カテゴリー「◇いわゆる新書」の記事

2019/01/05

堤未果「日本が売られる」感想。
いわゆる新書。2018年12月06日読了。

著者は「ルポ貧困大国アメリカ」を書いた人で、信頼できるジャーナリストと私は認識している。

タイトルも内容も、なんというかウケ狙いな部分を感じなくもないが、一気に読ませる面白さがある。

とりあえず著者は竹中平蔵とパソナが嫌いみたいだ。


7点/10点満点

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梶谷懐「中国経済講義」感想。
経済。2018年12月03日読了。

中国経済はバブル崩壊直前である。
中国が出す公式統計(GDPなど)は信頼できない。
一人っ子政策によってこれから猛烈な少子高齢化が来る。

なんてことを根拠もなく言ってはいけません。

ちゃんと統計学的に信頼できる話をしましょう。

というコンセプトで書かれたのが本書。大変良い。だが時々話が飛んでしまうのがマイナス。


8点/10点満点

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2018/07/11

朝日新聞ICIJ取材班「ルポ タックスヘイブン」感想。
ルポ。2018年04月26日読了。

パナマ文書に続いてリークされた、パラダイス文書を精査した朝日記者の記録。

少なくとも、この記事を担当した朝日新聞の記者は、経済に関して相当無知である。

タックスヘイブン=脱税という前提で調査していたら、パラダイス文書でリークされた私文書に「ほぼ犯罪性がない」という事実に突き当たり、茫然自失している間抜け面をさらけ出しただけの本である。


5点/10点満点

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2018/06/20

井田茂「地球外生命体」感想。
いわゆる新書。2018年02月08日読了。

本書は売らんがためのタイトルになっていて、タイトルと内容に相違がある。

地球外生命体についての可能性ではなく、
地球外生命体がいるかもしれない惑星(ハビタブルゾーン)の観測技術、について書かれた本である。
ちょっと肩透かしを食らった。

それと、本書は文字が大きく、行間も広く、スッカスカである。読みごたえがない。

比較してみる。

◆本書。マイナビ新書
1ページ 36文字×13行=468文字 ×207ページ=400字詰め原稿用紙250枚くらい。850円

◆直前に読んだ「9.11後の現代史」。講談社現代新書
1ページ 40文字×16行=640文字 ×221ページ=400字詰め原稿用紙350枚くらい。800円

◆その前に読んだ「ブラック・フラッグス(下)」。白水社の単行本
1ページ 45文字×18行=810文字 ×264ページ=400字詰め原稿用紙530枚くらい。2300円


マイナビ新書はもう二度と買わない。


4点/10点満点

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2018/06/18

野口悠紀雄「入門 ビットコインとブロックチェーン」感想。
新書。2018年01月05日読了。

現代ビジネスなどのWeb媒体で、仮想通貨に関する多くの記事を書いている著者による、ビットコイン入門書。

易しい内容だけど、それが故、内容が薄っぺらい。

入門書なので、これは仕方のないことなのだが。


4点/10点満点

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2018/06/07

加藤文元「物語 数学の歴史」感想。
数学史。2017年09月26日読了。

タイトル通りの本。数学がどのように発展してきたのか、その歴史。

しかしながら、数学者(の人生)に焦点が当たっていることもあれば、数学理論に焦点が当たっている場合もあり、アラビア数学、インド数学、西洋数学だけではなく和算や中国にも言及していて、すべてが中途半端。

数学理論の進展の歴史だけを書く、
もしくは数学理論を盛り込まずに、数学者の魅力だけを書く、
アラビア、インド、西洋の数学と、和算の対比だけを書く、

など、どこかに焦点が合っていればもっと良い本になったのに。と私は思う。


3点/10点満点

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2018/06/05

岩瀬昇「日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか」感想。
日本の石油発掘史。2018年08月28日読了。

タイトル通りの内容である。

著者の岩瀬氏は1948年生まれ(現在70歳)、東大法学部卒、三井物産に入社、一貫してエネルギー(石油)畑で働き、海外勤務歴は21年に及ぶ、エネルギーのスペシャリスト。現在は会社員を退き、エネルギー関連の著述を多数発表している(新潮社の有料Foresight)。

本書は、石油発掘に関するイロハのイ、が説明されているので、石油ってどうやって掘るのかなあ? と思っている人が読んでも面白いし、

石油に関する本を多少読んでいて、それなりの知識がある人(=私)が読んでも、岩瀬氏の知見に触れることができて面白い。

どちらかといえば、石油初心者向けかも。


7点/10点満点

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阿部重夫「イラク建国」感想。
イラク史。2017年08月24日読了。

近代イラク史である。

1800年代から現代までのイラク史を、一気に学べる本である。

歴史なので細かなことは本書に譲る。良書である。


8点/10点満点

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2017/06/20

矢吹晋「文化大革命」感想。
現代中国史。2017年06月13日読了。

毛沢東が主導し、1966年から1976年まで続いた中国の文化大革命。

それを、現代中国を研究している著者が1989年に振り返った本。Amazon先生のレコメンドサービスで表示されたので、そのまま古本で購入。

読む前は、文化大革命を全体的に説明した本なのかと思っていたがそうではなく、文化大革命がどういう事態だったのかそのあらましを知っている人に向け、詳しい分析を行っている本だった。

私が読むには早すぎた。もっと初心者向けの本から入らなければ。


私の知識がこの本を読むレベルに達していないので評点つけられず。

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2017/06/10

国枝昌樹「シリア アサド政権の40年史」感想。
シリア現代史。2017年05月27日読了。

2006‐2010年に駐シリア日本大使を務めていた著者のシリア分析。アラブの春がシリアにも飛び火し、シリアが内戦状態に陥った、だがISIS(イスラム国)が台頭する前の2012年に出版された。氏の本は3冊読んでいる。

「報道されない中東の真実」2014年12月14日読了。10点満点
「イスラム国の正体」2015年10月05日読了。5点
「「イスラム国」最終戦争」2016年09月09日読了。5点

氏の主張は、シリアに関して欧米の報道をそのまま垂れ流すいいかげんなものが多い、大使としてシリアに4年住み培ってきた人脈を活用し、シリアの動静をきちんと伝える、というスタンスである(と思う)。だがこのスタンスは、アサド政権を庇い過ぎているとして、一部ジャーナリストが著者のことを批判している。

本書は、ISISが台頭する前だが、アラブの春を契機として内戦に陥ったシリア、その状況を俯瞰するとともに、先代の父ハーフェズ・アサド大統領と、現在の息子バシャール・アサド大統領のとった政策等について概略を書いている

シリアの政権はアサド一族も含めてイスラム教アラウィ派で固められている。しかし、いろいろイスラームの本を読んだが、アラウィ派というのは歴史上ほとんど出てこない。イスラム教の一派ではないと言い切る本もあった。

p88
「アラウィ派は、歴史的にイスラム教社会で異端的な存在として繰り返し迫害を受け、そのため彼らは山岳地帯に逃れ住んでいた。(中略)
 アラウィ派が一応イスラム教シーア派に属するとみなされるのは73年にハーフェズ・アサド大統領がレバノンのシーア派指導者ムーサ・サドル導師からその旨の裁定を得たからである。アラウィ派の人々は彼らが社会のくびきから解き放たれたのはハーフェズ・アサド大統領のお陰だという」

なるほど、そうだったのか。


本書は現代シリアの大統領を中心に書かれているが、イスラエルやエジプト、イランとの関係も書かれているので、シリアを中心に据えた現代中近東情勢として捕らえた方が良い。

タイトルで損をしている気がする。


7点/10点満点

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