佐野貴司「海に沈んだ大陸の謎」感想。
地学。2018年02月14日読了。
ムー大陸は実在したのか?
アトランティス大陸は実在したのか?
一昔前は、ムー大陸をまじめに語ると馬鹿扱いされた。
雑誌の「月刊ムー」はそれを逆手(?)に取り、ありとあらゆる超常現象を扱う雑誌として1979年に創刊した。(「ムー」の発行会社が学研ってところがミソ)
で、本書。
ムー大陸やアトランティス大陸は実在したのか?! を、最新の地学を用いて解説した良書。
世の中の様々なものを計測する計測技術の発展は、凄い勢いで進んでいる。世の中の大半の人々が知らない、専門家しか知らないニッチな技術であるが、滅茶苦茶発展している(※)。
※石油関連の本を読むと出てくるのだが、今の石油発掘は「石油が出そうなところに穴を掘る」なんて山勘的なことはせず、地中に向けて様々な種類の音波を発信し、その反射波を解析することで「この位置に油田を思しき液体が詰まった空洞がある」ということが分かる。らしい。
本書は、そういう計測技術の発展に伴って、地球表面の7割を占める海中の地形観測が、今までと比べ物にならないくらい詳細にわかるようになってきて、そこからムー大陸やアトランティス大陸の原型となる大陸があったのかなかったのかを、最新現代科学に基づいて解説した本である。
したがって、キャッチーなタイトルに相反して、普通に地学の本である。
で、45歳になってから法政大学(通信教育)地理学科に入学した程度に地理好きな私は、本書の内容に興奮したのである。
細かいことを書いても、私の文章力では伝わらないので、内容を知りたければ本書を立ち読みしてください。かなり良いです。
良書です。
8点/10点満点
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