« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »

2014/11/30

小杉泰「9・11以後のイスラーム政治」感想。
イスラム政治学。2014年11月11日読了。

著者の本は1年ほど前に1冊読んだ。

小杉泰「イスラームとは何か」2013年08月28日読了。9点

「イスラームとは何か」は、イスラーム入門書としてとても優れた一冊だと思う。

その小杉氏が書いた最新の本。

◆内容(amazonより)
パレスチナ問題、民主化運動のゆくえ、アフガニスタン、イラク、シリアの不安定化など、イスラーム世界はますます混迷の度を深め、政治としてのイスラームが現代世界にラディカルな問いを発している。従来の近代化論や共存論だけでは解決できないイスラーム世界の問題を、宗教と政治の接点からわかりやすく解き、21世紀の国際社会の中でのイスラームの意味を考察する。
◆内容終わり


本書にある9.11とは、もちろんアメリカで起きた同時多発テロのことである。アルカイダが起こしたこのテロ以前と以後で、宗教としてのイスラームと、政治としてのイスラームがどのように変わっていったのかが書かれている。アラブの春以降の話ではない。

本書の冒頭(p2)に、なぜ現代イスラームに活力があるのか、5つにまとめられている。

第一に、旺盛な人口増加。
第二に、中でも若い世代が急増していること。
第三に、膨張するイスラーム人口に対し、1970年代(イラン革命)を境に、近代化世俗化より「イスラームの日常化」が勝ってきている。
第四に、イスラーム的な主張が政治に強く進出する傾向が続いている。
第五に、イスラーム政治が国際政治の一部となる一方で、宗教を国際政治に取り込むことができない国際システムとの間で摩擦と齟齬が生じている。

書き出すとなんのこっちゃ?なんだが、本書をじっくり読んでいくと、だんだんと分かってくる。

イランについて、イラン革命前と革命後にどのように変わっていったのか。

アフガニスタンについて、王政(1973年失脚)以前と以後、ソ連侵攻(1979年)以前と以後、タリバン以前と以後で、どれだけ大国の思惑に翻弄されたのか。

サウジアラビアについて、建国以来世俗主義的な王が支配していながら国民に厳格なイスラムを強いることについて。

9.11のテロを起こしたアルカイダとセットで語られることの多い「ジハード」の解釈の変遷について。

イスラームはなぜ西洋諸国に恐れられているのか。

イスラームにも中道派がたくさんいて、その中道派はどのような政治的活動をしているのか。


この本を一言で言い表すことができないほど、多岐にわたる内容が盛り込まれている。しかしながら、内容的に破綻したところはなく、盛りだくさんな内容が見事に消化されている。著者にしっかりとした理論があるのだろう。

盛りだくさんな内容のため、わたし自身がイマイチ消化不良気味である(内容が濃いので覚えきれない)。

いつか再読したい。

8点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/11/24

岩瀬昇「石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?」感想。
いわゆる新書。2014年11月05日読了。

三井物産でエネルギー関連事業に43年携わってきて、三井石油開発の常務執行役員を務めていた著者が、地震の知識と経験を元にまとめたエネルギーに関する話。

エネルギー関連の本を何冊か読んでいるが、これ一冊で色んなことを知った気になれる。よくまとまっている本だと思う。

原油を精製すると、軽い順にLPG(液化石油ガス)、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料、灯油、軽油、重油、アスファルトなどになる。

LNG(液化天然ガス)は、低硫黄原油よりもさらに硫黄分および窒素分が少ないガスである。

カリブ海の小国トリニダード・トバゴからガス(LNG)が獲れる(知らんかった)のだが、これが安いらしい。なぜかというと、トリニダード・トバゴのLNGはアメリカのスポット市場のみを相手にしているため、通常のエネルギー供給とは異なり、安定供給の義務がないから、生産した分だけを売るということが可能になる。

シェールガス、シェールオイルはどうやって採掘するのか。なぜここに来て急に存在感が増してきているのか。

日本のエネルギー戦略はこのままでいいのか。

というようなな事が書かれている。

前半半分(第3章まで)はかなり面白く読めたが、後半はWebに公開されていて引用可能な公的資料をつかって解説くっつけただけのやっつけ仕事で、さらには自分の専門外のことにまで口を挟んでしまって墓穴を掘る。的な。第三者に全体構成の意見を聞いていればもっとよい本になったと思われるので、この尻すぼみ感はちょっと残念。


6点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/11/19

アクセスカウンター33万突破に感謝。

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ←バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極。


トップに設置している忍者Toolsアクセスカウンターが33万を突破しました。
お読み下さっている皆様に感謝です。

2005年12月15日 ブログ始める
2006年11月23日 アクセス01万突破 (344日) 一日平均 29
2007年10月09日 アクセス02万突破 (321日) 一日平均 31
2008年06月21日 アクセス03万突破 (255日) 一日平均 39
2009年01月19日 アクセス04万突破 (212日) 一日平均 47
2009年05月28日 アクセス05万突破 (129日) 一日平均 77
2009年09月06日 アクセス06万突破 (101日) 一日平均 99→11月に世界一周開始
2010年01月06日 アクセス07万突破 (122日) 一日平均 82
2010年02月22日 アクセス08万突破 ( 47日) 一日平均212
2010年04月27日 アクセス09万突破 ( 65日) 一日平均154→5月末に世界一周終了
2010年07月01日 アクセス10万突破 ( 65日) 一日平均154
2010年09月02日 アクセス11万突破 ( 62日) 一日平均161
2010年11月21日 アクセス12万突破 ( 80日) 一日平均125
2011年02月01日 アクセス13万突破 ( 72日) 一日平均139
2011年04月26日 アクセス14万突破 ( 86日) 一日平均116
2011年07月08日 アクセス15万突破 ( 73日) 一日平均137
2011年09月07日 アクセス16万突破 ( 60日) 一日平均167→フィリピン留学記
2011年11月25日 アクセス17万突破 ( 80日) 一日平均125
2012年01月30日 アクセス18万突破 ( 66日) 一日平均152
2012年04月23日 アクセス19万突破 ( 83日) 一日平均120
2012年06月24日 アクセス20万突破 ( 62日) 一日平均161
2012年08月28日 アクセス21万突破 ( 65日) 一日平均154
2012年11月01日 アクセス22万突破 ( 65日) 一日平均154
2013年01月20日 アクセス23万突破 ( 81日) 一日平均123
2013年03月22日 アクセス24万突破 ( 60日) 一日平均167
2013年05月27日 アクセス25万突破 ( 66日) 一日平均152
2013年07月18日 アクセス26万突破 ( 52日) 一日平均192
2013年09月07日 アクセス27万突破 ( 51日) 一日平均196
2013年11月06日 アクセス28万突破 ( 60日) 一日平均167
2014年01月10日 アクセス29万突破 ( 65日) 一日平均154
2014年03月22日 アクセス30万突破 ( 71日) 一日平均141
2014年06月09日 アクセス31万突破 ( 79日) 一日平均127
2014年08月17日 アクセス32万突破 ( 69日) 一日平均145
2014年11月19日 アクセス33万突破 ( 94日) 一日平均106

※合計3261日で33万アクセス突破です。通算平均で一日92.0アクセスです。

※当ブログのカウンターは3種類使っています。上記アクセス数は、トップに設置している忍者toolsのカウンターの値です。他に、このブログの設置先であるniftyココログのアクセス解析と、トップに仕掛けてあるGoogleアナリティクスも使っています。3種類のカウンターが、それぞれ異なる数値を出しているので、どれが正解なのかと思うこともしばしばです。

※8月から9月にかけて更新をサボっていましたので、だいぶアクセス数が落ちてしまいました。最近はまじめに(?)更新していますので、今後ともご贔屓にどうぞ。

↓ 今イチオシのマンガ(4巻から劇的に面白くなります)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/11/16

橋本陽介「7カ国語をモノにした人の勉強法」感想。
勉強法。2014年10月31日読了。

この手のハウツー本は、そのやり方が自分に合っているかいないかで大きく評価が分かれる。

私は40歳頃から英語の必要性を感じ、スピードラーニングをやったり、ベルリッツに通ったり(年間36万のセミプライベート)、何冊も英語の学習書を買ったり(買っただけ)、色んなことをやってみたけど全然上達しなかった。

TOEIC300点→ベルリッツに2年→TOEIC360点

これで世界一周旅行に行った。

知っている単語を駆使すれば、それなりに通じることが分かった。

その後、フィリピンに1ヶ月の短期英語留学をした。TOEICは450点になった。

その後、毎日30分~1時間の英語の勉強をやるようにした。EnglishCentralとiKnowを使った。

留学から1年後、TOEICは600点を超えた。

毎日の勉強が大切なんだな、と実感した。


本書はそれ以上のことは書いていない。


要するに、語学を修得したければ毎日勉強しなさい、ということである。


2点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/11/13

豊浦彰太郎「ビジネスマンの視点で見るMLBとNPB」感想。
野球本。2014年10月27日読了。

とある野球ブログがある。セイバーメトリクスを駆使してMLBの魅力を紹介し、その能力をNPBの選手分析にも活用している。

日本でも有名になってきたのが、
打者の指標であるOPS(出塁率と長打率を単純に足したもの)、
投手の指標であるWHIP(被安打数と与四球数を足した数値を投球回で割ったもの)、
である。

出塁率は、ヒットがあまり打てないバッター(=低打率)でも、選球眼がよければ高くなる。もちろん、ヒットをたくさん打つ(=高打率)なら、ますます高くなる。
長打率は、ヒットがあまり打てないバッター(=低打率)でも、ホームランバッターなら高くなる。打率はホームラン50本とヒット50本の価値が同じだが、長打率なら価値が4倍になる。

OPSは二つの数値を足すことによって、両方の長所を、つまり選球眼もよく長打も打てるバッターを選ぶ指標である。それはつまりチームの得点に貢献する確率が高くなるということを意味する。

OPSは、
0.850を超えるとかなり優秀、
0.900を超えると超優秀、
1.000を超えると歴史的なレベルで優秀、である。


WHIPは、1イニングあたり何人の走者を投手の責任で出したか、を表す数値である。死球とエラーで出た走者は含まない。

1イニングに出す走者が少ない方が、得点される可能性は当然低い。走者と得点に強い相関関係がある(当たり前)ので、走者と出さない投手は素晴らしい。そういう指標である。

WHIPは、
1.100を下回ると優秀、
1.000を下回ると超優秀、
0.950を下回ると歴史的なレベルで優秀、である。

ダルビッシュのMLB3年間の通算WHIPは1.20で、平均以上の評価。(NPB時代は0.98で超絶レベル)
岩隈のMLB3年間の通算WHIPは1.09で、リーグを代表する投手という評価。(NPB時代は1.20で、MLBに行ってからの方が凄みを増している)

2013年の上原浩治は0.57で、全米のセイバーメトリクスファンが狂喜乱舞したほど、歴史的な記録である。


で、セイバーメトリクスはまだまだ発展途上で、これが決定版!という数値はない。上記二つの指標も、OPSなどは「異なる分母で割った数値を単純に足すというのはなんの意味があるのか?」とか、WHIPに死球を含まないのはおかしいのではないか?など、異論も多々ある。

ので、全世界のセイバーメトリクスファンは、自分の作った指標をどんどん発表しているのである。


で、私は、セイバーメトリクス系のブログでたぶん日本で上位5傑には入るであろう野球ブログ(1日5回くらい更新している)を毎日読んでいる。

そのブログ主が本書を宣伝していたので買った。


すっかすかな内容だった。

700円の新書でも4点くらいしか点けられない内容なのに、本書は1800円(+消費税)もした。

誤字もたくさんあった。

自費出版なのかも知れない。


で、私は本書の紹介元であるブログに対して、こんな本を紹介するレベルだったのか、と大きく落胆しているのである。


2点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/11/10

長谷川毅「暗闘-スターリン、トルーマンと日本降伏」感想。
歴史。1024年10月17日読了。

著者は1941年日本に生まれ、東大を出てアメリカに渡り市民権を得て、アメリカの大学でロシア史及び日露関係を研究する歴史学者。

本書は、著者が英語で書いた本を自分で翻訳した日本語版。日本語化に当たって、アメリカ人にはなかなか理解できないだろうが日本人なら理解できるであろうことを大幅に加筆しているらしい。

内容は、ヤルタ会談(1945年2月4日~11日にクリミア半島のヤルタ近郊で行われたアメリカ、イギリス、ソビエト連邦による首脳会談)から、

ポツダム宣言(1945年7月26日にアメリカ合衆国大統領、イギリス首相、中華民国主席の名において大日本帝国(日本)に対して発された、「全日本軍の無条件降伏」等を求めた全13か条から成る宣言)を経て、

日本降伏に至るまでに、

トルーマン(米国大統領)とスターリン(ソ連共産党書記長)、およびチャーチル(イギリス首相)の間で様々な駆け引きがあり、ソ連=スターリンが終戦直前に日ソ不可侵条約を一方的に破棄して満州に攻め入ったのは、ヤルタ会談で密約されたソ連の分け前を少しでも多く分捕ろうとした画策したためで、当然アメリカイギリスはその野望を阻止すべく動いたのだが、結果的にはスターリンの方が暗闘をものにした。

ということを、ソ連やアメリカの公文書(ヤルタ会談など大きな会議の議事録だけではなく、大きな会議に臨むための準備会議の議事録や、書記官や外交官などの電文(電報や無線交信、電話など)記録)、および私文書(関係者の自伝や日記)を丹念に読み解くことによって導き出した。

この本は、ソ連が崩壊してロシアになり、今まで知ることができなかったソ連時代の公文書を読むことができるようになったのが大きいのだとか。

本書は2006年に出版され、わりとすぐ買った。

しかし、私は歴史に非常に疎く(私は工業高専卒なので、高校世界史、高校日本史のどちらもほぼ学んでいない)、最初の数十ページで本書を放り投げてしまった。

それから8年くらい経ち、ようやくこの本を読んでそれなりに理解することができるだけの知識を身に着けた。


難しいのは間違いないのだが、かなり有益な本であった。


8点/10点満点

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2014/11/05

ロジャー・マクギンティー/アンドリュー・ウィリアムス/阿曽村邦昭訳「紛争と開発」感想。
国際関係。2014年10月14日読了。

◆内容(amazonから引用)
武力紛争と貧困は現代世界の大問題。本書は、アフリカ、バルカン半島、アジアおよび中東地域の具体例をあげ「紛争」と「開発」の関係を理論と実践の両面から捉えた野心作。国際関係論、国際開発論研究者、学生の必読書。

◆著者略歴
マクギンティー,ロジャー
英国セント・アンドリュース大学

ウィリアムス,アンドリュー
英国セント・アンドリュース大学

◆訳者
阿曽村/邦昭
1935年秋田市生まれ。東京大学農業経済学科および(米国)Amherst大学政治科各卒業。駐ベネズエラ、チェコスロバキア、ベトナム各大使を歴任後、富士銀行顧問、麗澤大学客員教授、吉備国際大学大学院国際協力研究科科長、(特活)日本紛争予防センター所長、(特活)ジャパンプラットフォーム・NGOユニット理事等を経て、現在(秋田市所在)ノースアジア大学法学部教授兼岡山県公設国際貢献大学校教授、(社)ラテンアメリカ協会理事、メコン地域研究会会長、(公財)日本国際フォーラム理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
◆紹介終わり


私は何十年も前からアフリカに興味があり、30歳を過ぎてからルワンダ大虐殺の本を読み、そこから国際紛争や内戦、武力衝突などに関する本を何十冊か読んできた。

本書によると、「紛争」に関する研究分析は多数ある。(発展途上国の)「開発」に関する研究分析も多数ある。
貧困の原因が「紛争」にあるとする研究は多い。
「開発」の足かせになるのが「紛争」であるとする研究も多い。
しかし、「紛争」と「開発」を同時に扱った研究分析はほとんど見られないのだそうだ。

言われてみるとそうなのかも知れない。

本書は読み終わるまでに2ヶ月近くかかった。途中で飽きて、別な本を読んでは、またこの本に戻る、を繰り返していた。別な本の中に「寄生虫なき病」という、これまたヘビー級の本が挟まったので、余計に時間がかかった。

内容は国際関係を学んでいる大学4年生~大学院生レベル。難しいです。

本書の「はじめに」に、本書がこれから述べようとしている内容を凝縮した一文がある。

(p29)
・開発は、暴力的紛争を誘発し、持続させる可能性がある。


発展途上国に暮らす人びとが少しでも豊かになるように、国際NGO(ボランティア団体)や国連、世界銀行がお金を出して、開発を始める。

すると、開発利権を手にできる人とできない人の間で格差が生まれ、双方が啀み合い、紛争に発展する。

貧困が原因で紛争が発生するのではなく、

開発が原因で紛争が発生し、紛争のせいで人びとの暮らしはより貧しく、生きることすら必死な状態になる。そうすると紛争被害者を救おうと更なる援助金が投下され、投下された金の奪い合いでさらに紛争が酷くなる。

というようなことが書かれている。


趣味で読むにはなかなかハードルが高い本であった。


6点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/11/03

ガブリエル・ガルシア=マルケス/後藤政子訳「戒厳令下チリ潜入記」感想。
ノンフィクション。2014年10月11日読了。

◆内容(本書カバー折り返しより)
ヨーロッパ亡命中のチリ反政府派の映画監督ミゲル・リティンは、1985年、変装して戒厳令下の祖国に潜入、『チリに関する全記録』の撮影に成功した。スラム街や大統領府の模様、武装ゲリラ幹部との地下会見、母や旧友との劇的な再会……。死の危険を遂にくぐり抜けるまでの奇跡の6週間が、ノーベル賞作家によって見事に記録された。
◆引用おわり

本書を書いたのは、コロンビア出身のノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスである。

内容に書かれているとおり、戒厳令下のチリに潜入したのは、映画監督のミゲル・リティンである。ガルシア=マルケスは、リティンがどのようにチリに潜入したのかをマドリッドで聞き、映画にならない部分が世に埋もれてしまうことを危惧し、リティンに1週間のインタビュー(録音テープで18時間分)を行い、ガルシア=マルケスの著作として発表した。

今のチリは普通に平和で、豊富な埋蔵量を誇る銅、長い沿岸部から獲れる海産物、細長い地形を活かし獲れる農作物などを輸出し、経済発展著しい。私は世界一周旅行でブラジル、アルゼンチン、チリ、ボリビア、ペルー、エクアドルに行ったが、チリの発展ぶりに驚いた。

そんなチリであるが、1970年代に軍事クーデターが発生し、長い間、軍事独裁政権が続いていた。クーデターを起こしたのはピノチェト将軍

反体制派はチリ・スタジアムに集められ、容赦なく虐殺された。

本書の主人公である映画監督ミゲル・リティンは、クーデターで覆されたアジェンデ政権下の国営映画社「チリ・フィルムズ」の総裁で、反アジェンデクーデターの際、もし捕まれば拷問死を免れないところであったが、クーデターに参加した軍人の機転によりすんでの所で虐殺を免れ、その後(たぶんスペインに)亡命した。

亡命から12年後、リティンは戒厳令下のチリに潜入し、映画を撮ることになった。ウルグアイ人に変装して。


チリという国の歴史を私があまり知らないこともあり、ページをめくる度に、新鮮な驚きがあった。

ガルシア=マルケスの文章も見事だ。

傑作と読んで良い本だろう。


8点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »