ダニエル・ヤーギン/黒輪篤嗣訳「新しい世界の資源地図」感想。2023年5月14日読了
今までAmazonの画像リンクを使っていましたが、2023年11月で廃止されました。ので、テキストリンクだけです。
本書は2020年に原著が、2022年2月に日本語版が出ています。
著者のダニエル・ヤーギンは、資源(石油エネルギー中心)に関する著書が多数あり、世界有数の資源(エネルギー)専門家です。
本書の感想は「とても良い」
9点/10点満点
今までAmazonの画像リンクを使っていましたが、2023年11月で廃止されました。ので、テキストリンクだけです。
本書は2020年に原著が、2022年2月に日本語版が出ています。
著者のダニエル・ヤーギンは、資源(石油エネルギー中心)に関する著書が多数あり、世界有数の資源(エネルギー)専門家です。
本書の感想は「とても良い」
9点/10点満点
◆Amazonより引用
そもそも「地政学」とは何か?
地理的条件は世界をどう動かしてきたのか?
「そもそも」「なぜ」から根本的に問いなおし、激動世界のしくみを深く読み解く「地政学入門」の決定版!
現代人の必須教養「地政学」の二つの世界観を理解することで、17世紀ヨーロッパの国際情勢から第二次大戦前後の日本、冷戦、ロシア・ウクライナ戦争まで、約500年間に起きた戦争の「構造を視る力」をゼロから身につける!
「一般に地政学と呼ばれているものには、二つの全く異なる伝統がある。『英米系地政学』と『大陸系地政学』と呼ばれている伝統だ。両者の相違は、一般には、二つの学派の違いのようなものだと説明される。しかし、両者は、地政学の中の学派的な相違というよりも、実はもっと大きな根源的な世界観の対立を示すものだ。しかもそれは政策面の違いにも行きつく。たとえば海を重視する英米系地政学は、分散的に存在する独立主体のネットワーク型の結びつきを重視する戦略に行きつく。陸を重視する大陸系地政学は、圏域思想をその特徴とし、影響が及ぶ範囲の確保と拡張にこだわる」――「はじめに」より
◆引用終わり
地政学には大きく二つの考え方がある。
・英米系地政学⇒マッキンダー⇒二元論⇒世界はハートランドとシーパワー、周辺のリムランド
・大陸系地政学(ドイツ)⇒ハウスホーファー⇒多元論⇒圏域
昨今、日本では地政学に関する本が多数あふれているが、この両者の考え方が精確に分けられていない、かつ英米系のランドパワー・シーパワーによる記述が多い。
本書は、同じ出来事(今回のテーマは戦争)を英米系と大陸系の両視点から解説することを試みたものである。
が、私の基礎知識および理解力が足りず。
評価不能(私の知識が乏しい)/10点満点
本書のサブタイトルは「文明3.0の地政学」
原著のタイトルは「MOVE」
パラグ・カンナの本は3タイトル目(5冊目)。
人間の歴史は、常に移動が伴っていた。
古くは200万年前、アフリカから猿人がユーラシア大陸へ移動し、30万年ほど前に「ホモ・サピエンス」へ進化を遂げ、モンゴル帝国は世界中をまたにかけ、ジャガイモ飢饉でアイルランドからアメリカへの大量移住が発生した。
世界中の多くの人たち(著者推定では40億人。多くがアフリカやアジアの貧国に住む人々)が、自国を離れ移住したいと考えている。携帯電話とインターネットがあれば、移住は昔ほど困難なことではない。ただし、受け入れてくれる先進国は少ない。
本書は、人々がより良い暮らしを求めて移住(移動)する流れは止まらないし、止められない。そして、その移動力こそ、2050年の未来を形作る源である。移住先は先進国の都市とは限らない。気温上昇で、グリーンランドやシベリアの永久凍土地帯が快適な移住先になるかもしれない。
的なことを、詳細なデータをもとに書かれた本である。
アメリカはメキシコ経由でやってくる中南米の移民を追放している。
スペインやイタリアはアフリカからの不法移民を追放している。
シンガポールは移民によるスラム化を防ぐため、多民族共生を選んだ。
チェコやポーランドは優秀な移民(戦争前のウクライナ人が多い)を積極的に受け入れる政策を進めた。
ドイツは移民(シリアなどの中東難民が多い)を受け入れすぎた。
フランスは移民(旧植民地のアルジェリア系など)とフランス系の間で分断してしまった。
カナダは移民大歓迎。
(この辺りまでが上巻)
カザフスタンは豪州とほぼ同じ面積で、人口は2000万人に満たない。国庫は石油ガスで潤っている。カザフ政府が本気になれば人は来る。
インド人はウズベキスタンにビザなしで入国できる。それもあってインド系の承認が多くいる。
日本は優秀な人が出ていく国である。上級学位(修士号や博士号)を取ったのに仕事がなく、8,000人もの人が中国で研究活動をしている。
下巻p188
「より大きな国が一定の居住権や生活水準を保障せずにさらに多くの移住者を呼び込んだ場合、自国民と外国人、技能を要している人といない人、富裕層と貧困層という階層化が定着するのは避けられないだろう」
本書には結論めいたことは書かれていない。「こうなるだろう」という示唆にとどまっている。
移住を考える人々は減らないし、移住の意欲も止まらない。
移住を受け入れる国は今のうちに受け入れ態勢を整えていかなければならない。
先進国はほぼすべての国で人口減少に直面している(もっともましなフランスでも出生率は2.0⇒人口維持には2.1必要。日本は1.4、スペイン1.3、イタリアとシンガポールは1.2、韓国は1.0)。
先進国は、いつまで先進国でいられるのか。
7点/10点満点
・パラグ・カンナ/古村治彦訳「ネクスト・ルネサンス―21世紀世界の動かし方」感想。2011年11月23日読了。
・パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(上)」感想。2017年09月12日読了。
・パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(下)」感想。2017年09月21日読了。
本書そのものの感想は下巻に書く。
7点/10点満点
執筆陣(8名共著)
1章・細谷雄一(1971生、国際政治学・外交史、慶応大法学部教授)
2章・田所昌幸(1956生、法学博士、慶応大法学部教授)
3章・篠田英朗(1968生、国際関係論、東京外語大教授)
4章・熊谷奈緒子(1971生、政治学博士、国際大学大学院准教授)
5章・詫間佳代(1981生、学術博士、首都大学東京准教授)
6章・廣瀬陽子(1972生、政策・メディア博士、慶応大教授)
7章・遠藤貢(1962生、南部アフリカ博士水準、東大大学院教授)
8章・池内恵(1973生、東大教授)
序章と終章・北岡伸一(1948生、日本政治外交史、JICA理事長、東大名誉教授、立教大名誉教授)
個性豊かな執筆陣である。地政学を学ぶ者にとって、必須の教科書になったであろう。
執筆陣の中には、Twitterでの罵詈雑言が酷すぎて人間としてどうなのよ?と思う人もいるが、人格と論文内容は別である。
8点/10点満点
ロヒンギャとは、ミャンマーのラカイン州北部に暮らすイスラム教徒のことである。
ミャンマーは9割弱が仏教徒と本書の冒頭に書かれている(英語版wikipediaでは、仏教徒88%、キリスト教徒6%、イスラム教徒4%となっている)
ロヒンギャ問題とは、ロヒンギャはそもそもミャンマー人(ビルマ人)ではなくバングラデシュからやってきた不法移民である、生活様式も宗教も言葉も異なり同一国内にいること自体が許せない、という仏教過激派が主導し官民一体でロヒンギャに対し虐殺を行っている、そのためロヒンギャは住む場所を求めて難民になっているが、世界中から見捨てられている、という問題である。
ミャンマー軍部は、民主的に選挙で選ばれたアウンサンスーチー率いるNLDから政権をクーデターで奪ったが、ロヒンギャ問題はそれよりずっと前から発生している。人道支援団体は、ロヒンギャ問題に十分な対応をしていなかったアウンサンスーチーを非難していたほどだ。
ロヒンギャ問題が発生するもともとの原因(著者研究)は、第一次及び第二次世界大戦でビルマはイギリス領インドだった頃、入植してきたインド人が金持ちで、借金のかたにビルマ人の土地を奪い、それが「インド人憎し」へと発展し、インド人=ムスリム(イスラム教徒)のイメージが根付いていたことが発端だと書いている(p48)。
ちなみに本書は軍部によるクーデター前に出版されている。
本書はロヒンギャ問題の経緯を詳説し、そのうえで国際社会に何ができるか、何をすべきか提言している。
だが現実には、イスラム教徒が国民の87%を占めるインドネシア(全人口2億6000万人)、90%を占めるバングラデシュ(全人口1億6000万人)がロヒンギャ難民の受け入れを拒否している。この厳しい現実は、そう簡単に解消されない。
7点/10点満点
著者は女性で、1964年生まれ、奈良県出身。88年国際基督教大学(ICU)教養学部卒。90年米カリフォルニア大学ロスアンジェルス校(UCLA)修士号(MA)取得。同年アジア経済研究所入所、同地域研究センター/ラテンアメリカ研究グループ長を経て、2018年より主任調査研究員。専門/ベネズエラ地域研究。
ベネズエラには2回、合計4年住んで研究していたとのこと。
日本でベネズエラと言えば、野球選手である。ロベルト・ペタジーニ(ヤクルト・巨人)、アレックス・カブレラ(西武・オリックス・SB)、アレックス・ラミレス(ヤクルト・巨人・DeNA)、エルネスト・メヒア(西武)、ホセ・ロペス(巨人・DeNA)、ロベルト・スアレス(SB・阪神)、そしてMLBの三冠王ミゲル・カブレラ。ということもあり、ベネズエラにネガティブな印象を持つ日本人は割と少ない(たぶん)。
しかし今のベネズエラは政治も治安も経済も、どれもこれも最悪である。
ちなみにハイパーインフレが起きており、通貨は紙くず。リンク先のwikipedia(英語)に記載ある通り、2018年度のインフレ率は130,000%(13万%)。1年間でモノの値段が1300倍になったということである(正確には、通貨の価値が下がった)。
インフレになった理由は単純。紙幣を刷りまくったからである。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵国である。サウジアラビアより多くの石油が眠っている。しかし前大統領チャベス時代(1999年に初当選、2013年在任中に死去)に、石油収入を当てにして貧困層に対するバラマキ政治を行った。チャベス在任時の石油価格は1バレル80ドル~100ドル。その利益をチャベス政権の収入にしてしまい(国庫ではない。政権の収入。従って支出に議会のチェックが働かない)、貧困層に無料で住宅や家電を配布し、無料の医療サービスや、無料の学校なども作った。すべてチャベス支持者だけが利用できる。
その頃、反チャベス派の勢いが増し、たった2日間であるがチャベスは国外に脱出する羽目になった。それ以降、チャベスはどんどんバラマキを加速させる。石油の利益を全てバラマキに使った。国債の返済にも石油の利益を使った。結果、石油会社は新技術への投資どころか、メインテナンス費用も捻出できなくなってしまった。
だがチャベスは、石油会社の言い分に聞く耳を持たず、石油会社そのものを国家接収した。(その後、ありとあらゆる企業を国家接収し、競争力を失わせ、従業員のやる気をなくさせ、ベネズエラはありとあらゆる産業の生産性が極端に落ちた)
ベネズエラの石油は、普通の石油が採れるマラカイボ油田と、超重質油(アスファルトのように粘度が高く、軽質油を混ぜないと採掘できない)しか採れないオリノコ油田がある。オリノコ油田の採掘コストは1バレル70ドルとも言われており、石油価格が1バレル80ドルだとほとんど利益が出ない状況にある(2021年の今は50ドルを切ることもある)。だがベネズエラの石油にアクセスしたい欧米企業は、合弁企業という形態ではなく、単なるサービス提供企業としてしか認められなくなっていった。
チャベスは就任直後は反米ではなかったが、次第に反米色を増していった。しかしベネズエラの石油の半分以上はアメリカに輸出されていた。アメリカ依存度を下げるため、石油価格がイケイケだった時、ベネズエラはキューバに石油を無償提供した(その代わりに、医者や軍人を呼び寄せた)。中国やロシア、イランや北朝鮮にも接触した。
なぜこんなことになったのか、を著者はチャベス時代、およびそれより以前の政治に答えを見出す。
歴代のベネズエラ大統領は、石油会社に都合の良い条件で採掘させていた。それが故に外資がどんどん入り込み、ベネズエラの石油産業は発展した。しかし、石油という資源を持ち石油会社は巨額の利益を出しながら、国民には還元されない。それに怒った国民の力により政権が交代し、石油は国民の共有財産であるという合意が形成された。それ以降、ベネズエラ政治にとって、石油はアンタッチャブルな聖域になってしまった。
現在の大統領はマドゥロである。無能極まりない人物である。しかしマドゥロもかわいそうな一面がある。石油の値段が高かった時代にチャベスがばらまいた金(=借金)を支払っているのである。石油価格が下落したので財源がないにもかかわらず、ただ借金を返済しているのである。
ありとあらゆる産業を国有化したツケは重く、GDPが3年で半減してしまった。
というようなことが書かれている(註:上記は要約ではない。本書はもっと細かく丁寧な解説がなされている)。
極めて良い本。
8点/10点満点
一冊の本で中東史の概略を学べる。これは素晴らしいことである。
・P104に「子供の誕生」という概念が出てくる。
1800年代、子供は労働力であるという考え方から、子供を保護して大人になるまで育て、次の子供を育てる。労働力の再生産という概念である。こういう考え方があるのかと素直に驚いた。
私個人的には、本書は第6章以降、興味深い内容が次から次へと書かれている。
・P246
(1948年の第一次中東戦争以降)ヨルダンにとって邪魔者は誰かというと、パレスチナの指導者であったフサイニーである。ヨルダン国王アブドゥッラーは現在のシリアレバノン、ヨルダン、パレスチナ自分の支配下に置きたいという野望があり、(イスラエルの)シオニストと握手できても、フサイニーとは握手できない。
パレスチナに対するイスラエルの横暴に、なぜアラブ諸国は助けを出さないのか。理由の一例である。
7点/10点満点
◆内容(Amazonより)
大国の周辺国から国際秩序を見直せば、まったく新しい「世界地図」が立ち上がる。フィンランド、ウクライナ、アルメニアを歩けば、「ロシア」の勢力圏構想が浮き彫りになる。ミャンマー、東ティモール、ザンビアを歩けば、「中国」の世界戦略が見えてくる。歴史と地理に精通した政治外交史家が、国際協力と勢力均衡の最前線で考えた「21世紀の地政学」。
◆引用終わり
著者は東大教授を経て、国連大使(次席)、国際大学学長、現在はJICA理事長。
第1章はロシアと周辺国。ジョージア、アルメニア、ウクライナ、フィンランド
第2章は中国と向き合うアフリカ。ウガンダ、アルジェリア、南スーダン、エジプト、ザンビア、マラウィ
第3章は中南米。と言ってもブラジルとコロンビアだけ
第4章は海洋島嶼国。パプアニューギニア、フィジー、サモア
第5章はアジア。ミャンマー、ベトナム、東ティモール、タジキスタン
個々の話はそれなりに興味深く読めるが、いかんせん、取り上げた国数が多すぎるため、すべてが浅い。そこが残念である。
7点/10点満点
原著2016年出版、邦訳2017年5月出版。著者はワシントンDCのアメリカンエンタープライズ公共政策研究所(AEI)上級研究員、日本部長。
◆以下、Amazonより
「アジアの時代」は終わった。トランプのアジア封じ込めはこれから始まる!
保守系シンクタンクのアジア研究第一人者が最新アジアのリスクマップを作成。
5つのリスク―
1経済成長の失速、
2人口問題、
3未完成の政治革命、
4政治的共同体の欠如、
5戦争の脅威―について分析する。
アメリカの最新アジア戦略を読み解ければ、日本の生きる道が見えてくる! トランプ政権発足後、アメリカで特に読まれているアジア分析本。
◆引用終わり
タイトルのインパクトが大きいが、内容はアジア経済の冷静な分析である。特に人口分布と人口減少によるデメリットについて、かなり正確な分析をしている(と感じられる)。
p127
1953年、中国の都市部人口は全体の13%だったが、2010年には49%にまで上昇している。
中国には100万人都市が170もあり、上位5つは1000万人以上である(重慶市、広州市(深セン含む)、上海市、北京市、天津市)(註:2019年ではアモイ市、成都市、広州市、武漢市なども1000万人都市になっていると思われる)。
急速な都市化というのは、歴史上、それこそ古代ローマの頃からどの国にも起こってきた。町が市になり、市が都市になる。すると働き口が増える。仕事があるところに人は集まる。
東南アジアは貧乏子だくさん。というイメージがある。だがそれはもはや誤りで、人口を維持するために必要な出生率2.07を切りそうな国々が東南アジアには多い。
・フィリピン(人口1億500万人)の出生率はまだ大丈夫2.99
・ラオス(人口700万人)は2.65
・マレーシア(人口3100万人)は2.48(既に2.04に落ち込んでいるとも)
・カンボジア(人口1600万人)は2.47
・インド(人口13億人)は2.40
・バングラデシュ(人口1億6000万人)は2.15
・ミャンマー(人口5500万人)は2.13
・インドネシア(人口2億6200万人)は2.08
・ベトナム(人口9700万人)は1.79
・中国(人口13億9000万人)は1.60
・タイ(人口6800万人)は1.52
・日本(人口1億2600万人)は1.42
・韓国(人口5100万人)は1.27(直近では1.0を切ったという報道もある)
・台湾(人口2300万人)は1.13
・シンガポール(人口600万人)に至っては0.84
ちなみに、ヨーロッパの主流じゃない国々(ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン以外の人口1000万人以下の小さな国)の出生率はどこもかしこも1.5以下である。
人口の減少=高齢者が増えるというのは、全世界共通の現象であり、若者の代表であるグレタさんが国連で憤るのも無理ない話である。出生率が減る原因としては、発展している最中の国では、(どこの国でもいいが)国全体の平均的な世帯収入が上昇すると、国民は子供の教育に金をかけるようになる。子供一人一人に充実した教育を施すために、子供の数を減らそうとする。結果的に各国の世帯で育てる子供の数は2人、または3人、もしくは1人の選択になる。日本は子供を育てるコストが高いので2人もしくは1人の方向に寄り、フィリピンは2人もしくは3人の方向に寄っている。
インドやバングラデシュでも2人か1人の方向に進み、ベトナムやタイでは1人もしくは2人の方向に進んでいる。
30年後を想像してみよう。たぶんすべての東南アジア諸国は出生率2.07を下回り、高齢者過多となる。
これが著者の言わんとするアジアの終わりである。
そういう意味では、ヨーロッパはとっくに終わっているし、実際フランス(出生率2.06)以外は終わっている。アフリカ諸国は出生率4以上の国が多いけど、そういう国は乳幼児死亡率も高いから、大人になる頃には人口が調整されている。アフリカ諸国で乳幼児死亡率を改善させる試みをすると、大学に行っても就職できない高学歴プアが大量発生する(チュニジアがいい例で、高学歴プアがアラブの春のきっかけとなる抗議の自殺(イスラム法では禁止されている)デモを起こした)。高学歴プアの問題は、いまそこにある東南アジアの危機である。主に中国と韓国で。
上記は本書の内容そのものではないが、人口減少するであろうことが(ほぼ100%の確率で)予測される東南アジアに、未来はあるのか?! という視点で非常に面白かった。
8点/10点満点
00◆成田やトランジット(JFK・パリ・マドリッド) 01◆ブラジル(サンパウロ・サンルイス・レンソイス・マナウス) 02◆アルゼンチン(イグアス・カラファテ・ウシュアイア・ブエノス) 03◆チリ(サンチャゴ・イースター島・バルパライソ) 04◆ボリビア(ラパス・ウユニ) 05◆ペルー(クスコ・マチュピチュ・リマ) 06◆エクアドル(グアヤキル・ガラパゴス諸島) 07◆スペイン(マドリッド・バルセロナ) 08◆トルコ(イスタンブール・カッパドキア・パムッカレ) 09◆ヨルダン(ペトラ遺跡・アンマン) 10◆シリア(ダマスカス・パルミラ遺跡) 11◆エジプト(カイロ・アスワン・アブシンベル) 12◆モロッコ(マラケシュ) 13◆南アフリカ(ヨハネスブルク・ケープタウン) 14◆ナミビア(ウィントフック・ナミブ砂漠・スワコプムント) 15◆ジンバブエ(ヴィクトリアフォールズ) 16◆ザンビア(側のヴィクトリアフォールズ) 17◆ボツワナ(チョベ国立公園) 18◆香港・マカオ 19◆インド 20◆フィリピン留学記 21◆インドネシア・スラウェシ島・マナド10泊旅行 ★惚れ惚れするほどの駄作 ☆私の読書累計 ☆私的10点満点 ☆装丁がスバラシイ本 ■09年11月からの世界一周の小ネタ ■09年11月から世界一周! ■09年11月から世界一周!の準備 ■09年11月から世界一周!の近況 ■09年11月から世界一周!参考書籍 ■2006年夏・ケニアに行く ■2007年夏・アンコール遺跡に行く ■2008年1月・ボルネオ島に行く ■2008年4月・週末海外でベトナム ■2008年9月・週末海外で台湾 ■アフリカ □グインサーガ □三国志 ▲スティーヴン・キング ▲ドン・ウィンズロウ ▲京極夏彦 ▲佐藤賢一 ▲北方謙三 ▲夢枕獏 ▲大沢在昌 ▲天童荒太 ▲宮部みゆき ▲浅田次郎 ▲熊谷達也 ▲真保裕一 ▲神林長平 ▲福井晴敏 ▲船戸与一 ▲貴志祐介 ▲逢坂剛 ▲金庸 ▲隆慶一郎 △サイモン・シン/青木薫訳 △下川裕治 △堀田あきお&かよ △宮田珠己 △木村元彦 △松本仁一 △橘玲 △石井光太 △船尾修 △蔵前仁一 △高木徹 △高野秀行 ◆小説・ミステリ系統 ◆小説・伝奇小説 ◆小説・冒険小説 ◆小説・時代小説・歴史小説 ◆小説・武侠小説 ◆小説・純文学・青春小説 ◆小説・経済小説・現代小説 ◆小説・SFホラーファンタジー ◇いわゆる新書 ◇イスラーム他、宗教 ◇エッセイ・紀行文 ◇ガイドブック ◇スポーツ関連書 ◇テクノロジー ◇データブック・記録集 ◇ノンフィクション ◇パソコン関連図書 ◇ビジネス書 ◇ルポ・ドキュメンタリー ◇世界についての本 ◇国際政治・地政学 ◇実用書・ガイドブック ◇歴史 ◇科学 ◇臓器移植・臓器売買・人身売買 ◇語学などの勉強本 ◇雑学・蘊蓄 ◎写真集 ◎美術書・アートブック ●海外作品(原著英語) ●海外作品(原著非英語) アニメ・コミック 携帯・デジカメ 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 時事
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