カテゴリー「△サイモン・シン/青木薫訳」の記事

2016/04/24

サイモン・シン/青木薫訳「宇宙創生(下)」感想。
科学ノンフィクション。2016年02月25日読了。


下巻も非常に面白かった。

本書は、各章末に「この章のまとめ」が載っている。これを引用しながら、本書上下巻の魅力について書きたい。


上巻、第1章

紀元前6世紀のギリシャで、哲学者が宇宙を(神話的なことではなく自然現象として)観測し始めた。

宗教との絡みもあり、当初は天動説(地球が宇宙の中心)だったが、16世紀にコペルニクスが地動説(地球が太陽のまわりを回っている)を唱え始めた。

コペルニクスは無名だったから世界的には無視された。しかし、ティコ・ブラーエの観測結果を基にケプラーが改良モデルを発表した。

ガリレオが望遠鏡を使って観測し、その結果を基に地動説を擁護したが、カトリックの総本山ローマから異端扱いされた


第2章

1670年代、レーマーが木星の衛星を観測し、光の速度が有限であることを証明した。

宇宙はエーテルで満たされているという説が主流だった(エーテルは古典SF小説にもよく出てきましたね)

1915年、アインシュタインは思考実験(頭の中で仮説を立て、それを検証する作業)を行い、光の速度は観測者に対して一定という特殊相対性理論を作り上げた

特殊相対性理論はニュートン力学と矛盾していた。1919年、木星の軌道や太陽のまわりの光の間借り方などの検証によって、アインシュタインが正しいと証明された。

フリードマンとルメートルが、ビッグバンの概念を考え出した。


第3章

天文学者は大きな望遠鏡を作って宇宙を観測していた。

1700年代、ハーシェルが、太陽系は銀河系の一部ではないか? という考えを持ち出した

1784年までに、メシエは望遠鏡で観測できる星雲をカタログ化した。その際、星雲は「別の銀河なのか?」という大論争に発展した

1912年、ヘンリエッタ・リーヴィットはケフィウス型変光星を調べ、変更周期が明るさの指標となり、距離を見積もれることを示した。

1923年、ハッブルは星雲の中にケフィウス型変光星を見つけ、その星雲は銀河系より遥か遠くにあることを示した。そして星の光(色んな波長の光が混ざっている)を分析すれば、それがドップラー効果によって遠ざかっていることが分かった

全ての星が地球から遠ざかっていることが分かった。数十億年逆算すると、全ての星は、一点に集まっていることになる。つまりビッグバン仮説が正しい?!


下巻、第4章以降は、

宇宙の始まりはひとつの点だった=ビッグバン理論と、

VS

宇宙は今も昔(数百億年前)もその姿を変えることなく、ずっと同じ姿でいる=宇宙は永遠で静的論


の各論者がどのような論戦を行い、そしてどのような経緯でビッグバン理論が主流になったのか、が下巻では書かれている。


私が子供の頃(1970年代)に読んだSF小説は、エーテルが出てきたり(E.E.スミスのレンズマンシリーズ等)、ビッグバンの欠片も欠片も出てこなかったりしていたが、いつの間にか全世界の天文学者の主流がビッグバン理論になっていた。

ビッグバン理論がどのような経緯で主流になったのか、が本書に書かれているメインテーマなのだが、でもまあなんというか、隅々まで手を抜くことなく丁寧に書かれているので、読者としても気を抜くことなく隅々まで読み尽くしたいという気分にさせてくれる素晴らしい科学ノンフィクションである。


9点/10点満点

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2016/04/23

サイモン・シン/青木薫訳「宇宙創生(上)」感想。
科学ノンフィクション。2016年02月16日読了。

サイモン・シン+青木薫訳は傑作ノンフィクションが多いのでPCでは右サイドバーにカテゴリを作りました。

本書は、最新宇宙物理学ではなく、宇宙とはいったいなんぞや?という宇宙に関する歴史を、紀元前の時代から遡って近現代に至るまでの宇宙科学観測史を、ほぼ時系列に書き記した本。

夏至の日の正午に井戸に差し込む太陽光が、場所によって違うことから地球は丸いと発見した話から始まって(紀元前276年頃)、

地球は全天体の中心であるという天動説が世の主流であった中、天体を観測した結果、地球は太陽のまわりを回っているという地動説を主張したコペルニクス、

こういう基礎の基礎から本書は書き進められるが、徐々に難しくなっていく。

詳細は下巻の感想にて。


早く読み進めたいというワクワクが止まらない本である。


9点/10点満点

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2016/04/02

サイモン・シン/エツァート・エルンスト/青木薫訳「代替医療解剖」感想。
代替医療ルポ。2016年02月07日読了。

サイモン・シン/青木薫訳の本はこれまで3冊読んだ。

「フェルマーの最終定理」2015年06月11日読了。10点/10点満点

「暗号解読(上)」2016年01月12日読了。9点/10点満点

「暗号解読(下)」2016年01月16日読了。10点/10点満点

10点満点、9点、10点満点。ということは、サイモン・シン/青木薫訳の他の本もきっと面白いに違いない。というわけで、本書「代替医療解剖」を手に取った。

代替医療というのは、現代医療で治らない病気(重い病気から軽い症状まで)を、この方法なら治せます!と宣伝して、現代医療に不満を持っている層から金を毟り取る商売のこと。

99.9999%の医学者が「そんなものに効能はないし、調べるだけ時間の無駄」と取り上げもしないのだが、代替医療推進者から金をもらっている(数少ない)医学者は「これこれこういう実験をしたところ効能が認められた」と論文を書き(但し、医学の学術誌には掲載されることはほとんどない)、代替医療を推進する人たちは(その薄弱な論文を元に)効能があることは医学的に証明されていると言い張る。

原著が出たのは2008年で、その時点で、世界中で年間400億ポンド(約6兆円)が代替医療に使われている超巨大産業である。


本書は、元々は代替医療分野で世界初の大学教授になり、英国エクセター大学に代替医療学部を創設したドイツ人エツァート・エルンストが、代替医療に効能があるのかを15年に渡って研究した成果である。

代替医療の効能を測る方法は、新薬開発と同じ二重盲検法を用いている。

盲検法は、同じ病気、同じ程度の症状のほぼ同数の患者に、新薬と偽薬(プラセボ)を無作為に処方し、新薬に効能があるかを調べる方法である。患者には新薬の実験であることは告げられるが、自分が飲む薬が新薬か偽薬かは分からない。

しかし処方する医者が新薬か偽薬かを知っていると、処方する際の微妙な表情から、患者が「自分が処方されているのは偽薬」と読み取ってしまう場合がある。

これを防ぐために、医者にも新薬・偽薬の区別が付かないように治験するのが、二重盲検法である。

本書ではまず、盲検法という手段が発見された経緯、それが世界中に広まり、二重盲検法として確固たる手段として確立された経緯が書かれている。

そして、代替医療の二重盲検法による検証が始まる。

最初は鍼。
中国で始まり、日本でも広く普及している鍼。
気の溜まるツボに鍼を刺すことで、色んな病気に効く鍼。
気休め程度の効果しかありませんでした。

次。ホメオパシー。
いかさま療法です。

次。カイロプラクティック。
マッサージとは違います。カイロプラクティックです。
腰痛緩和には効果があるかもしれないけど、頸椎(首)を触らせるのは危険です。

次。ハーブ療法。
効く物もあれば効かない物もある。

この4つについては、各々50-70ページを割いて、このような結論に至った経緯を詳しく解説している。

この他にも、アーユルヴェーダ、アロマセラピー、オステオパシー、催眠療法、指圧、他多数にも触れている。


代替医療は巨大産業になってしまったので、ここから利益を上げている企業や団体、個人は、けっして本書に書かれていることを認めないだろう。


ガンに効くキノコが存在するのなら、世界中の製薬メーカーが新薬開発に乗り出していますよ、って話。


7点/10点満点

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2016/03/06

サイモン・シン/青木薫訳「暗号解読(下)」感想。
ノンフィクション。2016年01月16日読了。


インターネットの「公開鍵」と「暗号鍵」の意味が分からない人へ。


本書を読めばその理論が全て分かる。ベリサインの存在理由も全て分かる。


私は今までインターネット公開鍵の意味をよく理解できなかったが、


本書を読めば完璧に理解できた!


プログラマは本書を絶対に読め! というくらいの名著。素晴らしい。脱帽。


原著サイモン・シン、翻訳青木薫 の組み合わせは名著ばかりだ。


10点/10点満点

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サイモン・シン/青木薫訳「暗号解読(上)」感想。
ノンフィクション。2016年01月12日読了。


プライバシーを守るため、インターネットには暗号化が必須。

ではその暗号化っていったい何?

ということを、暗号の歴史そのものを振り返ることによって、非常に分かり易く説明したノンフィクション。

私の読書人生、生涯ベスト10に入れるべき傑作「フェルマーの最終定理」を書いたサイモン・シンの著書。訳者も同じ青木薫氏。


第1章

紀元前5世紀、ギリシャとペルシャの戦争に関してヘロドトスが記した「秘密の書記法」について。単純に文字を入れ替えてめちゃくちゃな記号の羅列に変換するというもの。
AとZを入れ替えて文章を記す
BとYを入れ替えて文章を記す……

なんの文字を入れ替えたのか、その規則性が分からなければなかなか解けない。規則性を紙に書いたり、同じ規則を何度も使うと内容がばれるので、キーワードを決めるやり方が広まった(キーワードは伝書役の奴隷が相手に伝える)

ジュリアスシーザー JULIUS CAESAR をキーワードにすると、重複語を除いて以下のように置換する。(置換前の文章を平文という)

平文 a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z
暗号 J U L I S C A E R T V W X Y Z B D F G H K M N O P Q (R以降は、アルファベット順に並べる)

この方法で1000年は上手くいった。

が、アルファベットの出現頻度を解析することで解読が可能になった。英語で考えると、普通に書かれた文章で最も多く出てくるものは e 、2番目は t 、3番目は a である。

上記「秘密の書記法(アルファベット換字式暗号)」は、アルファベットを1対1で置換するため、暗号化された支離滅裂な文字列から出現頻度の高い文字を順番に当てはめていけば、いずれ内容ある単語に行き着く。つまり解読が可能になる。このことが記された最も古い文書は、9世紀のアラブの科学者である。

ヨーロッパでは1200年頃まで、まだこの解読方法に到達していなかった。

そんなこんなで(端折ってスマン)、1586年のスコットランド女王メアリーが暗号を使ってイングランドに反旗を翻した廉(かど)で処刑される。


第2章

(ヨーロッパの)暗号作成は新たなステージに突入した。2段換字である。一度換字しためちゃくちゃなアルファベットを、異なる手順で更に換字するのである。

ここで新たな問題が発生した。換字の手順=暗号を復元する手順を受け取り側にどうやって伝えるか、ということである。やがてヴィジュネル方陣という方法が考案され、広まった。

それを解読する側は、出現するアルファベットの冗長性に着目し、同じアルファベットの組み合わせがあるか、ある場合それは何度出現するか、何文字おきに出現するか、同じ組み合わせの文字数は何文字か、などを総合的に分析し、しらみつぶしに調べていったら正解としか考えられないパターンが見つかり、それを手がかりに発信元が同じ人物の機密文書を次から次へと見破っていく。


第3章

なんか暗号が見破られていると気付いた発信者は、機械を使って暗号化と復元を行う暗号機の開発に乗り出した。19世紀終わり頃の話。


第4章

機械化しても見破られる場合があることに気付いたドイツ人は、第二次世界大戦で大活躍したエニグマ暗号機を作り出す。


というような感じで話は進んでいきます。


このブログで本書の魅力が伝わらない場合、それは単に私の筆力不足です。本書はめちゃくちゃ面白い!


9点/10点満点

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2015/07/29

サイモン・シン/青木薫訳「フェルマーの最終定理」感想。
数学ノンフィクション。2015年06月11日読了。


本書は10点満点。

私の人生オールタイムベスト10に入る。


中学生で習うピタゴラスの定理

32 + 42 = 52
52 + 122 = 132

の数式は、中学数学を学んだ者なら誰もが一度は覚えたはずである。


本書で扱う
フェルマーの最終定理
とは、

3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組が存在しない、という定理である。

1600年代半ばにフランスの数学者フェルマーは、古代ギリシャの「算術」という数学書の余白に、関連した着想や新しい定理を書き込んでいた。

フェルマーの最終定理も、「算術」の余白に記されていたが、余白が足りなかったためフェルマーはその証明を省略していた。


一見、とても簡単そうに思えるこの定理は、数千人の数学者がその証明に挑戦したが、誰も証明できなかった。


この定理が提唱されてから360年後、イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズが、(数学者として適度に論文を発表しつつ、誰にも内緒で黙々と取り組むこと)7年かけて、1993年に証明したと発表、1995年に証明が認められた。


本書は、アンドリュー・ワイルズが証明するまでのノンフィクションである。


文句なしに面白い。翻訳も含めて、何もかもが素晴らしい。


数学の知識は多少必要だが、高校1年生くらいの知識があればじゅうぶん読むことができる。


このような素晴らしい本を今まで知らなかったとは痛恨の極み。(Amazonのレコメンド機能で本書が表示され、評価があまりにも良いので買った。Amazonやるじゃん)


10点/10点満点


※以下、ネタバレにつき、これからこの本を読まれる方はすっ飛ばして下さい。


※面白い素数
31
331
3331
33331
333331
3333331
33333331
は全部素数、だけど、
333333331=17×19607843 なので素数ではない


※円周率(ライプニッツの公式。インドの数学者が15世紀に発見)

π=4(1/1-1/3+1/5-1/7+1/9-1/11……)


※天秤を使って1~40kgまで計るのに、何個の分銅が必要か

1kg、3kg、9kg、27kgの4個。


フェルマーの素数定理

3以上の素数はすべて、
4n+1
4n-1
で表せる。

前者は必ず x2 + y2 = その素数、となる。(そうなの?ホントに?)

※フェルマーの最終定理の証明過程

・1640年、n=4 はフェルマー自身が証明

・1749年、オイラーがフェルマーの素数定理を証明

・1753年、n=3 について、オイラーが証明

・1800年頃、n=5 について、ソフィ・ジェルマンが証明(但しジェルマンは女性であったため、生前は正当な評価を得ることはなかった。)

・1832-1840年、n=14、つまりn=7 について、ディリクレ、ラメ、ルベーグ、コーシーらが証明

・1847年、ラメとコーシーが争うように「フェルマーの最終定理の証明は間近」と学会で発表したのに対しクンマーが、虚数を考慮するとその証明は成り立たないと指摘

・クンマーは、現在(1847年頃の)数学テクニックではフェルマーの最終定理は証明できない、ことを証明した。

クンマーの解析によると、フェルマーの最終定理を証明するのに障害となるのは、nが非正規素数の場合であること、そして100以下の非正規素数は37、59、67だけであることを示した。

・nは無限大(かつxyzも無限大)なので、nを個別に手計算で証明することの大変さに比べて、第二次世界大戦で(ドイツの暗号エニグマを解いた)コンピュータが登場し、手計算があまり意味をなさなくなったこともあり、以降、個別証明は衰退

・1953年生まれのアンドリュー・ワイルズは、幼い頃からフェルマーの最終定理に魅了されていた。

・1975年、大学院生になったアンドリュー・ワイルズは、楕円曲線(楕円方程式)に関する研究を指導教官ジョン・コーツから勧められる。

・x2 = y3 - 2
は楕円方程式で、この整数解はただ1組だけである。52 = 33 - 2

これを証明したのがフェルマーである。

・ワイルズは楕円方程式の整数解を求めるのに、5進数や7進数を使った。5進数はE5、7進数はE7と表す。(本書ではE系列という書き方をしている)

・遡ること、1955年。日本の志村五郎と谷山豊は、「すべての有理数体上に定義された楕円曲線はモジュラーであろう」という、谷山志村予想を日光の国際シンポジウムで発表する。(本書ではモジュラーをM系列という書き方をしている)

・ここでいう予想とは、数学的に証明はされていないが、たぶん正しいであろうと思われること。定理は数学的に証明がされたこと。数学的に証明されるまでは、十中八九間違いないと思われることであっても、あくまで「予想」である。

・モジュラーは、それ自体が超高等数学(数学科の大学院生でも理解できるか否かのレベル)で、その概念を理解することすら難しい。

・数学的には、楕円とモジュラーは別領域と思われていたが、谷山志村予想が徐々に広まり、「谷山志村予想が成り立つと仮定すれば、××も成り立つ」という派生論文が世界中で数百も出る。

・1984年、ゲルハルト・フライは、「谷山志村予想」が証明されれば、そのまま「フェルマーの最終定理」の証明につながる。という歪な楕円方程式を提示。

・ということで、アンドリュー・ワイルズは「谷山志村予想」の証明に取り組む。

・1811年生まれのフランスの天才数学者にして革命家のエヴァリスト・ガロアは、5次方程式の解を見つけようとするなかで、弱冠20歳にして群論を生み出す。だがガロアは21歳で、女を取った取られたの決闘で負けて死ぬ。

・1988年、日本人数学者宮岡洋一が、フェルマーの最終定理を証明したと発表するも、その後の検証で証明に不備があった。宮岡は、微分幾何学というアプローチで証明しようとしていた。

・ワイルズは、フェルマーの最終定理の証明に取り組んでからの3年で、ガロア群を楕円方程式に応用し、楕円方程式を無限の要素に分解して、すべての楕円方程式の最初の要素はモジュラーだということを証明した。

・その後ワイルズは1年かけて、楕円方程式を分析するための手段である岩沢理論を研究した。岩沢理論を拡張すれば、ドミノ倒しのようにフェルマーの最終定理の証明に至るのではないかと考えた。しかし、その手法には失敗した。

・かつての指導者コーツから、コリヴァギン=フラッハ法という楕円方程式に関する論文を知る。

・それまでワイルズは「フェルマーの最終定理」の証明を試みていることを誰にも内緒にしていたが、数学者ニック・カッツに打ち明け、コリヴァギン=フラッハ法をもっと突き詰めるための大学院生向け講座を開いた。大学院生向けの講座というのは隠れ蓑で、ワイルズ自身がコリヴァギン=フラッハ法を勉強するための講座で、最終的に聴講生はニック・カッツ一人になってしまった。

・ワイルズは、コリヴァギン=フラッハ法を使って「谷山志村予想」を証明することを達成した。それはつまり、「フェルマーの最終定理」の証明につながった。7年かけたこの成果を、1993年6月に、ケンブリッジで披露した。

・大喝采に包まれたが、コリヴァギン=フラッハ法に穴があることが分かり、ワイルズは欠陥の修正を行うことになった。

・欠陥の修正は想像以上に困難な作業で、ワイルズは諦めかけた。が、不完全だった岩沢理論と、不完全だったコリヴァギン=フラッハ法を両方を組み合わせれば完全になると気付いた。

・そして遂に、欠陥を修正した最終証明が発表され、他の数学者の検証を経て、証明は完全であると認められた。

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