津上俊哉「巨龍の苦闘」感想。
中国もの。2015年06月03日読了。
著者は、1957年生まれ、1980年東大卒、通産省入省、1996年在中国日本大使館参事官、などを経て通産省を退官した人。中国のエキスパート。
中国の情勢は、中国が発表する公的情報+αで分析可能である、というような本。
(p111-の抄録)
中国の物価上昇は、GDPの伸び率よりも高い。
実質的には、中国の預金者は富を収奪されていて、借り手(特に国有企業)が有利な状況(というよりは、補助金に近い)であった。
(p154)
中国の裁判所(法院)と検察院は、その予算を市(レベル)が握っていたので、市が敗訴となるような判決を出した瞬間にクビになる。ということが分かっているので、市が被告となるような訴状はそもそも受け取らない。
(p185)
中国は、G7が主導している国際金融秩序(ブレトンウッズ体制)に沿った形で、国際的な地位を高めようとしていたが、米国議会の理不尽な反対で頓挫し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立する羽目になった。
納得出来る話も多いけど、週刊現代レベルの話も多く、プラスマイナスが相殺されての5点評価。
5点/10点満点
| 固定リンク
コメント