カテゴリー「▲熊谷達也」の記事

2014/12/30

熊谷達也「銀狼王」感想。
時代小説。2014年11月23日読了。

明治20年、東北から北海道に移り住んだ老マタギ(猟師)が、ニホンオオカミを狩る話。

登場人物はほぼ老マタギ二瓶のみ。他に犬と熊とニホンオオカミ。

文庫本で200ページちょっとなので、中編に分類される小説。

悪くはないけど、絶賛するほどでもない。個人的にはラストが気にくわないので6点。ラストが気に入る人ならもっと高評価をつけることでしょう。

6点/10点満点

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2012/01/22

熊谷達也「氷結の森」感想。
時代冒険小説。2012年01月17日読了。

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氷結の森

熊谷達也の代表作、マタギ三部作(「相剋の森」9点/10点満点、「邂逅の森=直木賞受賞」10点/10点満点)の最後となる本書。

日露戦争で日本が勝って、シベリアの一部に日本人が多数住んでいた頃を舞台にした話。

(私が読んだ本の中では)熊谷敬太郎「ピコラエヴィッチ紙幣」と同じ設定で、シベリアのニコラエフスク・ナ・アムーレ(尼港)でボリシェビキ(ソビエトを作った赤い方々)と日本軍が激突した「尼港事件」を題材にしている。

◆内容(表紙裏カバーより)
日露戦争に従軍した猟師の矢一郎は故郷を離れ、樺太で過去を背負い流浪の生活を続けていた。そんな彼を探し回る男が一人。矢一郎の死んだ妻の弟、辰治だ。執拗に追われ矢一郎はついに国境を越える。樺太から氷結の間宮海峡を越え革命に揺れる極東ロシアへ。時代の波に翻弄されながらも過酷な運命に立ち向かう男を描く長編冒険小説。直木賞・山本賞ダブル受賞の『邂逅の森』に連なる“森”三部作完結編。


◆感想
大正時代。訳あって樺太でその日暮らしをする矢一郎が様々なトラブルに巻き込まれるも、生まれついた巨躯と、日露戦争で身に着けてしまった狙撃能力で困難を切り抜けていく、読後もスカッとさわやかな疾走感溢れる冒険小説である。

とーはーいーえー。

香代とか辰治の存在が中途半端なんだわな。


7点/10点満点


アップ直後の付け足し:本書「氷結の森」は2007年1月に出版された本で、「ピコラエヴィッチ紙幣」は小説賞を経て2009年10月に出版された本。

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2009/11/24

熊谷達也「迎え火の山」感想。
伝奇小説。2009年11月11日読了。

迎え火の山
熊谷達也 / 講談社 2004/08 ¥899 (税込)

サンパウロ→ベレン→サンルイスの機内で6割、サンルイス→マナウスの機内で残り4割を読み終えました

登場人物の豹変っぷりと、主人公の魅力の無さに、何とも言えない脱力感が。熊谷達也でもこういう感じの失敗作を書くんですねえ。


5点/10点満点


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2009/01/25

熊谷達也「邂逅の森」感想。
純文学。2009年01月09日読了。

邂逅の森

◆今年最初に読む本は、熊谷達也の小説で一番面白いと言われ、直木賞&山本周五郎賞を獲った「邂逅の森」を選んだ。

(以下、かなりのネタバレ)

◆東北の熊マタギ、松橋富治の一生を書いたこの本、熊狩りの場面が臨場感溢れ素晴らしい。それだけではなく、富治の激動の人生がこれまた素晴らしい。マタギ一家に生まれ、14歳でマタギをはじめた富治は、名士の娘(文枝)に手を出し故郷を追い出され、マタギをやめ鉱山で名士の手下の監視付きで鉱夫として働き、そこで弟分の小太郎と出会い、鉱夫見習いの慎之介が両刀遣いの慰み者になって自殺してしまったことに打ちのめされるも、小太郎とともに鉱夫仕事の合間に遊びではじめた熊狩りにマタギの本能を思い起こされ、雪崩に巻き込まれた小太郎を何とか救い出すものの小太郎は故郷に戻り、腕の良いマタギ鉄五郎と出会ったことで鉱山を抜ける決心をし小太郎の村に身を寄せ、小太郎の姉で女郎であったイクと出会い結婚し、娘を育て上げ鉄五郎の息子に嫁がせ、これから老後の人生を楽しもうとしていたはずなのに、文枝とイクが出会ってしまい、そのせいでイクが家を出てしまい、しかし富治は文枝ではなくイクを追いかけ、見つけ、そして富治は熊のヌシとの一騎打ちを行う。

◆激動の人生を送った富治の生き様に、女郎だったイクを深く愛していた富治の情愛に、過酷な狩猟を屁とも思わない熊マタギの格好良さに、すべてに深く共感できた。今年最初に読む本が、これほどまでに面白い本だったので、今年はいいスタートが切れそうである。

◆「相剋の森」の主人公滝沢昭典の祖母の父が富治であり、女主人公美佐子の祖父は文枝と富治の息子幸之助である。

◆第9章、イクを追いかけた富治が、ようやく見つけたイクと出会う場面は、実に感動的である。


10点/10点満点


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2008/12/19

熊谷達也「漂泊の牙」感想。
冒険小説。2008年12月17日読了。

漂泊の牙
熊谷達也 / 集英社 2002/11 ¥760 (税込)

◆「相剋の森」と「ウェンカムイの爪」は熊が出てくる話だったが、本作はニホンオオカミが話の主軸で、かつ冒険小説っぽいつくり。

◆目に浮かぶような情景、真に迫るオオカミの行動、東北の民俗学に関する深い知識、上手いとしか言いようのない描写と、ぐいぐいと引き込まれるストーリー。テレビ局のディレクター恭子が魅力のない、つまらない人物であることを除けば、文句なしの展開である。途中までは。だが、結局テレビの取材は何だったの? ラストのあっさりとした展開は何なの? など不満も残る。

◆まあ多少の不満はあるけど、全体的には面白く読めた。熊谷達也はまだ3冊目で、もっと面白いと思われる小説が多数残っている。楽しみだ。


7点/10点満点

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2008/12/18

熊谷達也「ウェンカムイの爪」感想。
純文学。2008年12月12日読了。

ウエンカムイの爪
熊谷達也 / 集英社 2000/08 ¥420 (税込)

「相剋の森」を読んで熊谷達也が気に入り、油断していると積ん読になっちゃうんだよなあと思いつつも、とりあえず文庫本を6冊買い求めた。

◆本書は熊谷達也のデビュー作。「相剋の森」に出てくる吉本と玲子の関係がこの本でわかる。ということは読む順番が逆だったということか。それにしてもデビュー作とは思えないくらい完成度が高い。この本も十分堪能できたので、熊谷達也という作家はしばらくの間追い続けないとならんなあ。


8点/10点満点

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2008/11/17

熊谷達也「相剋の森」感想。
純文学。2008年11月04日読了。

相剋の森

◆熊谷達也という作家のことを知りませんでした。私は冒険小説を中心に読んでいるので、その他のリーグは詳しくありません。

◆どこかのブログで、直木賞を取った「邂逅の森」が素晴らしいと書かれていて、今回読んだ「相剋の森」は「森」シリーズの第1弾なのだと知りました。

◆私の自宅には積ん読本が300冊くらいあり、早いとこ積ん読消化しなきゃと思いつつ、ついつい新しい本を買ってしまいます。熊谷達也という作家を知り、とりあえず買っておけばそのうち読むだろうと、買ってしまいました。それが「相剋の森」です。人ごとのように、この本も積ん読になっちゃうかなあと思っていたのですが、買ってから1ヶ月以内で読み始めました。

◆東北で熊を狩るマタギと、マタギに「動物を殺さなくても生きていけるでしょう」と宣う甘っちょろい女ジャーナリストと、女ジャーナリストと組むことになるカメラマンの3人が軸となり、なぜマタギは熊を狩るのか、熊を狩るというのはどういうことなのか。

◆物語は重厚なテーマを下敷きに進んでいきます。世の中にはこんなすごい話を書ける作家がいるのだなあ、と素直に感嘆しました。熊谷達也の著作は、一通り読んでみようと思います。意気込んでもしょうがないのですが、とりあえず文庫化されている熊谷達也の小説を、全部買ってきました。積ん読にならないよう、なるべく早く読みたいと思う次第です。


9点/10点満点

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