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2014/09/30

ポール・ミドラー/サチコスミス訳「だまされて。 涙のメイド・イン・チャイナ」感想。
ルポっぽい自伝エッセイ?2014年

本書は上質な紙を使っている。323ページもあるとは思えない薄さ。だが、税抜き2200円である。高い。

本書は、アメリカ(の大学)で中国語と中国史を学んだ著者ポール・ミドラー氏が、1990年代初頭に中国に移住し、のち一時帰国してMBAと修士号をとって中国に戻り、中国語が喋れるアメリカ人として、中国の製造業とアメリカの小売業をつなぐ仲介業者として活躍した自身の経験を、ちょっと物語チックに綴ったビジネスエッセイ。

話の主軸(というか8割)は、中国の帝王化成という石鹸メーカーの社長夫人兼敏腕マネージャー陳姉さんと、アメリカの1ドルショップにボディシャンプーなどを下ろしているバーニー社長率いるジョンソン・カーター社の、工場VS小売りの攻防戦である。

原著は2009年に出て、日本語版は2012年3月に出ている。2014年の今、ちょっと旬が過ぎている部分もあるが、内容は非常に面白い。


本書はとても読みやすい。


一つ一つのエピソードは、日経ビジネスや現代オンラインなどのWeb媒体で読む「中国企業の実態」的なものと大差ない。最初これは内容が薄いせいなのかと感じていたが、読み進めるうちに、300ページを超えているのに飽きることなく一気に読めるのは、話の作り方がとても上手いからだと分かった。

読みやすいといっても、読み応えがないのではない。既読感のあるような話がぞくぞくと出てくるが、これだけまとまっていると、中国に数多ある工場経営者の思考がとてもよく分かる。


良書。


7点(値段が高い&原著の出版が2009年とちょっと古い→新刊だと思って買った)/10点満点


2014/10/13追記。本書は
1行41文字×1ページ17行×323ページ=約22万文字、400字詰め原稿用紙560枚である。

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2014/09/28

太勇次郎「10年目の真実 9・11からアラブの春へ」感想。
ルポ。2014年08月15日読了。

著者はNHKの記者。東京外語大のインド・パキスタン語学科を出て、高校教員、パキスタンで日本語教師、を経てNHKに入った異色の人。

9.11のテロが起きたとき、犯人はビンラディンのグループだと言うことは、NHK関係者もすぐに分かった(高木徹「大仏破壊」9点)。著者は、NHKの報道デスクから「君はパキスタンに居たことがあるよな、ビザもあるよな、すぐにパキスタンに飛んでくれ」と電話が入って、現地取材をする。

というようなことを含めて、パキスタンに縁深い著者が「9.11」から「アラブの春」に至る過程を回想録的に書いているんだけど、

ローレンス・ライト「倒壊する巨塔 アルカイダと「9・11」への道」(上下巻どちらも10点満点)に比べると…

比べちゃいけない(可哀想)だろうけど。


5点(辛め)/10点満点

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2014/09/21

陳桂棣・春桃 共著/納村公子・椙田雅美訳「中国農民調査」感想。
ルポ。2014年08月10日読了。

久しぶりにブログを書くです

本書は、2004年1月に中国で出版されベストセラーになるも、内容が危険であると判断されたためか早くも3月には発禁処分を受けた本で、日本語版は2005年11月に出版され、書店で平積みになっていたので表紙を見たことがある人も多いだろう。

日本の行政は、国→県→市町村で成り立っている。
対して中国の行政システムは、国→省→地区→県→郷(または鎮)となっていて、したに行くほど木っ端役人が多い。

中国の農村は、上記で言うところの最も下層に位置する「郷」の役人が管轄している。

郷の役人になるのに、決まった手続きや資格はないらしく(あったとしてもでっち上げられる)、恐喝暴行容疑で前科持ちの荒くれ者が、執行猶予期間中に郷の役人になってしまう(もちろんコネがあるから)ということもザラにあるらしい。

中国の農民は、予想通りの低年収で、年収数万円の農家も多々ある。農家なので、農家同士で食いものを融通しあえば、食うには困らない。しかし、そこに立ちはだかるのが税金である。

本書は、国レベルでは禁止されている無意味な課税を、郷や県の役人が国の方針を無視して農民から搾取している実態を、著者夫婦が3年かけて中国人でも行かないような中国の奥深くの農村を訪ねて、たくさんの農家にインタビューして、その実態をまとめたものである。

中国のノンフィクション・ドキュメンタリー作品は、ノンフィクションといえどもなにがしかのストーリーがなければ受けないらしく、本書も、単純なインタビューは一切無く、多数のインタビューをまとめてひとつの物語にしている。


本書に出てくる郷の役人は、自分の懐を暖めるだけの目的で、「交通信号税」や「小学校の体育館建設税」などの名目で勝手に税金を取り立てる。当然、名目通りには使われない。

これらの税は高いわけではない。数元~数十元である。しかし、月収数百元の農家には重い。

しかも、こういうわけのわからない名目の税金が何十とあるため、農家の月の負担は数千元にも達する。

農家は怒って県の役所に行き陳情する。陳情を受けた県の役人は、郷の役人に「お前らはなにをやっているのだ、ちゃんと農民を治めなさい」という。メンツを潰された郷の役人は、県に訴え出た農民を袋だたきにする。

これを知った別の農民は、省の役所に行き陳情する。陳情を受けた省の役人は、県の役人に「お前らはなにをやっているのだ、ちゃんと郷を治めなさい」という。メンツを潰された県の役人は、郷の役人に「お前らがきちんと農民を管理監督しないから私らの査定に影響が出るではないかボケ」という。メンツを潰された郷の役人は、省に訴え出た農民を袋だたきにする。

これを知った別の農民は、国の役所に行き陳情する。

このような経緯で、国の相談窓口には、毎日数百人におよぶ陳情の列ができあがる。


遂に国が動き(朱鎔基の頃)、国は、県や郷が勝手に課税してはならない、とお触れを出した。

しかし、お触れの効果も1年くらい。末端の行政区画には、国の眼は行き届かない。それがわかった郷の役人は、またぞろ勝手な課税を始める。


というようなことが、感情表現豊かな小説的な書き方のノンフィクション・ルポルタージュとして、本書で書かれている。


買ってから9年ほどほったらかしにしていたが、なかなか面白い内容だった。中国の農家には、「知識をつけて対抗してくれ」と応援するしかない。


9点/10点満点


2014/10/13追記。本書は
本書は1行26文字×2段組×1ページ23行×301ページ=約36万文字、400字詰め原稿用紙900枚である。

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2014/09/18

パソコンクラッシュ5

パソコンがフリーズするので強制電源オフを繰り返していたら、
chkdsk画面になり、でエラーが山ほど出た。

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2014/09/07

パソコンクラッシュ

4日くらい前にfirefoxがアップデートされて以降、
何の前触れもなくPCがフリーズするようになりました。
ctrl + alt + del すら利かないから、フリーズする度に電源オフ。

メールデータの一部が吹っ飛び、作業中のファイルが壊れ、
書きかけのブログ記事も吹っ飛びました(途中保存していなかった)。

土曜日曜はメールデータやファイルの復旧を行い、これだけで二日潰れました。

原因は未だ不明。

困りました。

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