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2016/03/06

サイモン・シン/青木薫訳「暗号解読(上)」感想。
ノンフィクション。2016年01月12日読了。


プライバシーを守るため、インターネットには暗号化が必須。

ではその暗号化っていったい何?

ということを、暗号の歴史そのものを振り返ることによって、非常に分かり易く説明したノンフィクション。

私の読書人生、生涯ベスト10に入れるべき傑作「フェルマーの最終定理」を書いたサイモン・シンの著書。訳者も同じ青木薫氏。


第1章

紀元前5世紀、ギリシャとペルシャの戦争に関してヘロドトスが記した「秘密の書記法」について。単純に文字を入れ替えてめちゃくちゃな記号の羅列に変換するというもの。
AとZを入れ替えて文章を記す
BとYを入れ替えて文章を記す……

なんの文字を入れ替えたのか、その規則性が分からなければなかなか解けない。規則性を紙に書いたり、同じ規則を何度も使うと内容がばれるので、キーワードを決めるやり方が広まった(キーワードは伝書役の奴隷が相手に伝える)

ジュリアスシーザー JULIUS CAESAR をキーワードにすると、重複語を除いて以下のように置換する。(置換前の文章を平文という)

平文 a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z
暗号 J U L I S C A E R T V W X Y Z B D F G H K M N O P Q (R以降は、アルファベット順に並べる)

この方法で1000年は上手くいった。

が、アルファベットの出現頻度を解析することで解読が可能になった。英語で考えると、普通に書かれた文章で最も多く出てくるものは e 、2番目は t 、3番目は a である。

上記「秘密の書記法(アルファベット換字式暗号)」は、アルファベットを1対1で置換するため、暗号化された支離滅裂な文字列から出現頻度の高い文字を順番に当てはめていけば、いずれ内容ある単語に行き着く。つまり解読が可能になる。このことが記された最も古い文書は、9世紀のアラブの科学者である。

ヨーロッパでは1200年頃まで、まだこの解読方法に到達していなかった。

そんなこんなで(端折ってスマン)、1586年のスコットランド女王メアリーが暗号を使ってイングランドに反旗を翻した廉(かど)で処刑される。


第2章

(ヨーロッパの)暗号作成は新たなステージに突入した。2段換字である。一度換字しためちゃくちゃなアルファベットを、異なる手順で更に換字するのである。

ここで新たな問題が発生した。換字の手順=暗号を復元する手順を受け取り側にどうやって伝えるか、ということである。やがてヴィジュネル方陣という方法が考案され、広まった。

それを解読する側は、出現するアルファベットの冗長性に着目し、同じアルファベットの組み合わせがあるか、ある場合それは何度出現するか、何文字おきに出現するか、同じ組み合わせの文字数は何文字か、などを総合的に分析し、しらみつぶしに調べていったら正解としか考えられないパターンが見つかり、それを手がかりに発信元が同じ人物の機密文書を次から次へと見破っていく。


第3章

なんか暗号が見破られていると気付いた発信者は、機械を使って暗号化と復元を行う暗号機の開発に乗り出した。19世紀終わり頃の話。


第4章

機械化しても見破られる場合があることに気付いたドイツ人は、第二次世界大戦で大活躍したエニグマ暗号機を作り出す。


というような感じで話は進んでいきます。


このブログで本書の魅力が伝わらない場合、それは単に私の筆力不足です。本書はめちゃくちゃ面白い!


9点/10点満点

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