パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(下)」感想。
地政学。2017年09月21日読了。
・砂は戦略物資である。砂はコンクリートの主要原料である。質の良い砂(=シリカ=二酸化ケイ素)は、オーストラリアから(皮肉なことに)砂漠の国ドバイに輸出されている。
・海上油田の掘削には、GPSを利用した「自動船位保持システム」を用いているので、安定して掘削できる。
・オマーンはアラブ世界で唯一、信仰の自由を保証している。
・マッキンゼーによると、世界の都市のうち、すべてのカテゴリ(物資、サービス、金融、人間、データ)に関して「主要なハブ」と呼べるのはわずか6都市。ニューヨーク、ロンドン、香港、東京、シンガポール、ドバイ
・パキスタンの首相だったブット一族はドバイに亡命していた。
というようなことが次から次へと書かれていて、私は注目ポイントをメモする(付箋を貼る)のに大忙しだった。
本書における著者の主張は、私が勘違いしていなければ次のようなことである。
「国家の枠組みはもう必要ない。グローバルな経済活動が国家を凌駕した。いま重要なのは「場所」である。グローバルな経済活動を行うのに最も重要なのは、(残念ながら)その都市が位置する「場所」なのである。重要な「場所」には、国連の規制、国家間の規制、国の規制など様々な要因があったとしても、それを乗り越えるだけのパワーが働く。それがグローバル経済である。」
的な内容であった。違うかもしれんが。
8点/10点満点
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