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2015/12/07

柴宜弘「ユーゴスラビア現代史」感想。
近代史。2015年11月11日読了。

予約投稿に失敗してました。トホホ。


本書は1996年に書かれた本。

旧ユーゴは1991年に崩壊が始まり、1995年までクロアチア紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が続いた。コソヴォ紛争は1996年~1999年まで続いた。したがって本書には、コソヴォ紛争の結末は書かれていない。


本書は旧ユーゴスラビア地域の、中世からの歴史的経緯説明に始まり、オスマン帝国やハプスブルク帝国の支配下にあった1800年代~第1次世界大戦前、チトーがユーゴスラビアというひとつの国にまとめた第2次世界大戦前後、そして崩壊に至るまでについて書かれている。

旧ユーゴの中心セルビア(セルビア公国)と、クロアチア(ハプスブルク帝国支配下≒オーストリア・ハンガリー二重王国)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(オスマン帝国支配下)との紛争の火種は、1800年代に既に存在していたとのこと。

第1次バルカン戦争で、セルビア・モンテネグロ・ブルガリア・ギリシャ連合軍がオスマン帝国を破り、オスマン帝国に支配されいた領土(ボスニア・ヘルツェゴビナ)を取り戻した。その後、領土の分割にブルガリアが対立、ブルガリア対セルビア・モンテネグロ・ギリシャ連合の戦争に発展(第2次バルカン戦争)、四面楚歌のブルガリアが負ける。

第1次世界大戦により、オーストリア・ハンガリー二重王国は消滅、スロベニア、クロアチア、ヴォイヴォディナなどがオーストリア・ハンガリー二重王国の支配下を離れ、新たな国家スロベニア人・クロアチア人・セルビア人国を作る。

セルビア主導でバルカン地域をひとつにまとめる「大セルビア主義」の動きがあり、しかしクロアチア人やボスニア人は「私たちはセルビア人ではない」と政治的な対立が生まれるも、第2次世界大戦が勃発し、ドイツが侵攻(ドイツ側にイタリア・ブルガリア・ハンガリーも参戦)、セルビア軍はボスニアの山中を隠れ蓑にして、徹底抗戦(パルチザン)した。

パルチザンの中心にいたチトーが、第2次世界大戦後、ユーゴをひとつの国にまとめたのだが、元もと紛争の為は1800年代からあったので、チトーの死後、ユーゴは連邦国としてのまとまりがなくなり、崩壊に至った。


的な事が、かなり分かり易く書かれている。

ユーゴ崩壊に関する本は何冊も読んでいるけど、もっと早くこの本を読んでいれば良かったと後悔。

良書。


9点/10点満点

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