カテゴリー「◆小説・ミステリ系統」の記事

2010/10/11

松村美香「ロロ・ジョングランの歌声」感想。
経済サスペンス小説。2010年10月05日読了。

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ロロ・ジョングランの歌声

第1回城山三郎経済小説大賞を受賞した作品。

この賞はなんぞや? → 週刊ダイヤモンドを出版しているダイヤモンド社が主催している小説の賞。当初はダイヤモンド経済小説大賞だったが、第4回目から城山三郎経済小説大賞に名前を変えた(賞の回数もリセットされた)。週刊ダイヤモンドは小説好きに響かないけど、城山三郎なら知っている小説好きも多い。まあこの賞は名前を変えて成功したんじゃなかろか、と勝手なことを宣う。

それはそれとして。

本書「ロロ・ジョングランの歌声」と第2回城山三郎経済小説大賞を受賞した「ピコラエヴィッチ紙幣」、どちらもけっこう完成度が高いよ、という風の噂を聞き、購入→積ん読。

失業保険の給付期間が終わってしまって、住宅ローンが重くのしかかって暫く新刊本は買えないから、積ん読本を消化するべく読み出した。


本書は、インドネシアおよび東ティモールへの日本の経済支援(いわゆるODA)と、それに群がる国際コンサルタント、そしてボランティアで援助を行う国際NPOにまつわる”どろっ”とした現実をベースに、主人公で新聞社系雑誌編集者の人間関係が入り交じるという展開。

著者は、筑波大学で修士(経営学)を取得、国際開発コンサルタントとして、カンボジア、インドネシア、モンゴル、ザンビア、パレスチナなどの開発調査に参加した経歴を持つ人なので、臨場感と生々しさがよく伝わってくる。

地震災害を援助するNPOの女性の台詞(本書87ページより)
「天変地異なんて気が楽よ。人災とは違う天災で、ここの被害者は純粋に被害者なんですもの。誰を恨むでもなく、誰のせいでもなく、ただ、大地が揺れた。大地が揺れて、大勢の人が等しく被害に遭って、同情すべき気の毒な状況にある。そうした人たちを手助けするためには、何の取り繕った大義名分も用意する必要がないわ。ただ、被災者に対して気の毒だから支援をしているだけだもの。それで全ての説明がつく。それって、支援する側にとっては気分的にストレスがない。正義と善意で、全ての説明がつくのよ」

政治的難民を援助するのと、天災の被災者を援助するのでは、援助側の気分が違うということを表した台詞だが、何というか、見事。


後半の人間関係や話の展開は個人的に気に入らないが、国際援助に関する生々しい現実をテーマにしているわりにあまり嫌な気分にならないのは、著者の書くそこそこ詩的な文章が、本書のテーマ性を損なうことなく話を進めるのに上手くはまったということなんだろう。


いやでもやっぱりラストはとても気に入らないのだが。


7点/10点満点


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2009/05/13

ヴィカス・スワラップ「ぼくと1ルピーの神様」感想。
ミステリ系なのか?2009年05月07日読了。

ぼくと1ルピーの神様
ヴィカス・スワラップ/子安亜弥 / ランダムハウス講談社 2009/02 ¥840 (税込)

◆あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)
クイズ番組でみごと全問正解し、史上最高額の賞金を勝ちとった少年ラム。
警察は、孤児で教養のない少年が難問に答えられるはずがないと、不正の容疑で逮捕する。
しかし奇蹟には理由があった―殺人、強奪、幼児虐待…インドの貧しい生活のなかで、少年が死と隣あわせで目にしてきたもの。
それは、偶然にもクイズの答えであり、他に選びようのなかった、たった一つの人生の答えだった。
話題の映画『スラムドッグ$ミリオネア』原作、待望の文庫化。


◆アカデミー作品賞を取った映画「スラムドッグ・ミリオネア」の原作小説。インド人で、在南アフリカ・インド大使館に勤める外交官ヴィカス・スワラップの作家デビュー作。原著はまずイギリスで出版されたとあるので、英語で書かれたのだろう。

◆構成が見事。この物語の舞台となるクイズ・ミリオネアは、主人公の貧しい少年ラム・ムハンマド・トーマスの過酷な人生を浮かび上がらせるための添え物で、映画(まだ見てないけど)では重要かも知れないが、この小説においてはそれほど重要ではない。

◆あまりにも偶然に偶然が重なってしまう展開に白けてしまう、インド貧困層の描き方が嘘くさく感じてしまう、18歳の主人公がこれほど過酷な人生を歩むなんて考えられない、などの理由で受け付けられない人も多いのではないかと思うが、、、

◆私は文句なしに面白く読めた。

◆今まで読んできたドキュメンタリーやルポ、バックパッカー旅行記などで知り得たインドと、この小説で書かれているインド貧困層は違和感が無く、インドならあり得る話だよなあ、と思えるのだった。

◆海外翻訳物は、原著がどれだけ絶賛されていても、翻訳者に小説を書く能力が足りないと、まったく面白くないものになってしまう。だが本書は翻訳もよかった。ストーリーがよく構成もよく翻訳もよい。久々にとても面白い翻訳物を読み、堪能した。万人に薦められる本ではないが、当ブログに書いている私の感想に多少なりとも共感を抱いてくれている方なら、たぶん、はまる。


10点/10点満点


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2009/02/06

R.D.ウィングフィールド他「夜明けのフロスト」感想。
ミステリアンソロジー。2009年01月28日読了。

夜明けのフロスト―『ジャーロ』傑作短編アンソロジー〈3〉<br />
R.D.ウィングフィ-ルド/木村仁良 / 光文社 2005/12 ¥599 (税込)

◆本書はフロストの中編を含むミステリアンソロジー。30ページくらいの短編6本と100ページのフロスト中編が収められているが、海外ミステリに強くない私は、フロストを書いたウィングフィールド以外聞いたことがない作家ばかり。かなり昔に、「おっ、フロストシリーズだ」と思って買ったらアンソロジーでがっかりしてそのまま積ん読になってしまった本。「フロスト気質」を読んだ勢いで、本書も読んでみた。ちなみに読んだのはフロストのみ。

◆で、そのフロスト中編は、中編なにのいくつかの事件が連続して発生するのだが、中編であるがゆえにサクサク事件が解決してしまって、とどのつまり事件が簡単に解決して苦悩しないフロストの姿が描かれており、イマイチなのである。やっぱりフロストシリーズの魅力は、事件がちっとも解決しないのに次から次へと新たな事件が沸き起こって困ってしまうフロストの姿にあるのだなあ、と思う次第。


5点/10点満点


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2009/02/05

R.D.ウィングフィールド「フロスト気質(下)」感想。
ミステリ。2009年01月26日読了。

フロスト気質 〈下〉
ウィングフィールド,R.D.【著】〈Wingfield,R.D.〉 芹澤 恵【訳】 東京創元社 (2008/07/31 出版)  461p / 15cm / A6判 ISBN: 9784488291051

◆久しぶりに読んだフロストシリーズは、相変わらずのフロスト警部を筆頭に、嫌みったらしいマレット署長とか、キャシディ警部とか、キャシディにいいように使われてしまっているリズ・モード部長刑事とか、やっぱりこのシリーズは個性的な人物が多く、まあ堪能しました。

◆しかし、いまだにズロースって訳すのはどうなんだろうとか、下巻での家宅捜索がちょっと強引すぎないか?とか、ちょっと気になった。まあそれでも8年ぶりのフロストはやっぱり面白かったのである。

◆後書きに、作者ウィングフィールドが79歳で死去し、もう続編が書かれることがなくなったということで、とても残念である。未訳長編はあと2作。創元社はいつまでももったいぶらずに、さっさと翻訳して欲しい。


7点/10点満点


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2009/02/04

R.D.ウィングフィールド「フロスト気質(上)」感想。
ミステリ。2009年01月23日読了。

4094083456
ウィングフィールド,R.D.【著】〈Wingfield,R.D.〉 芹澤 恵【訳】 東京創元社 (2008/07/31 出版)  448p / 15cm / A6判 ISBN: 9784488291044

◆95年版の「このミス」で海外ミステリ第4位にランクインされていた「クリスマスのフロスト」。その頃の「このミス」のランキングはとても信頼でき、ランクインした作品は安定した面白さがあった。なので、「クリスマスのフロスト」は何の疑いもなく、面白い作品なのだろうと手に取った。それがフロスト警部との出会い。もう15年くらい前になるのだな。その後、「フロスト日和」「夜のフロスト」と読み、毎度毎度のことながら次々と発生する事件に巻き込まれながらも、行き当たりばったりの捜査と下品なジョークで何とか切り抜ける手腕は、日本の中年サラリーマンぽくて好感が持てるのであった。

◆久しぶり、実に8年ぶりの邦訳となる「フロスト気質」は、のっけから難事件が次々と沸き起こり、フロストシリーズ健在だなあ、と堪能するのである。


8点/10点満点


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2007/11/01

宮部みゆき「楽園(下)」感想。
ミステリ。2007年10月30日読了。

楽園〈下〉
宮部みゆき /文藝春秋 2007/08出版 361p 20cm ISBN:9784163263601 \1,699(税込)


下巻になっても登場人物に魅力を感じない。

登場する全ての人物に魅力を感じない。

この小説は、私には合わなかった。


3点/10点満点

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2007/10/13

宮部みゆき「楽園(上)」感想。
ミステリ。2007年10月05日読了。

楽園〈上〉
宮部みゆき /文藝春秋 2007/08出版 413p 20cm ISBN:9784163262406 \1,699(税込)


登場人物に魅力がないなあ。





4点/10点満点

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2007/05/02

逢坂剛「相棒に手を出すな」感想。
ミステリ系連作短編集。2007年05月01日読了。

相棒に手を出すな
逢坂剛 /新潮社 2007/04出版 302p 20cm ISBN:9784103649069 ¥1,680(税込)


そんなに深く考えて作ったキャラクターじゃなかったけど、書いてみたら意外と気に入ったので、いつの間にか短編シリーズとして成立していました、てな感じの話。

二本柳ツル、という婆さんキャラが主人公よりも良い。

逢坂剛って本当にハズレが少ないので、読者としては安心できるよ。(除く西部劇)


6点/10点満点

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2007/03/15

乙一「GOTH 僕の章」感想。
本格ミステリ?。2007年03月14日読了。

Goth 僕の章
乙一 /角川書店(角川グループパブリッシング) 2005/06出版 253p 15cm ISBN:9784044253059 ¥499(税込)

この本を読んでいてひたすら腹が立ち怒りがこみ上げてきた

この小説はライトノベルとして書かれた。ということは、ターゲットは中高生なのだろう。私がこの小説を読んで感じた腹立ちはそこにあり、コンビニで平然と売られているエロ雑誌を見るときと同じ腹立ちだ。売れりゃあ何でもありというモラルの低下に対する腹立ちだ。

ましてやこの小説が本格ミステリ大賞を獲るなんて、痴漢集団野外強姦のようなオモテエロビデオが日本ビデオ大賞を獲るようなものだ、と思う。

こんなことやっているからミステリは人気が無くなっていくんだよ。


2点/10点満点

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2007/03/13

乙一「GOTH 夜の章」感想。
本格ミステリ?。2007年03月12日読了。

Goth 夜の章
乙一 /角川書店(角川グループパブリッシング) 2005/06出版 190p 15cm ISBN:9784044253042 ¥459(税込)



個人の好みの問題なんだろうけど。


なんだ、この不愉快な話は?


2点/10点満点

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