カテゴリー「△松本仁一」の記事

2017/06/09

松本仁一「空はアフリカ色」感想。
エッセイ。2017年05月20日読了。

朝日新聞ナイロビ支局長だった著者のアフリカ暮らしエッセイ。1987年に出版された。30年前の本なので、現在とは異なるアフリカが書かかれている。

タンザニアとケニアは、1977年から1983年まで国境が閉鎖されていた。
→昔は仲が悪かったんだ。

ウガンダでは1972年にアミン大統領が「神のお告げ」という理由でインド人を全員追放した。
→インド人は商売がうまいもんね。

ナイロビ郊外クワンガレの平均月収は7‐8000円。
→30年前にそんな月収稼いでいたの?!

モザンビークの1970年代の最高学歴は、小学校を終えた後に看護学校を出ること
→今は国連ミレニアム計画で少しはましになっていると思われる。

ケニアのケニヤッタは独立闘争の英雄だったが、大統領に就いたらあっけなく腐敗した
→権力者の腐敗はアフリカ諸国に限った話じゃないけど、多いのは間違いない。

1914年(第一次世界大戦がはじまった)頃、タンザニアのザンジバル島(独立国だった時期もある)に日本の娼館があった。ということを1900年生まれの爺さんが語っている。
からゆきさん、と呼ばれる悲しい話である。


7点/10点満点

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2016/05/10

松本仁一「アフリカは今 (NHKラジオの教本・雑誌形式)」感想。
アフリカ概説。2016年04月15日読了。

松本仁一氏はアフリカを中心とした上質なルポを書く人。右サイドバーにカテゴリ松本仁一を設置しています。

本書は雑誌です。NHKカルチャーラジオの教本です。NHKラジオ英会話などの教材を売っているコーナーに、本書も置いてあると思います。

本書は「アフリカの今」について、NHKラジオのカルチャー番組を聴く層でも分かるよう、近現代史を交えながら易しく書かれた本です。


第1回(ラジオ講座がベースなので章立てではない)では、シエラレオネで誕生したこども兵について。

シエラレオネは、1787年にイギリスの解放奴隷が帰還し、フリータウンという町を作って、そこからイギリスの後押しもありシエラレオネという国に発展した経緯を持つ国。解放奴隷は、現地住民より格上であると特権意識を持ち、現地住民(黒人)を支配する政治を行った。

(同様の国として、リベリアはアメリカの解放奴隷が1816年に帰還しつくった国で、現地住民との軋轢がある)

シエラレオネの歴史は、ダイヤモンド利権の奪い合いである。

シエラレオネの反政府勢力RUFは、腐敗した政権の打倒を目的とした組織だったが、ダイヤ利権獲得の武闘組織へと変貌し、ダイヤ鉱山を襲ってダイヤを奪い、リベリアの反政府指導者(実態は武装強盗団)チャールズ・テーラーにダイヤを売り、テーラーはRUFに武器弾薬を渡す。

この過程で、使い捨ての特攻隊員こども兵がうまれていった。


第2回は、9世紀頃からアフリカ大陸の内陸部には巨大な帝国が幾つもあった話。中でもマリ帝国は、エジプトの金相場を破壊するほどの金を持つ巨万の帝国だった


第3回は、タンザニアの対岸にあるザンジバル島(タンザニア連邦の一角)や、その他多くの地域から奴隷貿易が行われていた話。


第4回は、南アフリカ、中でもケープタウンをめぐるオランダ入植民とイギリス入植民の争い(ボーア戦争)について。

ボーア戦争で負けたオランダ入植民(オランダに帰国できずアフリカ定住を覚悟し自らをアフリカーナーと呼ぶ)は、とにかくこどもをたくさん作った。やがてイギリス系より人口が増え、1948年に(白人だけで)選挙を行い、アフリカーナーは政権を握った。

黒人に選挙権を与えると、アフリカーナーも負ける。白人連合を組んでも負ける。やっとの思いでイギリス系から政権を奪還したのに、黒人に政権など譲れるか、とばかりにアフリカーナーは黒人差別政策をどんどん進めていく。


第5回は、南アのアパルトヘイト廃止に至る経緯。


こんな感じで進み、

第6回、ジンバブエ
第7回、ナイジェリア
第8回、アフリカの飢餓/農業無策
第9回、ルワンダ
第10回、ソマリア
第11回、中国の進出
第12回、イスラム過激派
第13回、ボツワナの発展


について書かれている。

コンパクトながら分かり易く、かつ押さえるべき所は押さえている。良書。


半年~1年くらい経った後、加筆の上、新書として書籍化されるような気がする。


8点/10点満点

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2012/01/21

朝日新聞アタ取材班「テロリストの軌跡」感想。
ルポ。2012年01月16日読了。

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テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う


911の主犯格モハメド・アタの実像に迫るルポ。

比較的最近この本の存在を知り、日本人の手で書かれた「911テロ」関連本としては完成度が高いとの評価を得ているので読みたくなった。2002年4月に出版されたこの本は絶版だったので、amazonの古本で買った。

古本で手に入れてから知ったのが、本書は朝日新聞記者9人の取材班の共著によるもので、そのチーフが私的10点満点を付けた「カラシニコフ」の著者松本仁一氏だった。

911のテロは2001年に発生している。本書の元は2001年11月26日から2002年2月9日まで朝日新聞に連載された記事で、本書の出版日は2002年4月である。出版社は草思社である。前から疑問に思っているんだけど、新聞社ってのは、他社から本を出版してもとがめられない文化なんですね。会社が寛容なのか、自社の出版部門のフットワークが重いなど理由で無問題とされているのか、会社員の前にジャーナリストであるべしという業界全体の慣習なのか、なし崩し的なのかわからんが。

出版されてから10年も経った本だけど、今読んでも、テロから半年以内でこれだけの取材をした朝日新聞の記者達の粘りに感心する。(海外メディアの後追い的なところもあるけど)


とはいえ、世界中で新聞崩壊が始まっている今の時代、今後もこれだけの取材(金をかけるということ)ができるのかな? と思うと少々暗くなってしまうのである。


7点/10点満点


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2008/09/10

松本仁一「アフリカ・レポート」感想。
いわゆる新書。2008年08月25日読了。

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々
松本仁一 /岩波書店 2008/08出版 205p 18cm ISBN:9784004311461 \735(税込)

◆アフリカの中でも、間違った国作りが行われたソマリアやシエラレオネを「失敗国家」と名付けた名著「カラシニコフ」の著者、松本仁一氏の最新作。

◆「はじめに」で、著者はアフリカの国歌を大きく4つにわけている。
1)政府が順調に国作りを進めている国家。ボツワナぐらいしか該当しない。
2)政府に国作りの意欲はあるが、運営手腕が未熟なため進度が遅い国家。ガーナ、ウガンダ、マラウィなど10ヵ国程度
3)政府幹部が利権を追い求め、国作りが送れている国家。ケニアや南アフリカなど多くのアフリカ国家が該当。
4)指導者が利権にしか関心を持たず、国作りなどはじめから考えていない国家。ジンバブエ、アンゴラ、スーダン、ナイジェリア、赤道ギニアなど。ソマリアやシエラレオネはこのカテゴリーの中でも極端な崩壊国家としている。

◆国連関係者などが、利権を追い求める国家指導者に、その腐敗を指摘すると、「レイシズム=人種差別だ」と言い返されてしまう。著者松本仁一氏も、2002年にナイジェリア政府の腐敗を外務省主催の会議で報告したら、アフリカ関係者から「それはレイシズムだ」といわれてしまったそうである。

◆本書は、ジンバブエの経済崩壊の理由、南アフリカの犯罪増加、アフリカに巣くう中国人、国を逃げ出しパリに行くアフリカ人、そういう状況下でありながら生きるために知恵を絞る人たち、アフリカの成功例などが、問題点を広げすぎず的確に、かつ分かり易い文章で書かれている。

◆著者は朝日新聞の元記者で、2007年12月に定年退職したらしい。こういう記者を辞めさせてしまうなんて、朝日新聞はまたひとつダメ新聞社へ転落していくのだろうなあ。


9点/10点満点

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2006/06/08

松本仁一「カラシニコフ 2」感想。
ドキュメンタリー。2006年06月07日読了。

カラシニコフ 2
松本仁一/朝日新聞社 2006/05出版 285p 20cm ISBN:4022501650 ¥1,470(税込)

私的10点満点に推した「カラシニコフ」の続編。

前作は、主にアフリカで起こっているカラシニコフの悲劇を書いていた。政権を握った連中が国民を顧みることなく私腹を肥やし、軍を私物化し、治安をないがしろにし、満足に稼ぐことができない国民や給料を貰えない警官が強盗になり、強盗から身を守るために国民は銃で武装する。その際に使われる銃が、カラシニコフ。なぜなら、安くて壊れにくいから。

作者松本仁一は、そういうアフリカの国々を「失敗国家」と名付けた。シエラレオネ、ソマリア、ナイジェリアなどが代表的な失敗国家だという。


本書は、アフリカ以外の地域でのカラシニコフを取材したものである。

国家が機能し、国家は国民を守ろうとしているが、山岳や密林に阻まれ治安が行き届かないコロンビア。そのコロンビアへカラシニコフを供給しているアメリカの銃砲店と中国最大の兵器会社。ペルー政府の側近も、私腹を肥やすためコロンビアへカラシニコフを密輸出する。コロンビア側の代金支払い方法は現金とコカイン。

パキスタンのパシュトゥン人地区では、カラシニコフを家庭内手工業で製造している。
アフガニスタンでも制式銃はカラシニコフ。
フセインなき後のイラクでも、カラシニコフは蔓延している。


相変わらず剛胆な取材をする。コロンビアでは、一昔前まで麻薬供給の最大拠点であったメデジンで取材を行い、アメリカがイラク(のバグダッド)を制圧した10日後にヨルダン経由で陸路バグダッドに入り、取材を開始しているという。

並みのジャーナリストにはできない取材を通して書かれた本書は、事実が持つ厚みがある。作者の取材の切り口がシンプルなことも手伝ってか、平易な文章でありながら、実に深く鋭い。

アフガニスタンやイラクは、なぜいつまでも内乱のような状態になっているのか、ニュースや新聞などではわかりにくいその理由が、本書ではすっと理解できた。

しかし、ここまでの内容をカラシニコフの切り口だけで終わらせるのは勿体ない、そう思うので今回は8点。

8点/10点満点

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2005/12/02

松本仁一「アフリカを食べる」感想。
エッセイ。2005年12月01日読了。

アフリカを食べる
朝日新聞社 1998/08出版 245p 16cm ISBN:4022612371 ¥567(税込)


アフリカの情景が目に浮かぶ。この人の本を読むとアフリカに行きたくなってしょうがない。良い文章書くなあ。
しかし、イモムシをわざわざ買って食うとうは酔狂な。私には真似できん。

この本の金銭的価値:567円以上。
8点/10点満点

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2005/11/29

松本仁一「カラシニコフ」感想。
ドキュメンタリー。2005年11月28日読了。

カラシニコフ
松本仁一・まつもとじんいち
朝日新聞社 2004/07出版 269p 20cm ISBN:4022579293 ¥1,470(税込)


カラシニコフ銃が作られたことによって引き起こされた戦争の影を、鋭い取材で斬新に切り取っている。
今のソマリアに入国して取材をするという行動力に脱帽。

11歳で誘拐され犯され兵士にさせられたシエラレオネの少女の話よりも、
民兵の残虐行為で両手首を切り落とされてしまったリベリアの男性の話よりも、
つい最近赤道ギニアで傭兵による大統領暗殺計画があった話よりも、

ソマリアに携帯電話会社が3社もあることに驚いた。

この手のジャンルに興味がある人は、
とにかく今すぐ買って読め(借りるな)

この本の金銭的価値:1,470円以上。
10点/10点満点

※この本に出てくるアフリカの国:シエラレオネ共和国・リベリア共和国・ソマリア民主共和国・赤道ギニア共和国・南アフリカ共和国

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2005/11/28

松本仁一「アフリカで寝る」感想。
エッセイ。2005年11月26日読了。

アフリカで寝る
朝日新聞社 1998/08出版 251p 16cm ISBN:402261238X ¥567(税込)


気骨あるジャーナリストが書く肩のこらないエッセイ(か?)。
こういう人が日本のジャーナリズムを支えていると思うと、
日本のジャーナリズムもまだまだ捨てたもんじゃない。


この本の金銭的価値:567円以上。
8点/10点満点

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