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2014/03/09

ジャレド・ダイアモンド/倉骨彰訳「銃・病原菌・鉄(下)」感想。
世界史。2014年02月22日読了。

◆以下、amazonより引用
商品説明
 銃と軍馬―― 16世紀にピサロ率いる168人のスペイン部隊が4万人に守られるインカ皇帝を戦闘の末に捕虜にできたのは、これらのためであった事実は知られている。なぜ、アメリカ先住民は銃という武器を発明できなかったのか?彼らが劣っていたからか?ならば、2つの人種の故郷が反対であったなら、アメリカ大陸からユーラシア大陸への侵攻というかたちになったのだろうか?
 否、と著者は言う。そして、その理由を98年度ピューリッツァー賞に輝いた本書で、最後の氷河期が終わった1万3000年前からの人類史をひもときながら説明する。はるか昔、同じような条件でスタートしたはずの人間が、今では一部の人種が圧倒的優位を誇っているのはなぜか。著者の答えは、地形や動植物相を含めた「環境」だ。
たとえば、密林で狩猟・採集生活をしている人々は、そこで生きるための豊かな知恵をもっている。だが、これは外の世界では通用しない。他文明を征服できるような技術が発達する条件は定住生活にあるのだ。植物栽培や家畜の飼育で人口は増加し、余剰生産物が生まれる。その結果、役人や軍人、技術者といった専門職が発生し、情報を伝達するための文字も発達していく。つまり、ユーラシア大陸は栽培可能な植物、家畜化できる動物にもともと恵まれ、さらに、地形的にも、他文明の技術を取り入れて利用できる交易路も確保されていたというわけだ。また、家畜と接することで動物がもたらす伝染病に対する免疫力も発達していた。南北アメリカ、オーストラリア、アフリカと決定的に違っていたのは、まさにこれらの要因だった。本書のタイトルは、ヨーロッパ人が他民族と接触したときに「武器」になったものを表している。
 著者は進化生物学者でカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部教授。ニューギニアを中心とする長年のフィールドワークでも知られている。地球上で人間の進む道がかくも異なったのはなぜか、という壮大な謎を、生物学、言語学などの豊富な知識を駆使して説き明かす本書には、ただただ圧倒される。(小林千枝子)


◆感想

人類の発展は、人類が生活した場所によって、運命が大きく左右された。

人類が徐々に狩猟生活から農耕生活に移ったのは、農耕生活の方が食料を蓄えられるため、狩猟生活よりも余剰人員を養うことが出来るようになった。

とはいえ、狩猟生活からいきなり農耕生活に切り替わったわけではない。狩猟生活をしながら、食べられる作物を収穫するようになり、その過程で、大きな実のなる作物の種を保存し、次の季節に植えるようになった。失敗も多々あっただろうが、数千年の長い年月をかけて、人類はよりよい種を見つけ出し、害虫に食われない種を見つけ出し、栽培に適した季節を探り出し、徐々に農耕生活に切り替わっていった。

作物が豊富に獲れるようになると、狩猟や農耕に携わらない余剰人員が増え、余剰人員は道具を作るようになり、道具は更なる農耕の発展に寄与した。


農耕に適した植物の種はどこにでもあったわけではなく、オーストラリアの先住民アボリジニは農耕をしていなかった。オーストラリアに農耕がもたらされたのは、ヨーロッパの白人が移住した後である。

なぜアボリジニが農耕をしなかったかというと、農耕に適した作物がなかったことと、例えばエミューのような大型で鈍くさい鳥やその他食物になる動物がたくさん居て、アボリジニは狩猟生活だけで暮らしていけた。また、狩猟生活が続いたので、人口が大きく増えなかった。

一方、海を隔ててわずか数百キロしか離れていないニューギニア島では、農耕が行われていた。


現在のペルーあたりに存在したインカ帝国が、ピサロ率いる168人のスペイン人に滅ぼされたのは、銃と馬のお陰だった。インカ帝国に馬はいなかった。


その土地に暮らしている先住民がどのような発展を遂げたのか。

それはその土地にどのような植物が生えていたか、どのような動物が住んでいたか、が大きく影響している。


というようなことを本書は書いている。

地理学的にいうと、環境決定論の一種である。


この論は、「国家はなぜ衰退するのか」で、この考え方は間違っていると糾弾されている


いろいろと参考になるうんちく話がたくさん載っている。
・メソポタミア人は紀元前2000年には、岩に含まれるアスファルトを暖めて石油を抽出していた(注:アスファルトの原料は石油です)
・土器は、日本で14,000年前に、中国と肥沃三日月地帯で10,000年前に登場し、その後、アマゾン川流域、サハラ砂漠の南縁(サヘル地域)、アメリカ大陸南東部、メキシコに登場している。
・言語から人類の移動の歴史を紐解くと、オーストロネシア語族の言語は、アフリカのマダガスカル島から、チリ領のイースター島まで、地球の半分以上をカバーしている。

たくさんあるので、うんちく例はここまで。


それにしてもこの本、同じ話が十回も二十回も出てくる。
・南北アメリカ大陸で農耕が始まるより遙か前から、ユーラシア大陸では農耕が行われていた。
・ユーラシア大陸では家畜が人力よりも重要な動力源だった。水車や農機具など。
・南北アメリカ大陸の発展がユーラシア大陸よりも遅れたのは、家畜化できる動物や、栽培に適した作物があまり存在しなかったから。
・南アメリカ大陸(インカとか)は、車輪や文字を持っていなかった。
・ユーラシア大陸で家畜化できた動物は、牛、豚、馬、ヤギ、羊、ニワトリ。南アメリカ大陸では、リャマとアルパカしかいなかった。アフリカ大陸ではキリンやシマウマ、カバ、ゾウなどいろんな動物がいたが、殆ど家畜に出来なかった。

比喩ではなく、十回も二十回もこういう話が繰り返し出てくる。わかったよ、何回同じ話を書くんだよ、何度も何度も同じことを書いているから、無駄に長い本になるんじゃないのか? と、ちょっと怒りが湧いた。


読むのに時間がかかることを除けば、総じて面白い本である。


6点(長すぎ)/10点満点


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