カテゴリー「△高野秀行」の記事

2011/07/07

高野秀行「イスラム飲酒紀行」感想。
紀行エッセイ。2011年06月30日読了。

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イスラム飲酒紀行


辺境大好き高野秀行の最新単行本であります。
本作はイスラムの国々で酒を飲む話であります。

カタール、パキスタン、アフガニスタン、チュニジア、イラン、マレーシア、トルコ、シリア、ソマリランド、バングラデシュというイスラム国家で、酒を求めて彷徨う話が満載です。


……とは言ってもなあ。トルコやマレーシアやチュニジアやシリアってのは普通に酒が飲める国だからなあ。それほど面白いエピソードになるのかなあ。

と思っていたのだが、これが予想以上に面白エピソードが満載なのである。

なんといってもイランの話がすごい。

イランと言えばホメイニ氏がイスラム革命を起こし、宗教上の最高指導者が国の最高権力者という、傍から見たらがちがちのイスラム国家である。そんな国で酒が飲めるのか?と思うのであるが、約1年前にインドのデリー空港で出会った日本語を喋れるイラン人も「イランでも酒は手に入るよ」と言っていたので、高野秀行もイランで酒を手に入れることに成功するのだろうと予想しながら読んだのだが、ちょっと予想を超えていた。


出たばかりの新刊なので、細かな内容は書かないけど、

うん、本書は面白かった。


8点/10点満点


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2011/02/22

高野秀行「世にも奇妙なマラソン大会」感想。
エッセイ。2011年02月05日読了。

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世にも奇妙なマラソン大会

とある深夜、著者高野秀行が「アフリカ・中東 マラソン」で検索すると、
サハラ・マラソン
がヒットした。

Webサイトを覗いてみると、アルジェリアにある西サハラ難民キャンプ(兼ポリサリオ戦線ゲリラの拠点)で開催される、西サハラ独立運動を支援するマラソン大会だった。「う~ん、面白い!」と思った著者は、サハラ・マラソンの参加申込みボタンをポチッと押していた。著者は週に1~2回ジョギングをする程度で、長くても8キロしか走ったことがない……

いつもの高野作品と同じように、おもしろおかしい文章で綴られるサハラ・マラソン顛末記。これが本書の約半分。

残りは、ブルガリアで両刀遣いのオヤジに迫られる話、
インド入国禁止状態になっている著者が、パスポートを合法偽造するために改名を試みる話、
他、ミニエッセイが7編。

高野秀行ファンなら、サハラ・マラソンを目にした高野秀行が取るべき行動を取っていることに笑い、インド入国禁止になっけどインドへ行きたくて行きたくてしょうがない高野秀行がなりふり構わない手段に打って出たことに笑い、両刀遣いのオヤジの誘いに乗ってしまうことに笑えるのだけれども。

高野秀行ファンじゃない人には敷居の高いエッセイになってしまっているのではないかなあ。と思うのであった。


7点/10点満点


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2010/11/23

高野秀行「腰痛探検家」感想。
エッセイ。2010年11月23日読了。

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腰痛探検家


本書は高野秀行が腰痛と闘う物語である。

出たばっかりの新刊本(文庫オリジナル)だから細かな感想は差し控えるが、本に挟み込まれている「集英社新刊案内」に高野秀行(と角幡唯介)の顔写真が載っているくらいなので、今月の集英社一押しの本なのかも知れない。と書いておこう。


本書の感想とは別で、腰痛歴15年の私から著者高野秀行に一言申し上げたい。

「歳取ったら病気は治りにくくなるんだよ」


7点/10点満点


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2010/04/16

高野秀行「間違う力」感想。
エッセイ?2010年03月20日読了。


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間違う力 ― オンリ-ワンになるための10か条

高野秀行ファンには物足りない本。

以上。


6点(ファンの贔屓目)/10点満点


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2010/01/24

高野秀行「放っておいても明日は来る」感想。
対談集。2010年01月13日読了。

放っておいても明日は来る ― 就職しないで生きる9つの方法
高野秀行 / 本の雑誌社 2009/11 ¥1,470 (税込)

高野秀行が大学で講義をしていた半年間に呼んだゲストの話をまとめた本。

マレーシアで微生物を探す人
プロの女性ムエタイボクサー
沖縄映画のプロデューサー
ミャンマーで旅行会社を経営する人
タイでミュージシャンになった女性
ラオスでカフェを開いた人
屋久島のツアーガイド
韓国人で、日本語翻訳出版を商売にしてしまった人

高野秀行が連れてくるような人だから、誰のエピソードを聞いても面白い。

それにしても最近読書感想文の書き方を忘れてしまった。のほほんと旅行をしていると、人生に置き去りにされそうである。


7点/10点満点


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2009/09/23

高野秀行「アジア未知動物紀行」感想。
奇っ怪生物探索記。2009年09月11日読了。

アジア未知動物紀行―ベトナム・奄美・アフガニスタン
高野秀行 / 講談社 2009/09 ¥1,470 (税込)

◆高野秀行の最新単行本が出た。前作「メモリークエスト」は、赤の他人(=基本的には高野ファン)のリクエストに基づき高野秀行が調査するというもので、やっていることは結構はちゃめちゃな感じはあるけど、なぜ高野秀行でなければならないのかその理由が希薄で、というよりは高野秀行が単に取材旅行をしたかったんだろうと感じさせるくらい取材に熱が入っていないように思え個人的にイマイチだった。ので、高野秀行が自主的に調査をしたくなった未知生物を探す旅、というコンセプトのこの本は期待が持てる。

◆本書は、ベトナム中部高原に生息する「猿人フイハイ」を探す旅、奄美の妖怪「ケンモン」を探す旅、外務省危険度4=退避勧告が出ているアフガニスタンで「凶獣ペシャクパラング」を探す旅の3本立て。高野本を読んだことがある人ならわかると思うけど、結論はいつもの通り。そういう意味では予定調和の世界。

◆高野秀行のユーモラスな文章は、ささくれ立った気分を沈める効果があり、まあ心穏やかになるのである。お試しあれ(何じゃそりゃ)


7点/10点満点


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2009/05/07

高野秀行「メモリークエスト」感想。
使命遂行型旅行記。2009年04月20日読了。

メモリークエスト
高野秀行 / 幻冬舎 2009/04 ¥1,470 (税込)

幻冬舎のWeb上で一般読者から募集された様々な思い出。美しい思い出もあれば、むかつく思い出もある。思い出のその後を調べるため、高野秀行が世界各地に赴くのであった……

・タイの田舎村で大人を仕切る「スーパー小学生」のその後。
・タイの不良警官に絡まれて困っているところを助けてくれたミャンマー人のその後。
・セーシェル諸島で世界各国の春画を集めているインド人商人のその後。
・露骨に嫌な顔をした南アフリカの現地ガイドのその後。
・アメリカで知り合ったセルビア人留学生のその後。

この5つのミッションをこなすため、高野秀行はまずはタイに出かけるのである。

◆Web読者からのどうでもいいような依頼内容をまじめにこなす高野秀行。実に高野秀行っぽくて、読む前は期待大であったが、単に私の好き嫌いが理由なのだが、いつもの高野本より楽しめなかった。

◆いつもの高野秀行は、「どうして彼はこんな馬鹿馬鹿しいことにまじめに取り組むのだろう」と思えるような内容、例えばビルマに住んでアヘンを栽培するとか、インドに怪魚を探しに行くとか、そういうことを高野秀行自身は馬鹿馬鹿しいと思わず、純粋に自分自身が知りたいからやるのであり、端から見ると馬鹿馬鹿しいようなことでも、高野本人の真剣さに引きずり込まれてしまうのが、いつもの高野本の醍醐味だと思うのだ。

◆しかし本書は、基本的には高野本人が探したいと思っていることではないので、そこいらがイマイチ私の琴線に触れなかった。本書の第4章は、ネタバレになるから詳しくは書かないけど、上記のような理由も相まって、本書の中で一番面白かった。


5点/10点満点


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2009/02/03

高野秀行「世界のシワに夢を見ろ!(改訂増補文庫版)」感想。
旅のバカ話。2009年01年19日読了。

世界のシワに夢を見ろ!
高野 秀行【著】 小学館 (2009/01/13 出版) 237p / 15cm / A6判 ISBN: 9784094083453

単行本バージョンからイラストを取り除き、雑誌のような文字レイアウトを普通の本のように変更し、単行本に掲載しなかったエピソードを7つ加えたリニューアルバージョンの「シワ」。

◆私が高野秀行を知り、その面白さを知ったのが、単行本バージョンの「シワ」を読んでから。何気なく買ってしまった本だった。最初はよくあるタイプの海外旅行馬鹿話かと思ったけど、その後「幻獣ムベンベ」を読み、高野秀行はそんじょそこいらにいるライターとは違うな、と思ったのです。

◆本書は体裁が本らしくなり、未掲載エピソードも多数載っており、以前読んだときより面白く感じます。

◆昨年、高野秀行と宮田珠己のトークショーを聞きに行ったとき、高野本で一番売れているのは「極楽タイ暮らし」と本人が言っており、相当意外に感じました。これは買っている人が「タイで暮らすマニュアル本」と勘違いして買っているだろう、とのこと。なんでもいいけど、高野秀行はもっと売れて欲しいと思うのです。


7点/10点満点


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2008/07/13

高野秀行「辺境の旅はゾウにかぎる」感想。
紀行文。2008年06月23日読了。

辺境の旅はゾウにかぎる
高野秀行 /本の雑誌社 2008/06出版 253p 19cm ISBN:9784860110833 \1,575(税込)

◆高野秀行の本は書き下ろしが多い。本書は、「本の雑誌」や「旅行人」などに掲載(連載ではない模様)された文章をまとめた本。

◆高野秀行の名著に「アヘン王国潜入記」という本がある。潜入記はビルマから立ち去るところで終わるが、実際はビルマからの出国がかなり大変だった。という顛末が「アヘン王国脱出記」として本書に掲載されている。これがまたけっこう笑えるのである。

◆「テレビの理不尽」という話では、ビルマのドキュメンタリー番組撮影に40日間同行し、いろんな(大変だったけど面白い)出来事が発生したのだが、ドキュメンタリーの趣旨から外れるエピソードは番組に反映されないという嘆きを書いている。文章にするのなら後からエピソードを思い出して書けばいいけど、テレビ番組に知るためには映像が撮られていなければならない。どんなに面白い出来事があっても、映像に残っていなければ番組としては成立しない。そういう嘆きも含まれている。ただこの話、どこかで読んだ記憶があって、何でだろうと奥付調べたら「旅行人」に掲載された話だった。

◆後半は高野秀行が薦める”エンタメ・ノンフィクション”本の紹介。

◆いろんな雑誌に掲載されたものをまとめた本だからしょうがないのだけど、けっこうバラバラな感じが。まあいいんだけど。


5点/10点満点

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2008/04/01

高野秀行「神に頼って走れ!」感想。
国内自転車旅行記。2008年03月26日読了。

神に頼って走れ!―自転車爆走日本南下旅日記
高野秀行 /集英社 2008/03出版 242p 15cm ISBN:9784087462784 \499(税込)

高野秀行の名著のひとつに「西南シルクロードは密林に消える」という本がある。ユーラシア大陸を横断するシルクロードにはいくつかのルートがあり、タイトルとなっている西南シルクロードとは中国・成都からビルマ北部を通り、インドのコルカタ(カルカッタ)まで抜けるルートである。と著者高野秀行が書いているのでそうなのだろう。で、高野秀行は、そのルートを陸路で踏破した。「西南シルクロードは密林に消える」はその経緯を綴ったルポである。

2002年の2月末、高野秀行は成都から、昆明、大理と進み、中国とビルマの国境近くの街・瑞麗に行き、瑞麗で全ての旅費約70万円を盗まれ、家族に頼んで送金してもらい、ビルマ・カチン軍の手引きにより国境検問も通らずにあっさりとビルマのカチン州に密入国→ビルマの紛争地帯をゲリラ軍に引き連れられ歩く→ジャングルでマラリアに罹る→インドのナガランド州に密入国→カルカッタに行き日本に戻るためやむなくインド警察に自主。インド警察からは懲役5年を覚悟しろ、と言われた。

しかし、高野秀行は収監されることなく、日本への強制送還だけで済んだ。

出発してから帰国するまで約4ヶ月の旅だった、とエピローグに書かれている。


その後、辺境と怪獣を愛してやまない高野秀行は、ウモッカという怪魚を探しに行くため、インドへの入国を試みるのであった。その面白い顛末は「怪魚ウモッカ格闘記」に詳しく書かれている。


結果として未だにインドへ入国することはできないのだが、ウモッカを探すためにどうしてもインドに行きたい高野秀行は、日本の神さまに頼ることにした。

東京から沖縄の波照間島まで自転車で走り抜け、道中に祀ってある道祖神に「インドに行かせてくれ」と片っ端から頼む旅、なのだ。

本書は集英社のホームページに毎週連載されていたコラムをまとめた本。最初はコラムをまめに読んでいたけど、一冊の本にまとめることが決まったとアナウンスされた後は、楽しみを取っておくためにWebコラムを読まずに待っていましたのです。ようやく出版された本書、高野ファンならじゅうぶん堪能できるでしょう。今回の旅は国内旅行なので、高野秀行がいつも好んで行っているような海外の超辺境に比べそれほど突拍子もない出来事が起こるわけもなく、でも高野ファンとしては突拍子もないとんでもない出来事が起こって欲しいわけで、そういう意味ではちょっとあっさりした内容かも。


でもね、やっぱりこの本を読む前に「西南シルクロードは密林に消える」と「怪魚ウモッカ格闘記」を読んでいるのといないのとじゃあ、本書の楽しみ方が全然違うと思うのですよ。そう考えると、本書は高野秀行上級本と位置づけるべきであって、書店で平積みすべき本ではないと思うのですね。


春風亭昇太が推薦文で「高野くん。常識って言葉、知ってるか?」と書いているのだけど、この本で高野秀行がやっていることは常識の範囲内だなあ。密入国とかアヘン栽培(「ビルマ・アヘン王国潜入記」参照)に比べたら。


7点/10点満点

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