« マーク・C.ベイカー/郡司隆男訳「言語のレシピ 多様性にひそむ普遍性をもとめて」感想。
言語学。2017年09月02日斜め読了。
| トップページ | パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(下)」感想。
地政学。2017年09月21日読了。 »

2018/06/06

パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(上)」感想。
地政学。2017年09月12日読了。


氏の本は以前読んだことがある。
パラグ・カンナ/古村治彦訳「ネクスト・ルネサンス―21世紀世界の動かし方」2011年11月23日読了。8点/10点満点

で、この本。

昨今の日本国内における地政学ブームに乗っかって、「「接続性」の地政学」というタイトルがつけられている。

私はアフリカが好きで、アフリカ関連の本をいろいろ読んでいくうちに、「これって地政学じゃん」ってことに気づいて、そこから法政大学の地理学科に編入学して(通信教育)地政学を学ぼうとしたら、法政大学の地理学科は文学部で、地政学ではなく地誌を中心としていて期待外れだった。

そういう過程を経つつも、個人的には地政学を独学してきた。まあ、本を読むだけですが。

で、知ったことが、地政学(GeoPolitics)というのは、世界的にみると枯れた学問である。ということ。

本書の原題はConnectoGraphyであり、直訳だと「接続地図学」という感じ。(原題は著者の造語)


さて本書。

まずは、GoogleMapでもおなじみ、メルカトル図法の罪(功罪ではなく罪)について。
地図でグリーンランド(カナダの沖合)を見てみよう。やたらと大きい。
それに比べてアフリカ大陸は同じくらいに見える。
これがメルカトル図法の欠点で、アフリカ大陸の面積はグリーンランドの14倍もある。
そう見えないのがメルカトル図法。

メルカトル図法は赤道に近いほど縮小され、北極南極に近いほど拡大される。
インドネシアとグリーンランドは、メルカトル図法上インドネシアがやたら小さく見えるが、ほぼ同じ面積である(正確にはインドネシアがちょっと小さい)

※追記:興味がある人は、「True size of ...」というサイトで確認してみよう。左上の検索窓に国名を入れると、その国が自由に動かせられるようになるよ。

Iknow_2


興味深い話がいくつも書かれている。羅列する。

・インドとパキスタンの2900kmにも及ぶ国境には、15万個の灯光器で照らされている。

・1950年代に始まった、コンテナを使った海上輸送は、コンテナという箱のサイズを規格化したことで、世界中に爆発的に受け入れられた。(日本でもよくMAERSKってコンテナを運んでいるトラックを見かけるでしょ)

・中国が2010年から2013年の間に消費したセメントは、アメリカが20世紀全体(100年)で消費したセメントより多い。

・かつてのユーゴスラビアは、熾烈苛烈で殲滅し合う内戦を経て、セルビア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、マケドニア、スロベニア、モンテネグロ、コソヴォに分裂したが、今は「バルカン自由貿易地域(FTZ)」になった。

・イタリアのヴェネツィア(経済好調)は、イタリア経済が壊滅状態にある中、独立を宣言した。


全部羅列するのは面倒なので終わり。

以下、下巻


8点/10点満点

|

« マーク・C.ベイカー/郡司隆男訳「言語のレシピ 多様性にひそむ普遍性をもとめて」感想。
言語学。2017年09月02日斜め読了。
| トップページ | パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(下)」感想。
地政学。2017年09月21日読了。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43036/65801368

この記事へのトラックバック一覧です: パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(上)」感想。
地政学。2017年09月12日読了。
:

« マーク・C.ベイカー/郡司隆男訳「言語のレシピ 多様性にひそむ普遍性をもとめて」感想。
言語学。2017年09月02日斜め読了。
| トップページ | パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(下)」感想。
地政学。2017年09月21日読了。 »