カテゴリー「●海外作品(原著非英語)」の記事

セルジュ・ミッシェル/ミッシェル・ブーレ「アフリカを食い荒らす中国」感想。
ルポ。2010年03月07日読了。

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アフリカを食い荒らす中国

本書は2月18日にヨハネスに到着した頃から読み始め、Airport Grand Hotelのバーでビール飲みながら読み終えました。


◆本書の概要(紀伊國屋Bookwebより)
すさまじい勢いでなだれ込む中国人たちの巨大な波!暗黒大陸の新たな征服が始まった。
巨大公共事業をはじめ“経済的利益”という新しい視点をかざした中国の国家戦略とは?―世界秩序を揺るがす実態を取材した衝撃の緊急ルポ。
(中略)
今、中国人はアフリカで何をしているのか? 各国政府と手を結び、大規模な公共事業など、あらゆるビジネスを急速に広げる75万の中国人。暗黒大陸の新たな征服を描く衝撃のルポ!


◆二人の著者はアルジェリア、セネガル、ギニア、ニジェール、ナイジェリア、カメルーン、ブラザビル・コンゴ、エジプト、スーダン、エチオピア、アンゴラ、ザンビア、中国、台湾で取材を行い、この本をまとめたとある。

その取材成果が十分に発揮されており、
第一章で北京で開かれた中国アフリカサミットのルポから始まり、
第二章はナイジェリアでパトカーを借りて道路を我が物顔で走る(ことができるくらい権力を持った)中国人ビジネスマンの成功物語、
第三章はブラザビル・コンゴのジャングルで違法伐採の同行取材(伐採をしているのが政府と癒着した中国企業)、

秘密警察が跋扈するスーダンで、立ち入り禁止の石油備蓄基地に入り込み写真を撮り警察に捕まったが何とか逃れた話とか、

大臣の地位を利用し、選挙区に住宅1万戸を建築し、選挙区での人気を不同にするブラザビル・コンゴの政治家へのインタビュー(と選挙区への取材)、

カメルーンに入り込む中国製の廉価な日用品と、それによって打撃を受けている地場産業の取材、

もうてんこ盛り。


なぜ中国が、中国企業が、多くの中国人がアフリカに入り込んでいるかというと、儲かるから。なぜ儲かるかというと、アフリカ諸国の多くは経済援助に頼っており、世界銀行の指針で、経済援助する代わりに競争入札を義務づけられている。競争入札となると中国企業に敵う先進諸国はどこもない。だから中国企業が落札する。

アフリカで働く多くの中国人は、働き始めるまで働く場所が危険(たとえばナイジェリアの石油紛争地域)だと言うことを知らない。働く前は良いことしか言われないから。報道されていないだけで、アフリカで働く中国人は何人も誘拐されたり殺されたりしている。でも、もし危険だと知っていても働きたがる中国人はたくさん居る。中国の農村で燻っているより、多くの金が稼げるから。


そして、アフリカで成功している中国人は利に賢い。成功した中国人は、一族郎党を呼び寄せ、更なる成功を自らの手で引き寄せる。賄賂を使おうが、強引な手を使おうが、環境だの何だのを無視しようが、一族の利益になればいいのだ。


南アフリカやナミビアで中国人の悪口をよく聞いた。なぜ悪口を言うのか、その理由の一端がわかった。


9点/10点満点


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何清漣「中国の闇 マフィア化する政治」感想。
ルポ。2008年01月17日読了。

中国の闇―マフィア化する政治
何清漣/中川友 /扶桑社 2007/11出版 286p 20cm ISBN:9784594055219 \1,680(税込)

著者:何清漣[カセイレン](紀伊国屋Bookwebより)
経済学者・ジャーナリスト。1956年、中国湖南省生まれ。湖南師範大学卒。上海・復旦大学で経済学修士号を取得。湖南財経学院、曁南大学で教鞭をとり、中共深〓(せん)市委員会宣伝部に勤務の後、『深〓(せん)法制報』で長らく記者を務めるかたわら、中国社会科学院公共政策センターの特約研究員となる。98年に政治経済学の視点から中国社会の構造的病弊と腐敗の根源を衝く『現代化的陥穽』(邦訳『中国現代化の落とし穴』)を出版。知識人層から圧倒的な支持を得たが、共産党政権下の政治的タブーに踏みこむ言論活動を貫いたため、国家安全当局による常時監視、尾行、家宅侵入をはじめとするさまざまな圧力を受け、2001年に中国を脱出して米国に渡った。現在はプリンストン大学、ニューヨーク市立大学で研究活動を従事し、『当代中国研究』誌などに意欲的な論考を発表して精力的な活動を続けている。なかでも、渡米後の2004年に刊行された『中国の嘘』は、記者としての現場体験を踏まえた白眉の中国メディア論であり、中国におけるメディア・コントロールと言論統制の恐るべき実態を描ききった労作として高い評価を得ている。混迷を深める現代中国の動向を語るうえで欠かすことのできないキーパーソンのひとり




中国の官僚、役人は腐敗しきっている。

中国のやくざ=黒社会とつながりを持ち、土地の強制収容の際、住民を追い出すのは黒社会の連中であり、住民への保証金は黒社会の連中と役人がかすめ取り、住民にはほとんどわたらない。

そのような話は陳惠運「わが祖国、中国の悲惨な真実」でも取り上げられていた。

本書も同様に、現在の中国で公然と行われている腐敗した政治の実態について書かれている。

本書は、論文がベースになっており、書かれている文言はかなり固い。それは読みづらさにつながっているのだが、書かれている内容が迫真であり、現代中国の抱える先行き不透明な状態を切実に現している。

土地の強制収容に絡む黒社会からの嫌がらせ、役人と警官隊による暴力的な収容行為。広州で起きた、警官による農民への集団暴行は、たまたまビデオで収録され世界中のニュースとして駆けめぐったが、こんな事件が年間数万件以上起きているというのである。

圧倒される。


7点/10点満点

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イングリッド・ベタンクール「それでも私は腐敗と闘う」感想。
自伝・ドキュメンタリー。2006年07月19日読了。

それでも私は腐敗と闘う
イングリッド・ベタンクール/永田千奈 /草思社 2002/05出版 277p 20cm ISBN:479421135X ¥1,890(税込)

本書にはかなり衝撃を受けた。ぐだぐだ感想を書くより、粗筋(というか要約)を書いた方が本書のことが判るのではないかと思う。


著者は、南米コロンビアの上院議員(トップ当選)で、大統領選に立候補する40歳の女性。本書は、著者が対立する陣営から、「殺し屋を雇ったので気をつけなさい」と忠告を受けるところから始まる。


コロンビアの教育大臣を経てユネスコに勤務する父、コロンビアのストリートチルドレン救済に尽力し人々の尊敬を集めた美貌の母。著者はそんな両親の元、コロンビアとフランスを行き来する幼少時代を過ごす。コロンビアに戻り母親が救済活動に尽力しすぎたため、両親はすれ違い、離婚し、14歳の著者は父親に引き取られる。しかし、離婚により母はコロンビアのマスコミに中傷・非難され、傷つき、駐フランス・コロンビア大使館に職を得てコロンビアを離れてしまう。18歳になった著者は母のいるフランスへ行き、大学に通い、フランス外務省に勤める男と出会い、後に結婚し、夫が駐エクアドル・フランス大使館勤務になりエクアドルで3年暮らし、そして駐セイシェル・フランス大使館勤務になり極楽のような島で暮らし、24歳で長女を産む。25歳の時、祖国コロンビアのことが気になり居ても立ってもいられなくなった著者は一度コロンビアに戻る。既に帰国していた母は、昔のように精力的に活動し、下院議員になっていた。母にコロンビア国会議員としての活動を見せてもらった著者は、、いつか私も議員になる、と誓う。著者は27歳になり長男を産む。長男を連れ夫の祖国フランスに行っているとき、母に電話をすると、母が応援していた大統領選候補ルイス・カルロス・ガランが、大統領選の演説中に母の目の前でライフルで撃ち殺されたと告げられる。

著者29歳のとき、夫と離婚しコロンビアに戻り、政治を行う決意をする。

上院議員に当選した母の口添えで著者は財務大臣の専門行政官として政治の世界に入る。そして海沿いの街に視察に行く。そこで見たものは、錆付いた注射器が一本しかない診療所。診療所建設のための予算は、予算を勝ち取った地方議員がポケットに入れているのだった。コロンビア国会議員の半数以上が、賄賂を貰い、選挙の票を金でかき集め、議員の職は私腹を肥やすこと、そんな腐敗しきった連中だった。

<ここから要約ちょっと手抜き>

著者は33歳になり、下院議員選に立候補する。様々な邪魔が入りながらも、何とか当選する。

議員になり手がけたのは、国がイスラエル製の使い物にならない銃<ガリル>大量に輸入する計画と、それに絡む汚職の追及だった。しかし汚職議員はマスコミを操り、著者を貶める工作を行い、さらには情報提供者を暗殺し、著者は次第に弱っていく。マスコミそしてマスコミに操られた一般大衆からバッシングを受ける中、著者はテレビの生出演を敢行し、テレビでの爆弾発言をきっかけに、著者の真摯さが再認識され、復活する。

更に著者は、コロンビア前々大統領エルネスト・サンペールが麻薬カルテルから賄賂を受け取っていた件を糾弾し、しかしサンペールから甘言、誘惑、罠、敵意、工作、殺意など様々な妨害を受けながらも、コロンビアのために闘っていった。

著者は政党を作り、党首になった。そして、上院議員に立候補し、トップ当選するのだった。

コロンビア前大統領アンドレス・パストラーナ出馬の時は、著者は公約を守ることを条件に応援をした。しかし、パストラーナは公約を破り、著者を失望させる。

そして著者は、自ら2002年の大統領選に出馬することを決意するのだった。


ここで本書は終わるのだが。


2002年の大統領選中に、著者はゲリラに誘拐された。当時のコロンビア政府は、政府の忠告を無視し著者が危険地帯に行ったせいだと非難したが、政府=著者と敵対する与党政党は、著者がヘリコプターでの移動することを禁止し、ボディガード帯同も禁止した。しかし遊説するため著者は危険地帯に入り、誘拐された。

政府=敵対政党は、著者救出ための具体的な行動を起こさず、逆にゲリラに武力行使し、人質の著者の命などどうなってもいいような行動をとっている。

フランス、アメリカ、そして国連はこの誘拐事件に対し非難声明を発表する。

2003年(か2004年)、元夫の祖国フランスは、コロンビアに内緒で著者=イングリッド・ベタンクール救出作戦を展開するが、失敗に終わる。そしてフランス政府はコロンビア政府から非難を受けてしまう

2006年3月の時点で、著者はまだ生きているらしい。と、今日ネットで探した記事に載っていた。


8点/10点満点


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これは他人に読んでもらうためと言うよりは、自分が本書の内容を忘れないために要約しました。280ページの本を要約するのは難しぃねぇ。

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張平「十面埋伏・下」感想。
暗黒刑事小説(?)。2006年01月05日読了。

十面埋伏・下
張平・ぢゃんぴん(じゃんぴん)・荒岡啓子訳
新風舎 2005/11出版 394p 20cm ISBN:4797483067 ¥1,890(税込)

正月を挟むんじゃなかった。

実質的に下巻は3日で読み終えた。上巻の途中からぐいぐいと引き込まれるストーリーは、下巻になっても勢いが衰えることはなく、最後まで続いた。正月を挟まず上下間を一気に読んでいたなら、もっと面白く感じたかもしれない。ちょっと惜しいことをした。

本書の内容は、突き詰めてしまえば至極簡単な話だ。
正義の志を持った主人公群が、凶悪犯と、癒着する大勢の役人で構成される黒社会の連中を、とことんまで追い込む、それだけの話だ。
それだけの話だが、丁寧に作り込まれたストーリー展開、上下関係やメンツに縛られながら行動する登場人物、貧富の差を象徴とした現代中国の暗部、などのディテールが、黒社会に引きずり込まれる役人どもの腐敗ぶりに説得力を持たせ、黒社会の結束力の強さに説得力を持たせ、黒社会の連中が主人公群を邪魔する方法に説得力を持たせ、邪魔をする腐敗した役人に太刀打ちできない主人公群のいらだちに説得力を持たせている。
そしてストーリーが面白い。

相当に暗い小説で、日本人作家でいうと(特に悪人の描き方が)船戸与一に似ていると思う。訳者の文体のせいか。

最後に、この本の素晴らしいところを一点。
中国人の人名はただでさえ覚えにくいのに、この小説はやたらと登場人物が多い。この本では、見開きページごとに登場人物の名前にルビがうってある。これは読者に対する素晴らしい配慮だと思う。

9点/10点満点

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張平「十面埋伏・上」感想。
暗黒刑事小説(?)。2005年12月28日読了。

十面埋伏・上
張平・ぢゃんぴん(じゃんぴん) ・荒岡啓子訳
新風舎 2005/11出版 392p 20cm ISBN:4797483059 ¥1,890(税込)

珍しく粗筋を書く:中国・古城刑務所。刑務所捜査官・羅維民(ルオウェイミン)は、休暇を取っている同僚・趙中和(ヂャオヂョンフー)の代わりに、死刑執行猶予で収監されている凶悪な犯罪者・王国炎(ワングゥオイェン)を取り調べる。王は刑務所内で、騒ぐ、暴れる、酒を飲む、とやりたい放題の囚人だった。取り調べで王は、自分が起訴された事件ではない、未解決事件の真相を次々と話し出す。王が喋っていることは真実だ、と直感した羅は直属の上司に報告するが、でたらめと一蹴される。上司を飛び越し幹部へ直訴するが、そこでも一蹴される。羅は直感を信じ、自力での捜査を開始するが...

中国のベストセラー作家、張平(ぢゃんぴん)の長編小説。本作はダークな感じが馳星周に似ている。だが馳星周は悪人を主人公とするのに対し、本作は正義感ある人々が主人公である。人々と書いたように、上巻では明確な主人公はいない。主人公群というべきか。登場人物の多さと、中国の複雑な役所や階級の構造などに戸惑う部分もあるが、100ページくらい読み進めたあたりで作品の方向性が見え、ぐいぐいと引き込まれる。

下巻や如何に。

7点/10点満点

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金庸「天龍八部 第八巻(最終巻)」感想。
武侠小説。2004年11月14日読了。

天龍八部 第八巻(雁門悲歌)
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金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/10出版 338p 20cm ISBN:4198615888 ¥1,785(税込)


なんちゅうか、どうでもいいような終わり方。
この本の金銭的価値:全8巻合計で2,000円くらいかな。
2点/10点満点

※ミニ情報:金庸の本の効率的な入手法法
 金庸の本はヤフオクで買うと定価で買うより2割くらい安く買える。
 読み終わったらヤフオクに出品。
 全巻セットで出品すれば、高い確立で売れる。

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金庸「天龍八部 第七巻」感想。
武侠小説。2004年11月09日読了。

天龍八部 第七巻(激闘少林寺)
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金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/09出版 316p 20cm ISBN:4198615756 ¥1,785(税込)


いよいよもってしっちゃかめっちゃかな展開になってきております。
3点/10点満点

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金庸「天龍八部 第六巻」感想。
武侠小説。2004年11月01日読了。

天龍八部 第六巻(天山奇遇)
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金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/08出版 289p 20cm ISBN:4198615616 ¥1,785(税込)

いらいらする展開になってきております。
4点/10点満点

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金庸「天龍八部 第五巻」感想。
武侠小説。2004年10月26日読了。

天龍八部 第五巻(草原の王国)
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金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/07出版 322p 20cm ISBN:419861542X ¥1,785(税込)

また主人公が変わるの?
3点/10点満点

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金庸「天龍八部 第四巻」感想。
武侠小説。2004年10月19日読了。

天龍八部 第四巻(行路茫々)
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金庸/土屋文子・きんよう・てんりゅうはちぶ
徳間書店 2002/06出版 283p 20cm ISBN:4198615306 ¥1,785(税込)


何だかとんでもない話になってるなあ。
金庸作品の中でもめちゃくちゃ度がぶっちぎりナンバー1だぞ。
4点/10点満点

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