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2017/09/10

加藤文元「ガロア 天才数学者の生涯」感想。
ノンフィクション。2017年08月04日読了。

1811年10月25日、パリ郊外で生まれたエヴァリスト・ガロア
公立学校の校長から町長になった父、教養がしっかり身についてラテン語が得意だった母、その母から教育を受け、11歳にはラテン語で読み書きができる賢い子であった。12歳の時、パリの寄宿制の学校に入学。校風が気に入らず反抗的だったガロアは2年生をやり直すことに(留年)。そこで補講として受けたのが幾何学。これに夢中になってしまったガロアは、2年分の教科書を2日で読んでしまった。

そこから、学校の授業はほったらかしにして、数学と、そして政治活動に熱中しだした。

数学の習得能力、発想能力は異常なまでに高まり、1829年に最初の論文「循環連分数に関する一定理の証明」を発表。

後、父親が政治闘争に巻き込まれ自殺。これに憂いたガロアはますます政治にのめりこみ、ついには政治犯として逮捕収監されるにいたる。

そんな中、1931年1月17日に論文「方程式の冪根による可解条件について」を書く。この論文はあまりにも難解で、当時の著名な数学者からも理解されず、その重要性が数学界に認識されるのはガロアの死から50年も後のことである。この論文こそ、現代数学の重要な「ガロア群」の元となる論文であった。

1832年5月31日、ガロアは(女に関する名誉を賭けた)決闘に負けて死ぬ。まだ20歳であった。

歴史に「たられば」は禁物であるが、20歳で「ガロア群」を構築したガロアがせめて40歳まで生きていれば、数学会がどれだけ発展したことだろうか(数学は他の学問と異なり、経験よりも発想力がものをいうので、数学者のピークは35歳前後と言われている)

わずか20歳で数学史に残る偉業を成し遂げながら、生前は、あまりにも最先端をいきすぎていたため正当な評価を受けることがなく、決闘で死ぬという劇的な人生を送ったガロア。

ガロアの人生を書き記した伝記・ノンフィクションは、フランスを中心に何冊も書かれている。

本書は、数学者でガロア理論を研究している(でいいのかな?)著者加藤文元氏が、それら伝記や、原典をたどり、日本人向けに書かれたガロアの伝記である。

数学うんちくを増やしたい人は、ぜひとも手に取るべき一冊である。


8点/10点満点

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