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2014/04/14

鈴木正行「新版 アフリカ漂流1」感想。
貧乏長期旅行記。2014年03月30日読了。

1980年に日本を出発し、貧乏バックパッカーとして世界中を旅行した著者のアフリカ旅行記。アフリカだけで1981年3月~1983年3月の丸2年かけて旅している。「アフリカ漂流」は全6冊。

「アフリカ漂流」は1987年に初版が出て、2002年に改版が出た。私が今回読んだのは改版の方。

ちなみに沢木耕太郎のバックパッカーバイブル「深夜特急」が出版されたのが1986年(wikipedia)なので、本書の著者は沢木耕太郎に影響されたわけではないだろう。

サハラ砂漠を横断しようとして、旅の途中で死んでしまった上温湯隆の冒険記「サハラに死す」が1975年に出版されているので、もしかしたらこういう冒険家的な人に影響されたのかな。

というのも本書には、著者がなぜ長旅に出ようと思ったのか、なぜ苦行のような旅を続けるのか、旅で得た経験・教訓はなんなのか、というような自分の心情に関する記載がほとんど見られないので、私のような単なる読み手は邪推するしかないのである。

で、本書
1巻(第1部)はエジプト、スーダン、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニア編。


エジプトではカイロからルクソールまで列車で16時間立ちっぱなしで行き、ルクソールからアスワンまで列車で行き、アスワンからアブシンベルまで船で60時間かけて行き、2時間観光して、船で27時間かけてアスワンハイダムに行き、列車でアスワンに行き、カイロに戻る。


まだ超貧乏国だったスーダン(現在は石油でリッチな国に変貌→政府関係者だけがリッチ)では、マラカルという町(現在は南スーダン領)で5日待って、ジュバ(現在は南スーダンの首都)まで行くトラックを見つけて乗り込むも、雨期のためあらゆる所でトラックがスタックし、しょっちゅうトラックを降りて歩いて次の町まで目指すことになる。マラカルからジュバは1000kmくらいなので、うまく進めば数日で到着するはずが、14日かかっても到着せず、ボール村という所からジュバに向かう定期バスに乗り換え、ようやくジュバに到着する。


で、ケニアに行く。

読んでいると、スーダンには何をしに行ったのかな? と思うくらい、何もしていない。トラック移動の苦行のみ。超貧乏国の頃のスーダンなので、なにも見るべきところがなかったのかもしれないが。


ケニアはイギリス植民地時代の名残があり、実に快適だったという話。ついでにウガンダ、ルワンダ、ブルンジにも行きました。

ブルンジでは肝炎を発症し入院。その際、自動車販売会社の日本人駐在員にお世話になる。1981年頃に、ブルンジに日本人が住んで車を売っていたという事実に驚き。


その後タンザニアへ。

タンザニアは社会主義国であり、黒人国家。アパルトヘイトを実施していた南アフリカの入国ビザを持っているため、もしかしたらタンザニアに入国できないかもしれない。しかし問題なく入国できた。

ザンジバル島に行っとき、魚の骨がのどに引っかかりとれなくなった。病院に行ったら中国人が医者で、同じ東洋人ということなのか、とても親切に診療してくれたが、骨は抜けなかった。

ダルエスサラームに戻り、ゲストハウスが満室だったので廊下を借りて寝ていたら、警察の手入れがあって連行された。

さらに、タクシーをケチってバスに乗ったらスリにあって、トラベラーズチェック1200ドル分などが盗まれた。


というような内容。

著者はメモ魔なのか、どこそこに着いたのは○月○日○時○分、バスが来るまで○時間待った、どこそこで食った現地メシは○円だった、等々の記述が本書の大半を占める。

なるほど、こうやって旅をしてきたのか、という臨場感(?)はあるが、前述の通り著者本人の心情があまり書かれていないので、のめり込むような内容ではない。

著者が旅した時代はフィルムカメラしか無く、フィルムは高いし現像代も高いので、写真1枚撮るのも慎重に。当然携帯電話もなく、通常の電話は値段も高いし回線が繋がるまで時間を要するので、連絡手段は手紙のみ。当時は在○○(例タンザニア)日本大使館気付で、旅行者が勝手に大使館を受け取り先にしていた(泊まる予定のゲストハウス宛にしたり、旅先で知り合った人に手紙を託すことも)。


今は、世界中どこでも携帯電話が普及し、インターネットがつながる(例えばアフリカのシエラレオネの首都フリータウンは世界有数のWi-Fi充実度らしい)。

世界中をLCCが空路で結んでいる(アフリカにLCCはほとんど飛んでいないけど)。

とはいえ、著者が旅したのは、ほんの30年前の話。旅のスタイルが劇的に変わってきていることを実感させられる本。


※明日も更新します


7点/10点満点


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