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2015/06/08

岩崎育夫「アジアの国家史」感想。
アジア史。2015年03月05日読了。


何度かこのブログに書いていますが、私は工業高専出身なので、高校レベルの歴史を知りません。(私が在学していた頃<約30年前>の工業高専・電子工学科では、中卒直後の1年生からプログラム授業や電子回路工作実習が30%くらいを占めており、一般教養はとても少なかったのです)

小学生の頃からジュブナイル小説を読んでいた(小学生なのに普通のSF小説を読んでいた)ので、文章とふれあうのは好きだったけど、工業高専は徹底して数式の学校でした。高専3年~4年の頃には、手計算でフーリエ変換を行い、オーディオのグラフィックイコライザーの原理を知ったのです。まあこんな話はどうでもいいか。

私が高専を卒業する頃、世の中はバブル経済の真っ最中で、高専の求人倍率は5倍を超え、私は教授の薦めでNECの子会社に入社しました。ところがそのNECの子会社は、課長以上がすべてNEC本社で使えない奴と判断された無能の姥捨て会社で、もう、なんというか。NECの子会社なのに、NECの福利厚生はほとんど利用できないという姥捨て会社でした。(この辺りを書き出すときりがないので以下割愛)


で、SF小説ばかり読んでいた私は、私は25歳頃から冒険小説を読み出し、例えば船戸与一の「砂のクロニクル」1991年初版を読んで、なるほどこれはすごく面白い小説だ!と単純に感心してましたが、こういう小説を何十冊も読むうち、こういう小説はどこまで史実、現実に基づいているのだろう?と疑問に思うようになりました。

ここから嵩じて、私は今現在地球上で起きている紛争に興味を持つようになり、ひいては歴史(特に現代史)に興味を持つようになったのです。


で、本書。の前に。

「東南アジア」というのは、第二次世界大戦後に生まれた概念である。ということを、2009年に入学した法政大学通信教育課程 文学部 地理学科 の授業で知り、その副読本

白石隆「海の帝国―アジアをどう考えるか」2013年01月10日読了。7点(難しかった)

を読み、なるほどそういう経緯があったのか、と得心したのです。他に

鶴見良行「海道の社会史」2014年05月14日読了。7点

からも多大な知識を得られました。


で、本書。

私が色んな本から中途半端に歴史を学んでいる、その隙間を埋めるような、私に足りなかった知識を記した本。それが本書でした。

p140-141(植民地国家の時代「日本」の項より抜粋)

「(前略)蝦夷(北海道)では、一五世紀ごろに独自の民族文化を持ったアイヌ社会が形成されたが、江戸時代になると北海道南部の松前藩の実質的支配下に置かれた。そして、沖縄より一〇年早い一八六九年に、日本は統治下に組み入れ北海道と改称したのである。

 この後、日本の東アジアへの進出が本格化していった。一八七四年に日本の領土と主張する琉球(沖縄)の漁民が、清王朝領土の台湾で殺害されたことを理由に台湾に出兵し、翌一八七五年には、日本の軍艦が李氏朝鮮王朝の江華島を占拠し(江華島事件)、鎖国政策を採っていた李氏朝鮮王朝に圧力をかけて開国させ、自由貿易の特権を得た。一八九四年に李氏朝鮮王朝で農民氾濫が発生すると、清王朝と日本がともに軍隊を派遣したことから日清戦争が勃発したが、これは、これまで朝鮮半島に対して宗主権を行使してきた中国と、新支配者になろうとする日本による朝鮮半島の争奪戦を意味した。太平天国の乱などで弱体化し、かつ近代化改革に後れをとった清王朝は新興国の日本の敗れると、一八九五年の日清講和条約で李氏朝鮮王朝に対する宗主権の消滅を認め、台湾を日本に割譲したのである(台湾の植民地化)」


えっ?
そうなんですか?

この短い引用だけでも、今まで知らなかったことがたくさん詰まっている。


もしかしたら普通高校に進学していたら当たり前の知識なのかも知れないが、私には斬新だった。

このような話が満載である本書は、故に私的には10点満点なのであります。


10点/10点満点

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