« ロバート・D・カプラン/奥山真司訳「地政学の逆襲」感想。
地政学。2015年01月08日読了。
| トップページ | 大西裕「先進国・韓国の憂鬱」感想。
いわゆる新書。2015年01月14日読了。 »

2015/04/27

下斗米伸夫「プーチンはアジアをめざす」感想。
いわゆる新書。2015年01月16日読了。

ロシアとウクライナの紛争の報道を見る限り、プーチンは覇権主義者であり、ロシアは旧ソ連時代のように周辺各国(ウクライナ)を併合しようとしている、国土拡大を狙っている、という論調が多い。欧米諸国はEU加盟を目指すウクライナ政権を贔屓し、プーチン(=ロシア)のクリミア併合等々の政策に非難囂々である。プーチンとロシアを悪者にすれば、実に分かり易い構造になる。

なので、欧米諸国の言い分を鵜呑みにしない方がいい。


ということで、ロシア政治学を専門にしている法政大学法学部教授、下斗米(しもとまい)氏の本書を読んでみた。


ウクライナとEUは2014年9月16日に包括的な連合協定を結び、「脱露入欧」を明確にたとのこと。そして、著者の見る限り、プーチンはドネツクなどウクライナの親ロシア派が制圧している地域をロシアに併合する気は無さそうとのこと(プーチンはウクライナの連邦制を提言しているが、ポロシェンコ大統領はあくまで地方分権を主張)。

そもそも2013年11月、ロシアとエネルギー契約を結んだヤヌコビッチ大統領に対し、親EU派(つまり反政府派)がマイダンという広場を占拠し抗議活動を始めた。その後、マイダン革命という様相を呈し、親露派と親EU派の間で武力抗争が始まり、親EU派にはネオナチが加わってより過激化した。だが欧米諸国は、ネオナチの存在に目をつぶり、これは民主的な市民革命であるとして、親EU派に肩入れした。


などということや、ウクライナの歴史や独立後の政治的背景、ロシアの外交政策などについても書かれている。新書の読者層を考えたのか、端折るべきところは大胆に端折りつつ、詳しく書くべきところはそれなりのボリュームを割いている。ところどころ見解の飛躍を感じたが、新書のページ数を考えるとやむを得ないのだろう。


7点/10点満点

|

« ロバート・D・カプラン/奥山真司訳「地政学の逆襲」感想。
地政学。2015年01月08日読了。
| トップページ | 大西裕「先進国・韓国の憂鬱」感想。
いわゆる新書。2015年01月14日読了。 »

◇いわゆる新書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43036/61105372

この記事へのトラックバック一覧です: 下斗米伸夫「プーチンはアジアをめざす」感想。
いわゆる新書。2015年01月16日読了。
:

« ロバート・D・カプラン/奥山真司訳「地政学の逆襲」感想。
地政学。2015年01月08日読了。
| トップページ | 大西裕「先進国・韓国の憂鬱」感想。
いわゆる新書。2015年01月14日読了。 »