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2016/12/31

竹内淳「高校数学でわかる光とレンズ」感想。
ブルーバックス。2016年08月06日読了

第4章までは光とレンズの仕組みを優しく解説。実用的でもある。

第5章以降は、光学の数式を導き出すことが目的と化し、ブルーバックスというよりは大学の光学教科書のようになってしまっている。大学の教科書のような内容を書くにはページ数が足りないので、かなり駆け足になってしまっているし、実用的でもない。

私に光学の知識が無いためそう感じるのかもしれないが、大学の教科書のような内容を知りたいのなら教科書を読めばいいのであって、ブルーバックスで書く内容ではない。

ブルーバックスの執筆者は基本的にその道の専門家なので、専門的になりすぎないように編集が舵取りをしなければイマイチな本が出来上がってしまう。

本書はそのイマイチな部分が多かった。と個人的には思う。

「高校数学でわかる」シリーズは数学を楽しむ本なのだ! と言われると返す言葉もないのだが。


5点/10点満点

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2016/12/30

灯油価格の推移(千葉県柏市・1997-2016年) 追記:エアコン暖房だと?

今冬(2007-08年)は記憶にないくらい灯油が高かったので、
備忘録として過去の灯油18リットルの価格推移を記す。(千葉県柏市在住)

※と昔書いた記事に少し付け加えて再アップ(2011/03/01)
※さらに近況を延々毎年更新

※2DK鉄骨モルタルアパート暮らし(6畳+4畳半+DK4畳半)
※石油ファンヒーターは4リットルタンクの小型のもの。

◆1997-98シーズン
1997年11月24日(祝) ・ 800円
1997年12月27日(土) ・ 800円
1998年02月08日(日) ・ 800円
1998年03月07日(土) ・ 800円

シーズン計4回購入3,200円

◆1998-99シーズン
1998年11月22日(日) ・ 760円
1998年12月12日(土) ・ 670円
1998年12月30日(水) ・ 660円
1999年01月15日(祝) ・ 660円
1999年02月07日(日) ・ 660円
1999年02月28日(日) ・ 670円

シーズン計6回購入4,080円

◆1999-2000シーズン
1999年12月04日(土) ・ 735円
1999年12月25日(土) ・ 570円
2000年01月09日(日) ・ 680円
2000年01月29日(土) ・ 740円
2000年02月05日(土) ・ 610円
2000年03月11日(土) ・ 740円

シーズン計6回購入4,075円

◆2000-01シーズン
2000年11月07日(祝) ・ 950円
2000年11月25日(土) ・ 890円
2000年12月16日(土) ・ 870円
2001年01月10日(祝) ・ 950円
2001年01月20日(土) ・ 700円
2001年02月03日(土) ・ 840円
2001年02月17日(土) ・ 830円
2001年03月04日(祝) ・ 950円

シーズン計8回購入6,980円

◆2001-02シーズン
2001年11月24日(土) ・ 790円
2001年12月22日(土) ・ 700円
2002年01月12日(土) ・ 680円

シーズン計3回購入2,170円

◆2002-03シーズン
※石油ファンヒーターを9リットルの中型に買い換える。
2002年11月10日(日) ・ 880円
2002年12月07日(土) ・ 780円
2002年12月21日(土) ・ 750円
2002年12月28日(土) ・ 790円
2003年01月11日(土) ・ 790円
2003年01月25日(土) ・ 790円
2003年02月08日(土) ・ 790円
2003年02月22日(土) ・ 800円
2003年03月15日(土) ・ 790円

シーズン計9回購入7,160円

◆2003-04シーズン
2003年11月15日(土) ・ 900円
2003年11月29日(土) ・ 820円
2003年12月20日(土) ・ 790円
2003年12月30日(火) ・ 850円
2004年01月10日(土) ・ 780円
2004年01月24日(土) ・ 750円
2004年02月07日(土) ・ 750円
2004年02月21日(土) ・ 700円
2004年03月20日(土) ・ 750円

シーズン計9回購入7,090円

◆2004-05シーズン
2004年11月20日(土) ・ 1080円
2004年12月11日(土) ・ 1080円
2004年12月30日(木) ・ 1080円
2005年01月15日(土) ・ 1000円
2005年01月29日(土) ・ 1050円
2005年02月12日(土) ・ 1050円
※3月・3LDKマンションに引っ越し(10畳リビング+6畳和室+6畳+4畳半)
※石油ファンヒーターは相変わらず9リットルタイプを使用中。
2005年03月06日(日) ・ 850円

シーズン計7回購入7,190円

◆2005-06シーズン
2005年12月18日(日) ・ 1170円
2005年12月25日(日) ・ 1260円
2006年01月08日(日) ・ 1350円
2006年01月29日(日) ・ 1390円
2006年02月11日(土) ・ 1390円
2006年03月04日(土) ・ 1386円

シーズン計6回購入7,946円

◆2006-07シーズン
2006年11月23日(祝) ・ 1350円
2006年12月10日(日) ・ 1350円
2006年12月30日(土) ・ 1350円
2007年01月06日(土) ・ 1350円
2007年01月27日(土) ・ 1350円

シーズン計5回購入6,750円

◆2007-08シーズン
2007年11月17日(土) ・ 1530円
2007年12月08日(土) ・ 1710円
2007年12月22日(土) ・ 1710円
2008年01月12日(土) ・ 1710円
2008年01月19日(土) ・ 1710円
2008年02月02日(土) ・ 1710円
2008年02月17日(日) ・ 1710円

シーズン計7回購入11,790円

◆2008-09シーズン
※12月後半までエアコン暖房を試みるが、エアコンのパワー不足で断念。
2008年12月23日(祝) ・ 1170円
2009年01月11日(日) ・ 1170円
2009年01月24日(土) ・ 1170円
2009年02月22日(日) ・ 1170円

シーズン計4回購入4,680円

◆2009-10シーズン
※会社を辞めて世界一周旅行に出たので灯油を買わず。
2009年11月04日より世界一周旅行開始。
2010年1月に一時帰国(欧州極寒)、2週間後再出発。
2010年3月に再び一時帰国(肝炎)。治療に2ヶ月。
前年シーズンは3月に入るとそこそこ暖かかったが、2009-10年シーズンは4月まで寒い日々が続いた。結局灯油を買いそびれエアコンで過ごした。

◆2010-11シーズン
噂では18リットル1500円台と聞いたので、今シーズンはエアコンだけで乗り切れるか試してみる。だいたい、ひと冬6回購入するので、1500円×6=9000円以内のアップ幅であれば、エアコンで暖房でも問題なしである。(ちなみに私はいい歳こいて世界一周したツケで現在無職・ひとり暮らし・一日中自宅にいることが多い)

          2008-2009年   2010-2011年
10月の電気代 4036円(155kwh) 4365円(180kwh) ほぼ例年並み
11月の電気代 4585円(179kwh) 4596円(193Kwh) ほぼ例年並み
12月の電気代 4310円(167kwh) 5336円(229kwh) アップ幅1026円
01月の電気代 5322円(199kwh) 7305円(323kwh) アップ幅1983円
02月の電気代 5201円(194kwh) 8411円(374kwh) アップ幅3210円
03月の電気代 4497円(165kwh) 7387円(327kwh) アップ幅2890円(ここで大震災)
04月の電気代 4272円(159kwh) 6725円(294kwh) アップ幅2453円

アップ幅合計11,562円 →灯油ストーブの方が安かったじゃねーか。

◆2011-12シーズン
※この年の9-10月はフィリピン・セブ島に短期英語留学していた
※この年も途中までエアコンで過ごしていたが、寒くて無理。2月になってストーブを出す。
※近所に出来たセルフスタンドに、セルフ灯油販売あり。細かな買い方ができるようになった。
2012年02月02日(木) ・ 1600円(但し19.52リットル/1リットル82円)
2012年02月13日(月) ・ 1470円
2012年03月01日(木) ・ 1500円(但し15.96リットル/1リットル94円)
2012年03月20日(火) ・ 600円(但し6.39リットル/1リットル94円)

シーズン計4回購入5,170円

◆2012-13シーズン
※このシーズンは無職の引き籠もり。
2012年11月19日(月) ・ 1548円
2012年12月14日(金) ・ 1548円
2013年01月03日(木) ・ 1692円
2013年01月17日(木) ・ 1692円
2013年02月03日(日) ・ 1692円
2013年02月14日(木) ・ 1692円

シーズン計6回購入9,864円

◆2013-14シーズン
※働き始めたので、平日昼間の暖房費がかからなかった。
2013年11月23日(祝) ・ 1674円
2013年12月29日(日) ・ 1728円
2014年01月18日(土) ・ 1728円
2014年02月11日(祝) ・ 1728円
2014年03月16日(日) ・ 1000円(但し、10.42リットル、1リットル96円) 

シーズン計5回購入7,858円

◆2014-15シーズン
2014年12月07日(日) ・ 1566円
2015年01月25日(日) ・ 1206円(安くなったなあ)(&例年より明らかに暖かいぞ)

シーズン計2回購入2,772円

◆2015-16シーズン
2015年12月02日(水) ・ 1062円
2016年01月23日(土) ・ 756円
2016年03月11日(金) ・ 792円

シーズン計3回購入2,610円

◆2016-17シーズン
2015年11月10日(木) ・ 990円
2015年12月07日(水) ・ 1170円
2015年12月28日(水) ・ 1314円


◆今のイチオシマンガ↓

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伊藤祐靖「国のために死ねるか」感想。
国防。2016年08月05日読了。

日体大から海上自衛隊に入隊した著者の国防観。国防論ではない。どちらかというとエッセイに分類した方がいいかもしれない。

著者は自衛隊「特殊部隊」創設者で、著者の思想と行動を知るにはとても面白い。しかし、著者は自衛隊の中でもかなりとびぬけており、すべての自衛隊員が著者のような思想を持っているわけではないことは認識しておくべきだと思う。

今年出た新書の中では相当売れた方だと思うので、詳しくはアマゾンレビューを見てください。


7点/10点満点

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2016/12/29

ジェフ・ジャービス/夏目大訳+茂木崇監修解説「デジタル・ジャーナリズムは稼げるか」感想。
ルポ。2016年08月02日読了。


同じことが何度も繰り返し書かれているので、読んでいて飽きる。というか飽きた。

結構長めの感想を書いたのだけれども、久々にココログエラーが発生し書いた内容が全部すっ飛んだ。書き直す気力が無いので今日の感想はこれだけです。

(2016/12/30追記)

気を取り直して、感想を追記します。

本書の第1章 「マス」は存在しない より引用

p19-20
「新聞はアメリカの主要都市のほとんどで発行されており、新聞が主役の時代にはまだ人々の意見には多様性が見られたが、テレビの登場でそれが失われた。競争にさらされて新聞の数が減ったことで、「誰もが同時に同じ情報を得る」という傾向はますます強まった。だが、1990年代半ばにインターネットが台頭したことでさらに時代が変わる。インターネットは、情報の提供をほぼ独占していたテレビとわずかな数の大新聞から成る覇権に致命傷を与えた。しかし、インターネットの真の犠牲者は特定のメディアではなかった。ネットが殺したのは「マス」という概念そのものだった。
 かつてメディアは大勢の人々をマスとして扱っていた。多数の個人を塊として、一人の大きな人間のようにみなして扱っていたのだ。個人を個人として扱い、一人ひとり個別につながることが容易にできるようになった今も、メディアはその姿勢を続けていくべきだろうか。私は本書を通してその問題について考えていきたい。」

これ以降、本書では成功しているケースや失敗したケースなど様々な事例をもとに、稼げるジャーナリズムとは何か、を探っていく。

本書で繰り返し出てくるのは、コミュニティの重要性である。インターネット上のコミュニティではなく、実際に顔を見て話をするコミュニティである。コミュニティには、狭い地域の中でしか必要とされない、だが重要なニーズが埋もれている。そういうニーズを掘り起こすことが、稼げるジャーナリズムの一つの形である。とのこと。

もちろん本書に書かれているのはこれだけではないが、コミュニティの重要性については何度も繰り返している(なので飽きる)。


第15章 デジタル・ファーストの先 より引用

p222
テレビの視聴者数は減っているのに、CM料金は上がっているらしい。その要因を著者は
「あまりやる気がなく、新しいことに挑戦する気概もない広告代理店が、クライアントのメッセージを何百万人もの人たちに一度に伝えたいと思ったとき、使えるメディアはテレビしか残っていないということだ」
と一刀両断。

デジタル時代についていけない60代、50代が会社の上層部にいるのは、日本だけに限らないのだな。


第19章 マスメディア神話の崩壊 より引用

p308
「ニュースサイトの多くがページビューを増やすために記事を複数のページに分割しているが、これは賢明ではないということだ。ページを増やすことで、高い広告量を取れる最上部のバナーも増やせるのだが、飛ばされてしまうのだとしたら意味はない。一つの記事を読むのに四回も五回もクリックを強いるよりは、いっそ一ページにまとめてしまった方が読者にも便利だろう」

今年の夏頃(うろ覚え)、講談社の現代ビジネスが画面を刷新し、従来4ページに分割されていた記事を2ページ以内に変更した。いちいちクリックするのが面倒だったので、この変更は一読者である私は大歓迎だった。


本書に書かれている個別事例は非常に参考になる。しかし、一冊の本として読んだ際、同じことが何度も繰り返し書いているのが苦痛だったので、辛めの採点。


4点/10点満点

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2016/12/28

朝日ジャーナル編「世界のことば」感想。
言語の紹介。2016年07月23日読了。

地球上には6000以上の言語がある(wikipediaには8000との記述もある)

そのうち本書では114の言語について紹介されている。見出しは110項目だが、諸語として紹介されているのが含まれているので114になるのだろう。

本書の構成は極めて簡単で、見開き2ページにつき1つの言語が紹介されている。

執筆者はその言語を研究している言語学研究者や、その言語が使われている地域の地誌学や歴史を研究している学者で、言語学的なアプローチ(発音ほか)をしている人もいれば、その言語が使われている周辺の地誌だけを記す人もいて、まちまち。要は執筆者が100人いる共著と思ってください。

本としてのまとまりはないけど、世界にはこういう言語がある、という知識を増やすにはいいかもしれない本でした。1991年発売。古本で入手。

6点/10点満点

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2016/12/27

池内恵「【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」感想。
中東情勢の歴史解説。2016年07月15日読了。

今、日本でいちばん中東情勢について積極的に発言している池内センセ(東大の准教授)による、中東混乱の原因と巷間で言われているサイクス=ピコ協定(第一次世界大戦後の1916年に英仏露で結ばれたオスマントルコ解体後の国境線を決める密約)に関する解説書。

新潮選書にしては薄いなあ、だから1000円+税なのか、と思いつつ買ったけど、見た目以上に薄くて140ページしかなかった(厚手の紙を使っている)。

池内センセの本なので、内容そのものには感心させられるのだけれども、緊急出版だからなのか全体的に説明を端折っているところが目について、正直センセがForesightに載せているコラム20回分をまとめて読んだような印象。

でもセンセのfacebookによると、本書は今年一番売れた新潮選書なのだそうだ。

薄くて読み応えが無い、という点を除けば本書はいい本だったのは間違いない。


7点/10点満点

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2016/12/26

ダニエル・ヤーギン/伏見威蕃訳「探求 エネルギーの世紀(下)」感想。
エネルギー史。2016年07月12日読了。

下巻の目次は以下の通り。

第3部 電気時代(承前)
 第19章 価格統制の方かい
 第20章燃料の選択
第4部 気候とCO2
 第21章 氷河の変化
 第22章 発見の時代
 第23章 リオへの道
 第24章 市場を作る
 第25章 グローバルな政治目標
 第26章 コンセンサスを求めて
第5部 新エネルギー
 第27章 再生可能エネルギーの再生
 第28章 科学実験
 第29章 輝く光の錬金術
 第30章 風の謎
 第31章 第五の燃料-効率
 第32章 節約の溝(コンサベーション・ギャップ)を埋める
第6部 未来への道
 第33章 炭水化物人間
 第34章 内燃機関
 第35章 遠大な電気自動車実験
結論-”偉大な革命”


上下巻合わせて正味900ページを超える長大なエネルギー史である本書。

下巻はやや不満。理由は簡単で、本書の原著が発売されたのは2011年。下巻は電気や再生エネルギーに関しての話が多いが、2016年の今、著者の想像と違った方向に動き出している分野があり、読んでいる方としては「見込み違いでしたね」と突っ込みを入れざるを得ないのである。とはいえ、

例えばバイオエタノール。トウモロコシからエタノールを作るって食糧を捨てるのに等しい、バカじゃん。

と私は思っていたのだが、サトウキビから作られるエタノールだけは別で、サトウキビからエタノール成分を抽出した搾りかすを燃やして発電すれば、それはそれで燃料になる。だからサトウキビエタノールはガソリンと競争力があるのだそうだ。

でもそれってごみを燃やして発電するのと大差ないんじゃね?的な感想を持ったりする。

(この本に書いてある話ではないのですが、日本のごみ処理場では、ごみの分別収集が行き過ぎてしまった自治体の場合、可燃ごみに生ごみ=水分多い=が多すぎて、普通に燃やしても燃えないから重油をぶっかけて強制的に燃やしているところもあるそうです)


ページ数がものすごいので万人に勧められないけど、良書でした。


7点/10点満点

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2016/12/25

ダニエル・ヤーギン/伏見威蕃訳「探求 エネルギーの世紀(上)」感想。
エネルギー史。2016年06月29日読了。

端的に言うと、石油とガスの「探求」の歴史である。素晴らしい内容だ。アマゾンレビューで翻訳が悪いと極端に低い点数をつけている人がいるが、多少翻訳の粗さは目につくものの、内容が圧倒的なので本書の価値を損なうほどではない。

上巻は、
プロローグ
第1部 石油の新世界
 第1章 ロシアの復帰
 第2章 カスピ海ダービー
 第3章 カスピ海の対岸
 第4章 スーパーメジャー
 第5章 石油国家
 第6章 流通途絶
 第7章 イラク戦争
 第8章 需要ショック
 第9章 中国の勃興
 第10章 追い越し車線の中国
第2部 供給の安全保障
 第11章 世界の石油は枯渇するのか?
 第12章 非在来型石油
 第13章 エネルギーの安全保障
 第14章 ペルシャ湾の流砂
 第15章 海上のガス
 第16章 天然ガス革命
第3部 電気時代
 第17章 交流電気
 第18章 核燃料サイクル

という目次である。


プロローグでは、イラクのクウェート侵攻(1990年)は、クウェートを併合した場合イラクは世界の石油埋蔵量の2/3を占めることができ、兵員数が世界第4位という世界有数の軍隊を持っていたこともあり、世界の大国として君臨する夢を見た。

第2章では、アゼルバイジャンは、第一次世界大戦中にロシア帝国が崩壊したとき素早く独立を宣言し、イスラム世界で初となる近代的な議会と、(英米よりも早く)女性の投票権を認めた最初のイスラム国家であった。などを含めて、カスピ海は石油の一大産地であり、ソ連崩壊後に次々と誕生した国による油田確保に関する話が盛り込まれている。

第3章では、そのカスピ海周辺諸国と、地図を見ればすぐわかるがカスピ海は内陸にあるため、石油の消費地にどうやって石油を届けるのか、パイプライン敷設に関する話。

第4章では、その昔石油は、セブンシスターズと呼ばれる7社が世界を独占していたが、1995年頃から原油価格は20ドルを割り込み、収益が悪化したセブンシスターズは先行投資ができなくなり、セブンシスターズ同士による合併が相次ぎ、スーパーメジャーと呼ばれる5社に収斂していったという話。

第5章では、OPEC加盟国でもあるベネズエラが、原油価格高騰による濡れ手で粟の金が手に入り、ばらまき政策で人気を博したチャベス大統領はそれを確固たるものにすべくベネズエラ石油公社を国営にし、欧米資本を追い出し、凋落する様を。


と、全章にわたってすべてが興味深く、かつ面白い。

圧倒的な本である。


9点/10点満点

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2016/12/24

近藤大介「パックス・チャイナ 中華帝国の野望」感想。
国際情勢。2016年06月21日読了。

著者は週刊現代の編集次長で、現代ビジネス(Webメディア)に中国関連のコラムを連載している人。たぶん中国語がペラペラ。今、いちばん勢いのある中国ウォッチャー。(ちょっと前まで富坂聰氏を推していましたが)

さて感想を書こうと半年ぶりに本書を手に取ってみると、内容をあまり覚えていない。

これは本書の内容が良い悪いという話ではなく、中国は頻繁に政治情勢が変わり、私はWebメディアで毎日いろいろ追いかけているため、本書で読んだ内容なのか、現代ビジネスで読んだ近藤氏の直近コラムなのか、他のWebメディアに載っていた話なのか、こんがらがってしまうのです。

とりあえず、本書が出版された2016年5月までの中国総括としては、とてもよくまとまっていると思います。

また近藤氏は週刊現代という大衆誌で鍛えられているため、全体構成の上手さ、文章の平易さ、(中国の人名など)誤読を避けるテクニックが上手いです。

読んで損はない本です。

7点/10点満点

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2016/12/23

ピーター・ピオット/宮田一雄+大村朋子+樽井正義共訳「NO TIME TO LOSE エボラとエイズと国際政治」感想。
自伝ノンフィクション。2016年05月31日読了。

◆内容紹介(Amazonより)

アフリカの熱帯雨林から国際政治のジャングルへ――
元UNAIDS事務局長が綴る、波乱万丈の回想録。

1976年、ベルギーの若き医師ピーター・ピオットは、恐ろしい感染症を引き起こしていた未知のウイルスを調べるためアフリカ・ザイール(現コンゴ民主共和国)に赴いた。死と隣り合わせの任務のなかで、この「エボラ」がどう広がったのかを突き止めるべく現地の文化や風習に深く身を浸した彼は、感染症との闘いに一生をかけようと決意する。

その6年後、彼は再びザイールの地を踏む。もう一つの新たな流行病、「エイズ」の感染が広がろうとしていたためだ。世界的に流行が拡大した80年代から、彼は国際的なエイズ対策を先導する役割を担い始める。その後、UNAIDS(国連合同エイズ計画)の初代事務局長として、国際的な協力体制を築くためネルソン・マンデラ、フィデル・カストロ、温家宝ら世界の名だたる指導者たちと、あるときは盟友関係を結び、あるときはタフな交渉に臨んでいく。国際機関の非効率や官僚的対応に苦しみながらも少しずつ歩を進めていくその過程には常に、有名無名の人びととの力強く、そして広範な「連携」があった――。

21世紀を迎える激動の時代に、世界の仕組みを変える。ユーモアを交えながらもストレートに、そしてスリリングに綴られる三十余年の回想録は、今日もなお世界で猛威をふるう感染症と、個人そして社会がどう対峙すべきか、多くの示唆を与えてくれる。


◆感想

上記のように、UNAIDS(国連合同エイズ計画)の初代事務局長を任命されるなど、公衆衛生の改善に多大な貢献をした著者の自伝である。

自伝なので、自分にとって都合の悪いこと、自分と対立していた者の考え方、についてはあまり触れられていない。自伝だからしょうがないのだが、優秀なノンフィクションライターが対立している側にも取材して、本書と同じようなコンセプトの本を書いたら、もっと面白くなったと思う。(例:第4代世界保健機関(WHO)事務局長、中嶋宏博士は、著者の活動を妨害する国連関連組織内のダースベイダー的に書かれている。私は中嶋博士のことをよく知らないので、著者の見解が正しいのかどうかは判別できない)

また本書は、国連に関する記述も多く、国際政治のど真ん中にいた人による国連という組織が機能不全に陥っている様を表した本ともいえる。

本書は450ページあり、内容の密度が濃く行間を飛ばして読むことはできず、しかし正直なところ翻訳が今一つで、読むのに大変苦労した。私はわりと多読な方と思っているが、本書は読むにに3週間もかかってしまった。


しかし、書かれている内容はエイズやエボラと真正面から戦った医学者の奮闘記であり、一行たりとも読み飛ばすことなくきちんと読了したいという気持ちが勝った。

良書である。


7点/10点満点

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2016/12/22

最上敏樹「人道的介入 -正義の武力行使はあるか-」感想。
国際政治学。2016年05月13日読了。

◆内容(本書カバー折り返しより)
極度の迫害を受け、生命が危険にさらされている人々に対して、国際社会には何ができるか。彼らを救うのに武力以外の手段がないとすれば、どうしたらよいのか。人道的介入の名目でNATOが行ったユーゴ空爆をはじめ、ソマリア、ルワンダなど、数々の地域紛争を検証し、21世紀における平和のあり方、人道的であることの意味を考える。

◆感想
国際政治、中でも内政不干渉(独立国家の内部で起きている事態に関して、国連や他国が容易に口出ししてはならない事)の禁を破って干渉する事態は、国連が絡んでいようといまいと、国家の主権に関する概念をきちんと理解していないと難しい。

国際政治に関する本を読んでいるだけの私(大学等で専門教育を受けたわけではない)には、少々敷居の高い=難しい本だった。なぜ難しいかというと、国連憲章の第〇条第〇項にこう書かれているが、その解釈は正しいのだろうか? 的な記述が多く、国連憲章なんて見たことすら無いよ、という私には難しいのであった。

これは、日本国憲法の改正に関し、憲法学者が、憲法〇条はうんたらかんたらと述べているのが難しく感じることと近い。

本文より、私が注目したところ。

P16&P25
1971年3月から12月までの間に、東パキスタン(現バングラデシュ)で、ベンガル人100万人がパキスタン政府の手で虐殺された。

→ベンガル人はバングラデシュの多数派。パキスタンの多数派はパンジャブ人とパシュトゥーン人。バングラデシュ独立前、政権を握っていた現パキスタンのパンジャブ人は、東パキスタンを差別していて(人種が違う、宗教が違うなどの理由)、怒った東パキスタンが1971年3月に独立を宣言すると、逆切れしたパキスタン政府が反逆者の弾圧に乗り出したというもの。

パキスタンに関してはほとんど勉強していないので、この話は全く知らなかった。

P42
スハルト時代のインドネシアの左翼弾圧(犠牲者30-40万人)
1970年頃、北部スーダンが南部スーダンを虐殺(犠牲者50万人)
ナイジェリア内戦=ビアフラ紛争(犠牲者60‐200万人)

スハルト時代のことは、最近(2016年11月・当ブログへのアップはしばし先の話)読んだ本に書かれていた。

ビアフラ紛争は伊藤正孝「ビアフラ 飢餓で滅んだ国」2012年09月11日読了。10点満点が素晴らしい本だった。

スーダンに関しては、1970年頃から揉めていたのは知らなかった。


というような事例を紹介しながら、本書は旧ユーゴが崩壊に至った一連の事態を検証していく。
世間的には、セルビア=悪、ボスニアヘルツェゴビナ=可哀そう、クロアチア=可哀そう
なのだが、これはボスニアヘルツェゴビナがアメリカの広告代理店を使って、世界中でセルビア=悪のキャンペーンをした結果に出来上がったイメージなのであって、もちろんセルビアも相当いろんなことをやらかしたが、ボスニアヘルツェゴビナやクロアチアも、セルビア人を虐殺しまくっていた。ここいらは高木徹「戦争広告代理店」2005年08月30日読了。10点満点。に詳しい。

そのうえで、

P126
「人道的=正義であるなら何をしてもよい」という結論を安易に導かないことである。

というような見解を示している。この引用が著者の見解のすべてではないが、かなり凝縮された言葉なのかな、と私は思っている。


7点/10点満点

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2016/12/14

アクセスカウンター40万突破に感謝。

トップに設置している忍者Toolsアクセスカウンターが40万を突破しました。
お読み下さっている皆様に感謝です。

2005年12月15日 ブログ始める
2006年11月23日 アクセス01万突破 (344日) 一日平均 29
2007年10月09日 アクセス02万突破 (321日) 一日平均 31
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2009年01月19日 アクセス04万突破 (212日) 一日平均 47
2009年05月28日 アクセス05万突破 (129日) 一日平均 77
2009年09月06日 アクセス06万突破 (101日) 一日平均 99→11月に世界一周開始
2010年01月06日 アクセス07万突破 (122日) 一日平均 82
2010年02月22日 アクセス08万突破 ( 47日) 一日平均212
2010年04月27日 アクセス09万突破 ( 65日) 一日平均154→5月末に世界一周終了
2010年07月01日 アクセス10万突破 ( 65日) 一日平均154
2010年09月02日 アクセス11万突破 ( 62日) 一日平均161
2010年11月21日 アクセス12万突破 ( 80日) 一日平均125
2011年02月01日 アクセス13万突破 ( 72日) 一日平均139
2011年04月26日 アクセス14万突破 ( 86日) 一日平均116
2011年07月08日 アクセス15万突破 ( 73日) 一日平均137
2011年09月07日 アクセス16万突破 ( 60日) 一日平均167→フィリピン留学記
2011年11月25日 アクセス17万突破 ( 80日) 一日平均125
2012年01月30日 アクセス18万突破 ( 66日) 一日平均152
2012年04月23日 アクセス19万突破 ( 83日) 一日平均120
2012年06月24日 アクセス20万突破 ( 62日) 一日平均161
2012年08月28日 アクセス21万突破 ( 65日) 一日平均154
2012年11月01日 アクセス22万突破 ( 65日) 一日平均154
2013年01月20日 アクセス23万突破 ( 81日) 一日平均123
2013年03月22日 アクセス24万突破 ( 60日) 一日平均167
2013年05月27日 アクセス25万突破 ( 66日) 一日平均152
2013年07月18日 アクセス26万突破 ( 52日) 一日平均192
2013年09月07日 アクセス27万突破 ( 51日) 一日平均196
2013年11月06日 アクセス28万突破 ( 60日) 一日平均167
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2014年03月22日 アクセス30万突破 ( 71日) 一日平均141
2014年06月09日 アクセス31万突破 ( 79日) 一日平均127
2014年08月17日 アクセス32万突破 ( 69日) 一日平均145
2014年11月19日 アクセス33万突破 ( 94日) 一日平均106
2015年02月20日 アクセス34万突破 ( 93日) 一日平均106
2015年06月 頃  アクセス35万突破 カウントするのを忘れていました。
2015年09月15日 アクセス36万突破 ( ??日) 一日平均 97
2016年01月05日 アクセス37万突破 (112日) 一日平均 89
2016年04月20日 アクセス38万突破 (106日) 一日平均 94
2016年08月12日 アクセス39万突破 (114日) 一日平均 88
2016年12月14日 アクセス40万突破 (124日) 一日平均 81

ブログを開始してから4017日で40万アクセスを突破、1日平均99.6アクセスです。

近々、当ブログを再開します。
34冊読了済みです。
今後ともご贔屓にどうぞ。

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