カテゴリー「▲北方謙三」の記事

2012/12/05

北方謙三「楊令伝(十五・完結) 天穹の章」感想。
水滸伝の続編。2012年12月05日読了。

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楊令伝〈15〉天穹の章

第1巻を読み始めたのが9月21日。
最終刊である本書第15巻を読み終えたのが12月5日。

長かった。

全15巻を75日かけて読んだけど、北方三国志、北方水滸伝の面白さはなかった。

まず最初に思ったのが、やたらと読点(これ→「、」)が多いこと。
北方謙三ってこんな文章だったっけ? と思い、北方謙三が、20年ほど前に書いた小説、「林蔵の貌」を開いてみたら、私の思い込みではなく、明らかに、読点が多かった。読点が多い文章は、読むリズムが悪くなるので、嫌いなんだよな。ってくらい読点が多かった。

その次に、主人公楊令のキャラクターに魅力がない。
北方版に限らず、水滸伝は元々ぶっ飛んだ豪傑が何十人も登場する話であるから、自分好みの登場人物に感情移入すればいいのだろうけど、本作は楊令伝と銘打っているので、楊令が明確に主人公たる活躍をする話なのかと思っていた。だが違った。個人的な好みの話かも知れないが、楊令が戦の天才であること以外、楊令が頭領としてふさわしい人間的魅力を持っているとはとても思えない。


◆◆◆以下、かなりのネタバレ含みます◆◆◆

故に、点数を先に書きます。


最終第15巻は 5点/10点満点

シリーズ全体としては4点/10点満点


◆◆◆以下、かなりのネタバレ含みます◆◆◆

その次に、どうでもいい登場人物のどうでもいいエピソードにページを割きすぎ。
10~20ページくらい使って新たな登場人物を紹介したと思ったら、話の大筋には関係ないままあっさり死んでしまう。そんな展開が幾度となくあった(西夏の皇帝周りの話は必要だったのか?)。その結果として、無駄に長い話になった感が否めない。

その次。青蓮寺に意味がない。
結局、李富は何をしたかったんだろう?燕雲十六州の帝に立った耶律淳の頃まで(3~4巻くらい?)は青蓮寺にも存在感があったけど、以降は青蓮寺(=李富)が何をしたいのか分からなかった。同様の意味で、青蓮寺に対抗する致死軍の存在感もなかった。せっかく候真というキャラを出したのに、致死軍に入ってから魅力が消え失せた。

その次。子午山で王進と一緒に暮らすと強くなる。
楊令、秦容、郝瑾、花飛麟、張平など、王進と一緒に暮らした登場人物は、皆一様に鬼神のごとく強くなっている。ロールプレイングゲームじゃないんだから。御都合主義過ぎ。

その次。
童猛が水深を黙々と測っているから、梁山泊水軍は強くなった。でも、終盤に発生する黄河の増水で土砂が堆積して水深が変わってしまうなどということを言い出した。それを言い出したら、黄河くらいの大河は常に土砂が堆積して水深変わってくるっつーの。童猛の存在意義が無くなるような話を終盤で持ち出してどうする。

最後。オチが途中で分かった。
最終15巻の半分も行かないうちに、オチが分かってしまった。まさかこんな分かり易いつまらないオチじゃないよなあ、と思っていたんだけど、分かり易いつまらないオチだった。

がっかりな話だった。


水滸伝19巻、その続編である楊令伝15巻、加えて現在執筆中の完結編「岳飛伝」全17巻予定と続くのだが、岳飛伝はたぶん読まないだろうな。



◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
新しい国の実現を賭けて、梁山泊軍は南宋軍と最後の闘いを続ける。
宣賛は、自由市場を認めるよう金国と交渉を始めた。
やがて自由市場は江南を席巻し、物流を握る梁山泊の勝利は目前と見えた。
だが、百年に一度の大洪水が、梁山泊を襲う。
数多の同志の死を胸に秘め、楊令は吹毛剣を手に、敵将・岳飛の前に立つ。
混迷の時代に、己の志を貫いた漢たちはどう生き、闘ったのか。
楊令伝、夢幻の最終巻。
漢(おとこ)たちはどう生き、闘ったのか。堂々完結!
楊令率いる梁山泊は、自由市場を認めない南宋と激闘を続ける。一方で、金国も梁山泊奇襲を画策していた…。新しい国を夢み、中原を駆け抜けた漢たちの物語、完結!
呉用がこうそんしょうの手助けあっての李富抹殺。
李富簡単に殺されすぎ。
金国が裏切って、特使宣賛を金国内で暗殺。
黄河が増水と台風で氾濫を起こして梁山泊水浸しで水深変わってしまった。
ってそれじゃあひたすら水深を測る童猛の設定が全否定されるじゃないか。
岳飛が南宋の勅命で梁山泊に攻め入るも、楊令に返り討ち。
に遭いそうになったところで裏切り金国登場の挟撃大作戦。
でも岳飛は挟撃拒否。金国も楊令に返り討ち。
で、楊令はラスト数ページであっさり青蓮寺の刺客に暗殺される。

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2012/12/03

北方謙三「楊令伝(十四) 星歳の章」感想。
水滸伝の続編。2012年12月02日読了。

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楊令伝〈14〉星歳の章


山ほど居る登場人物のうち、何人かが死ぬ。今までは一巻で2~3人だったが、ラストが近くなってきた本巻では、ドバドバ死んでいく。

なんだけど、何だかいつの間にかやられて、いつの間にか死んでいるような描写が多く、何で死んだんだ?と数ページ戻って読み直さないと理解できないような所もしばしばあり。

そんなこんなで梁山泊軍と××軍(あえて伏す)の戦が始まった。

筋道としては無理なく始まった戦だけど、盛り上がりは無い。何となく戦が始まり、何となく決着が付いちゃった、って感じ。


さあ、個人的には全然わくわくしなかった長大長編小説も、残すところあと一冊。

やれやれ。


5点/10点満点


◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
梁山泊軍を出奔した李英の行方を追って、姉の李媛も姿を消した。
侯真は致死軍を率いて、二人の捜索に向かう。
だが、開封府で扈成と面会した李英は斉の将軍となり、岳家軍との戦に出陣した。
一方、楊令らは、赫元の尋問によって、南宋皇太子出生の秘密を知る。
やがて中原一帯には自由市場が立ち、梁山泊が支配する物流の勢いは、ついに南宋にまで広がろうとしていた。
楊令伝、怒涛の第十四巻。
完結を前に、物語は大きな山場を迎える
自由市場を栄えさせ、物流を活発化させる梁山泊の新しい国のありかたは、他国の根幹を大きく揺さぶり始めた。楊令らは青蓮寺の赫元を尋問し、南宋の皇太子の出生の秘密を知る。
金国皇帝うきまいが幻王抹殺をうじゅに出す。
嵌められて梁山泊から斉国禁軍に行った李英は出陣するも、総大将張俊が裏切って南宋になびいたため敗北。でも斉国の傀儡皇帝に呼び出され拝謁。その瞬間に傀儡皇帝に刃を向けるが失敗、抹殺される。
戴宗はきょうしと相討ち。
張横と水深をひたすら測る童猛は何となく襲われてあっさり死亡。
耶律越里が母国である金国に戻る。
南宋に降った岳飛と、南宋になびいた張俊が、梁山泊と対決。

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2012/12/01

北方謙三「楊令伝(十三) 青冥の章」感想。
水滸伝の続編。2012年11 月28日読了。

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楊令伝〈13〉青冥の章


楊令伝って、やたらと読点(「、」のこと)が多いなあ。

北方謙三って、こういう作家だったっけ?


本書174ページ
××戦が終わって、もう七年が経つのだ、と宣賛は思った。

えっ!第九巻から七年も経過したの?!
いつの間に?!


本書277ページ
楊令軍、遊撃隊、韓伯竜軍の騎馬隊、一万余騎。歩兵、二万四千。
それで、十二万の××軍を壊滅させていた。

えっ!そんな大戦の帰趨をたった二行で?!
たった二行で?!
それでいいのか?!


遂に4点/10点満点


◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
楊令率いる梁山泊は北京大名府を占領し、自由市場を開く。
だが、同志の中からは、天下を取るべきだという声も上がり始めていた。
金国の傀儡国家・斉は、扈成が宰相となり、都を開封府へと移して勢力を拡げる。
北京大名府を離れた張俊は、扈成と結んで斉軍に加わった。
一方、金国は、中原の岳飛を討つべく、蕭珪材軍を出動させた。
蕭珪材は護国の剣を佩き、戦場へと向かう。
楊令伝、相克の第十三巻。
群雄割拠の中原。梁山泊には不協和音が──。
梁山泊は交易によって富を蓄えていくが、内部からは不満の声も上がり始めていた。一方、斉は張俊と手を結び、急激に力をつける。梁山泊軍と張家軍、そして岳飛と蕭珪材が激突する。
数日前に読み終えた本なのに、話の中身を覚えていない。くらい中身がない。
ラストで李英が斉に嵌められ間違って金国兵士を打ち倒してしまって梁山泊を離脱する。

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2012/11/29

北方謙三「楊令伝(十二) 九天の章」感想。
水滸伝の続編。2012年11月24日読了。

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楊令伝〈12〉九天の章

今年(2012年)の夏、大学のスクーリングで東洋史を取ったら、中国史だった。

周ができて、
秦ができて始皇帝が中華を統一して(マンガ「キングダム」の時代だ)、
漢になって(ここは更に前漢・新・後漢に別れる)、
三国志の時代になって、
西晋、
三国志の魏が五胡十六国
三国志の呉が東晋、

そこから南北朝時代
五胡十六国は→北魏→西魏と東魏→北周と北斉
東晋は→宋→斉→梁→陳

これがまた中華統一されて隋、唐、五大十国を経て、

水滸伝の時代である宋の時代に入る。

宋の時代は、
北宋と南宋、
遼と金、
西夏、
などに別れていて、

その後モンゴルがやってきて元になる。


(図じゃないので何が言いたいのか分かりづらいと思います済みません)


楊令伝はどこまで史実に基づいているのかなあ。

(水滸伝そのものが中国の作り話で史実じゃねえだろう、と言われそうだ)


5点/10点満点


◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
金国内での政争を粘罕が制し、漢人を推戴した傀儡国家・斉が中原に建国された。
李富が操る南宋では、趙構が『抗金』の檄を飛ばし、皇太子に〓(しん)を冊立する。
一方、梁山泊は西域との交易を順調に続け、さらに富を増やし始めていた。
だが、李媛と李英の姉弟が護衛する梁山泊の商隊が、突如、金軍に襲われる。
急襲を知らせるため、王定六は梁山泊へ向けて疾風の如く駈け抜ける。
楊令伝、火急の第十二巻。
交易で富む梁山泊。果たして天下の行方は──。
中原には金国の傀儡国家である斉が建ち、江南には李富の操る南宋が建った。梁山泊は、西域との交易によって富み始めている。だが、李媛と李英の守る商隊が、金軍に急襲された。
燕青が李富の用心棒周柄と戦って勝つも燕青は失明し引退。
鮑旭は張俊軍とぶつかって部下(しんりょう)を救って戦死。

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2012/11/27

北方謙三「楊令伝(十一) 傾暉の章」感想。
水滸伝の続編。2012年11月21日読了。

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楊令伝〈11〉傾暉の章


全ての登場人物のエピソードをあますところなく全部書こうとしているのかな?

どうでもいい脇役の話が延々と続く。

この長い長い小説の本筋はいったいどこにあるんだろう。

主人公に魅力がなくて、脇役にも魅力がなくなって、そのくせ新しい脇役が次から次へと出てきて、だけどその脇役もスーパーマン的にいきなり強くなって、それでいて話の本筋がどこに向かおうとしているのか全然見えなくなっている。

船戸与一的な全崩壊の虚しさを狙っているのかな。

それにしては話が長すぎるけど。


5点/10点満点


◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
梁山泊は、国としてのかたちを整えていく。
西域への交易路開拓のため、韓成は西夏に遣わされる。
楊令自ら護衛する最初の商隊が、西域へと出発した。
兀朮らが率いる金軍は、南宋の帝となった趙構を討つために旧宋領への侵攻を続ける。
劉光世は趙構を守って江南を転戦するが、一方で、岳飛と張俊は趙構の召集に応じることなく、それぞれが独立勢力として中原に立っていた。
楊令伝、乱世の第十一巻。
第65回毎日出版文化賞特別賞受賞。
争いの火種くすぶる中、見え始めた新しい国の姿
梁山泊、金国、岳飛や張俊、そして青蓮寺が操る南宋。各勢力が並立し、危うさを孕んだ状態が続く。新しい国としての梁山泊を支える交易の道を開くため、韓成は西夏で尽力する
西夏が複雑な状況で更に登場人物が増える。岳飛と簫珪材がぶつかって岳飛負ける。

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2012/11/25

北方謙三「楊令伝(十) 坡陀の章」感想。
水滸伝の続編。2012年11月18日読了。

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楊令伝〈10〉坡陀の章

たいしてキャラの立ってない人物同士が、細かい諍いを始める。

国盗り物語的な戦事は影を潜め、商いの方法論が目立つ。

その商いの方法が、極めて現代的な発想に基づいており、西暦1200年代の中国でここまで物事が考えられていたのだろうか? と違和感ばかりが残る。

また、強者の上級将校が兵を鍛える際、「死域に入る」と言う表現をやたらと使っている。これは調練で死ぬまで追い込み、そこから意識の無いまま戦闘を続けられるようになったら、その兵は一段階強くなる。という設定なのだが、発想がゲームソフトなんだよなあ。

死域に入っただけで強くなれるって設定を使うのなら、金庸の武侠小説くらいぶっ飛んだ話の展開にしなきゃ。


5点/10点満点



◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
宿敵・鐘貫を討ち、梁山泊は宋禁軍との闘いを終える。
戦勝後に頭領の楊令が目指したのは、交易によって富む、小さく豊かな国の姿だった。
その実現のため、梁山泊は、日本と遙か西域とを結ぶ交易路を開拓する。
一方、金軍はついに開封府を陥して、宋王朝の廃止を宣言した。
だがその時、李富は青蓮寺の拠点を江南に移し、李師師とともに新国家誕生に向けて動き始めていた。
楊令伝、混迷の第十巻。
宋、金国、そして梁山泊。新たな歴史が始まる
童貫を失った宋禁軍は崩壊。河水沿いの地域を支配下においた梁山泊は、交易による新しい国づくりを始めた。一方、金の宋に対する攻勢が増し、都・開封府が陥落する。
方ろう軍残党の指揮を命じられ童貫戦で部下を大量に失った韓成がうじうじして西夏国行きを命じられ、耶律大石が西夏の隣に西遼を建国しようとしている。秦容は何だかつまらん人物に育った。

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2012/11/21

北方謙三「楊令伝(九) 遥光の章」感想。
水滸伝の続編。2012年11月24日08日読了。

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楊令伝〈9〉遥光の章


盛り上がらない。

何でこうもあっさりと話が進むのか。

盛り上げるべきところがあっさり進み、どうでもいいところに長々とページを割いている。ように思う。

まあそれでも、本巻はまだドラスティックな展開があっただけマシな感じ。

6点/10点満点

◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
歴戦の同志を失いながらも、梁山泊軍は、童貫軍と全軍あげてのぶつかり合いを続けている。
乱戦の中、戦場の中央に陣取る郭盛軍は少しずつ前進を始めた。
童貫は『幻』の旗に向かい、岳飛は楊令軍を止めるべく疾駆する。
一方、金軍は宋領深く南下し、青蓮寺は北の大商人たちの財産接収を始めていた。
歴史が大きく動こうとするなか、ついに楊令と童貫が戦場で邂逅する。
楊令伝、圧巻の第九巻。
第65回毎日出版文化賞特別賞受賞。
長きに亘る宿命の闘いが、ついに決着
楊令率いる梁山泊軍は、扈三娘、張清、馬麟らを失いながらも宋禁軍と激戦を続ける。花飛麟ら若い隊長も成長し、童貫軍を圧していく。楊令と童貫が戦場で邂逅、ついに雌雄を決する。
って、第1章のラスト数行で童貫討ち死に。なんじゃそりゃ。

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2012/11/08

北方謙三「楊令伝(八) 箭激の章」感想。
水滸伝の続編。2012年11月02日読了。

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楊令伝〈8〉箭激の章


完顔成、撻懶、斡離不ら金国軍は全部魅力なし。

魅力のない人物がダラダラと会話をする。

ドラマチックな展開がないまま、重要な出来事が起こり、重要な人物がころっと死んでいく。

主人公楊令の言動にも、相変わらず魅力なし。

長い長いあらすじを読んでいるような感じ。

期待はずれ感が半端なく。あと7冊もあるのか……ため息。


5点/10点満点

◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
激戦が続き、童貫軍がゆっくりと梁山泊内に進軍した。
岳飛は先行して棗強を奪取する。
楊令は新たな軍の配置を命じ、呼延灼の軍は息子の呼延凌が引き継いだ。
扈三娘軍には花飛麟軍が援護に入り、劉光世、張俊軍とぶつかり合う。
雨の降りしきる戦場で、花飛麟は扈三娘への恋情を露にした。
一方、金国は対宋開戦でまとまり、唐昇を先鋒に、完顔成、撻懶、斡離不が南下を始める。
楊令伝、悲闘の第八巻。
戦いに散った者が、後に残したものとは
梁山泊軍と宋禁軍との激闘が続く。戦死した呼延灼の軍を息子の呼延凌が引き継ぎ、敵軍を押し止める。扈三娘は、戦場で花飛麟と結婚の約束を交わした。一方、金軍は宋と開戦するため、南下を始める。
でも扈三娘討ち死に。張清は岳飛に討ち取られ。

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2012/11/06

北方謙三「楊令伝(七) 驍騰の章」感想。
水滸伝の続編。2012年10月29日読了。

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楊令伝〈7〉驍騰の章

あらすじで書かれているほどのわくわく感がない。

前巻あたりから楊令が自分の胸のうちを披露するようになってきたのはいいのだが、主人公というには魅力がない。

残念な感じ。


6点/10点満点

◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
童貫率いる宋禁軍が、ついに梁山泊討伐に出動した。
開封府では、燕青と侯真が、不穏な動きを見せる青蓮寺の妓館を探っている。
梁山泊は楊令を中心に結束を強め、童貫を迎え撃つ準備をかためた。
張平は黒崎兵を離れ、新たに編成した青騎兵を率いる。
花飛麒軍が、宋禁軍の先鋒・岳飛軍と激突し、史進遊撃隊に入った呼延灼の息子、穆凌は、趙安の首を狙って疾駆する。
楊令伝、白熱の第七巻。
第65回毎日出版文化賞特別賞受賞。
楊令と、童貫。雌雄を決する戦いが始まる。
童貫率いる禁軍が、ついに梁山泊討伐に出動する。梁山泊は、頭領・楊令を中心に結束を強め、迎え撃つ準備をかためた。緒戦は童貫の部下・岳飛軍と、梁山泊の花飛麟軍が激突する。
呼延灼がやられ、穆凌は父の死の間際に呼延凌と呼ばれ、その呼延凌がぎりぎりで趙安の首を取ると。

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2012/10/26

北方謙三「楊令伝(六) 徂征の章」感想。
水滸伝の続編。2012年10月24日読了。

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楊令伝〈6〉徂征の章


 この巻の柱は扈三娘(梁山泊)と聞煥章(宋の青蓮寺)。

 この巻は大きな出来事が無く、主要登場人物の配置換えに伴う話や、扈三娘と聞煥章の暗闘、禁軍総帥童貫の意外な動き、楊令に人間らしさが戻って来た話など、以降の巻の伏線的な要素が詰まった巻である。


 この巻でも、「誰と誰が喋っているのか分からない」ことが多く、これってやっぱり私の読解力が落ちたと言うより、北方謙三の書き急ぎによる推敲不足の方が原因じゃないかなあ、と感ずる。


6点/10点満点

◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆

南北の動乱が終結し、呉用は江南から救出された。
金国では阿骨打亡き後に呉乞買が即位し、国の体制を整えつつある。
梁山泊は、制圧した地域を守りながら、来るべき宋禁軍との全面対決に向けて戦力を蓄えていた。
侯真は、黒騎兵を抜けて新たな任務に就く。
一方、扈三娘は息子たちが消えたという報せを受けて洞宮山へ駆けつけるが、聞煥章の劣情渦巻く奸計に陥ってしまう。
楊令伝、風雲の第六巻。
南北動乱は終結。梁山泊、宋との全面対決へ。
南北の戦いが終結し、方臘は死亡。宋、梁山泊ともに力を蓄える時期が訪れた。扈三娘は、子供が消えたという報せを受け洞宮山に駆けつけるが、聞煥章の奸計に嵌まってしまう

で、扈三娘と聞煥章の色事が始まり、扈三娘の兄扈遷が抜け出す方法を教え、扈三娘が聞煥章を殺し、童貫は王進(楊令の父親代わりの隠居)に会いに行く(何じゃそりゃ?)。楊令はようやく人間味を取り戻して、少しだけ主人公らしく喋るようになった。

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