カテゴリー「◆小説・時代小説・歴史小説」の記事

2018/06/12

新田次郎「劔岳<点の記>」感想。
近代歴史小説。2017年12圧15日読了。

初めて劔岳の頂点を測量した測量官・柴崎芳太郎を主人公とした、測量の苦闘史(日露戦争の直後)。史実に基づく。

私は2014年まで法政大学地理学科(通信教育)で、測量を含めた地理学を学んでいた。

測量というのは、実在する地形(3次元)を、地図という2次元空間に落とし込むために必要な作業である。

本書は、通常なら3次元空間を図る測量という技術を、地図という2次元空間を経ることなく、文字という1.5次元空間に無理くり落とし込んだものである。

そのため測量に関する説明が多い。山の険しさに関する説明も多い。それらをくどく感じるほど説明しているため、人物描写が薄くなっている。

新田次郎作品は、どれも背景描写(本作の場合は測量そのものと測量技術の説明)にページが多く割かれ、人物描写が薄くなる傾向にある。とはいえ、新田次郎が取り上げるの題材(テーマ)はスケールが大きく、欠点を差し引いても魅力が勝り、多くの読者から絶賛されている。

本書も、つい最近映画化されている(といっても公開は2009年なので、もう9年も前)

悪くはないけど、説明が多くて多少興を削ぐ。そう感じた小説だった。


6点/10点満点

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2018/06/09

井上靖「蒼き狼」感想。
歴史小説。2017年12月07日読了。

モンゴルの英雄、チンギスハン(成吉思汗)の、生まれてから死ぬまでの一生を書いた本。

評判が良いので買ったが、ずっと積読だった。

ここ最近は積読小説消化期間なので、読んでみた。

主人公=チンギスハンに魅力がなく、実に、実につまらない小説だった。

史実を元にしているらしいので(中国は侵略された歴史も結構な数の古文書が残っている)、歴史をそれなりに忠実になぞっているんだよなあ、と思いながら読んだ

歴史を知ることができたという意味で、評点5点。

もしこれが作者の想像だけで書かれたのなら、せいぜい2点。実につまらない。読むのが苦痛に近かった小説である。


5点/10点満点

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2015/07/22

船戸与一「残夢の骸 満州国演義9(完結)」感想。
歴史冒険小説。2015年05月11日読了。

1970年代まで、日本では「犯罪」が絡んだ小説はすべてミステリというカテゴリーに一括りにされていた。

1976年から大映が西村寿行原作の「君よ憤怒の河を渉れ」「犬笛」「黄金の犬」、1979年から角川映画が大藪春彦の「蘇る金狼(松田優作)」「野獣死すべし(松田優作)」「汚れた英雄(草刈正雄)」が公開され、また同時期にフレデリック・フォーサイス原作の映画「戦争の犬たち」などの洋画も公開され、この辺りからバイオレンス小説(今で言う冒険小説)というジャンルが認知されるようになった。

このジャンルを得意とする作家には、北方謙三、志水辰夫、逢坂剛、大沢在昌、佐々木譲、高村薫などのベストセラー作家が居る。

船戸与一(功労賞的に直木賞を受賞している)も、冒険小説を得意とした作家である。


その船戸与一は、今年、2015年4月22日、癌で没した。享年71歳。


本書は、日本が満州を属国化する前の1920年代から、終戦後の1945年までの満州を舞台にした小説で、2007年に第1巻が出て、著者が死ぬ前に最終刊である本書を上梓した。


この本を書き上げる前に死ねない。そういう著者の執念を感じる。


船戸与一らしい救いようのないない終わり方をしているが、船戸与一の著作を何冊も読んでいる人ならば、実に船戸与一らしい終わり方だと思うだろう。


巻末に、13ページに及ぶ参考文献一覧が記載されている。また、「あとがき」に、資料を読めば読むほど、どれが本当の史実なのかが分からなくなってきた、的な事も書いている。


本書は、主人公である敷島四兄弟を狂言回しに据え、基本的に史実と思われることをなぞらえている(船戸与一が調べた範囲での)満州史実である。


圧巻である。

7点/10点満点


第1巻

第2巻

第3巻

第4巻

第5巻

第6巻

第7巻

第8巻

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2014/12/30

熊谷達也「銀狼王」感想。
時代小説。2014年11月23日読了。

明治20年、東北から北海道に移り住んだ老マタギ(猟師)が、ニホンオオカミを狩る話。

登場人物はほぼ老マタギ二瓶のみ。他に犬と熊とニホンオオカミ。

文庫本で200ページちょっとなので、中編に分類される小説。

悪くはないけど、絶賛するほどでもない。個人的にはラストが気にくわないので6点。ラストが気に入る人ならもっと高評価をつけることでしょう。

6点/10点満点

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2014/03/12

船戸与一「南冥の雫 満州国演義8」感想。
歴史冒険小説。2014年02月28日読了。

高野秀行のブログ「ムベンベ」で、船戸与一がガンであることを知った。それも余命1年を宣告されるレベルなのだとか。

本書「満州国演義」シリーズは、全10巻の予定で書かれている。第7巻の販売が2012年6月、本作第8巻が2013年12月。未完で逝かれてしまうと困るので、なんとか書き終わってほしい。

本作第8巻は、第二次世界大戦が泥沼化し、日本の敗戦が明確になっていく時代背景である。

敷島四兄弟は、日本の運命に引きずられるように、泥沼に陥っていく。このあたりの展開はいつもの船戸与一。ラストでちょっとした衝撃が走る。そのせいで、引き締まった展開になった。

残り2冊、期待が持てる。


が、逢坂剛のイベリアシリーズと同じで、過度の期待は禁物である。

9点(ファンのひいき目)/10点満点

最新第8巻

第1巻

第2巻

第3巻

第4巻

第5巻

第6巻

第7巻

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2013/02/15

熊谷達也「まほろばの疾風」感想。
時代小説。2013年02月07日読了。

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まほろばの疾風(かぜ)

◆あらすじ(紀伊國屋Bookwebより)
時は八世紀末。
東北には、大和朝廷に服従しない誇り高い人々がいた。
かれら蝦夷は農耕のために土地に縛られるのではなく、森の恵みを受け大自然と共生しながら自由に暮らしていた。
だが、その平和も大和軍の侵攻によって破られる。
そして、一人の男が蝦夷の独立を賭け、強大な侵略者に敢然と戦いを挑んだ。
彼の名はアテルイ。
北の森を疾風のように駆け抜けた英雄の生涯を描く壮大な叙事詩。

◆感想
アテルイ(阿弖流爲)が主人公である。アテルイはアザマロ(呰麻呂……ATOKでは一発変換した)の息子である。坂上田村麻呂も出てくる。大楯も押人も出てくる。

大和朝廷の人物は漢字で、蝦夷はカタカナで表記されているが、登場人物はほぼ「荒蝦夷」と同じである。

しかし、話はまったく異なる。歴史的な事実と思われる部分のみ同じで、ほぼ別の話である。

(この時代の歴史的文献はほとんど残っていないから、荒蝦夷も本書も、ほとんどが想像力で書かれているのだろう)

で、本書393ページ
「二十名の精鋭からなる騎馬小隊を引き連れて、アテルイは先導するシシマルにぴたりと馬をつけていた。……中略……大和側の兵力は二個小隊、つまり三、四十に過ぎない。」
なんて書かれているんだけど、小隊って表現が飛鳥時代に存在したのかなあ?中国や朝鮮半島(百済新羅高句麗の頃)で使われていたのかなあ?

そのほかにも、何となく軽い文章が目について、「実力派ライトノベル作家が本格時代小説に挑戦!」的な感じがして、イマイチでした。

ちなみに本書は著者3冊目の長編小説で2000年に出版され、「荒蝦夷」は傑作「邂逅の森」(私的10点満点)と前後して2004年に出版された。


5点/10点満点


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2013/02/13

熊谷達也「荒蝦夷(あらえみし)」感想。
時代小説。2013年02月01日読了。

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荒蝦夷

◆あらすじ(紀伊國屋Bookwebより)
宝亀五(西暦七七四)年、陸奥国の北辺には不穏な火種がくすぶっていた。
陸奥を支配せんと着々と迫り来る大和朝廷。
そして、その支配に帰属する、あるいは抵抗する北の民、蝦夷。
動乱の地に押し寄せる大和の軍勢の前にひとりの荒蝦夷が立ちはだかった。
その名は呰麻呂。
彼が仕掛ける虚々実々の駆け引きの果て、激突の朝が迫る―。
古代東北に繰り広げられる服わざるものたちの叙事詩。


◆感想
1月の大学スクーリングで日本史概説をとった。考古学者古庄浩明先生の授業で、西暦200年頃から730年頃まで、縄文時代末期から弥生時代、古墳時代、飛鳥時代についてここ学的見地から言えることを学んだ。85枚もプリントが配られ、ゲップが出そうになるくらい濃密な講義だった。

で、その頃をテーマにした小説があったな、と思いだし手に取ったのが本書「荒蝦夷」。
熊谷達也の代表作のひとつといわれている。

序盤は遠田公押人(とおだのきみおしと)が主人公なのかな?と思いながら読み進めていたが、違った。呰麻呂(あざまろ)だった。呰麻呂が主人公と分かるまで、けっこう読み進めなければならない。

個人的な好き嫌いだが、私は主人公がはっきりしない小説が嫌いだ(主人公が二人いるというのなら、それはそれで構わないのだが)。


伊治城(これはりじょう)城主の伊治公呰麻呂(これはりのきみ あざまろ)、伊佐西古(いさしこ)、宇屈波宇(うくはう)、浄足(きよたり)、大楯(おおだて)、百済王俊哲(くだらのこにきし しゅんてつ)といった登場人物が出てくるが、たまにしかルビを振っていないので、なんて読むんだっけ?と冒頭の登場人物一覧に目を通さなければならなく、でもまだ登場人物一覧を見ればそれは分かるけど、按察使(あぜち)という役職や、城の名前や地名などは、読めないのが出てくる度にイラっとした。

どうせルビを振るなら、偶数ページ(本書の右側のページ)に必ずルビを振りやがれ。


主人公が分かりづらい個人的好き嫌いと、読み方がわかんねーというイラつきから、イマイチな印象を受けてしまった。ストーリーは面白いと思う(ラストは好みによりけりかなあ)。


7点/10点満点


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2012/12/05

北方謙三「楊令伝(十五・完結) 天穹の章」感想。
水滸伝の続編。2012年12月05日読了。

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楊令伝〈15〉天穹の章

第1巻を読み始めたのが9月21日。
最終刊である本書第15巻を読み終えたのが12月5日。

長かった。

全15巻を75日かけて読んだけど、北方三国志、北方水滸伝の面白さはなかった。

まず最初に思ったのが、やたらと読点(これ→「、」)が多いこと。
北方謙三ってこんな文章だったっけ? と思い、北方謙三が、20年ほど前に書いた小説、「林蔵の貌」を開いてみたら、私の思い込みではなく、明らかに、読点が多かった。読点が多い文章は、読むリズムが悪くなるので、嫌いなんだよな。ってくらい読点が多かった。

その次に、主人公楊令のキャラクターに魅力がない。
北方版に限らず、水滸伝は元々ぶっ飛んだ豪傑が何十人も登場する話であるから、自分好みの登場人物に感情移入すればいいのだろうけど、本作は楊令伝と銘打っているので、楊令が明確に主人公たる活躍をする話なのかと思っていた。だが違った。個人的な好みの話かも知れないが、楊令が戦の天才であること以外、楊令が頭領としてふさわしい人間的魅力を持っているとはとても思えない。


◆◆◆以下、かなりのネタバレ含みます◆◆◆

故に、点数を先に書きます。


最終第15巻は 5点/10点満点

シリーズ全体としては4点/10点満点


◆◆◆以下、かなりのネタバレ含みます◆◆◆

その次に、どうでもいい登場人物のどうでもいいエピソードにページを割きすぎ。
10~20ページくらい使って新たな登場人物を紹介したと思ったら、話の大筋には関係ないままあっさり死んでしまう。そんな展開が幾度となくあった(西夏の皇帝周りの話は必要だったのか?)。その結果として、無駄に長い話になった感が否めない。

その次。青蓮寺に意味がない。
結局、李富は何をしたかったんだろう?燕雲十六州の帝に立った耶律淳の頃まで(3~4巻くらい?)は青蓮寺にも存在感があったけど、以降は青蓮寺(=李富)が何をしたいのか分からなかった。同様の意味で、青蓮寺に対抗する致死軍の存在感もなかった。せっかく候真というキャラを出したのに、致死軍に入ってから魅力が消え失せた。

その次。子午山で王進と一緒に暮らすと強くなる。
楊令、秦容、郝瑾、花飛麟、張平など、王進と一緒に暮らした登場人物は、皆一様に鬼神のごとく強くなっている。ロールプレイングゲームじゃないんだから。御都合主義過ぎ。

その次。
童猛が水深を黙々と測っているから、梁山泊水軍は強くなった。でも、終盤に発生する黄河の増水で土砂が堆積して水深が変わってしまうなどということを言い出した。それを言い出したら、黄河くらいの大河は常に土砂が堆積して水深変わってくるっつーの。童猛の存在意義が無くなるような話を終盤で持ち出してどうする。

最後。オチが途中で分かった。
最終15巻の半分も行かないうちに、オチが分かってしまった。まさかこんな分かり易いつまらないオチじゃないよなあ、と思っていたんだけど、分かり易いつまらないオチだった。

がっかりな話だった。


水滸伝19巻、その続編である楊令伝15巻、加えて現在執筆中の完結編「岳飛伝」全17巻予定と続くのだが、岳飛伝はたぶん読まないだろうな。



◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
新しい国の実現を賭けて、梁山泊軍は南宋軍と最後の闘いを続ける。
宣賛は、自由市場を認めるよう金国と交渉を始めた。
やがて自由市場は江南を席巻し、物流を握る梁山泊の勝利は目前と見えた。
だが、百年に一度の大洪水が、梁山泊を襲う。
数多の同志の死を胸に秘め、楊令は吹毛剣を手に、敵将・岳飛の前に立つ。
混迷の時代に、己の志を貫いた漢たちはどう生き、闘ったのか。
楊令伝、夢幻の最終巻。
漢(おとこ)たちはどう生き、闘ったのか。堂々完結!
楊令率いる梁山泊は、自由市場を認めない南宋と激闘を続ける。一方で、金国も梁山泊奇襲を画策していた…。新しい国を夢み、中原を駆け抜けた漢たちの物語、完結!
呉用がこうそんしょうの手助けあっての李富抹殺。
李富簡単に殺されすぎ。
金国が裏切って、特使宣賛を金国内で暗殺。
黄河が増水と台風で氾濫を起こして梁山泊水浸しで水深変わってしまった。
ってそれじゃあひたすら水深を測る童猛の設定が全否定されるじゃないか。
岳飛が南宋の勅命で梁山泊に攻め入るも、楊令に返り討ち。
に遭いそうになったところで裏切り金国登場の挟撃大作戦。
でも岳飛は挟撃拒否。金国も楊令に返り討ち。
で、楊令はラスト数ページであっさり青蓮寺の刺客に暗殺される。

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2012/12/03

北方謙三「楊令伝(十四) 星歳の章」感想。
水滸伝の続編。2012年12月02日読了。

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楊令伝〈14〉星歳の章


山ほど居る登場人物のうち、何人かが死ぬ。今までは一巻で2~3人だったが、ラストが近くなってきた本巻では、ドバドバ死んでいく。

なんだけど、何だかいつの間にかやられて、いつの間にか死んでいるような描写が多く、何で死んだんだ?と数ページ戻って読み直さないと理解できないような所もしばしばあり。

そんなこんなで梁山泊軍と××軍(あえて伏す)の戦が始まった。

筋道としては無理なく始まった戦だけど、盛り上がりは無い。何となく戦が始まり、何となく決着が付いちゃった、って感じ。


さあ、個人的には全然わくわくしなかった長大長編小説も、残すところあと一冊。

やれやれ。


5点/10点満点


◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
梁山泊軍を出奔した李英の行方を追って、姉の李媛も姿を消した。
侯真は致死軍を率いて、二人の捜索に向かう。
だが、開封府で扈成と面会した李英は斉の将軍となり、岳家軍との戦に出陣した。
一方、楊令らは、赫元の尋問によって、南宋皇太子出生の秘密を知る。
やがて中原一帯には自由市場が立ち、梁山泊が支配する物流の勢いは、ついに南宋にまで広がろうとしていた。
楊令伝、怒涛の第十四巻。
完結を前に、物語は大きな山場を迎える
自由市場を栄えさせ、物流を活発化させる梁山泊の新しい国のありかたは、他国の根幹を大きく揺さぶり始めた。楊令らは青蓮寺の赫元を尋問し、南宋の皇太子の出生の秘密を知る。
金国皇帝うきまいが幻王抹殺をうじゅに出す。
嵌められて梁山泊から斉国禁軍に行った李英は出陣するも、総大将張俊が裏切って南宋になびいたため敗北。でも斉国の傀儡皇帝に呼び出され拝謁。その瞬間に傀儡皇帝に刃を向けるが失敗、抹殺される。
戴宗はきょうしと相討ち。
張横と水深をひたすら測る童猛は何となく襲われてあっさり死亡。
耶律越里が母国である金国に戻る。
南宋に降った岳飛と、南宋になびいた張俊が、梁山泊と対決。

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2012/12/01

北方謙三「楊令伝(十三) 青冥の章」感想。
水滸伝の続編。2012年11 月28日読了。

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楊令伝〈13〉青冥の章


楊令伝って、やたらと読点(「、」のこと)が多いなあ。

北方謙三って、こういう作家だったっけ?


本書174ページ
××戦が終わって、もう七年が経つのだ、と宣賛は思った。

えっ!第九巻から七年も経過したの?!
いつの間に?!


本書277ページ
楊令軍、遊撃隊、韓伯竜軍の騎馬隊、一万余騎。歩兵、二万四千。
それで、十二万の××軍を壊滅させていた。

えっ!そんな大戦の帰趨をたった二行で?!
たった二行で?!
それでいいのか?!


遂に4点/10点満点


◆◆以下、ネタバレ含む、自分メモ用のあらすじ(紀伊國屋bookWebからの引用+α)◆◆
楊令率いる梁山泊は北京大名府を占領し、自由市場を開く。
だが、同志の中からは、天下を取るべきだという声も上がり始めていた。
金国の傀儡国家・斉は、扈成が宰相となり、都を開封府へと移して勢力を拡げる。
北京大名府を離れた張俊は、扈成と結んで斉軍に加わった。
一方、金国は、中原の岳飛を討つべく、蕭珪材軍を出動させた。
蕭珪材は護国の剣を佩き、戦場へと向かう。
楊令伝、相克の第十三巻。
群雄割拠の中原。梁山泊には不協和音が──。
梁山泊は交易によって富を蓄えていくが、内部からは不満の声も上がり始めていた。一方、斉は張俊と手を結び、急激に力をつける。梁山泊軍と張家軍、そして岳飛と蕭珪材が激突する。
数日前に読み終えた本なのに、話の中身を覚えていない。くらい中身がない。
ラストで李英が斉に嵌められ間違って金国兵士を打ち倒してしまって梁山泊を離脱する。

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