司馬遼太郎「梟の城」感想。
時代小説。2009年12月31日読了。

梟の城 (改版)

成田に帰国するエールフランスの機内で読み終えた。12月の読書はこの一冊のみ。なかなか時間がかかった。

信長に一家皆殺しにされた伊賀忍者の葛籠重蔵、伊賀を裏切ったかも知れない風間五平、二人の師匠である下柘植次郎左衛門、その娘木さる、謎の女忍者小萩、この5人がそれぞれの利害思惑に基づき繰り広げられる忍者物語。詳しくはwikipediaを。

さすが直木賞受賞作。全体的にとても面白い話なのだが、読むスピードより、話の中の時の流れが遅く、ちょっとじれったく感じた。1959年の受賞作なので、今から50年も前の小説であることを考えると些細なことなのかも知れない。

7点/10点満点


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佐藤賢一「小説フランス革命III 聖者の戦い」感想。
歴史小説。2009年04月07日読了。

聖者の戦い―小説フランス革命〈3〉
佐藤賢一 / 集英社 2009/03 ¥1,575 (税込)

◆大雑把に言うと、フランス革命とは既得権益を守りたい貴族議員、聖職者議員と、打ち壊したい市民議員、市民の対立で、聖職者の権益に議会の追求が始まり、聖職者の権謀術数が始まる、というような第3巻。元々フランス革命に関しては中学生ほどの知識しか持ち合わせていないので、へえなるほど、と思いながら読んでいます。この本を読んでいると、今の日本の政治はこの頃(フランス革命)のフランスより劣っているのでは?と思えて仕方がない。とはいえ隣の芝生は青く見えてしまうものだが。

◆帯に今後の続刊予定が書かれていて、毎年9月と3月に新刊が発刊されるとのこと。全巻完結は2012年の9月。健忘症気味の私には、そんな先までストーリーを覚えていられる自信がない。まあいいや。


7点/10点満点


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船戸与一「灰塵の暦 満州国演義5」感想。
歴史冒険小説。2009年03月02日読了。

灰塵の暦 満州国演義〈5〉
船戸与一 / 新潮社 2009/01 ¥2,100 (税込)

あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)
満州事変から六年。
理想を捨てた太郎は満州国国務院で地位を固め、憲兵隊で活躍する三郎は待望の長男を得、記者となった四郎は初の戦場取材に臨む。そして、特務機関の下で働く次郎を悲劇が襲った―四兄弟が人生の岐路に立つとき、満州国の命運を大きく揺るがす事件が起きる。読者を「南京事件」へと誘う第五巻。
ついに支那との全面戦争に突入――満州事変から六年。敷島四兄弟が人生の岐路に立つなか、戦火は上海、そして南京へ。「南京大虐殺」のすべてを描く最新刊。


◆シリーズ5作目となる本書。シリーズものを読むときの私の悪いクセで、間が空いてしまうと少しずつ内容を忘れてしまう。主人公敷島4兄弟の職業は覚えているし、4兄弟が何故満州および中国近辺に集まってきたのかも覚えているけど、細かなディテールはやっぱり忘れかけている。

◆本書は、南京大虐殺でラストを迎える。ただこのシリーズ、参考文献は最終刊にまとめて掲載されるとのことで、史実に基づいた南京大虐殺なのか、左巻きの人たちが捏造している誇張された南京大虐殺なのか、歴史に疎い私にはよくわからない。このシリーズの歴史的な事実に関しては、今まで気にすることなく読んでいたけど、初めて「どこまで史実に基づいて書かれているのだろうか?」と疑問を持ってしまった。ましてや作者が、登場人物を皆殺しにしたがる船戸与一である。過剰な描写をしているのではないかと勘ぐってしまう。そんなわけで辛口採点。


5点/10点満点


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佐藤賢一「小説フランス革命II バスティーユの陥落」感想。
歴史小説。2009年01月19日読了。

バスティ-ユの陥落 ― 小説フランス革命2
佐藤 賢一【著】 集英社 (2008/11/30 出版)  279p / 19cm / B6判 ISBN: 9784087712711

◆第2巻は、バスティーユの陥落が書かれている。第1巻の主人公ミラボーの影が薄くなり、デムーランやロベスピエールの存在が大きくなってきている。フランス革命へ一歩一歩近づいていっているのだろうが、私は歴史を知らないから、このあとどういう展開になるのかわからない。わからないから続巻が待ち遠しい。第3巻は3月に刊行されると載っていた。楽しみである。

◆私は日本語変換にATOK2006を使っている。ATOK2006は、ミラボー、デムーラン、ロベスピエール、これらの人名を一発変換した。そうなんだ、普通に変換するくらい有名な人物なんだ。ふーん。


7点/10点満点


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佐藤賢一「小説フランス革命I 革命のライオン」感想。
歴史小説。2009年01月14日読了。

革命のライオン ― 小説フランス革命1
佐藤 賢一【著】 集英社 (2008/11/30 出版)  263p / 19cm / B6判 ISBN: 9784087712179

◆私は購入する本の90%紀伊国屋Bookweb経由で買っている。お気に入りの作家の新刊情報は、紀伊国屋Bookwebの(やや貧弱な)リコメンドサービスで入手している。

◆リコメンドサービスで佐藤賢一の新刊が出ることを知った。それが本書「小説フランス革命」である。1巻と2巻が同時発売となっており、全何巻なのだろう?と不安を感じつつも、買ってしまった。本書に挟み込まれていた出版案内を見ると全10巻となっている。これはいかん。完結まで何年かかるのだろう。浅田次郎「中原の虹」や、船戸与一「満州国演義」のように、完結していない本を、全巻完結待ちきれずに単行本で読んで後悔してしまった二の舞になってしまいそうだ。と思いつつも、佐藤賢一の最も得意とする中世フランスを舞台にした小説なのだから、面白くないわけがない。
せっかく単行本で買ったのに、完結まで読まずに積ん読としてしまうのももったいない。

◆という欲求が勝ってしまって、結局読み始めてしまった。

◆歴史が苦手で、特に西欧史には欠片も興味がないので、フランス革命の立役者が誰なのか知らない。知らないから、先がわからない。とりあえず第1巻の主人公であるミラボーは、魅力的な人物として書かれており、先を読むのが楽しみな展開である。


7点/10点満点


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飯嶋和一「出星前夜」感想。
歴史小説。2008年10月27日読了。

出星前夜

「神無き月 十番目の夜」を読んで以来、新刊が出たら必ず読む作家にリストされている飯嶋和一の、実に4年ぶりの新刊。ホントに寡作な作家さんです。本書は、天草四郎が主人公じゃない「島原の乱」。

◆本書には主人公が二人いて、一人は結果的に「島原の乱」の軍師的な役割をつとめた有家村庄屋の鬼塚監物、もう一人は「島原の乱」の発端となる騒動を引き起こした有家村の若者寿安。

◆飯嶋和一の語り口は、脇役の生い立ちを長々と説明したり、本筋とはあまり関係がない大名家の人物関係まで詳しく記したりする。歴史小説としての正確さを著しているのだろうが、ときとして説明的になりすぎるきらいがある。しかし、島原の民がなぜ絶望の淵に追いやられ、なぜ叛乱になってしまったのか、400年近くも昔の出来事を見てきたかのように詳述し、わかっていることとはいえその結末に哀しさを感じ、魂が揺さぶられる。語り口が説明的だなんてくだらないことを書いてもしょうがないか。


9点/10点満点

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北方謙三「水滸伝(十九) 旌旗の章」感想。
歴史小説。2008年10月07日読了。

水滸伝〈19〉旌旗の章

あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)
最終決戦の秋が訪れる。
童貫はその存在の全てを懸けて総攻撃を仕掛けてきた。
梁山泊は宋江自らが出陣して迎え撃つ。
一方、流花寨にも趙安が進攻し、花栄が死力を尽くし防戦していた。
壮絶な闘いによって同志が次々と戦死していく中、遂に童貫の首を取る好機が訪れる。
史進と楊令は、童貫に向かって流星の如く駈けた。
この国に光は射すのか。
漢たちの志は民を救えるのか。
北方水滸、永遠の最終巻。

◆堪能しました。じゅうぶんに堪能しました。第1巻を読み始めたのが7月5日ですから、3ヶ月堪能しました。

◆けどね。いろんな登場人物が出てきたけど、死んだ連中以外、中途半端な状態に終わってしまっているような。なかでも、青蓮寺の李富と聞煥章の争いはどうなるのかね、と気になって仕方がない。

◆結局のところ北方「水滸伝」は、「楊令伝」を書くための、19巻に渡る長い長い序章と感じた。楊令という傑出した若者が育つ過程を、19巻かけて書いたように思える。ま、「楊令伝」も読めってことだろう。

◆しかし李逵はスーパー殺戮マシンだったなあ。李逵ひとりで、幾らでも局面を変えることが出来てしまう。


8点/10点満点

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北方謙三「水滸伝(十八) 乾坤の章」感想。
歴史小説。2008年10月06日読了。

水滸伝 〈18(乾坤の章)〉

あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)
童貫軍の猛攻撃が始まった。
呼延灼は秘策をもってそれを迎え撃つ。
梁山湖では李俊ひきいる水軍が、巨大な海鰍船と対峙していた。
梁山泊に上陸される危険を背負いながら、幾百の船群に挑む。
一方、二竜山も陥落の危機を迎えていた。
趙安の進攻を一年以上耐え抜いた秦明は、総攻撃を決意する。
楊春、解宝が出撃、そして、青面獣の名を継ぐ楊令が初めて騎馬隊の指揮を取る。
北方水滸、死戦の十八巻。

◆なんだかんだ文句を言いつつも、やっぱり最後が近づいてくると、読んでいる私の気分も盛り上がってくる。これが長大長編小説の醍醐味なのだろう。


7点/10点満点

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北方謙三「水滸伝(十七) 朱雀の章」感想。
歴史小説。2008年09月30日読了。

水滸伝 〈17(朱雀の章)〉

あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)

童貫と〓美(ほうび)が、怒涛の猛攻を開始した。
董平率いる双頭山が総力を挙げて迎え撃つが、次々と同志は討たれていく。
更なる禁軍の進攻を止めるため、侯健は偽の講話案を進めていた。
巧みに高〓(こうきゅう)を信じさせるが、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けている。
一方、致死軍と高廉の軍の決戦が間近に迫っていた。
闇の中で、両者は息を潜め、刃を交える時を待っている。
北方水滸、悲泣の十七巻。

◆この週末(9/26-9/28)に台湾旅行をしていたため、読書進まず。というか、「水滸伝」は旅先にまで持っていく気がしなかった。死ねこの野郎=池上冬樹のせいだけどね。

◆ああ大詰めが近づいておりますね。ってことが良くわかる展開で。

◆この長い話は、梁山泊軍から見たクーデター失敗の物語なんだろけど、個人的には童貫が一番格好良く描かれているような気がする。


7点/10点満点

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北方謙三「水滸伝(十六) 馳驟の章」感想。
歴史小説。2008年09月22日読了。

水滸伝 〈16(馳驟の章)〉

あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)
梁山泊は戦によって、潰滅寸前にまで追い込まれていた。
回復の時を稼ぐため、侯健と戴宗が偽の講和案を持って高〓(きゅう)に近づく。
また、晁蓋を殺した史文恭が再び動き出した。
名を変え、商人になりすまし、次なる標的のそばで暗殺の機を待ち続けている。
それに対し、公孫勝は袁明の首を狙っていた。
堅牢な守りをかいくぐり、いま、致死軍が青蓮寺を急襲する。
北方水滸、暗闘の十六巻。

◆ちょいと小休止の模様。

◆第5巻の解説、クソバカボケ死ねこの野郎=池上冬樹のおかげで、一気読みする気力がなくなり、北方「三国志」とことなり熱中することもなく冷静に読んでいるのだが、冷静になればなるほど、すごい豪傑がよくもまあこんだけいるものですね、と言いたくなってしまう。


6点/10点満点

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