松本仁一「アフリカ・レポート」感想。
いわゆる新書。2008年08月25日読了。

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々
松本仁一 /岩波書店 2008/08出版 205p 18cm ISBN:9784004311461 \735(税込)

◆アフリカの中でも、間違った国作りが行われたソマリアやシエラレオネを「失敗国家」と名付けた名著「カラシニコフ」の著者、松本仁一氏の最新作。

◆「はじめに」で、著者はアフリカの国歌を大きく4つにわけている。
1)政府が順調に国作りを進めている国家。ボツワナぐらいしか該当しない。
2)政府に国作りの意欲はあるが、運営手腕が未熟なため進度が遅い国家。ガーナ、ウガンダ、マラウィなど10ヵ国程度
3)政府幹部が利権を追い求め、国作りが送れている国家。ケニアや南アフリカなど多くのアフリカ国家が該当。
4)指導者が利権にしか関心を持たず、国作りなどはじめから考えていない国家。ジンバブエ、アンゴラ、スーダン、ナイジェリア、赤道ギニアなど。ソマリアやシエラレオネはこのカテゴリーの中でも極端な崩壊国家としている。

◆国連関係者などが、利権を追い求める国家指導者に、その腐敗を指摘すると、「レイシズム=人種差別だ」と言い返されてしまう。著者松本仁一氏も、2002年にナイジェリア政府の腐敗を外務省主催の会議で報告したら、アフリカ関係者から「それはレイシズムだ」といわれてしまったそうである。

◆本書は、ジンバブエの経済崩壊の理由、南アフリカの犯罪増加、アフリカに巣くう中国人、国を逃げ出しパリに行くアフリカ人、そういう状況下でありながら生きるために知恵を絞る人たち、アフリカの成功例などが、問題点を広げすぎず的確に、かつ分かり易い文章で書かれている。

◆著者は朝日新聞の元記者で、2007年12月に定年退職したらしい。こういう記者を辞めさせてしまうなんて、朝日新聞はまたひとつダメ新聞社へ転落していくのだろうなあ。


9点/10点満点

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松本仁一「カラシニコフ 2」感想。
ドキュメンタリー。2006年06月07日読了。

カラシニコフ 2
松本仁一/朝日新聞社 2006/05出版 285p 20cm ISBN:4022501650 ¥1,470(税込)

私的10点満点に推した「カラシニコフ」の続編。

前作は、主にアフリカで起こっているカラシニコフの悲劇を書いていた。政権を握った連中が国民を顧みることなく私腹を肥やし、軍を私物化し、治安をないがしろにし、満足に稼ぐことができない国民や給料を貰えない警官が強盗になり、強盗から身を守るために国民は銃で武装する。その際に使われる銃が、カラシニコフ。なぜなら、安くて壊れにくいから。

作者松本仁一は、そういうアフリカの国々を「失敗国家」と名付けた。シエラレオネ、ソマリア、ナイジェリアなどが代表的な失敗国家だという。


本書は、アフリカ以外の地域でのカラシニコフを取材したものである。

国家が機能し、国家は国民を守ろうとしているが、山岳や密林に阻まれ治安が行き届かないコロンビア。そのコロンビアへカラシニコフを供給しているアメリカの銃砲店と中国最大の兵器会社。ペルー政府の側近も、私腹を肥やすためコロンビアへカラシニコフを密輸出する。コロンビア側の代金支払い方法は現金とコカイン。

パキスタンのパシュトゥン人地区では、カラシニコフを家庭内手工業で製造している。
アフガニスタンでも制式銃はカラシニコフ。
フセインなき後のイラクでも、カラシニコフは蔓延している。


相変わらず剛胆な取材をする。コロンビアでは、一昔前まで麻薬供給の最大拠点であったメデジンで取材を行い、アメリカがイラク(のバグダッド)を制圧した10日後にヨルダン経由で陸路バグダッドに入り、取材を開始しているという。

並みのジャーナリストにはできない取材を通して書かれた本書は、事実が持つ厚みがある。作者の取材の切り口がシンプルなことも手伝ってか、平易な文章でありながら、実に深く鋭い。

アフガニスタンやイラクは、なぜいつまでも内乱のような状態になっているのか、ニュースや新聞などではわかりにくいその理由が、本書ではすっと理解できた。

しかし、ここまでの内容をカラシニコフの切り口だけで終わらせるのは勿体ない、そう思うので今回は8点。

8点/10点満点

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松本仁一「アフリカを食べる」感想。
エッセイ。2005年12月01日読了。

アフリカを食べる
朝日新聞社 1998/08出版 245p 16cm ISBN:4022612371 ¥567(税込)


アフリカの情景が目に浮かぶ。この人の本を読むとアフリカに行きたくなってしょうがない。良い文章書くなあ。
しかし、イモムシをわざわざ買って食うとうは酔狂な。私には真似できん。

この本の金銭的価値:567円以上。
8点/10点満点

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松本仁一「カラシニコフ」感想。
ドキュメンタリー。2005年11月28日読了。

カラシニコフ
松本仁一・まつもとじんいち
朝日新聞社 2004/07出版 269p 20cm ISBN:4022579293 ¥1,470(税込)


カラシニコフ銃が作られたことによって引き起こされた戦争の影を、鋭い取材で斬新に切り取っている。
今のソマリアに入国して取材をするという行動力に脱帽。

11歳で誘拐され犯され兵士にさせられたシエラレオネの少女の話よりも、
民兵の残虐行為で両手首を切り落とされてしまったリベリアの男性の話よりも、
つい最近赤道ギニアで傭兵による大統領暗殺計画があった話よりも、

ソマリアに携帯電話会社が3社もあることに驚いた。

この手のジャンルに興味がある人は、
とにかく今すぐ買って読め(借りるな)

この本の金銭的価値:1,470円以上。
10点/10点満点

※この本に出てくるアフリカの国:シエラレオネ共和国・リベリア共和国・ソマリア民主共和国・赤道ギニア共和国・南アフリカ共和国

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松本仁一「アフリカで寝る」感想。
エッセイ。2005年11月26日読了。

アフリカで寝る
朝日新聞社 1998/08出版 251p 16cm ISBN:402261238X ¥567(税込)


気骨あるジャーナリストが書く肩のこらないエッセイ(か?)。
こういう人が日本のジャーナリズムを支えていると思うと、
日本のジャーナリズムもまだまだ捨てたもんじゃない。


この本の金銭的価値:567円以上。
8点/10点満点

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