堤未果「日本が売られる」感想。
いわゆる新書。2018年12月06日読了。
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本書は売らんがためのタイトルになっていて、タイトルと内容に相違がある。
地球外生命体についての可能性ではなく、
地球外生命体がいるかもしれない惑星(ハビタブルゾーン)の観測技術、について書かれた本である。
ちょっと肩透かしを食らった。
それと、本書は文字が大きく、行間も広く、スッカスカである。読みごたえがない。
比較してみる。
◆本書。マイナビ新書
1ページ 36文字×13行=468文字 ×207ページ=400字詰め原稿用紙250枚くらい。850円
◆直前に読んだ「9.11後の現代史」。講談社現代新書
1ページ 40文字×16行=640文字 ×221ページ=400字詰め原稿用紙350枚くらい。800円
◆その前に読んだ「ブラック・フラッグス(下)」。白水社の単行本
1ページ 45文字×18行=810文字 ×264ページ=400字詰め原稿用紙530枚くらい。2300円
マイナビ新書はもう二度と買わない。
4点/10点満点
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タイトル通りの内容である。
著者の岩瀬氏は1948年生まれ(現在70歳)、東大法学部卒、三井物産に入社、一貫してエネルギー(石油)畑で働き、海外勤務歴は21年に及ぶ、エネルギーのスペシャリスト。現在は会社員を退き、エネルギー関連の著述を多数発表している(新潮社の有料Foresight)。
本書は、石油発掘に関するイロハのイ、が説明されているので、石油ってどうやって掘るのかなあ? と思っている人が読んでも面白いし、
石油に関する本を多少読んでいて、それなりの知識がある人(=私)が読んでも、岩瀬氏の知見に触れることができて面白い。
どちらかといえば、石油初心者向けかも。
7点/10点満点
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2006‐2010年に駐シリア日本大使を務めていた著者のシリア分析。アラブの春がシリアにも飛び火し、シリアが内戦状態に陥った、だがISIS(イスラム国)が台頭する前の2012年に出版された。氏の本は3冊読んでいる。
「報道されない中東の真実」2014年12月14日読了。10点満点
「イスラム国の正体」2015年10月05日読了。5点
「「イスラム国」最終戦争」2016年09月09日読了。5点
氏の主張は、シリアに関して欧米の報道をそのまま垂れ流すいいかげんなものが多い、大使としてシリアに4年住み培ってきた人脈を活用し、シリアの動静をきちんと伝える、というスタンスである(と思う)。だがこのスタンスは、アサド政権を庇い過ぎているとして、一部ジャーナリストが著者のことを批判している。
本書は、ISISが台頭する前だが、アラブの春を契機として内戦に陥ったシリア、その状況を俯瞰するとともに、先代の父ハーフェズ・アサド大統領と、現在の息子バシャール・アサド大統領のとった政策等について概略を書いている
シリアの政権はアサド一族も含めてイスラム教アラウィ派で固められている。しかし、いろいろイスラームの本を読んだが、アラウィ派というのは歴史上ほとんど出てこない。イスラム教の一派ではないと言い切る本もあった。
p88
「アラウィ派は、歴史的にイスラム教社会で異端的な存在として繰り返し迫害を受け、そのため彼らは山岳地帯に逃れ住んでいた。(中略)
アラウィ派が一応イスラム教シーア派に属するとみなされるのは73年にハーフェズ・アサド大統領がレバノンのシーア派指導者ムーサ・サドル導師からその旨の裁定を得たからである。アラウィ派の人々は彼らが社会のくびきから解き放たれたのはハーフェズ・アサド大統領のお陰だという」
なるほど、そうだったのか。
本書は現代シリアの大統領を中心に書かれているが、イスラエルやエジプト、イランとの関係も書かれているので、シリアを中心に据えた現代中近東情勢として捕らえた方が良い。
タイトルで損をしている気がする。
7点/10点満点
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