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2015/08/08

田中真知「たまたまザイール、またコンゴ」感想。
紀行エッセイ。2015年07月10日読了。


田中真知氏(男性です)は、蔵前仁一氏が主催していた雑誌「旅行人」によく寄稿していた作家。翻訳家。

20代後半頃から8年エジプトに住んでおり、イスラム法学者中田考氏のエジプト留学時に交流があったとのこと。奥さんと一緒にアフリカ各地を旅行し、その紀行文が本となって出ている。

田中真知氏の著作は、
「孤独な鳥はやさしくうたう」2009年06月01日読了。6点
「アフリカ旅物語 北東部編」2013年01月24日読了。8点
「アフリカ旅物語 中南部編」2013年01月26日読了。

を読んでいる。

「アフリカ旅物語 北東部編」には、
1990-93年のエジプト在住記
1990年のスーダン夫婦旅行記
1985-86年のスーダン旅行記
1993年のエチオピア、ケニア、ウガンダ、ザイール(現コンゴ)旅行記

「アフリカ旅物語 中南部編」には、
1991年のコンゴ川(アマゾン川に次ぐ世界第2位の流域面積を誇る大河)を夫婦で丸木舟川下り
マダガスカル、ボツワナ、ボツワナのピグミー、ナミビアの人種隔離などについて書かれている。


本書は2部構成で、

第1部「たまたまザイール」は、「アフリカ旅物語 中南部編」の焼き直し。

第2部「またコンゴ」は、何の因果か、再びコンゴ川を川下りすることになってしまった、という旅行記。


田中真知氏の旅行記(紀行文)は、蔵前仁一氏のような軽妙さはなく、高野秀行氏のような(変なことへの)強いこだわりがあるわけでもなく、宮田珠己のようなすっとぼけた感じもない。まあ、身も蓋もない言い方だが、普通の旅行記である。

ただ、英語以外ににフランス語とアラビア語もできるので、現地の人とのコミュニケーションがよく取れてて、それがとても良い。(ちなみにコンゴはフランス語圏である)

それよりも何よりも、もともと海外旅行好きの人たちの間でも旅行の難易度が格段に高いと別格扱いされている腐敗大国コンゴ、さらにアフリカ大戦とも言われる第二次コンゴ戦争が終わった後で国中が疲弊しているコンゴ、を旅した紀行文というだけで、本書は別格である。

facebook情報などを辿って探し当てた英語を喋れるコンゴ人ガイド(英語を喋れるコンゴ人は珍しい)に接触した際、アフリカ大戦の後だったのでかなり身構えられた、というエピソードは私的にはかなり参考になった。


辺境やアフリカに興味がなければ、あまり面白く感じることができないかも知れないが、でも本として出版されるくらいなので、それなりの読者が日本にも居るのだなあ、と思うのである。

これは私の持論だが、日本では野生動物以外の目的でアフリカに興味のある人は少なく、したがってアフリカ関連の書籍に外れは少ない。本書もそれに該当し、紀行文としては一級品と思う。ただ個人的には、第1部の内容は既に読んでいるので、ちょっとがっかりしたことは否めない。


6点(第1部が既読だったので)/10点満点


※本書p137に、スーダンで反政府組織に捕ったイギリス人ジャーナリストが「ベッカム」を連呼したところ、待遇がよくなって解放された。

という記述があるのだが、これはスティーヴ・ブルームフィールド「サッカーと独裁者 アフリカ13カ国の紛争地帯を行く」2012年09月03日読了。8点

のことだと思う。

何でこの本だけちゃんと紹介しないのか不思議。(他の参照本は、著者名とか書籍名がきちんと紹介されている)

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