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2014/03/24

謝冠園・監修/デービッド・マタス、トルステン・トレイ編集「中国の移植犯罪 国家による臓器狩り」感想。
ルポ。2014年03月11日読了。

デービッド・マタス/デービッド・キルガー「中国臓器狩り」2013年12月29日読了。4点。

上記の本と同じ著者グループによる告発本。

中国が国家ぐるみで法輪功(気功の一種、中国では禁止令がでている)を学んでいる人を犯罪者扱いし、

法輪功をやっていると言うだけで逮捕し、

逮捕された人たちは名前を名乗ると親類縁者に多大な迷惑がかかるから名前すら名乗らず、

名前も分からないから逮捕した方(中国国家)はやりたい放題で、

拷問などは当たり前で、裁判の判決も出ていないうちに、法輪功を学んでいただけの人を殺し、臓器移植に用いる。

という告発本。

昨年末に読んだ「中国臓器狩り」は、人権原理主義者の著者の気の狂った人権大事メッセージに辟易したが、この本は執筆者が10人くらいいる共著で、まあ、かなりまともになった印象。ところどころ誤訳や事実誤認があるので変だけど(ウガンダの神の抵抗軍のジョセフ・コニーが2012年に逮捕された、と書かれているけど、まだ逃げ回っているだろ)


死刑ではない囚人を看守と軍医(中国の臓器移植に多くは軍の病院が一枚噛んでいる)が殺して、殺された囚人であることを知らない(という建前)医師が臓器を摘出し、臓器がどこから来たのか知らない別の移植医によって臓器移植が行われる。

ということを告発しているが、この問題がなぜ国際的に放置されているのかの推察も書かれている。

臓器移植を望むような患者は、治療費が嵩む。アメリカのように治療費はほぼ全額自己負担の国はともかく、カナダやオーストラリア、フランス、ドイツは日本並みの皆保険だし、イギリスも皆保険に近い制度。なので、こういう国の保険省から見ると、移植を待つような末期患者が、移植によって比較的健康になってくれれば、医療費が削減できて嬉しいです、という見方もあり、

また、移植をすると免疫抑制剤を一生飲まなければならないため、医薬品メーカーは移植件数が増えれば増えるほどハッピー。


別な話。
中国で、法輪功弾圧で名前を売っていたのが、失脚した重慶市長(?)の薄熙来。薄熙来は成都の米国領事館に戦車を出動させ威圧したこともあるのだとかどうたらこうたらが書かれている。


10人くらいの著者による共著なので、内容的に重複も多いし、とっちらかっている印象も受けるし、誤訳、変な訳、いいかげんな訳も多いし、中国で無差別殺人臓器移植が起きているという基礎知識がないと作り話かと思ってしまうし、まあそういう本だけど、わりと良い。

とっ散らかった感想ですみません。


7点/10点満点


私が読んだ臓器売買・臓器移植に関する本

・木村良一「臓器漂流」2010年09月09日読了。4点
・青山淳平「腎臓移植最前線」2010年10月17日読了。8点
・城山英巳「中国臓器市場」2011年01月24日読了。6点
・山下鈴夫「激白 臓器売買事件の深層」言い訳本。2011年01月25日読了。3点
・デイビッド・バットストーン「告発・現代の人身売買」2011年07月15日読了。10点満点
・デレック・ハンフリー「安楽死の方法 ファイナル・エグジット」安楽死指南書。2011年08月06日読了。6点
・ドナ・ディケンソン「ボディショッピング 血と肉の経済」2011年08月23日読了。8点
・岸本忠三・中嶋彰「現代免疫物語」2011年08月29日読了。7点
・粟屋剛「人体部品ビジネス」2011年09月06日読了。8点
・小松美彦「脳死・臓器移植の本当の話」2012年03月29日読了。8点
・スコット・カーニー「レッドマーケット 人体部品産業の真実」臓器売買ルポ。2012年04月30日読了。9点
・相川厚「日本の臓器移植―現役腎移植医のジハード」2012年05月28日読了。9点
・メアリー・ローチ「死体はみんな生きている」2012年08月01日読了。7点
・アンドリュー・キンブレル「すばらしい人間部品産業」2012年08月24日読了。8点
・デービッド・マタス/デービッド・キルガー「中国臓器狩り」2013年12月29日読了。4点

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