カテゴリー「◆小説・冒険小説」の記事

2012/01/22

熊谷達也「氷結の森」感想。
時代冒険小説。2012年01月17日読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

氷結の森

熊谷達也の代表作、マタギ三部作(「相剋の森」9点/10点満点、「邂逅の森=直木賞受賞」10点/10点満点)の最後となる本書。

日露戦争で日本が勝って、シベリアの一部に日本人が多数住んでいた頃を舞台にした話。

(私が読んだ本の中では)熊谷敬太郎「ピコラエヴィッチ紙幣」と同じ設定で、シベリアのニコラエフスク・ナ・アムーレ(尼港)でボリシェビキ(ソビエトを作った赤い方々)と日本軍が激突した「尼港事件」を題材にしている。

◆内容(表紙裏カバーより)
日露戦争に従軍した猟師の矢一郎は故郷を離れ、樺太で過去を背負い流浪の生活を続けていた。そんな彼を探し回る男が一人。矢一郎の死んだ妻の弟、辰治だ。執拗に追われ矢一郎はついに国境を越える。樺太から氷結の間宮海峡を越え革命に揺れる極東ロシアへ。時代の波に翻弄されながらも過酷な運命に立ち向かう男を描く長編冒険小説。直木賞・山本賞ダブル受賞の『邂逅の森』に連なる“森”三部作完結編。


◆感想
大正時代。訳あって樺太でその日暮らしをする矢一郎が様々なトラブルに巻き込まれるも、生まれついた巨躯と、日露戦争で身に着けてしまった狙撃能力で困難を切り抜けていく、読後もスカッとさわやかな疾走感溢れる冒険小説である。

とーはーいーえー。

香代とか辰治の存在が中途半端なんだわな。


7点/10点満点


アップ直後の付け足し:本書「氷結の森」は2007年1月に出版された本で、「ピコラエヴィッチ紙幣」は小説賞を経て2009年10月に出版された本。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/12/06

大沢在昌「絆回廊 新宿鮫10」感想。
冒険小説。2011年11月30日読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

絆回廊―新宿鮫〈10〉


夕方から読み始め、5~6時間かけて一気読み。

こういう展開なんだ。

せつないなあ。

悲しいなあ。

でもねえ。

392ページの鮫島って冷静すぎない? とか露崎の存在が都合良すぎない? とか大沢御都合節が出ているなあ。


8点/10点満点


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/07/05

船戸与一「大地の牙 満州国演義6」感想。
歴史冒険小説。2011年06月11日読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

大地の牙―満州国演義〈6〉

外務省に勤務し、満州へ赴任する敷島太郎。
はぐれ者として、満州で人殺し稼業をする敷島次郎。
陸軍憲兵大尉として満州へ赴任する敷島三郎。
演劇にのめり込みなし崩し的に満州で働くことになった敷島四郎。

敷島四兄弟が否応なしに満州に、第二次世界大戦に巻き込まれる話の第6巻。
第5巻を読んだのは2009年3月2日なので、2年以上ぶりに読んだ新作。

しかし、間が空きすぎて主要登場人物以外、誰が誰だったかよく覚えていない。

読者無視。登場人物一覧くらい巻頭に載せておけ。バカ新潮社。2100円もする本を買って読んでいる読者を舐めるな。


6点/10点満点


| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010/12/03

逢坂剛「暗殺者の森」感想。
イベリアシリーズ6。2010年12月02日読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。


暗殺者の森


逢坂剛、渾身の長編小説イベリアシリーズ。
第一作「イベリアの雷鳴」
第二作「遠ざかる祖国」
第三作「燃える蜃気楼」
第四作「暗い国境線」
第五作「鎖された海峡」
に続く第六作が本書。

イベリアシリーズとは、第二次世界大戦下のスペインを舞台に、
ペルーとスペインの二重国籍を持つ日本人北都昭平(実は日本陸軍のスパイ)、
イギリスの諜報員(MI6)の女性ヴァジニア・クレイトン(スペイン駐在)、
ドイツ国防軍情報部長官カナリス(反ヒトラー)、
聯盟通信ベルリン支局長尾形正義、

北都とヴァジニアの2人が主人公で、カナリスと尾形がメイン脇役となり、さらに数十人に及ぶ人物が登場、史実を忠実に(たぶん)なぞりながら話は展開する。

スペイン内戦でドイツに借りを作ったフランコ(スペイン総統)は、第二次世界大戦で英米側にいい顔をしつつドイツにもいい顔をする中立国の状態を維持。そんなスペインは、枢軸国側、連合国側双方が諜報合戦を行う場となっていた。

そんなスペインで北都とヴァジニアは出会い、敵国の諜報員同士でありながら次第に惹かれ遭っていく。戦争という荒波が二人の運命を翻弄、時には敵国の諜報員として対立し、時には自国の仲間から裏切られ、時にはゲシュタポの無法に協力して戦い、そして徐々に枢軸国の敗戦が近付いてくる……


ま、こんな感じのお話です。

さてシリーズ6作目となる本作。

映画のシナリオを読むかのように、淡々とした感じで進んでいく。本作では1944年6月から1945年5月までの出来事が書かれている。ヒトラー暗殺未遂事件である「ヴァルキューレ作戦」が話の軸の一つになっている。(私は歴史に疎いのでこんな作戦知らなかった)


まあいいや。私は本シリーズのファンなので、ちょっと甘めの点数を付ける。


8点/10点満点


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/09/20

大沢在昌「新宿鮫」感想。
冒険小説。2010年09月05日再読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。


新宿鮫

積ん読本が300冊(いや400冊超かも)を超えているのに、昔読んだ小説を再び手にしてしまった。夜中寝る前に、ちょっとだけと思いつつ寝室の本棚を片付けていたとき、本書を手に取り「ああ懐かしいなあ、どんな話だっけ」と冒頭を読み始めたら、やめられないとまらない。

ヒロイン晶の設定はやや古くさく感じるが、それ以外は今読んでも一級の刑事小説だよな、やっぱり。

本書に関しては、エドの存在が秀逸。


大沢在昌を知ったのは、「新宿鮫2 毒猿」が凄まじく面白い、とパソコン通信で評判になっていて、当時冒険小説にはまりつつあった私は、全然名前も知らん作家だけど、みんなが面白いというのなら多分面白いのだろう、と読んでみたのが最初。「毒猿」読了後、既刊の大沢本を全部買って全部読んで、その後も大沢在昌はずっとほぼ全作品を読み続けた。当たり外れはあるけれど、外れ作品でもそれなりにちゃんと楽しんで読めるところはさすが。

最近は小説をあまり読まなくなってきたので、大沢作品も「罪深き海辺」を最後に新刊は読んでいないけど、相変わらず安定した作品を書き続けているのだろうな。


8点(再読なのでちょっと厳しい)/10点満点


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/01/08

新田次郎「アラスカ物語」感想。
冒険伝記小説。2009年11月30日読了。

アラスカ物語

ウプサラ氷河ツアーから戻り、生嶋さん山本さんと食事をする前にドミトリーで読み終えた。

宮城県石巻に生まれた安田恭輔。父親が死に、後ろ盾だった他祖父が死に、15歳にして工員として働き、そして船員になり、アメリカに渡り働き、アラスカに渡り、エスキモーと暮らし、エスキモーを妻にし、エスキモーの未来のために新たな土地を開拓し、そしてアラスカに骨を埋めたフランク安田の生涯を書いた傑作。

医者の一家に生まれ、希望に満ちた人生を送るはずだった安田少年。父親と祖父の死によって運命が変わり、アメリカに渡りフランク安田として行き、更にアラスカに渡り自らが望んだわけではないが波瀾万丈の人生を送ることになる。

旅行中でなければ、2~3日で読み終えただろう。素晴らしい作品だ。私は冒険小説が好きなのに、日本に冒険小説というジャンルを築いた新田次郎をほとんど読んだことがなかった。これからたくさん読もう。帰国してからの楽しみができた。


8点/10点満点


にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/09/12

岡崎大五「アジアン・ルーレット」感想。
サペスンス。2009年09月05日読了。

アジアン・ルーレット
岡崎大五 / 祥伝社 2008/07 ¥729 (税込)

「添乗員世界遺産旅がらす」などの添乗員顛末記を多数出している岡崎大五。添乗員として実体験した話を、多少の脚色を加えおもしろおかしく作られている岡崎大五の本は、2007年4~5月に集中的に何冊も読んだ。何冊も立て続けに読むと、最初はおもしろく読めたけど、だんだんと飽きてくる。しょうがないよね。シチュエーションやディテールが異なるとはいえ、ツアー旅行の馬鹿話だから。

最近岡崎大五の本が出ないなあと思いつつ、岡崎大五という作家がいたということすら忘れかけていた先日、amazonのリコメンドサービスで本書が出てきた。添乗員顛末記だけでは作家としての幅が広がらないと思ったのか、小説を書いたみたいだ。そうだったのか。それは知らなかった。早速読まねば。


……大藪春彦や船戸与一のような作風を目指したけど見事失敗。という印象を受ける作品だった。主人公が悪なのか良い奴なのか、すごく中途半端なんだよなあ。ラストもつまんないし。


3点/10点満点


にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。


| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/09/06

大沢在昌「罪深き海辺」感想。
ハードボイルド。2009年08月21日読了。

罪深き海辺
大沢在昌 / 毎日新聞社 2009/07 ¥1,785 (税込)

唐突な出だし。
薄っぺらい感じがする人物。
時折神様視点。
主人公が二人以上いる。
ラストつまんない。

大沢在昌ファンにわかる言い方をすると、「六本木聖者伝説」みたいな話。

普通の冒険小説ファンにわかる言い方をすると、新堂冬樹っぽい話を大沢在昌が書いたような感じ。


5点/10点満点


にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/06/23

船戸与一「夜来香(イエライシャン)海峡」感想。
冒険小説。2009年06月17日読了。

夜来香(イエライシャン)海峡<br />
船戸与一 / 講談社 2009/05 ¥1,890 (税込)

◆あらすじ(紀伊国屋BookWebより)
花嫁斡旋業・国際友好促進協会の蔵田雄介が中国旧満州の黒龍江省から仕入れ、山形の寒村に嫁がせた輸入花嫁・青鈴。
日本の暴力団から中国の黒社会への資金二億円を持って遁走した。
蔵田はやくざに脅され、花嫁を捜し北へ北へと向かう。
怪死事件が相次ぎロシア・マフィアも蠢く闇の世界に引きずり込まれる蔵田。
女は津軽海峡を渡り日本最北端の稚内へ逃げる―疲弊した地方に繰り広げられる、夢を追う花嫁と蒼然と死にゆく男たちの哀愁のバイオレンス。

◆バイオレンスに縁のない普通の男が、すさまじいまでのバイオレンス沙汰に巻き込まれてしまいました。後味の悪さも含めて、いつもの船戸節。

◆主人公は、中国の農村から日本の農家へ花嫁を斡旋するNPO法人の代表。NPO法人だから建前上は利益を求めない集団であり、日本の農家にヨメを斡旋するという事業は、公益的に思える部分もあるけれども、要するに人身売買なわけで、ブラック商売なのである。

◆主人公は、ヨメの斡旋が人身売買である実態に引け目を感じていることから、ヤクザに付け入れられバイオレンスに巻き込まれていくのだが、巻き込まれ方がいつもの船戸にしては甘いなあ、と感ずるのである。組の名前を出して脅しをかけるなんて、今時のヤクザはそういうことはやらなくなったと思うのだが。

◆二日で読み終えたので、面白いっちゃ面白い。船戸与一は大好きな作家だから読み続けているけど、いつも似たような展開だし、救いのない終わり方だし、さすがに飽きてきた。


6点/10点満点


にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/12/19

熊谷達也「漂泊の牙」感想。
冒険小説。2008年12月17日読了。

漂泊の牙
熊谷達也 / 集英社 2002/11 ¥760 (税込)

◆「相剋の森」と「ウェンカムイの爪」は熊が出てくる話だったが、本作はニホンオオカミが話の主軸で、かつ冒険小説っぽいつくり。

◆目に浮かぶような情景、真に迫るオオカミの行動、東北の民俗学に関する深い知識、上手いとしか言いようのない描写と、ぐいぐいと引き込まれるストーリー。テレビ局のディレクター恭子が魅力のない、つまらない人物であることを除けば、文句なしの展開である。途中までは。だが、結局テレビの取材は何だったの? ラストのあっさりとした展開は何なの? など不満も残る。

◆まあ多少の不満はあるけど、全体的には面白く読めた。熊谷達也はまだ3冊目で、もっと面白いと思われる小説が多数残っている。楽しみだ。


7点/10点満点

amazonはこちら

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

00◆成田やトランジット(JFK・パリ・マドリッド) | 01◆ブラジル(サンパウロ・サンルイス・レンソイス・マナウス) | 02◆アルゼンチン(イグアス・カラファテ・ウシュアイア・ブエノス) | 03◆チリ(サンチャゴ・イースター島・バルパライソ) | 04◆ボリビア(ラパス・ウユニ) | 05◆ペルー(クスコ・マチュピチュ・リマ) | 06◆エクアドル(グアヤキル・ガラパゴス諸島) | 07◆スペイン(マドリッド・バルセロナ) | 08◆トルコ(イスタンブール・カッパドキア・パムッカレ) | 09◆ヨルダン(ペトラ遺跡・アンマン) | 10◆シリア(ダマスカス・パルミラ遺跡) | 11◆エジプト(カイロ・アスワン・アブシンベル) | 12◆モロッコ(マラケシュ) | 13◆南アフリカ(ヨハネスブルク・ケープタウン) | 14◆ナミビア(ウィントフック・ナミブ砂漠・スワコプムント) | 15◆ジンバブエ(ヴィクトリアフォールズ) | 16◆ザンビア(側のヴィクトリアフォールズ) | 17◆ボツワナ(チョベ国立公園) | 18◆香港・マカオ | 19◆インド | 20◆フィリピン留学記 | ■09年11月からの世界一周の小ネタ | ■09年11月から世界一周! | ■09年11月から世界一周!の準備 | ■09年11月から世界一周!の近況 | ■09年11月から世界一周!参考書籍 | ■2006年夏・ケニアに行く | ■2007年夏・アンコール遺跡に行く | ■2008年1月・ボルネオ島に行く | ■2008年4月・週末海外でベトナム | ■2008年9月・週末海外で台湾 | ■アフリカ | □グインサーガ | □スターウォーズ | □三国志 | ▲スティーヴン・キング | ▲京極夏彦 | ▲佐藤賢一 | ▲夢枕獏 | ▲大沢在昌 | ▲天童荒太 | ▲宮部みゆき | ▲最早才能が枯渇し駄作家に成り果てた真保裕一 | ▲浅田次郎 | ▲熊谷達也 | ▲神林長平 | ▲福井晴敏 | ▲船戸与一 | ▲貴志祐介 | ▲逢坂剛 | ▲金庸 | ▲隆慶一郎 | △下川裕治 | △堀田あきお&かよ | △宮田珠己 | △松本仁一 | △石井光太 | △船尾修 | △蔵前仁一 | △高木徹 | △高野秀行 | ◆小説・ミステリ系統 | ◆小説・伝奇小説 | ◆小説・冒険小説 | ◆小説・時代小説・歴史小説 | ◆小説・武侠小説 | ◆小説・純文学・青春小説 | ◆小説・経済小説・現代小説 | ◆小説・SFホラーファンタジー | ◇いわゆる新書 | ◇エッセイ・紀行文 | ◇ガイドブック | ◇スポーツ関連書 | ◇データブック・記録集 | ◇ノンフィクション | ◇パソコン関連図書 | ◇ビジネス書 | ◇ルポ・ドキュメンタリー | ◇世界についての本 | ◇実用書・ガイドブック | ◇語学などの勉強本 | ◇雑学・蘊蓄 | ◎写真集 | ◎美術書・アートブック | ●海外作品(原著英語) | ●海外作品(原著非英語) | ★惚れ惚れするほどの駄作 | ☆私の読書累計 | ☆私的10点満点 | ☆装丁がスバラシイ本 | アニメ・コミック | 携帯・デジカメ | 旅行・地域 | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 経済・政治・国際