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2017/01/09

河田惠昭「日本水没」感想。
危機管理。2016年09月14日読了。

著者は防災・減殺・危機管理の専門家で、京都大学名誉教授。現在は「人と防災未来センター」長。

本書は水害の危険性を、過去事例(日本だけではなく、ハリケーン被害のアメリカ、チェコのプラハ、イタリアのベニス、タイのバンコク)をもとに、水害がどのように引き起こされ、なぜ被害が拡大していったのかを分析し、今後その教訓をどのように活かせば、有効な水害対策ができるかを説いた本。

著者が何度も繰り返し書いているのが都市の地下空間(東京だけではない)。ゲリラ豪雨がこれからもっとひどくなり、排水が追い付かないほどの急激な雨量になった場合、都市の地下空間があっという間に洪水になる恐れがある。防水柵があったとしても、目の前の浸水は防げるかもしれないが、よそから流れ込んでくる水は防げない。ビルとビルが地下でつながっていて、そのすべてに防水柵があるわけではないので防ぎようがない。日本の都市部における地下構造は統合的に管理している行政部門が無く、地下空間の統合的な防水対策は遅れている(というか対策されていない)。

過去事例に厚みを持たせるためか、やたらと数字(雨量やらダムの容量やら貯水率やら)が書かれている。読んでいてそんな細かい数字はどうでもいいよと思ってしまうことも多々あった。

また危機管理の観点から、他国で起きたテロの話も持ち出しているのだが、

P75
「2013年1月16日にイスラーム系武装集団がアルジェリアのイナメナス付近の天然ガス精製プラントにおいて引き起こした人質拘束事件において、日本人社員だけが犠牲になったことがあった。」

と書いているのだけれども、wikipediaには人質41名(うち日本人10名)のうち23人(うち日本人10人)が殺されたと書かれている。

この部分を読んだ時点で、調べもせずによくこんな適当なことを書けるなあ、と思い、以降は話半分で読んだ。

自分の属する組織に政府予算を回してほしいから一般受けしそうな話をどかどか盛り込んだ身内に向けた本なのだろう。という読後感であった。私が他人にこの本を勧めることは無い。


4点/10点満点

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