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2017/01/06

ケイト・エイディ/加藤洋子訳「ふだん着で戦場へ」感想。
自伝。2016年09月01日読了。

1945年イギリス北部に生まれた著者は、1968年にBBCに入社。世界中の紛争地からニュースを送り届けるジャーナリスト兼リポーターとして活躍。本書はジャーナリストとして活躍した自分を振り返る自伝。原著は2002年に出版され、日本語版は2006年に出版された。

私は日本語版出版直後に買い、読み進めたのだが、イギリス人特有のやたらと比喩を使って何が言いたいのか分からないまわりくどい言い回し、ねちねちした嫌味ったらしい言い回しに辟易し、100ページくらいで読むのを中断した。(注:イギリス人作家(例:R.D.ウィングフィールド)の小説とアメリカ人作家(例:ドン・ウィンズロウ)の小説を読み比べると、この辺りの違いはくっきりと出る)

そして2016年、おおよそ10年ぶりに読むのを再開した。

10年前と比べると私の世界情勢に関する知識が増えたため、以前より読むのが苦痛ではなかった。少なくとも、著者がどういう戦場に行き、どの現場を取材しているのかが理解できた。

男尊女卑がまだ残っている時代に、戦場の最前線に行き取材をする著者の行動力はすごい。すごいのだが、欧米の価値観ですべてを押し切ろうとするところは共感できず(1970年代のイスラム圏で、女性も社会進出!するのが欧米では当たり前なのだからジャーナリストにもなるのだ。ジャーナリストは尊重せよ。的なことが書かれている)。

自伝というのは自分にとって都合のいいことしか書かないんだよなあ、相手にどう思われているかは書かない(気づいていないから書けない)んだよなあ、と思うのであった。

戦場ジャーナリストの自伝としては可もなく不可もなく、ごく普通の本。

ただし、著者の取材先に関する説明があまり無いので、1970年代~90年代にどこの国が戦争状態にあったのかなど、世界情勢に関する知識が無いとちっとも面白くないかもしれない。10年前の私はちっとも面白くなかった。


5点/10点満点


イギリス人作家とアメリカ人作家の違いの私なりの例

「A氏が殺された」を表現する際

◆アメリカ人作家
「A氏が殺された」

◆イギリス人作家
「A氏が謎の人物の毒牙にかかり、虹の橋を渡った」

的な比喩を用いる傾向にある。

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