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2014/08/26

岩田規久男「国際金融入門」感想。
経済学。2014年07月30日読了。

国際金融の入門書である。1995年に初版が出て、2009年に改訂版が出た。私が読んだのは改訂版である。

入門書であるが、少なくとも大学の経済学部の2年生くらいを対象にしている(と思われる)ので、経済の基礎知識がないと理解できない。

・輸出手形、輸入手形、国際的な金の流れ
・円ドルなどの通貨レートが上下すると、なぜ国債の金利が上下するのか
・国際収支の見方
・国際金融とは
・為替の固定相場と変動相場とは
・財政金融政策とは
・金本位制とは

などなど。


為替の原理は簡単で、
ドルの需要が高くなればドルの価値が上がり、相対的に円が安くなる。
ドルの需要が低くなればドルの価値が下がり、相対的に円が高くなる。
である。

現実には日米二国間の話ではなく、ユーロ圏、イギリスポンド、豪ドル、加ドル、人民元、スイスフラン、南アフリカランドなど、様々な通貨が飛び交っているので、実際はもっと複雑である。


ではこの需要が高くなる、低くなる、というのはどういうことか。(ここから2017/3/13加筆修正)

その前に、輸出入を行う場合のやり取りをまとめる。

A国の輸入業者aが、B国の輸出業者bから商品を買った場合の代金決済は、

A国の輸入業者aが、A国のAA銀行に行き、A国の通貨で、B国の輸出業者bに代金を払うように頼む。

B国の輸出業者bは、B国のBB銀行に行き、A国の輸入業者aが支払った代金を、B国の通貨で受け取る。

A国の輸入業者a、B国の輸出業者b、どちらも自国通貨だけで決済を済ませていることに留意。

A国のAA銀行とB国のBB銀行は、通常、輸出入どちらの決済取引も扱っているため(輸入業者はaだけではないし、輸出業者もbだけではない)、まずは自行内(AA銀行内もしくはBB銀行内)で輸出金額と輸入金額の相殺を行い、

その後、A国の銀行同士(AA銀行以外にもたくさんの銀行がある)で輸出入の金額相殺を行い、B国の銀行同士でも同じように相殺を行う。

後日、A国とB国という国同士で、輸出入金額の相殺を行う。(銀行が介在しない現金取引などがあった場合、AA銀行にB国の通貨が持ち込まれ、A国通貨に換金してくれという業者もいるため。現金取引をする業者は自社にとって通貨レートが良くなるまで他国通貨を貯め込んでいる場合がある)

この時、A国の輸入が多ければ、A国は貿易赤字となり、B国の輸出が多ければ、B国は貿易黒字となる。

この貿易収支が、為替の需給になる。

実際の各国通貨のやりとりはほとんど発生しないのである。(加筆修正終わり)


貿易赤字の国は、足りない資金を賄うために札を刷る。札を刷る為の根拠は国債である。

そうするとこんどは国債が市場にあふれ出す。国債の人気が下がる。国債を買ってもらうため、国債の金利を上げなければならなくなる。


というようなことが、何度も何度も同じような説明を繰り返しながら書かれている。


分かってしまえば単純なことなのだが、単純であるがゆえ、分かったと思い込んで誤解してしまう可能性が高い。算数的にこの現象を言うと、+があり-があって、+と-を差し引くと-になる。-を補うために-を帳消しにするための+をどこかから持ってこなくてはならない。この+は借金なので実態としては-であるが、一時的に+になったように見える。しかし-は-なので、いずれ-を帳消しにするための施策が必要になる。

的な。+と-を1ヶ所でも間違うと、正反対の結論になりかねない。

ので、本書では何度も何度も同じような説明が繰り返されるが、それがくどいと感じない。


なお、本書に興味を持たれた方は、にわか仕込みの私の話を鵜呑みにしないで、きちんと本書を読まれることをお薦めする。


先日、
服部正也「ルワンダ中央銀行総裁日記(増補版)」2014年05月30日読了。9点

を読んで絶賛したが、この本を読む前に、本書「国際金融入門」を読めば良かったと後悔している。


9点/10点満点

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