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2014/04/19

R.D.ウィングフィールド/芹澤恵訳「冬のフロスト(上)」感想。
ミステリ。2014年04月07日読了。

フロスト警部シリーズの5作目。2013年6月に出版されたのだが、出版されたことを知らなかったので2014年になってから(だったかな?)買った。文庫本なのに1300円+消費税。いくらなんでも高いよ。

フロスト警部シリーズというのは、
1984年(和訳1994年)に出た「クリスマスのフロスト」を皮切りに、
1987年(和訳1997年)「フロスト日和」
1992年(和訳2001年)「夜のフロスト」
1995年(和訳2008年)「フロスト気質」
1999年(和訳2013年)「冬のフロスト」本書
2008年「A Killing Frost」

の全6作からなるシリーズである。なぜ全6作かというと、作者のR.D.ウィングフィールドが2007年に死んでしまったから。原著も24年にわたって書かれた話なのだが、和訳もずいぶんと出るのが遅い。今回読んだ「冬のフロスト」は原著の出版が1999年なので、まだ携帯電話が普及し始めたばかりである。

携帯電話のみならず、犯罪の手口に直結するテクノロジーはこの10~20年で急激に進歩したので、ミステリ作家にとっては難しい時代が続くんだろうな。たとえて言うなら、ポケベルを使った画期的なミステリでベストセラーになった小説が、今ではポケベルの使い方を覚えている人が少なくなったので、「さっぱり意味が分からない」小説という評価を受けてしまうような感じ。

社会生活のディテールを詳しく書くことで、日常の雰囲気を引き出すタイプの作家さんは、さぞかし苦労されているのでしょう。

携帯電話だっていつ消えるか分からないし、パソコンが消える日も近いかもだし。

さて本書。

イギリスのデントン市(架空の都市という話)のフロスト警部は、妻に先立たれ、仕事をする以外に能がない男。でもがさつで、どこでもタバコを吸い(殺人事件の被害者宅に事情聴取に行き、被害者宅で許可も得ずにタバコを吸うなど)、いつでもブラック過ぎないブラックジョークを飛ばし、部下の残業代が予算超過にならないか毎日のようにマレット署長から小言を言われ、毎日のようにマレット署長を騙し、被疑者と思われる人物の自宅を捜査令状無しで急襲し捕まえ、無実だったことが分かり平謝りし、懲戒処分を気にしていたら目の前の操作ができなくなるから自分の失態はとりあえず頭の片隅に押しのけて、兎にも角にも捜査に突き進む。的外れな捜査が多々あるけど。

そういうフロスト警部が今回巻き込まれたのは、
・8歳の女の子が行方不明になり、誘拐も視野に入れて捜査中に、
・枕カバー強盗と呼ばれる連続強盗犯が犯行、
・売春婦が裸で絞殺され路上に死体遺棄、
・コンビニで銃を使った強盗が発生、
・酔っ払いのフーリガン数十人が暴れているので全員警察署に連れて来る、
・マレット署長が、地域の署長会議で、自分の出世のため他の地域への警官派遣を安請け合いしてしまったため、警官十数人が他地区の応援に出払ってしまってもう大変。
・強姦された!と言う被害妄想を持っている処女のオバサンがしつこく強姦被害の捜査を迫る


なーんてことが、1日か2日の間に次々と発生する。

あまりにも次々と事件が起こるため、読んでいる方は日付の感覚が分からなくなるくらいである。


8点/10点満点

シリーズ第1作「クリスマスのフロスト」 原著1984年、日本語版1994年

シリーズ第2作「フロスト日和」 原著1987年、日本語版1997年

シリーズ第3作「夜のフロスト」 原著1992年、日本語版2001年

シリーズ短編2作目「夜明けのフロスト」 原著2001年、日本語版2005年
注:いろんな作家の短編アンソロジー。フロストシリーズは1本だけ

シリーズ第4作「フロスト気質・上」 原著1995年、日本語版2008年

シリーズ第4作「フロスト気質・下」 原著1995年、日本語版2008年


シリーズ第5作「冬のフロスト」 原著1999年、日本語版2013年(本書)

残すところはシリーズ第6作「A Killing Frost」 原著2008年のみ

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