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2020/01/04

トム・バージェス/山田美明訳「喰い尽くされるアフリカ」感想。ルポ。2019年06月04日読了。9点/10点満点

 

◆著者紹介(Amazonより)
『フィナンシャル・タイムズ』紙の特派員として、2006年からアフリカに滞在し取材を行ってきた著者が直面したのは、石油、鉱物などの資源に恵まれるアフリカの国々が貧困と内戦に苦しむ過酷な現実だった。
現地の住民、有力者、政治家へのインタビューを続けた著者は、かつて植民地時代に欧米諸国が築いた略奪のしくみが、グローバル企業によって現代版にアップデートされ、さらに中国が参戦したことによって熾烈な争奪戦が繰り広げられている実態をつきとめる。
謎にみちた中国人実業家、通称“徐京華"と彼が率いる“クイーンズウェイ・グループ"にも迫る。

 

◆内容紹介(Amazonより)
第1章 フトゥンゴ
石油の輸出量ではナイジェリアとアフリカ1位を争うアンゴラ。石油の利権システムを牛耳るのは、“フトゥンゴ"と呼ばれる大統領の取り巻きと家族だが、最近はある中国企業とタッグを組んでいる。

 

第2章 貧困の温床
ナイジェリアでは石油が乱暴に略奪されたため、発電所の整備に資金が回らず、電気代が高騰。主要産業であった繊維産業が衰退し、市場は中国産の模造繊維製品が席捲した。

 

第3章 “関係(グワンシー)"
個人的なつながり、という意味の“関係"がビジネスでも大切にされる中国。その独自のスタイルを持って、アフリカの経済界に入り込んでいった中国人実業家の存在を明らかにする。

 

第4章 ゾウが喧嘩をすると草地が荒れる
ギニアで大量の鉱物資源を有すると見られた山脈の採掘権をめぐり、イギリスとオーストラリアを拠点とする資源・鉱業グループ「リオ・ティント」とイスラエルの富豪ベニー・スタインメッツ率いるBSGの鉱業部門が熾烈な争い繰り広げる。

 

第5章 北京への懸け橋
独裁を続けるニジェールのタンジャ大統領(当時)は、旧植民地時代から続くフランスのアフリカ支配システムに不満を持っていたが、フランスと縁を切るには、代わりとなるパートナーが必要だった。そこに現れたのが中国だった。ほ
◆引用終わり

 

中国のアンゴラへの食い込みっぷりが半端ない。ちなみにアンゴラはどこかというと、

 

ギニア湾と呼ばれるこのあたりの国では石油がザクザク出る。
・ナイジェリア(旧宗主国イギリス・産油量世界12位・人口2億500万人・一人当たりGDP6,100ドル)
・アンゴラ(旧宗主国ポルトガル・産油量世界17位・人口3000万人・一人当たりGDP6,700ドル)
・ガボン(旧宗主国フランス・産油量世界35位・人口200万人・一人当たりGDP19,000ドル)
・赤道ギニア(旧宗主国スペイン・産油量世界36位・人口80万人・一人当たりGDP21,000ドル)
・コンゴ共和国(旧宗主国フランス・産油量世界31位・人口500万人・一人当たりGDP7,100ドル)(マシな方のコンゴ)
などが産油国である。

 

本書がある程度示したのは、アンゴラに中国ががっつり食いついているということである。著者は公開資料(株式会社の登記簿など)から、中国とアンゴラの関係性をある程度導き出すが、その詳細は関係者全員からの取材拒否により頓挫する。

 

とはいえ、これは超級のルポである。取材中、命の危険すら感じたであろう。

 

良い。

 

9点/10点満点

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