木村元彦「悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記」。
旧ユーゴルポ。2011年07月25日読了。
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今年2冊目の10点満点。
千田善という方がいるのです。サッカー日本代表のオシムの通訳をやっていた方です。この方の本業はユーゴスラビア研究家で、「ユーゴ紛争 多民族・モザイク国家の悲劇」(1998年01月09日読了)という本を出されています。まあ他にも本は出していますが。(私は他に「ユーゴ紛争はなぜ長期化したのか」という氏の著書も読んだ→当ブログ未掲載)
私の持っていた「世界」という概念がブチ壊れたベルリンの壁崩壊は私が22歳の時で、以降の東欧諸国崩壊に興味があり、まあそれなりにニュースには注目していた(当時はノンフィクションやルポやドキュメンタリーなんてほとんど読んでいなかった)。けど、東欧崩壊に引きずられるように始まったユーゴスラビア瓦解に何故か違和感を覚え、それはボスニアヘルツェゴビナがやたらと被害者になっているニュース報道が原因で(後日この違和感の原因が高木徹「戦争広告代理店」を読んですっきりした)、30歳を過ぎてから旧ユーゴの本を読み出すようになったんですよ。
旧ユーゴは、要するにセルビアが一方的に悪者にされたのであって、たぶんセルビア人も相当酷いことをやったんだろうけど(民族浄化と名付けられた虐殺とか)、それと変わらないくらい酷いことをクロアチア人もやっているし(現在のクロアチア領に住んでいるセルビア人を追い出す際に虐殺強姦強奪しまくった)、ボスニアの連中も酷いことをやってただろうし(現在のボスニア領に住んでいるセルビア人を追い出す際に虐殺強姦強奪しまくった)、結局のところとても後味の悪い戦争だったってことだ。
まあ数冊程度ではあるけれども旧ユーゴ内戦に関する本を読んでいて、それなりに知ったつもりになっていたんですよ、私は。
そんな程度の私が思うに、日本人が書いた旧ユーゴの本は、どこかの民族への肩入れが少ないので、わりと公平に書かれているんじゃないかな、と思うのですよ。
で、本書。
本書は、私が敬愛するエンターテインメントノンフィクション(通称エンタメノンフ)作家、高野秀行氏が、氏のブログ「ムベンベ」で絶賛していたから買いました。
本書の著者木村元彦は元々はスポーツライターで、ユーゴスラビアサッカーに取り憑かれた人。中でもピクシー=ストイコビッチ(セルビア出身)のプレーに魅せられた人である(違ってたらすみません)
で本書は、コソボ紛争でセルビアがNATOに空爆されている前後にセルビア、クロアチア、コソボ、モンテネグロ、スロベニア、マケドニアに「サッカーを見に」行き、その現場で見聞きした旧ユーゴの現状を、サッカー中心にまとめたルポ。
細かな内容は省きます。
旧ユーゴに関心のある方は、絶対読め!
というくらいの名著。
これぞルポ。
素晴らしい。
10点/10点満点
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