何清漣「中国の闇 マフィア化する政治」感想。
ルポ。2008年01月17日読了。

中国の闇―マフィア化する政治
何清漣/中川友 /扶桑社 2007/11出版 286p 20cm ISBN:9784594055219 \1,680(税込)

著者:何清漣[カセイレン](紀伊国屋Bookwebより)
経済学者・ジャーナリスト。1956年、中国湖南省生まれ。湖南師範大学卒。上海・復旦大学で経済学修士号を取得。湖南財経学院、曁南大学で教鞭をとり、中共深〓(せん)市委員会宣伝部に勤務の後、『深〓(せん)法制報』で長らく記者を務めるかたわら、中国社会科学院公共政策センターの特約研究員となる。98年に政治経済学の視点から中国社会の構造的病弊と腐敗の根源を衝く『現代化的陥穽』(邦訳『中国現代化の落とし穴』)を出版。知識人層から圧倒的な支持を得たが、共産党政権下の政治的タブーに踏みこむ言論活動を貫いたため、国家安全当局による常時監視、尾行、家宅侵入をはじめとするさまざまな圧力を受け、2001年に中国を脱出して米国に渡った。現在はプリンストン大学、ニューヨーク市立大学で研究活動を従事し、『当代中国研究』誌などに意欲的な論考を発表して精力的な活動を続けている。なかでも、渡米後の2004年に刊行された『中国の嘘』は、記者としての現場体験を踏まえた白眉の中国メディア論であり、中国におけるメディア・コントロールと言論統制の恐るべき実態を描ききった労作として高い評価を得ている。混迷を深める現代中国の動向を語るうえで欠かすことのできないキーパーソンのひとり




中国の官僚、役人は腐敗しきっている。

中国のやくざ=黒社会とつながりを持ち、土地の強制収容の際、住民を追い出すのは黒社会の連中であり、住民への保証金は黒社会の連中と役人がかすめ取り、住民にはほとんどわたらない。

そのような話は陳惠運「わが祖国、中国の悲惨な真実」でも取り上げられていた。

本書も同様に、現在の中国で公然と行われている腐敗した政治の実態について書かれている。

本書は、論文がベースになっており、書かれている文言はかなり固い。それは読みづらさにつながっているのだが、書かれている内容が迫真であり、現代中国の抱える先行き不透明な状態を切実に現している。

土地の強制収容に絡む黒社会からの嫌がらせ、役人と警官隊による暴力的な収容行為。広州で起きた、警官による農民への集団暴行は、たまたまビデオで収録され世界中のニュースとして駆けめぐったが、こんな事件が年間数万件以上起きているというのである。

圧倒される。


7点/10点満点

amazonはこちら

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。


| | コメント (0) | トラックバック (3)
|

イングリッド・ベタンクール「それでも私は腐敗と闘う」感想。
自伝・ドキュメンタリー。2006年07月19日読了。

それでも私は腐敗と闘う
イングリッド・ベタンクール/永田千奈 /草思社 2002/05出版 277p 20cm ISBN:479421135X ¥1,890(税込)

本書にはかなり衝撃を受けた。ぐだぐだ感想を書くより、粗筋(というか要約)を書いた方が本書のことが判るのではないかと思う。


著者は、南米コロンビアの上院議員(トップ当選)で、大統領選に立候補する40歳の女性。本書は、著者が対立する陣営から、「殺し屋を雇ったので気をつけなさい」と忠告を受けるところから始まる。


コロンビアの教育大臣を経てユネスコに勤務する父、コロンビアのストリートチルドレン救済に尽力し人々の尊敬を集めた美貌の母。著者はそんな両親の元、コロンビアとフランスを行き来する幼少時代を過ごす。コロンビアに戻り母親が救済活動に尽力しすぎたため、両親はすれ違い、離婚し、14歳の著者は父親に引き取られる。しかし、離婚により母はコロンビアのマスコミに中傷・非難され、傷つき、駐フランス・コロンビア大使館に職を得てコロンビアを離れてしまう。18歳になった著者は母のいるフランスへ行き、大学に通い、フランス外務省に勤める男と出会い、後に結婚し、夫が駐エクアドル・フランス大使館勤務になりエクアドルで3年暮らし、そして駐セイシェル・フランス大使館勤務になり極楽のような島で暮らし、24歳で長女を産む。25歳の時、祖国コロンビアのことが気になり居ても立ってもいられなくなった著者は一度コロンビアに戻る。既に帰国していた母は、昔のように精力的に活動し、下院議員になっていた。母にコロンビア国会議員としての活動を見せてもらった著者は、、いつか私も議員になる、と誓う。著者は27歳になり長男を産む。長男を連れ夫の祖国フランスに行っているとき、母に電話をすると、母が応援していた大統領選候補ルイス・カルロス・ガランが、大統領選の演説中に母の目の前でライフルで撃ち殺されたと告げられる。

著者29歳のとき、夫と離婚しコロンビアに戻り、政治を行う決意をする。

上院議員に当選した母の口添えで著者は財務大臣の専門行政官として政治の世界に入る。そして海沿いの街に視察に行く。そこで見たものは、錆付いた注射器が一本しかない診療所。診療所建設のための予算は、予算を勝ち取った地方議員がポケットに入れているのだった。コロンビア国会議員の半数以上が、賄賂を貰い、選挙の票を金でかき集め、議員の職は私腹を肥やすこと、そんな腐敗しきった連中だった。

<ここから要約ちょっと手抜き>

著者は33歳になり、下院議員選に立候補する。様々な邪魔が入りながらも、何とか当選する。

議員になり手がけたのは、国がイスラエル製の使い物にならない銃<ガリル>大量に輸入する計画と、それに絡む汚職の追及だった。しかし汚職議員はマスコミを操り、著者を貶める工作を行い、さらには情報提供者を暗殺し、著者は次第に弱っていく。マスコミそしてマスコミに操られた一般大衆からバッシングを受ける中、著者はテレビの生出演を敢行し、テレビでの爆弾発言をきっかけに、著者の真摯さが再認識され、復活する。

更に著者は、コロンビア前々大統領エルネスト・サンペールが麻薬カルテルから賄賂を受け取っていた件を糾弾し、しかしサンペールから甘言、誘惑、罠、敵意、工作、殺意など様々な妨害を受けながらも、コロンビアのために闘っていった。

著者は政党を作り、党首になった。そして、上院議員に立候補し、トップ当選するのだった。

コロンビア前大統領アンドレス・パストラーナ出馬の時は、著者は公約を守ることを条件に応援をした。しかし、パストラーナは公約を破り、著者を失望させる。

そして著者は、自ら2002年の大統領選に出馬することを決意するのだった。


ここで本書は終わるのだが。


2002年の大統領選中に、著者はゲリラに誘拐された。当時のコロンビア政府は、政府の忠告を無視し著者が危険地帯に行ったせいだと非難したが、政府=著者と敵対する与党政党は、著者がヘリコプターでの移動することを禁止し、ボディガード帯同も禁止した。しかし遊説するため著者は危険地帯に入り、誘拐された。

政府=敵対政党は、著者救出ための具体的な行動を起こさず、逆にゲリラに武力行使し、人質の著者の命などどうなってもいいような行動をとっている。

フランス、アメリカ、そして国連はこの誘拐事件に対し非難声明を発表する。

2003年(か2004年)、元夫の祖国フランスは、コロンビアに内緒で著者=イングリッド・ベタンクール救出作戦を展開するが、失敗に終わる。そしてフランス政府はコロンビア政府から非難を受けてしまう

2006年3月の時点で、著者はまだ生きているらしい。と、今日ネットで探した記事に載っていた。


8点/10点満点


amazonはこちら

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

これは他人に読んでもらうためと言うよりは、自分が本書の内容を忘れないために要約しました。280ページの本を要約するのは難しぃねぇ。

| | コメント (0) | トラックバック (2)
|

張平「十面埋伏・下」感想。
暗黒刑事小説(?)。2006年01月05日読了。

十面埋伏・下
張平・ぢゃんぴん(じゃんぴん)・荒岡啓子訳
新風舎 2005/11出版 394p 20cm ISBN:4797483067 ¥1,890(税込)

正月を挟むんじゃなかった。

実質的に下巻は3日で読み終えた。上巻の途中からぐいぐいと引き込まれるストーリーは、下巻になっても勢いが衰えることはなく、最後まで続いた。正月を挟まず上下間を一気に読んでいたなら、もっと面白く感じたかもしれない。ちょっと惜しいことをした。

本書の内容は、突き詰めてしまえば至極簡単な話だ。
正義の志を持った主人公群が、凶悪犯と、癒着する大勢の役人で構成される黒社会の連中を、とことんまで追い込む、それだけの話だ。
それだけの話だが、丁寧に作り込まれたストーリー展開、上下関係やメンツに縛られながら行動する登場人物、貧富の差を象徴とした現代中国の暗部、などのディテールが、黒社会に引きずり込まれる役人どもの腐敗ぶりに説得力を持たせ、黒社会の結束力の強さに説得力を持たせ、黒社会の連中が主人公群を邪魔する方法に説得力を持たせ、邪魔をする腐敗した役人に太刀打ちできない主人公群のいらだちに説得力を持たせている。
そしてストーリーが面白い。

相当に暗い小説で、日本人作家でいうと(特に悪人の描き方が)船戸与一に似ていると思う。訳者の文体のせいか。

最後に、この本の素晴らしいところを一点。
中国人の人名はただでさえ覚えにくいのに、この小説はやたらと登場人物が多い。この本では、見開きページごとに登場人物の名前にルビがうってある。これは読者に対する素晴らしい配慮だと思う。

9点/10点満点

amazonはこちら

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

張平「十面埋伏・上」感想。
暗黒刑事小説(?)。2005年12月28日読了。

十面埋伏・上
張平・ぢゃんぴん(じゃんぴん) ・荒岡啓子訳
新風舎 2005/11出版 392p 20cm ISBN:4797483059 ¥1,890(税込)

珍しく粗筋を書く:中国・古城刑務所。刑務所捜査官・羅維民(ルオウェイミン)は、休暇を取っている同僚・趙中和(ヂャオヂョンフー)の代わりに、死刑執行猶予で収監されている凶悪な犯罪者・王国炎(ワングゥオイェン)を取り調べる。王は刑務所内で、騒ぐ、暴れる、酒を飲む、とやりたい放題の囚人だった。取り調べで王は、自分が起訴された事件ではない、未解決事件の真相を次々と話し出す。王が喋っていることは真実だ、と直感した羅は直属の上司に報告するが、でたらめと一蹴される。上司を飛び越し幹部へ直訴するが、そこでも一蹴される。羅は直感を信じ、自力での捜査を開始するが...

中国のベストセラー作家、張平(ぢゃんぴん)の長編小説。本作はダークな感じが馳星周に似ている。だが馳星周は悪人を主人公とするのに対し、本作は正義感ある人々が主人公である。人々と書いたように、上巻では明確な主人公はいない。主人公群というべきか。登場人物の多さと、中国の複雑な役所や階級の構造などに戸惑う部分もあるが、100ページくらい読み進めたあたりで作品の方向性が見え、ぐいぐいと引き込まれる。

下巻や如何に。

7点/10点満点

amazonはこちら

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

金庸「天龍八部 第八巻(最終巻)」感想。
武侠小説。2004年11月14日読了。

天龍八部 第八巻(雁門悲歌)
BookWebはこちら
 amazonはこちら
金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/10出版 338p 20cm ISBN:4198615888 ¥1,785(税込)


なんちゅうか、どうでもいいような終わり方。
この本の金銭的価値:全8巻合計で2,000円くらいかな。
2点/10点満点

※ミニ情報:金庸の本の効率的な入手法法
 金庸の本はヤフオクで買うと定価で買うより2割くらい安く買える。
 読み終わったらヤフオクに出品。
 全巻セットで出品すれば、高い確立で売れる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

金庸「天龍八部 第七巻」感想。
武侠小説。2004年11月09日読了。

天龍八部 第七巻(激闘少林寺)
BookWebはこちら
 amazonはこちら
金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/09出版 316p 20cm ISBN:4198615756 ¥1,785(税込)


いよいよもってしっちゃかめっちゃかな展開になってきております。
3点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

金庸「天龍八部 第六巻」感想。
武侠小説。2004年11月01日読了。

天龍八部 第六巻(天山奇遇)
BookWebはこちら
 amazonはこちら
金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/08出版 289p 20cm ISBN:4198615616 ¥1,785(税込)

いらいらする展開になってきております。
4点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

金庸「天龍八部 第五巻」感想。
武侠小説。2004年10月26日読了。

天龍八部 第五巻(草原の王国)
BookWebはこちら
 amazonはこちら
金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/07出版 322p 20cm ISBN:419861542X ¥1,785(税込)

また主人公が変わるの?
3点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

金庸「天龍八部 第四巻」感想。
武侠小説。2004年10月19日読了。

天龍八部 第四巻(行路茫々)
BookWebはこちら
 amazonはこちら
金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/06出版 283p 20cm ISBN:4198615306 ¥1,785(税込)


何だかとんでもない話になってるなあ。
金庸作品の中でもめちゃくちゃ度がぶっちぎりナンバー1だぞ。
4点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

金庸「天龍八部 第三巻」感想。
武侠小説。2004年10月06日読了。

天龍八部 第三巻(運命の激流)
BookWebはこちら
 amazonはこちら
金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/05出版 299p 20cm ISBN:4198615160 ¥1,785(税込)


もしかしてまた主人公が変わったのか?
4点/10点満点

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

■09年11月から世界一周! | ■09年11月から世界一周!の準備 | ■09年11月から世界一周!の近況 | ■2006年夏・ケニアに行く | ■2007年夏・アンコール遺跡に行く | ■2008年1月・ボルネオ島に行く | ■2008年4月・週末海外でベトナム | ■2008年9月・週末海外で台湾 | ■アフリカ | □グインサーガ | □スターウォーズ | □三国志 | ▲スティーヴン・キング | ▲京極夏彦 | ▲佐藤賢一 | ▲夢枕獏 | ▲大沢在昌 | ▲天童荒太 | ▲宮部みゆき | ▲最早才能が枯渇し駄作家に成り果てた真保裕一 | ▲浅田次郎 | ▲神林長平 | ▲福井晴敏 | ▲船戸与一 | ▲貴志祐介 | ▲逢坂剛 | ▲金庸 | ▲隆慶一郎 | △松本仁一 | △蔵前仁一 | △高木徹 | △高野秀行 | ◆小説・ミステリ系統 | ◆小説・伝奇小説 | ◆小説・冒険小説 | ◆小説・時代小説・歴史小説 | ◆小説・武侠小説 | ◆小説・純文学・青春小説 | ◆小説・経済小説・現代小説 | ◆小説・SFホラーファンタジー | ◇いわゆる新書 | ◇エッセイ・紀行文 | ◇ガイドブック | ◇スポーツ関連書 | ◇データブック・記録集 | ◇ノンフィクション | ◇パソコン関連図書 | ◇ビジネス書 | ◇ルポ・ドキュメンタリー | ◇世界についての本 | ◇実用書・ガイドブック | ◇語学などの勉強本 | ◇雑学・蘊蓄 | ◎写真集 | ◎美術書・アートブック | ●海外作品(原著英語) | ●海外作品(原著非英語) | ★惚れ惚れするほどの駄作 | ☆私の読書累計 | ☆私的10点満点 | ☆装丁がスバラシイ本 | アニメ・コミック | 携帯・デジカメ | 旅行・地域 | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌