カテゴリー「◆小説・ミステリ系統」の記事

2018/09/16

ドン・ウィンズロウ/田口俊樹訳「ダ・フォース(下)」感想。
警察小説。2018年05月21日読了。


ミステリ系統なので、細かなことは書きません。

共感しづらい悪い刑事が主人公なのに、

ラスト200ページは一晩で一気読みしました。

読み終わってみると、面白い小説と言っていいのかも。


8点/10点満点

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ドン・ウィンズロウ/田口俊樹訳「ダ・フォース(上)」感想。
警察小説。2018年05月18日読了。


ニューヨーク市警マンハッタン・ノース特捜部、通称「ダ・フォース」に所属する部長刑事デニス・ジョン・マローンを主人公とする小説。

ダ・フォースに所属する刑事は、すべて薄汚れている。賄賂を受け取る、賄賂を強要する、証拠をでっちあげる、無抵抗の犯人を射殺する。

エリート部隊のダ・フォースが、なぜそんなことをするようになったのか、なぜ今でも続けているのか。

そして、ある事件をきっかけにジョンは転落していく。


悪い刑事が主人公の小説。周りもほとんど悪い刑事。

主人公に共感できず、読み進めるのがつらい小説なのだが、それでも読ませるのはドン・ウィンズロウの手腕であろう。

ミステリ系統なので、筋はこれ以上記しません。


7点/10点満点

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2017/09/02

R.D.ウィングフィールド/芹澤恵訳「フロスト始末(下)」感想。
多重発生事件解決ミステリ。2017年07月16日読了。

フロストシリーズは、イギリスの架空都市デントン市警察に勤務するフロスト警部が、同時多発する事件(毎回毎回5件くらいの殺人事件が同時に発生する)を、夜勤超過手当削減に取り組むマレット署長の妨害に愚痴を言いながら、下品で受けないなジョークを飛ばしつつ、見当違いの捜査をしたり、勘がズバリと当たったり、へとへとなのに新しい事件が発生して呪いの言葉を吐き出したりしながら、どうにかこうにか事件を解決する物語である。

ミステリー小説なので、事件は毎回解決する(事件が解決しないのはミステリーではない。クライム<犯罪>小説である)。

1994年末に発売された「このミステリーがすごい」を読んで、第1作「クリスマスのフロスト」を知った。この第1作邦訳版は、原著発売後11年も経過してからの発売である。原著はすでに第3作まで出ていた。この辺りの事情はよく分からないが、全巻邦訳版が出版されたことは素直にうれしい。

著者は2007年に鬼籍に入られた。新刊が出ることはない。しかし、この作品のファンである別の作家が、スピンオフ作品を出しているとのこと(本書「フロスト始末(下)」巻末解説より)。

なお、訳者はすべて芹澤恵氏である。

◆以下リスト。

・第1作「クリスマスのフロスト」(原著1984年出版)
 読了日(1995年と思われる)、点数ともに当ブログに記録なし。

・第2作「フロスト日和」(原著1987年出版)
 1997年12月06日読了。7点

・第3作「夜のフロスト」(原著1992年出版)
 2001年09月23日読了。10点満点

・第4作「フロスト気質(上)」(原著1995年出版)
 2009年01月23日読了。8点

・ 〃 「フロスト気質(下)」(原著1995年出版)
 2009年01月26日読了。7点

・中 編「夜明けのフロスト」
 2009年01月28日読了。5点(複数作家のアンソロジー)

・第5作「冬のフロスト(上)」(原著1999年出版)
 2014年04月07日読了。8点

・ 〃 「冬のフロスト(下)」(原著1999年出版)
 2014年04月08日読了。8点

・第6作「フロスト始末(上)」(原著2008年出版)
 2017年07月12日読了。10点満点


本書の上巻は10点満点、下巻は7点。

フロストはしばしば違法捜査をするが、下巻の違法捜査はちょっと強引すぎる。いくらなんでも、それはダメなんじゃないか? & スキナー主任警部の退場の仕方が気に入らなかった。まあ、個人的な好みの問題である。

今年の年末に出版されると思われる「このミステリーがすごい2018年版」で、本書が上位に来ることは確実である。(第1作4位、第2作1位、第3作2位、第4作2位、第5作3位)


堪能した。


7点/10点満点

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2017/08/25

R.D.ウィングフィールド/芹澤恵訳「フロスト始末(上)」感想。
多重発生事件解決ミステリ。2017年07月12日読了。

フロストシリーズ最終巻。

なぜ最終巻かというと、著者が亡くなったから(2007年)。

本書が出版されたのは著者逝去後の2008年。日本語版は2017年(今年)6月に出版。

出版社もフロストシリーズを引っ張りに引っ張ったってことです。


で、今までのフロストシリーズの中でも最高の出だし(上巻ですので)。


私がフロストシリーズのファンということもあるけど、これは面白い


10点/10点満点

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2017/02/01

ドン・ウィンズロウ/峯村利哉訳「ザ・カルテル(下)」感想。
メキシコ麻薬戦争小説。2017年01月14日読了。

小説を読んだのは、麻野涼「死の臓器」2015年08月04日読了。2点。以来である。

下巻(約580ページ)は3日で読んでしまった。

先が知りたくて止まらない。そういう小説だった。

メキシコ麻薬戦争の(たぶんかなりリアルな)今を反映しているので、殺し方は残忍だし、まさかこいつが?!と思う連中が買収されているし、こいつらが手を組むのか!という展開もある。

セータ隊という国軍のエリートが作った麻薬組織が出てくるが、これはロス・セタスという実在の麻薬カルテルをモデルにしている。(ロス・セタスでググると超絶グロ画像がいっぱい出てくる→麻薬カルテルは敵対組織に恐怖を植え付けるため、惨殺した被害者を写真にとってネットにアップしている)

リアリティがありすぎて恐ろしいのだが、先を読まずにはいられない。たぶん全世界中の読者がそう思いながら読んだだろう。

ラストは好き嫌い分かれると思うが、私は嫌い。つまらない。

でもこの小説は、ラストは重要じゃない。本書では前作「犬の力」の後、2004年から2012年までの麻薬戦争を書いている。なぜメキシコはここまでひどくなってしまったのか、その過程を書き切っていることが本書の肝だと思う。

ちなみに、前著「犬の力」と本書「ザ・カルテル」を合わせて、リドリー・スコット+ディカプリオで映画化されるそうである。

9点/10点満点

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2017/01/31

ドン・ウィンズロウ/峯村利哉訳「ザ・カルテル(上)」感想。
メキシコ麻薬戦争小説。2017年01月11日読了。

本屋に行ったら、本書が平積みされていた。

ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳「犬の力・上」2014年04月13日読了。8点
ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳「犬の力・下」2014年04月14日読了。7点

の続編である。メキシコ麻薬戦争の当事者(取り締まる側と、取り締まられる側)を扱った、超一級の小説であった「犬の力」。個人的にはラストが気に入らなかったのでちょっと辛めの採点をしたが、

2014年に書いたブログより
>物語は、1997年、メキシコのある集落で、一族19人が麻薬マフィアに惨殺されたシーンから始まる。一族にマフィアの裏切り者がいた。裏切り者は、バナナのように顔の皮を剥がされて殺されていた。アート・ケラーは、自分の落ち度でこの事態を招いたと悲しむ。

この真相はそうとう後にならないと出てこないが、小説の仕掛け(開けっ広げな伏線)としては有効だった。

その続編である。これは読まなくてはならない。

とはいうものの、文庫本なのに1冊1200円+税。めちゃくちゃ値段が高い。ちなみに上巻は632ページ。ページ数を考えるとやむを得ない価格なのかな。

それと、訳者としての力量が素晴らしかった「犬の力」の訳者、東江(あがりえ)一紀氏が他界してしまったので、誰が翻訳するのかによって読後感が大きく異なるだろうという不安もちょっとあった。(引き受けた翻訳家=峯村利哉氏だって、東江氏と比べられる重責を覚悟のうえで引き受けられたのだろう)

「犬の力」は1975年から1999年までの戦いを書き、ラスト数ページに、2004年の主人公の心境が書かれている。

さて本書。

知っている人は知っていると思うが、メキシコ麻薬戦争はここからが本番である。19人の死に主人公アート・ケラーが心を痛めたいたのが前著「犬の力」。

しかしメキシコ麻薬戦争(全く知らない人はwikipediaを読んでね)では、1年で1万人以上が殺されている。麻薬組織同士の抗争VS警察(ほとんど買収されている)VSメキシコ軍(やっぱり買収されている)VSメキシコ政府直轄の麻薬撲滅チーム(親族が麻薬組織に殺されているので絶対に買収されない)という泥沼。

各勢力は、始めはただ敵対勢力を殺していたが、だんだんとエスカレートし、生きたままガソリンをかけて焼き殺す、生きたままチェーンソーで両手両足首を切って殺す、生きたまま額の髪の生え際を切って顔面の皮をはいで殺す。イスラム国も真っ青な方法で殺しまくった(というか、イスラム国の残虐さはメキシコ麻薬戦争を参考にしたと思われる)

まあ、そういうグロい部分も多いが、読み始めたら止まらなくなった。5日で読んでしまった。

「犬の力」をちょっと辛めの採点にしたのは、私が「犬の力」を読んだ2014年の時点で、メキシコ麻薬戦争は小説(「犬の力」)よりも酷くね? と違和感を抱いたからだと思いだした。


8点/10点満点

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2015/08/27

麻野涼「死の臓器」感想。
サスペンス小説。2015年08月04日読了。


つい最近、高橋幸春「だれが修復腎移植をつぶすのか」2015年07月28日読了。7点
を読んだ。

この著者、高橋幸春氏はルポ・ノンフィクションを発表する時の名前で、小説を書く時は麻野涼というペンネームを使っている。

本書は、その麻野涼が書いた臓器売買を巡るサスペンス小説である。WOWOWでドラマ化されることになったので、本屋で平積みされていた。平積みされた本書の内容に興味が湧き、買った。立ち読みはしていない。

その後ネットで調べたらルポ・ノンフィクションも書いていて、しかも私が興味を持っている臓器移植関連だったので、すぐさま「だれが修復腎移植をつぶすのか」を買い、そちらを先に読んだ。


で、本書。


冒頭の5ページほど立ち読みすればよかった。


ストーリーありきで小説を書いた(と思われる)ので、登場人物全員に魅力がない。


うん、この小説はつまらない。


2点/10点満点

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2014/04/27

ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳「犬の力・下」感想。
メキシコ麻薬戦争小説。2014年04月14日読了。

上巻は4~5日かけて読んだが、下巻は一日で一気に読んだ。

ストーリーは文句なく面白い。ノンストップで先を読みたくなる面白さだ。


だが、不満もたくさんある。

後半になればなるほど、映画のシナリオ的な神様視点の描写が増え、ちょいと白ける(好き嫌いなので個人差があると思います)

メイン主人公のアート・ケラーのクソ甘っちょろい考え方は、アホ、ボケ、殺されてしまえ、というくらい甘っちょろくて、こいつをメイン主人公に据えたのはなぜなのか理解に苦しんだ。たぶん、キリスト教徒アメリカ人の標準的な考え方なのだろうが。

※訳者あとがきによると、本書のタイトルである「犬の力」とは、旧約聖書に出てくる言葉なのだそうだ。

主人公クラスの登場人物が多数いるので、誰に感情移入して読めばいいのかなあ、アート・ケラーは自分の目的のために仲間の命を奪われてしまうくそったれ(個人の感想です)なので感情移入できないなあ、などとも思ったり。

カランは、バイクを始末するという思考に至りながら、同じ場所に1ヶ月も滞在した。何でだ?なんでそんなバカな行動をしたのだ?

大桃、小桃、オバップは、なぜ手下と化したのか?どこか読み落としたかなあ。

下巻p265
ノーラはラウルに電話して、その旨を伝え、切った後で、リーに言う。「うちのボスにも電話して、予定変更の了解を取らないと」
なんでリーはこれをOKするのかなあ。それまでの慎重な行動からは理解できないなあ。


という細かい好き嫌いはあるけど、ストーリーは面白かった。


人を殺す描写が多すぎるが。

7点/10点満点

上巻はこちら

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ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳「犬の力・上」感想。
メキシコ麻薬戦争小説。2014年04月13日読了。

ドン・ウィンズロウは、探偵ニール・ケアリーシリーズで人気が出た作家。
「ストリートキッズ」(このブログを始める前に読んだ)
「仏陀の鏡への道」
「高く孤独な道を行け」
を読んだことがある。

本書「犬の力」は、2010年の「このミステリーがすごい」海外編第1位の作品。

つまり、かなり面白い小説と考えて良い。


このミスで1位を獲ったと知り、ドン・ウィンズロウはまあまあ好きな作家だったので買ったが、ずっと積ん読。さいきん積ん読本消化に励んでいるのでようやく読んだ。


1975年から1999年まで、メキシコの麻薬マフィアと闘ってきたDEA(全米麻薬取締局)のアート・ケラーの物語。

とは言うものの、アート・ケラーは主人公の一人で、麻薬マフィアのボス、ボスの甥っ子、マフィアに加わるニューヨークの底辺の若者、殺し屋を職業にしてしまうメキシコのお坊ちゃま、ケラーの敵なのか味方なのか分からないCIAの上級職員、エグゼクティブだけを相手にする高級娼婦、神父。

いろんな人間が主人公クラスで登場する。


物語は、1997年、メキシコのある集落で、一族19人が麻薬マフィアに惨殺されたシーンから始まる。一族にマフィアの裏切り者がいた。裏切り者は、バナナのように顔の皮を剥がされて殺されていた。アート・ケラーは、自分の落ち度でこの事態を招いたと悲しむ。


そして物語は、なぜこの事態を招いたのか、長い長い説明をするため、1975年に遡る。

アメリカ人のアート・ケラーが麻薬を取り締まるためDEAに入局し、アメリカの公機関がメキシコ国内で掃討作戦を展開するという展開。

最初は、なんでアメリカの公機関がメキシコ国内で掃討作戦を展開出来るんだろう?という疑問がつきまとったが、読み進めていくうちに解消。


血なまぐさい描写(生きた人間の生皮を剥ぐ等)が結構出てきたし、後半への伏線なのか、主人公が誰だかイマイチ分からないくらい主要登場人物がいっぱい出てくるし、上下巻に及ぶ長い小説にありがちだけど、こいつは誰だっけ?という人物が出てくる度に頁を前に戻して確認したり。

そんなこんなで、上巻は4~5日かけて読んでいった。


8点/10点満点

下巻はこちら

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2014/04/19

R.D.ウィングフィールド/芹澤恵訳「冬のフロスト(下)」感想。
ミステリ。2014年04月08日読了。


※保存ボタンを押すと、エラーが出て書いた内容が全部吹っ飛ぶ。ココログ死になさい。ああ、ちくしょう。


モーガンという出来の悪い刑事(?)が出てくる。本当に出来が悪い。フロスト警部は部下を庇うのだが、モーガンに関しては、なぜ庇うのか理解できなかった。

リズという女性警部(補?)が出てくる。ラスト間際、リズ警部の扱いが、あまりにもひどい。

ラストが私好みではなかった。すっきりしない。


等々のモンクはあるけど、下巻は1日で一気読み。


(些細な?)モンクはあったけど、一気読みするくらいの面白さだった。


相変わらず直感だけで動くフロスト警部と、そのフロスト警部を信用している部下たちと、フロスト警部を全く信用していないマレット署長。これらが繰り広げるドタバタノンストップ劇場は、読んでいて十分な満足感を得られた。


面白かったよ。


8点/10点満点

シリーズ第1作「クリスマスのフロスト」 原著1984年、日本語版1994年

シリーズ第2作「フロスト日和」 原著1987年、日本語版1997年

シリーズ第3作「夜のフロスト」 原著1992年、日本語版2001年

シリーズ短編2作目「夜明けのフロスト」 原著2001年、日本語版2005年
注:いろんな作家の短編アンソロジー。フロストシリーズは1本だけ

シリーズ第4作「フロスト気質・上」 原著1995年、日本語版2008年

シリーズ第4作「フロスト気質・下」 原著1995年、日本語版2008年


シリーズ第5作「冬のフロスト・上」 原著1999年、日本語版2013年

残すところはシリーズ第6作「A Killing Frost」 原著2008年のみ

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