« 黒田龍之助「外国語を学ぶための 言語学の考え方」感想。
エッセイ?2016年02月27日読了。
| トップページ | 鳥飼玖美子「本物の英語力」感想。
学習方法。2016年03月05日読了。 »

2016/04/26

桜井啓子「イスラーム圏で働く」感想。
いわゆる新書。2016年03月02日読了。

イスラム圏に海外赴任した人たちが、どのような苦労をしたのか、これから赴任する人はどのようなことに気をつければいいのか、ということを13人の経験者に寄稿してもらい、イスラム研究者の桜井啓子氏がまとめた本。

桜井啓子「シーア派―台頭するイスラーム少数派」2013年01月21日読了。8点/10点満点


ちなみに酒井啓子氏という方もイスラム研究者で、名前が似ていて以前私は間違って同一人物だと思っていたことがあります。失礼しました。


これからイスラム圏で働くことが確定している人は、絶対に読むべき一冊です。本書に寄稿している何人もの人が、イスラム圏では「インシャアッラー」で物事が進むので計画が立てづらい、という体験を書いています。

「インシャアッラー」は「神のご加護の元に」という意味で→例えば、明日会って商談を進めると約束したが、もしかしたら会えないかもしれない、なぜなら商談に遅れるもしくは商談に来ないというのは神の意志によるものなので、個人の意志ではない。

というような考え方。イスラム教徒は何でもかんでも「神の意志」のせいにしちゃうけど、これにいちいち苛立っていたら何も進められないので、まあ流れのままに、逆らわずに、適当に。


さて本書で面白かったところ。

(p25)中東のオマーンでは、最高気温はいつも49度。50度を超えると外で働いてはいけないという勧告があったので、実際の気温が60度あっても、発表値は必ず49度。

というか、オマーンって60度を超えるんだ。私の個人的体験では、アフリカのナミブ砂漠で48度の気温のなか、砂漠を6時間くらい観光しましたけど、それより熱いんですね。


(p51)イラクがクウェートに侵攻した1990年、200人を超す日本人が、イラクに囚われ「人間の盾」として利用された。
(p60)これは1980年のイラン・イラク戦争の際、クウェートの大使館が狭くて、イラクから逃げてきた日本人を保護することができなかったことを反省し、クウェートの大使館に250人収容できるように拡張したが、クウェートの飛行場が閉鎖されJALのパイロットやスチュワーデスが大使館に逃げ込んできて、でも拡張した避難施設(地下)にいたら寝泊まりできるしご飯も食べられる、そうこうしているうちにイラクが侵攻してきてクウェート政府は逃げ出してしまって日本大使館に逃げ込んだ日本人が人質になりました。

的なことが書かれている。


(p144)三菱商事でエジプト、イラク、サウジ、マレーシア、パキスタン、インドネシア(以上全部イスラム圏)に赴任した人の話。赴任先の中でスンナ派とシーア派が最もうまく共存しているのがパキスタン。

ちょっと意外。


なかなか面白い本でした。


8点/10点満点

|

« 黒田龍之助「外国語を学ぶための 言語学の考え方」感想。
エッセイ?2016年02月27日読了。
| トップページ | 鳥飼玖美子「本物の英語力」感想。
学習方法。2016年03月05日読了。 »

◇いわゆる新書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43036/63398340

この記事へのトラックバック一覧です: 桜井啓子「イスラーム圏で働く」感想。
いわゆる新書。2016年03月02日読了。
:

« 黒田龍之助「外国語を学ぶための 言語学の考え方」感想。
エッセイ?2016年02月27日読了。
| トップページ | 鳥飼玖美子「本物の英語力」感想。
学習方法。2016年03月05日読了。 »