カテゴリー「◇世界についての本」の記事

2024/01/03

倉沢愛子「インドネシア大虐殺」感想。2023年7月2日読了。

倉沢愛子「インドネシア大虐殺」

 

本書は2020年に出版された。著者はインドネシア社会史を研究されている慶応大名誉教授。

スハルトによるクーデターで、スカルノが失脚し、その際に200万人ともいわれる無辜の市民が虐殺された。

普通の市民が、普通の市民を殺していた。

その過程を、虐殺したした方、虐殺された方、双方への聞き取りをもとに構成されたのが本書。

しかしながら、時系列が若干行ったり来たりしていて、前後関係を知らないと読みづらい。

7点/10点満点

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ダニエル・ヤーギン/黒輪篤嗣訳「新しい世界の資源地図」感想。2023年5月14日読了

ダニエル・ヤーギン/黒輪篤嗣訳「新しい世界の資源地図」

 

今までAmazonの画像リンクを使っていましたが、2023年11月で廃止されました。ので、テキストリンクだけです。

 

本書は2020年に原著が、2022年2月に日本語版が出ています。
著者のダニエル・ヤーギンは、資源(石油エネルギー中心)に関する著書が多数あり、世界有数の資源(エネルギー)専門家です。

 

本書の感想は「とても良い」

 

9点/10点満点

 

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2022/01/03

10人共著「SDGsの不都合な真実」感想。2021年12月25日読了。

 

「地球温暖化でいったい誰が設けているのか」

 

ま、その通り。

 

「地球温暖化」説で設けている奴がいる。筆頭はクリントン政権時のアメリカ副大統領だったアル・ゴア。
世界規模の「世論のうねり」を作り出せば、それはイコール儲けにつながる。先に手を出した奴ほどもうかる。

 

分かっているのに、マスコミがミスリード(誤った誘導)する。ミスリードすればするほど、先行者利益は計り知れない。
理系だったらサルでもわかる。
電気エネルギーは小売りが悪いことを。
その声はマスコミは拾わない。

 

地球温暖化の原因が二酸化炭素「だけ」になっているのも、先行者利益を得たい企業とマスコミのミスリード。

 

「二酸化炭素」の排出量を減らしたいのだったら、原子力発電にするのが最も賢い選択。

 

ということを本に著してくれただけマシなのかな。内容はイマイチだけど。

 

7点/10点満点(共著なので各論が「とても」薄い)

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ダリル・ブリッカー/ジョン・イビットソン「2050年 世界人口大現象」感想。2021年11月17日読了。

 

「世界の地理」というゲームにはまっている。android iPhone

 

ちなみに私は日本ランク10位で、世界ランク1700位である。

 

このゲームのベースはwikipedia情報なので、情報の精度は怪しいが、しかし有益な情報もたくさん得ることができる。

 

本書はとても良い。人口が減っているのは日本や韓国だけと思っていたら大間違い。
国の人口が減らずに、とりあえず現状維持するのに必要な出生率は2.1である。これでやっと現状維持である。
日本は1.4、韓国は1.0を下回った現状維持どころではない。国の総人口が減少するのである(日本はもう発生している。韓国は去年から減少に転じた。韓国は出生率の低下がすさまじく、日本以上に少子高齢化が加速すると思われている)

 

実際、さきほどのゲームで知った事実はたくさんある。
スペイン(人口5000万)、イタリア(6500万)、ギリシャ(1100万)、ウクライナ(4400万)の出生率は日本より悪く1.3前後。
ドイツ(8500万)、ロシア(1億4500万)、ベルギー(1100万)、オランダ(1700万)、カナダ(3800万)の出生率は日本よりちょっとだけマシな1.5前後。

 

東南アジアや南米は子だくさん?いいえ違います。
タイ(6900万)は1.5
中国(14億)は1.7(但しコロナ禍の今は1.2以下になっていると思われる)
ブラジル(2億1000万)は1.7
ベトナム(1億)は1.77
コロンビア(5000万)は1.8
インドネシア(2億6000万)は2.04
メキシコ(1億4500万)でようやく2.1
インド(13億)はまだ2.2(でももう2.2しか生まれていない)

 

インドの2.2という数字は、1年間に生まれる子供が2500万人=豪州の総人口と同じなのである。

 

出生率2.1を超える国は、アフリカが独占している(以下のデータの出どころはGlobal Note 無料公開部分
1 ニジェール 6.82
2 ソマリア 5.98
3 コンゴ民主共和国 5.82
4 マリ 5.79
5 チャド 5.65
6 アンゴラ 5.44
7 ブルンジ 5.32
8 ナイジェリア 5.32
9 ガンビア 5.15
10 ブルキナファソ 5.11
11 タンザニア 4.83
12 ウガンダ 4.82
13 モザンビーク 4.78
14 ベナン 4.77
15 中央アフリカ 4.65
16 ギニア 4.63
17 南スーダン 4.62
18 コートジボワール 4.59
19 ザンビア 4.56
20 セネガル 4.56
21 カメルーン 4.51
22 モーリタニア 4.50
23 赤道ギニア 4.43
24 ギニアビサウ 4.40
25 コンゴ共和国 4.37
26 ソロモン諸島 4.36 やっとここでアフリカ以外が。

 

でもこれらアフリカの国々は、寿命が短いから子だくさんなのであり、寿命が長くなれば子供は減る。

 

私は人口インパクトについていろいろ書いてきた(つもり)。そして私の意を完璧なデータとともに著しているのが本書。

 

良い。とても良い。

 

9点/10点満点

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2020/12/31

吉田敦「アフリカ経済の真実」感想。経済書。 2020年10月26日読了。

 

アフリカのキーワードで買った本。
思っていたよりはるかに素晴らしい内容だった。

 

第3章で語られるマダガスカルの現況は酷かった(想像以上に酷かったと書こうとしたが、マダガスカル経済を想像したことすらないので不適切ゆえ、たんに酷かったと書く)

 

マダガスカルでは、国民一人当たりGDPが1970年代から半減している。
人口は大爆発中。1990年に1100万人だったのが、2015年には2400万人と倍以上に増えている。
(GDPがほとんど変わらないのに、人口が倍になっているから、一人当たりGDPが半減しているともいえる)

 

2010年、世界一周旅行の際、南アフリカからマダガスカルへ行こうとした。ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区に行きたかったのだ。だが飛行機代が往復20万円もしたので断念した。今思えば、無理してでも行っていた方が良かった。2021年、コロナが終息し海外旅行に行けるようになったとして、マダガスカルに行っても数少ない旅行者にたかる貧困層が山ほどいて、たぶん旅を楽しめないだろうな、と思うのである。

 

2010年(アラブの春の前)の世界一周旅行で行っていればよかったと思う場所はいくつかあり、筆頭はイエメン(2011年から内戦、継続中)。2番目は中央アフリカ(2012年から内戦、継続中)。3番目はマダガスカル(内戦は今のところ起きていない)。4番目はベネズエラ(2014年から無能マドゥロ大統領の最悪政権運営で国崩壊。2015年に3000万人いた人口が、2019年には2700万人にまで減っている)。逆の意味で行けたのはシリア(2010年、アサド大統領は外圧で国の民主化を目指していたが、アラブの春で政府・反政府双方意固地になり全てが台無しになった)とブラジル(2009年に行った。2010年後半から資源価格下落で失業率悪化、治安悪化、賄賂政治の糾弾など国中が荒れている)

 

関係ない自分語りが続いてしまった。本書は良いです。

 

9点/10点満点

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2020/01/04

ウィリアム・マッカスキル/千葉敏生訳「<効果的な利他主義>宣言 慈善活動への科学的アプローチ」感想。2019年02月28日読了。9点/10点満点

 

・利他主義=自分の利益よりも、他人の利益を優先する考え方。対義語は利己主義(=自分中心)

 

あなたが1万円を慈善事業に寄付するとき、「どこに寄付すれば最も有効活用してくれるか」を考えて寄付したことがあるだろうか。
世界中で広告を出している団体、例えばオックスファム、PLAN、国境なき医師団、ワールドヴィジョン、セーブザチルドレンに寄付した場合、間違いなく数十%は団体の運営費に回され、善意の1万円のうち、本当に援助を必要としている人たちに渡るのは数千円になる。

あなたはそれでも、メジャーな慈善団体に寄付しますか?

 

本書は、慈善事業の効果を定量的に分析することから始まる。何を以て効果があったと言えるのか、を具体的な指針を(著者が)定め、指針に基づいて分析する。著者は大きな団体が悪いと糾弾したいのではなく、効果があったかなかったかを判断する術を紹介しているのである。

 

例えばアフリカ、ケニアの貧困層の子供の就学率を上げる(学問を身に着ければ貧困から抜け出せる可能性が高まる)為に最も効果的だったのは、「腸にいる寄生虫の駆除薬を配布すること」だった。寄生虫を駆除することで、子供たちの体調が良くなり、長期欠席が25%も減り、つまり出席率が上がったのだ。子供を一日長く学校に通わせることをコスト(薬代と配布にかかる費用)に換算すると、約5セントだった。

 

p12
「企業への投資と慈善団体への寄付の一つの違いは、慈善団体の多くには適切なフィードバックの仕組みがないという点だ。」

 

以前、国境なき医師団の会計報告を見たことがある。使途不明金が多い。想像するに、領収書の出ない賄賂(例えば戦場では、地元の有力者に賄賂を贈らないと活動の邪魔をされる)などが該当するのだろう。

 

p45
「2009年、ザンビア生まれの経済学者ダンビサ・モヨは、著書「援助じゃアフリカは発展しない」で、援助は有害なのでやめるべきだと主張した」
「2006年、ニューヨーク大学の経済学者ウィリアム・イースタリーは、「傲慢な援助」と題する著書を記した。援助はせいぜい効果がなく、下手をすれば害を及ぼすという考え方を広めたイースタリーの著書は、国際的な援助活動は時間と労力の無駄だと考える懐疑派たちにとってのバイブルとなった」

 

ダンビサ・モヨ/小浜裕久訳「援助じゃアフリカは発展しない」2011年11月16日読了。

 

だがここで著者は反論する。p46 最底辺の10億人と呼ばれる(多くはアフリカの貧困層)国々の人たちだって、劇的に生活の質が上がっている。サブサハラ(サハラ砂漠より南)のアフリカ諸国の平均寿命は、36.7歳から現在では56歳にまで上がっている。

 

発展途上国が援助によって受け取った便益の真の全体像をつかむためには、典型的な援助プログラムではなく、最高の援助プログラムに着目する必要がある(例として天然痘の撲滅)。

 

p134
東南アジア、ベトナム、カンボジア、バングラデシュなどでは、靴やアパレルの搾取工場がたくさんある。搾取工場で作られた製品を買う先進国の一般人は、搾取工場を平気で見過ごす大企業が許せないと言う。

 

しかし搾取工場で働いている人たちは、工場がなくなれば、路上販売や重労働の農業、ごみあさり、失業者になってしまう。搾取工場であっても、「日差しを避けられ、かつ賃金をもらえる」だけマシな職場となる。

 

 

かなり考えさせられる話がてんこ盛り(論拠となる原注だけで30ページ以上ある)で、全部は紹介できない(かつ上記はかなりまとまりがなく中途半端であることは分かっている)が、非常に良い本。

 

9点/10点満点

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2020/01/03

ハンス・ロスリング(&オーラ、アンナ)/上杉周作・関美和訳「FACTFULNESS」感想。世界を現す客観データ。2019年01月26日読了。100点/10点満点

 

(2020/1/4修正)

 

10点満点で100点。我が読書人生史上、最高の一冊(のひとつ)。

 

思い込みや先入観を排除し、数値で世界を見ると、今の世界はいったいどういう状態なのか。を記した本である。各所で大絶賛されているので、詳しい内容は省く。

 

例)
スウェーデン。福祉大国である。政治的には社会民主主義(基本的には多数決=民主主義を採用しているが、高齢者や弱者救済のため高い税金を課し、富の分配を図る=社会主義的な要素を多々採用している政治制度)。
1800年代から1966年ころまで、スウェーデンは極度の貧困層が多く、人口の1/5が国外(主にアメリカ)に逃げ出した。戻ってきたのはそのうち2割。

 

1997年の段階で、インドと中国の極度貧困率はどちらも42%。2017年にはインド12%、中国0.7%と劇的に改善された。

 

まだ読んでいない人は、本屋や図書館で手に取って、冒頭のクイズ13問(p9-p13)をやってみることをお勧めする。いかに自分の頭が先入観で溢れかえっているのかが分かる。

 

100点/10点満点

 

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2019/01/05

ルチル・シャルマ/川島睦保訳「シャルマの未来予測 これから成長する国 沈む国」感想。
世界経済予測。2018年08月05日読了。

私的10点満点。素晴らしい。

詳細は(気が向いたら)追って記載。


10点/10点満点

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2018/06/05

橘玲「橘玲の中国私論」感想。<br />中国論。2017年08月13日読了。

橘玲氏の中国見聞録。単行本は2015年に出版され、現在は「言ってはいけない中国の真実 (新潮文庫) 」という題名で文庫化されています。

著者が2010-2014年にかけて取材した中国事情を、著者の私見としてまとめた本。

私は橘氏の論理的な考え方に全面的に共感しているので、非常に興味深く読んだ。以下、引用ではなく、大まかな内容抜粋。


p54
(マレーシア最大の銀行メイバンクの創業者の孫のアンソニー(華人)曰く)
中国人はあまりにもエゴイストなので、共産党が暴力をもって縛り付けないと国が崩壊してしまう。「中国人にデモクラシーは無理」なのだという。

註:エゴイスト→自分勝手な人、自分の利益のみを追求する人

→中国人が本気で民主主義を目指したら、世界は一体どうなるんだろう、と思うことはしばしばあるが、すでに民主主義を謳歌している華人(註:移住している中国人は華僑、移住先の国籍を取得した人が華人)の富豪から見るても、中国人は民主主義(デモクラシー)より自分の利益が最優先なのか。


p142
中国では、土地は私有できない。すべての土地は公有地(地方自治体が所有しているので国有地ではない)であり、普通の中国人は土地の使用権を借りているだけ。故に固定資産税が存在しない。そのため、固定資産税の引き上げで地価の高騰を抑えるという常套手段が中国では使えない。

→中国は実質資本主義経済なので、いまさら土地の私有を認めると、裏社会勢力が滅茶苦茶な地上げをするのが目に見えているので、もうこの状況は変えられないのだろう。


p164
「改革開放」というのは、中国の人々にとっては、「共産党の支配を容認する代わりに自分たちの金儲けには口を出せない」という暗黙の契約だった。

→なんかすごく腑に落ちる。


p181
中国の出生率は日本よりもはるかに酷い。
北京市は0.71
上海市は0.74
6番目の天津市1.0以下

→一人っ子政策の悪影響による中国の少子高齢化は、しばしば日本でも報道されている。あまり根拠はないが、2025年くらいから日本と同じように高齢者の医療福祉問題がすさまじい重荷になり始め(高齢者の自殺が多いなど、既にその傾向はみられる)、2030年代から中国経済は下落するんじゃないかと私は思っている。


p245-246
中国で民主主義が成立し、民主的な選挙が行われた場合、ポピュリズム(大衆迎合)を主張する政治家が上位を独占する。豊かな南部沿岸地域(上海、深セン、広州ほか)の人口は4億人、貧しい内陸部の人口は9億人。沿岸の富を内陸の貧者に分配する政策をすすめる政治家が当選してしまう。もし中国が民主主義政治にかじを切ったなら、上海など沿岸住民は、中国からの分離自治(もしくは独立)を要求することが目に見えている。

→それ(分離独立)はそれで面白いと思うので、是非とも重慶(3000万人)・上海・北京・成都・石家荘・広州・天津・保定・武漢・ハルビンなど1000万人以上の人口の市は独立を目指してほしい。アフリカのチュニジアは人口約1000万人で、国別人口80位である。

ま、私が橘氏のファンであることもあり、とても面白い本であった。


8点/10点満点

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2017/02/08

ヨリス・ライエンダイク/田口俊樹・高山真由美訳「こうして世界は誤解する」感想。
ジャーナリズム論。2017年01月28日読了。

中東に駐在していたオランダ人ジャーナリストの著者(エジプトのカイロ大学に留学しアラビア語ができる)が、ジャーナリズムは果たして本当のことを伝えているのだろうか?

という疑問を正直に読者に投げかけた本。

原著は2006年に出版され、日本語版は2011年に出版された。

ジャーナリズムを知らないド素人だった著者は、アラビア語ができるという一点でオランダの新聞社に雇われ、中東特派員として赴任した。ついでにラジオの仕事も受ける。ラジオに音声出演するときは、オランダの放送局があらかじめ原稿をまとめているので、著者は原稿に沿って喋るだけ。特派員の存在価値は、その場所にいて、その場所から喋ること。

中東のニュースの最新情報は、現地のジャーナリストを雇って調べている通信社(日本だと共同通信が有名)が逐一情報をくれるので、特派員が直接調べなくてもいい。でも、どこかの国が戦争になり、軍司令官や防衛大臣が記者会見する際は、記者会見の場にいて、そこからリポートすること。

西側メディアはアラブ諸国が悪いというバイアスで報道する。
アラブ諸国はイスラエルが悪いというバイアスで報道する。

では、アラブ人同士の戦争は誰がどう報道する? モロッコ対アルジェリア、エジプト対シリア、スーダン対サウジアラビア、イラク対クウェート(これはクウェートが西側陣営)、シリア対ヨルダン、ヨルダン対パレスチナ、そして国内がバラバラで敵ばかりいるレバノン。

経験を積んだ著者は違う新聞社に移り、テレビの仕事もするようになった。パレスチナに行き、子供をイスラエル軍に殺された母親の取材をする。この母親はパレスチナのフィクサーを通して紹介された。フィクサーは世界中のテレビ局に「悲惨な境遇にある人物」のリストを持って売り込みに来る。西側のテレビ局は手っ取り早くインタビューを済ませたいから(パレスチナに入国するにはイスラエルの厳重な警備を通るので面倒)、フィクサーのリストを活用する。リストに掲載されている人物が喋ることは嘘ではない。ただ、フィクサーは同じリストを世界中のテレビ局に売っているので、世界中のテレビ局が同じ人物に何度も異なるインタビューをすることになる。

フセイン時代のイラクでは、独裁国家の恐ろしさを身に染みて理解した。

著者はエルサレムのパレスチナ人居住区である東エルサレムに引越しした。

イスラエルは広報が上手い。
パレスチナは広報が下手だ。

パレスチナはもうちょっと世界に通用する広報をすれば、世界中から支援がもっともっと集まるのでは?

しかし現実のパレスチナは、PLO(後のファタハ)=アラファトが独裁者として君臨しているだけだった。広報はアラファトの腹心。能力なんて関係ない。アラファトは、自分がリッチな状態を維持できればそれでいい。イスラエルと和平を結んで自分の名声が上がり、援助金がじゃぶじゃぶ入ってくるのは最高に望ましい。

(注:ファタハに愛想をつかしたガザ地区(海側)のパレスチナ住民は、ハマスというイスラエルを敵視する政党に乗り換えた。ハマスはガザ地区からファタハを追い出した。しかしファタハは依然ヨルダン川西岸(内陸部)を押さえている。パレスチナは事実上、2か国に分裂している。と言ってもアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア、日本や韓国、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、スイス、スペイン、ポルトガルなどが国として承認していないので、国ではないのだが)


「事実と見解をはっきり区別する」


現代ジャーナリズム、特にテレビの世界ではこれが守られていない。


とても面白い本だった。


8点/10点満点

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