裕福だった母親の親族を頼った。

母親の姉妹が在イギリスのソマリア大使の妻だった。その伯母夫婦が一時帰国し、ソマリア人の家政婦を捜していた。別の親族の所に身を寄せていたワリスは、イギリスに行くため家政婦になりたいと伯母に頼み込み、イギリスに渡った。(たぶん14歳の時)

イギリスでは、一日も休み無く家政婦として働かされた。学校にも通わせてもらえなかった。家政婦なので大使公邸から外に出る機会が無く、英語は喋れない。年の近い従姉妹とは親しくなった。

お使いで外に出た帰り、白人の男に言い寄られた。男は何度も大使公邸にやってきた。言葉が分からないから、ずっと無視していた。従姉妹経由で男の名刺をもらった。

4年経ち、伯母夫婦がソマリアに戻ることになった。ワリスは帰国を拒否して、そのままイギリスに残った。不法滞在である。

マクドナルドの裏方としてアルバイトをしつつ、シェアメイトを見つけてYMCAに住んだ。

白人の男に連絡を取ってみたら、有名なカメラマンだった。まだ英語が良く喋れないのに、そしてワリスはイスラム教なのに、裸になって写真を撮るように要求され、恥ずかしくて無断で帰ってしまったこともあった。

ワリスにはエージェントがつき、モデルのオーディションを受けるようになり、007の映画の仕事をもらった。モロッコでロケがあったが、不法滞在(注:パスポートはあるが帰国命令を無視したので滞在ビザがない)なので、弁護士に相談した。そうすると、酔っ払いの爺さんと結婚しろ、そうすればパスポートが手に入る、と言うアドバイスをもらい、大金を払った。しかしばれた。

その後、この名義上の夫はアル中で死んで発見され、ワリスは一人になったが、パスポートの問題は残っていた。友人の兄とまたも名義上の結婚をすることになったが、この兄は半分気が狂っていた。

しかしパスポートを手に入れたので、ワリスはアメリカに渡った。アメリカでは黒人であることがマイナスにならない。

ワリスはいつしかスーパーモデルと呼ばれる存在になっていた。


ワリスは5歳(8歳だったかも)のとき、アフリカで根強く残る女性器切除を受けていた。ソマリアの女性器切除はかなり苛酷で、クリトリスだけではなく、小陰唇、大陰唇も全部切り取られ、小便と生理用の小さな穴を残して縫い合わせられていた。縫い合わせた後の穴が小さく、小便に10分かかり、生理の時は10日間苦痛が続く。

ワリスは、女性器切除の根絶を目指す国連大使に任命された。


という感じの自伝。
最初の1/4は遊牧民としての暮らし
次の1/4は家出した後のモガディシュでの暮らし&イギリスで家政婦をしているときの話
次の1/4はモデルになるまでの話と女性器切除でずっと苦しんでいたけど誰にも話せなかったという話
最後の1/4はモデルになった後の話

全世界でベストセラーになった本書は、日本では1999年に出版され、私は2000年後半に買った。買ってから13年経ってようやく読んだ。

私の好みで言うと、ソマリアの遊牧民として暮らしてた13歳までの話がたいへん面白かった。

・砂漠の夜は真っ暗でなにも見えないと思われるかもしれないが、家畜の鳴き声や家族の会話が遠くまで聞こえるので、その音を頼りに自宅(といってもテント)に辿り着くことが出来る。

8点/10点満点

↓文庫版

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