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2014/02/27

おがわかずよし「天下太平洋物語」感想。
えっへっへの元本。2014年02月18日読了。

「南の島でえっへっへ」は、今回読んだ「天下太平洋物語」からの抜粋である。

ということなので、元本である本書を古本で仕入れて読んだ。

ツバル(独立国)とマーシャル諸島(独立国)とクック諸島(著者が旅した頃はニュージーランド領で、今は独立国扱い)が、文庫に収録されていない。

面白さは「南の島でえっへっへ」と変わらない。

驚くのは、本書で書かれているのだが、マーシャル諸島(アメリカが原爆実験したビキニ環礁がある国で、国全体の収入がアメリカの経済補償で賄われているような被援助国家)で知り合ったとある島の酋長さん、この人が既にマーシャル諸島の国会議員で、この人のお兄さんは後にマーシャル諸島大統領になってしまったそうだ。


南太平洋の島国は人口がとても少ない国(10~20万人くらい)が多く、旅行で知り合った人物が大臣クラス、なんて話はザラにあるみたいで、いま著者のおがわかずよし氏は、旅行した際に知り合った南太平洋の島国の大臣クラスとのコネクションを買われて、日本国政府の代理人にような仕事をしているのだとか。


旅ってすごいなあ。


8点/10点満点


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2014/02/26

おがわかずよし「南の島で えっへっへ」感想。
太平洋の島国旅行記。2014年02月15日読了。


北海道でラジオ番組を作っていたが、会社を辞めて旅に出ることを決意した著者。

「人食いワニのたぐいがおらず、伝染病もなく、治安もいいという三拍子揃った南太平洋に狙いを定め」、いちばん物価が安いという理由でサモアに行った。

本書には、トンガ、サモア、キリバス、チューク(ミクロネシア連邦)、バヌアツ、パプアニューギニア、ヤップ(ミクロネシア連邦)への旅が収められている。

観光案内的な旅行記は一切無い。

現地に行き、無職ゆえの気楽さで何週間も滞在し、だからといって観光資源がそれほどあるわけでもない南太平洋の島国なので適当に島の人たちと仲よくなって、毎日現地の人たちが集まる集会所で現地酒を飲む飲み会に参加していました。的な事ばかり書かれている。

しかし、むちゃくちゃ面白い。

文章の上手さが圧倒的である。


著者は、本書が出た2012年の段階で、南太平洋以外は香港にしか行ったことがないそうである。ここまで徹底しているとすごいな。

蔵前仁一さんが解説を書いているが、本書は旅行人から1997年に出た「天下太平洋物語」の文庫化で、14年も経ってから違う出版社で文庫化されるのは極めて異例らしい。そりゃそうだろうなあ。

で、本書には「天下太平洋物語」で書かれていたエピソードのうち、幾つか削っているそうである。(逆に新たに増えているのもある)


私が今までに読んだ日本人著者の旅行記では、かなり上位に来る。

文句なく面白い。


8点/10点満点

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2014/02/24

ローレンス・クラウス/青木薫訳「宇宙が始まる前には何があったのか?」感想。
宇宙物理学。2014年02月13日読了。


宇宙の始まりはビッグバンである。では、ビッグバン以前には何があった?

この質問は無意味である。

ビッグバンが起きた場所はどこだったのか? 例えばAという答えがあったとして、ではAはどのように始まった? と無限ループになってしまう。

ビッグバンは神の手によって引き起こされた。とする。では、神々はどこに住んでいるのだ?

結局のところ、ビッグバン以前というのは哲学的な話になってしまう。ビッグバン以前というのはきりがないのである。


本書では宇宙マイクロ波背景放射について詳しい解説が加えられている。

宇宙の始まりの段階では、宇宙の始まりには物質と反物質が存在していた。しかし、物質が10億1個に対して、反物質は10億個しか存在しなかった。

物質と反物質は、出会うとお互いを打ち消し合い、存在そのものが無くなる。しかし、存在した証拠として放射(光子?)が残る。

物質10億1個に対して反物質10億個という非対称性は、偶然なのか、神が間違ったのか、神が意図したものなのか。理由は分からないが、この非対称性が作り出した物質の残りが、現在の地球を含む宇宙の全物質の元になっている。

で、今の宇宙には、物質(陽子)1個に対し、10億個の光子が存在している。

その光子は、全宇宙に薄く広く散らばっている。

これが宇宙マイクロ波背景放射である。物理学的にガモフが予想したのは7度Kだったが、実際に観測されたのは3度Kだった。

逆に言えば、宇宙中に3度Kの光子が存在していることが、ビッグバン理論の正しさを裏付けている。


的な事が書かれている本である。


しかし、宇宙物理学的な難しさの加減がかなり幅広く、後半になればなるほど難しい話に解説がない。かつ本書の神髄は哲学的な話であり、哲学と物理学のバランスも悪い。

そして何より話がくどい。


5点/10点満点


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2014/02/22

佐藤勝彦「宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった(愛蔵版) 」感想。
宇宙物理学。2014年02月10日読了。

宇宙マイクロ波背景放射って何だ?

「宇宙が始まる前には何があったのか?」の内容が難しくて、お勉強をすることにした。本屋で平積みされていた本書を手に取り、値段(税込み500円)のわりに内容が充実しているので、早速買った。


量子力学では、力は4つであるとされている。
・重力(天体と天体を引きつけ合う力)
・弱い力(β崩壊を起こす力=陽子と中性子と電子を結びつける力で良いのかな?)
・電磁気力(電荷・磁荷の間に働く力)
・強い力(陽子や中性子を構成するクオークの結合力)

量子力学の研究が進むうち、この4つの力は宇宙創世記にも適用されるという認識が研究者の間で広まった。

宇宙の始まりは、全宇宙の物質が一ヶ所に集まって超高温状態だったとき(一兆度とか)、何かのきっかけで温度が下がって物質が拡散し始めた。

一兆度の高温状態の中では、物質は存在しない。すべてがクオークである。

宇宙の始まりから、インフレーションを経過して、ビッグバンが始まる。

ビッグバン以後、宇宙は急速に冷えてくる。温度が下がったためクオークがくっつき、原子や電子や中性子が出来る。さらに温度が下がると、原子や電子や中性子がくっつき、水素やヘリウムが出来る(分子になる)。水素やヘリウムは固まりになり、固まりは重力を持ち始め、より大きな固まりになる(重水素など)。そしてどんどんどんどん固まって、次第に星になっていく……


本書の著者、佐藤勝彦氏は、ビッグバンに繋がるインフレーションの理論を1981年に発表し、ノーベル物理学賞の候補にも挙がる人なのだとか。

インフレーション宇宙論が発表されたのは1981年で、それ以降、宇宙の始まりに関する宇宙物理学者の論文が次から次へと発表されているらしい。

1990年にNASAが打ち上げたハッブル宇宙望遠鏡の観測結果が、宇宙物理学に与えた影響は大きく、30年前の宇宙論と現代の宇宙論は、全然別物になっている。

30年前は理論すら提唱されていなかったことが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測データを元に、世界中の宇宙物理学者が新たな理論を考え出しているのだとか。

私は1970~80年代に、雑誌「NEWTON」で当時の宇宙論をたくさん読んだ。しかし、その頃読んだ知識は、既に古い理論みたいである。


で、宇宙マイクロ波背景放射とは何か、

ビッグバンのちょっと前(1秒にも満たない)の状態=今の宇宙のすべての物質を構成するクオークが超高温の中でどろどろに溶け超高密度で存在していた状態から、急速に冷めて急速に膨張を始めたのが宇宙の始まりであり、その時の光(光子の名残ということなのだろうか?)は宇宙創生から100億年以上経った今でも残っているはずで、その温度は7度K、と1948年に予想したのがガモフという物理学者。


1964年に、宇宙マイクロ波背景放射が観測された。観測したのは全くの偶然。観測した人たちは別の現象を観測していたのだが、データを解析すると、宇宙マイクロ波背景放射だった。で、この偶然で観測者はノーベル物理学賞を受賞した。

で、1989年以降、宇宙マイクロ波背景放射の観測がより詳しく実施され、宇宙マイクロ波背景放射は宇宙全体を取り囲むように観測され、ビッグバン理論はこれまでのところ観測でも裏付けられる正しい理論である、という話に繋がってくる。


的な事がわりと易しく書かれているのが本書。


とはいえ、とても難しいので、本書一冊を読んだくらいでは、とても理解できない。理解したような気分に陥っているだけなのだろうなあ。


7点/10点満点


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2014/02/14

角幡唯介「雪男は向こうからやって来た」感想。
雪男探索ルポ。2014年02月07日読了。

第8回開高健ノンフィクション賞受賞した「空白の五マイル―チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」を書いた角幡唯介の処女作。といっても、先に書いたのはこちらの本だが、出版されずに眠っていた。「空白の五マイル」が賞を取ったので、本書の出版も決まった。ということらしい。

本書の内容(amazonより)
ヒマラヤ山中に棲むという謎の雪男、その捜索に情熱を燃やす人たちがいる。新聞記者の著者は、退社を機に雪男捜索隊への参加を誘われ、二〇〇八年夏に現地へと向かった。謎の二足歩行動物を遠望したという隊員の話や、かつて撮影された雪男の足跡は何を意味するのか。初めは半信半疑だった著者も次第にその存在に魅了されていく。果たして本当に雪男はいるのか。第31回新田次郎文学賞受賞作。


というわけで、本書も第31回新田次郎文学賞を獲っている。

まあ、サクサク読めて、面白かったです。はい。
内容は面白いと思うし、文章の上手さも随所に感じる。
しかしなあ。根本的なところである、この著者の考え方に共感できるか、という部分がイマイチである。


私はこの作者とあまり相性が良くないようだ。


7点/10点満点


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2014/02/12

ローレンス・クラウス「宇宙が始まる前には何があったのか?」読書中断中。
2014年01月24日読書開始、現在中断中。

ビッグバンの前にはいったい何があったの?

と常々疑問に感じていた私は、本書の「はじめに」を読んである程度の答えが書いてあった本書を即買いした。

ところが、だ。

宇宙に関しての物理学は、1980年以降、急激に発展したんだと。
で、宇宙の始まりを研究する学問は、素粒子物理学と切っても切り離せなくなったんだと。
で、宇宙には
・平坦な宇宙(正三角形の内角の和が180度)
・開いた宇宙(正三角形の内角の和が180度を超える。270度とかがあり得る)
・閉じた宇宙(正三角形の内角の和が180度未満。内角の和が90度とかもあり得る)
という考え方があって、今我々が住んでいる宇宙はいったいどれなんだい?

という質問系の話から始まって、

アインシュタインの特殊相対性理論は、特殊な状況下でのみ成り立つ公式だったが、一般相対性理論はニュートンの法則を取り込んだ公式である。とか、

広大な宇宙を構成する99%は暗黒物質=ダークマターもしくはダークエネルギーだよーん。

ここいらあたりまではついて行けたが、

宇宙マイクロ波背景放射

でついて行けなくなった。


読書中断。お勉強する。


点数未定/10点満点

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2014/02/09

長沼毅「死なないやつら」感想。
生物学。2014年02月04日読了。

ここ数年、テレビにも良く出ている学者の長沼毅(たけし)。蘊蓄の垂れ幅が広すぎて、いったい何の学者なんだろう? と思っていた。

生物学者でした。

(私は千原ジュニアがメインで出ている「ナダールの穴」というテレビ番組で初めて長沼毅を見た)


本書は、
2万気圧の中でも死なない生物や、
103℃の水で1分煮ても死ななかった生物や、
マイナス190℃に77時間耐えた生物や、
1440グレイの放射線を浴びせても死ななかった生物(人間は10グレイで殆どの人が死にます)、

など、死なない奴らの博物館的な本にしようと出発したみたいですが、筆者の実力がそこまで無かった、というかそこまで沢山のネタが無かったため、博物館的な本にはならず、死なない生物を話のきっかけにして、生物の不思議を語る本となっています。

まあ、おもろかったよ。

個人的には、チューブワームの不思議さについて、そこそこ詳しい解説が載っていたのでGOODです。


チューブワームは今のところ動物に分類されているが、消化器官を一切持っていない。つまり、全くものを食べない生物なのである。

チューブワームは海底火山の噴火口の近くにいる。チューブワームの先端はエラのような組織になっていて、(海底火山から出てくる)海水中の酸素と硫化水素だけを濾して体内に送る。体内には硫黄酸化細菌が棲み着いていて、硫化水素をイオウに酸化し、その時出てくる化学エネルギーと二酸化炭素から栄養を作る。

植物は光をエネルギーにして、二酸化炭素から栄養(炭水化物など)を作る。

チューブワームの体内にいる硫黄酸化細菌は、チューブワームの体重の70~80%に達する場合もある。

細胞内にミトコンドリアを持つのは動物。
ミトコンドリアと葉緑体を持つのは植物。

チューブワームは、動物でも植物でもない、新たなカテゴリーの生物なのかも知れない。


ってところはとても面白かったですよ(個人的にツボにはまった)。


7点/10点満点


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2014/02/07

ソチオリンピックのテロ考察。

ソチオリンピックでテロをやる!

と言っているのはカフカス地域(チェチェンなど)に暮らしていてプーチンに弾圧されている人たちだけど、

今のチェチェンゲリラは、元からチェチェンに住んでいる人たちではなく、パキスタンやアフガニスタンで暴れたイスラム過激派(テロやゲリラ行為以外の能力をなにも持っていない暴力だけのイスラム闘志)に組織を乗っ取られていたりする。

チェチェンゲリラは、プーチン率いるロシアがチェチェンに向ける政治体制(暴力的弾圧)に不満があり、

それは、ソ連崩壊で15もの国がソ連からの独立を果たしたのに、なぜチェチェンの独立は認められないのだ! なぜチェチェンの独立に対してロシアは武力阻止を行うのだ、なぜチェチェンだけ! という苛立ちである。

理屈として、ソ連崩壊当時、独立した国はソ連の「共和国」だったのに対し、チェチェンは「自治共和国」だったからであり、ソ連をまとめていたロシア共和国としては、元もと「共和国」だったところが独立するのは止められないが、「自治共和国」の独立まで認めてしまうと歯止めが利かない、だからチェチェンの独立は阻止する、というものであった。

独立宣言を無視されたチェチェンは、会話による平和解決を放棄し、武力解決を決行した。

しかし、武力解決というのは、経済的にはなにも生産しない。

生産しないのにゲリラやテロリストが活動を続けられるのは、彼らに「メシを食うための金」や「武器を買うための金」を提供する連中がいるということである。

チェチェンを筆頭に、カフカスの多くはイスラム教徒である。

チェチェンゲリラは、ロシア(=プーチン)の弾圧により、イスラム過激派の様相を呈してきた。

イスラム過激派への直接資金提供者は、パキスタン&アフガニスタン(=タリバン)、サウジアラビア、イランであり、間接資金提供者は国際赤十字・国境なき医師団・ワールドビジョン・セーブザチルドレンなどの国際NGOと、国連食糧計画(WFP)・国連難民高等弁務官(UNHCR)などの国連組織である。

オリンピックでテロを起こした場合、間接的資金源はどん引きで一斉に手を引く。

なぜなら、国際NGOなどの組織は寄付金で運営されていて、寄付者に対して「私たちはこれだけ素晴らしい人道支援を行いました、ハート」的な報告書を出さなければならない。

寄付者の多くは、西欧の裕福な白人である。

冬季オリンピックは、装備に金がかかるため、金持ち白人のためのオリンピックと言われている。

そこでテロを起こして西欧の白人に危害を加えたら、寄付者がどん引きするのは当たり前である。

直接資金提供者である資源国(サウジなど)も、ここ十数年、資源国イランがアメリカとケンカして、国際的な経済封鎖されてしまったため、資源国でありながら凄まじい経済的ダメージを受けていることを知っている。

サウジアラビアはガチガチのイスラム主義者であるスンナ派の強硬派ワッハーブ派だが、国を支配しているサウド一族は、アメリカの享楽消費文化を楽しんでいる

サウド一族は、イスラム過激派のために自分たちの快楽を捨てるほど、イスラムに身を捧げていない。

直接資金源の資源国(タリバン以外)は「オリンピックに政治を持ち込んではならない」という国際的な暗黙のルールを守るため、自分たちが支援するテロ組織に対し、「ソチオリンピックで何か騒ぎを起こしたら支援を打ち切る」と宣言している(はず)。

チェチェンゲリラを筆頭としたカフカスの主要反政府団体=ソチオリンピックにテロを起こしそうだと考えられている組織は、支援団体から「オリンピックには手を出すな」ときつく言い渡されている(はず)。

カフカスにいる既存の反ロシア政府団体や、カフカスゲリラはそれほど危険ではない。ソチオリンピックで危険なのは、食い詰めた赤貧ゲリラである。

赤貧ゲリラの資金源がタリバンである、ということはじゅうぶん考えられる。

もしソチオリンピックでテロが起きたら、アメリカを筆頭とした西欧白人のすべての国家が国家単位でテロリストを非難し、

かつ、(どこの国であろうとも、国政を担う人間が)少しでもテロリストを擁護したら、その国が丸ごとテロリスト擁護国家と西欧社会(=国連)から認定され、今のイランより酷い経済制裁、もしくはテロリスト撲滅のための国家丸ごと絨毯空爆されますよ。民間人が死のうと知ったことじゃない。

なので、ソチオリンピックでテロが起きたら、テロを起こした奴らが暮らしている地域はアメリカ&ロシアから空爆されます。

まともなテロリストはそれを分かっているから(テロリストもバカじゃないですよ)、暴走しそうなバカゲリラが居そうな地域では、「まともなテロリスト」が「バカなテロリスト」を押さえ込む・もしくはブチ殺す、という展開になるのではないでしょうか。

※追記(2014/2/9)
(1)ミュンヘンオリンピックのテロ事件はパレスチナ人が犯人であり、時代背景として、パレスチナ人はイスラエル人を激しく憎んでいた。パレスチナ人は今でもイスラエル人を憎んでいるけど、ミュンヘン当時と違うことは、パレスチナを含むアラブ諸国は、武力ではイスラエルに勝てない(アメリカの力が無くても)、ということをパレスチナ側が知っていること。
(2)ソチオリンピックに於けるロシアの立場として、会場であるソチ、ソチに来ている選手団、ソチに来ている観光客、およびオリンピックのついでにロシアに来ている各国の政治家、に被害が無ければそれでよい。カフカス地方(チェチェン、ダゲスタンなど)や、モスクワ、サンクトペテルブルクなどでテロが起きても、それは政治不満分子をたくさん抱えるいつものロシアの風景である。



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2014/02/06

大沢在昌「鮫島の貌-新宿鮫短編集」感想。
冒険小説。2014年01月30日読了。

新宿鮫の短編集。

マンガの、こち亀の両さん、シティハンターの登場人物が出てくる。

マンガのキャラクターを登場させる必然性が全くないので、とてもくだらない。

鮫の世界観をぶち壊し。

大沢在昌がこれらマンガのファンだったのか、
集英社から頼まれて書いたのか、
大沢在昌くらいの有名作家でもこういう企画を請けなければならないくらい作家は儲からなくなってしまったのか。


まあ、どうでもいいや。


3点/10点満点


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2014/02/04

リンダ・ポルマン/大平剛訳「クライシス・キャラバン」感想。
NGOは銭ゲバ。2014年01月28日読了。

本書の原著はオランダ語らしい。
で、翻訳が酷い。そうとう酷い。


国際赤十字の創始者アンリ・デュナンはナイチンゲールを尊敬していた。
デュナンが赤十字の元となる団体を作ろうとしたとき、ナイチンゲールは反対した。

デュナン=赤十字は、戦場で傷ついた兵士は「(政治的な立場は横に置いて))誰であろうとも助けるべき」とするのに対し、ナイチンゲールは、むやみやたらに兵士を助けてしまうと、戦争が長引くだけである。だからデュナンの考え方に反対、であった。

今、世界の趨勢は赤十字の考え方である。

ルワンダで大虐殺があった。ルワンダから大量の難民がコンゴのゴマに流れ着いた。赤十字を筆頭に、国連や国境なき医師団など有象無象の国際NGOが難民の支援を行った。

コンゴのゴマに居たのは、虐殺した方だったのに(※)。

虐殺を指揮した兵士、民兵もたくさん居たのに、国際NGOは支援した。

ルワンダの首都キガリに居た、虐殺された方には見向きもしなかった。

ニュースになるような状況で国際NGOが難民を支援していると、寄付者から金が集まる。難民の正体は関係ない。難民を支援していることがテレビや新聞などで報道されることが大事なのだ。

こういう状況下で国際NGOが活躍するためには、凄惨な現場に行くための通行許可証をもらうため、弾圧している側にお金を払う。
凄惨な現場に行くためのトラックは、弾圧している側の指定業者を使う。
凄惨な現場で安全に活動するため、弾圧している側の人物をボディガードに雇う。

同じような状況は、ボスニアでも起こり、東ティモールでも起こり、スーダンでも起こっている。

ナイチンゲールが否定していた赤十字の思想は、ナイチンゲールが心配していたとおりになってしまった。


というようなことが書かれている本。国際NGOが寄付金を食いものにする利権集団と化していることは、
伊勢崎賢治氏「武装解除」9点、
国際貢献のウソ」7点、ディーン・カーラン/ジェイコブ・アペル「善意で貧困はなくせるのか?」8点、
ヒュー・シンクレア「世界は貧困を食いものにしている」9点、
ダンビサ・モヨ「援助じゃアフリカは発展しない」7点など、いくつかの書籍で指摘されている。


この手の本は誤解を受ける。

「生きるか死ぬかの絶望的状況に置かれた人に対し、救いの手をさしのべるのは人間として当たり前だ。グダグダ理屈をこね回してなにも行動しないより、たとえ結果的に悪い方向に向かったとしても、行動する方がマシだ」

と主張する人たちが居るからである。U2のボノあたりが典型。


本書が主張するのは、「行動しない方がよっぽどマシ」ってこと。


国際NGOが紛争地に入って、避難民を支援する
→支援する際、弾圧している方に賄賂を渡す
→その賄賂が、弾圧する側の飯代、武器代になる
→国際NGOが避難民を助け続ける間、ずっと弾圧する側にお金を与え続けている
→結果として、紛争はいつまで経っても終わらない

→別の場所で、もっと悲惨な紛争や災害が起きる
→国際NGOは掌を返したように、今まで居た紛争地から消える
→紛争地では、国際的にもっと注目を集めるような事態が起きなければならない
→人が死ぬのじゃ物足りない、手足を切り落として、殺さず生かしたまま放置しよう(シエラレオネとか)
→紛争が悲惨になる

→国際NGOは手っ取り早く寄付者に報告するための成果が欲しい
→紛争地の現場で、英語が出来る、仕事が早い、コネがある、などの有能な現地人を、現地相場の20倍くらいの給与を払って引き抜く
→現地の政治を担う有能な人材が根こそぎ国際NGOに引き抜かれ、現地の政治体制が崩壊
→別の場所で、もっと悲惨な紛争や災害が起きる
→国際NGOは掌を返したように、今まで居た紛争地から消える
→国際NGOに雇われた現地スタッフは、国際的なコネを使って世界各地に散る
→現地の政治体制の崩壊は止まらない


8点/10点満点

※ルワンダ内戦は、フツ族(人口8割強の多数派)がツチ族(少数派)を数百万人殺した。圧勝と思って調子に乗っていたフツ族は、ウガンダ軍と手を組んだツチ族反乱軍が首都キガリに侵攻していることを軽視し、気がついたらツチ族に首都制圧された。ツチ族の逆襲を恐れたフツ族(虐殺した方)は、コンゴに逃げ出した。国際NGOが助けたのは、虐殺した方。

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2014/02/02

ジャレド・ダイアモンド/倉骨彰訳「銃・病原菌・鉄(上)」感想。
世界史。2014年01月23日読了。

「国家はなぜ衰退するのか」にて、ジャレド・ダイアモンドについて触れられていた。

「国家はなぜ衰退するのか」では、国家の隆盛を決めるのは政治制度と経済制度であり、包括的(開放的・公平・自由)であれば国家は発展し、収奪的(閉鎖的・独裁的・独占的)であれば国家は衰退すると説き、国家が発展する要因を地理的、文化的、国民の無知などに求める説は間違っていると説く。

アメリカ先住民は、なぜヨーロッパ人に征服されたのか。なぜその逆は起こらなかったのか。等々を地理的要因で説明したジャレド・ダイアモンドの考え方は間違っている、と。

ジャレド・ダイアモンドは日本でもそれなりに売れた本「銃・病原菌・鉄」の著者である。

「国家はなぜ衰退するのか」だけを読んでも知識が偏るので、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」も読むことにした。

本書は、人類が集団で暮らし始めたと考えられる13,000年前(本書の原著が出版された時点=1997年でわりと最新の理論)前まで遡り、論を展開する。

その集団は最初は狩猟民族であり、徐々に農耕民族となっていった。

狩猟民族が増えると、身の回りにいる動物をどんどん食い尽くしてしまう。食い尽くしたとき、狩猟民族は別の土地へ移住するか、周りに生えていた食べられる植物のうち、食べられる部分が多い植物の種子を取って適当にばらまくようになった。

適当にばらまいた結果、収穫量の多い作物が取れるようになった。

何千年の間、狩猟民族が移住しながら適当に作物を育てるサイクルが続き、あるとき、狩猟民族は緩やかに農耕民族になった。農耕民族になると、食料を備蓄できるようになる。備蓄できると、狩猟にも農耕にも携わらない余剰人員を養えるようになる。余剰人員は道具を作ったり、住居を作ったりする専門職となる。場合によっては武器を作る専門の余剰人員もでてくる。

食料の備蓄は、備蓄する人間に逆らえない状況を生み出し、備蓄する人間は地域の支配者となっていった。

狩猟民族では余剰人員はうまれない(腹が減ったら狩りに行く、を繰り返すだけ。狩った獲物は保存が利かないから、食料が無くなる度に狩りに行かなくてはならない。それの繰り返し)。

農耕民族が生まれた地域は、獲物が少なくなった地域で、どれだけ狩っても獲物が有り余るくらいの地域では、農耕は発生しなかった。

船がつくられるようになり、それなりに遠距離航行が可能になってくると、農耕民族の一部は船で住み処を遷した。元もと狩猟民族しか住んでいなかった土地で、人類と動物の受給が安定していた地域に農耕民族が(船で)やってくると、元もとの狩猟民族が持っていなかった様々な道具を使って、土地の動物を食い尽くす。モーリシャスのドードーなどはいい例である。

なんてことが書かれている本である。


上巻を読んだ限りでは、本書は1万年以上のスケールで語られる人間の発展論であり、「国家はなぜ衰退するのか」は2~3千年のスケールで語られる集団(=国家の)発展論である。


時間のスケールが違うのだから、「国家はなぜ衰退するのか」の著者が、「銃・病原菌・鉄」の著者ジャレド・ダイアモンドを間違っていると決めつける必要は無いと思うのだが、西洋人学者の考えることはよく分からん。


本書(「銃・病原菌・鉄(上)」)の感想として、


話がくどい

7点/10点満点


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