カテゴリー「△高野秀行」の記事

2023/01/21

高野秀行「語学の天才まで1億光年」感想。2022年10月19日読了。

 

高野秀行氏が多言語使いであることは、氏の著書(本書以外)を読んでいて随所に感じられた。少なくとも、
 フランス語、
 英語、
 タイ語(「極楽タイ暮らし」という本を上梓している)、
 アフリカコンゴのリンガラ語(「幻獣ムベンベを追え」という本を上梓している)、
 ビルマ語(「ビルマ・アヘン王国潜入記」という本を上梓している)
は日常会話に困らない程度の使い手なのだろうと思っていた。

 

本書は、高野秀行氏自身が、自分が学んだ言語(中国語は上級、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語も学んでいた)の学習方法を記すとともに(語学習得方法のノウハウ本的な側面)、なぜその言語を学ぶに至ったかを書いたエッセイである。

 

エッセイとしてはとても面白い。私が高野ファンだから余計に面白い。

 

しかし語学学習のノウハウとしてはあまり使えない。高野秀行氏が語学の達人すぎる。まあでも普通はこの本を「語学学習方法」のノウハウ本としては読まないよな。

 

8点(エッセイとして)/10点満点

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2020/12/31

高野秀行「幻のアフリカ納豆を追え!」感想。ルポ。 2020年12月08日読了。

 

ソマリアに行く高野秀行氏をもってしてもいけないマリとニジェール。(納豆取材は日数かかって、滞在期間が長引くと危ない、という理由なのだが)

 

取材部分は安心して読める。納得の高野節。
だが最終章(納豆の正体とは何か)は推測が多い。
ここまでの丁寧な取材を台無しにするのか?! と思えるくらい危うい。
だが、著者も編集もそれで良いから出版されたのであろうし、要するに私が納得できないだけの話である。

 

2006年に私がケニアに行ったのは、マリのトゥンブクトゥツアーが催行中止(人数不足)になったから。
マリに行きたかったなあ。

 

7点/10点満点

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2017/08/22

高野秀行「謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉」感想。
納豆ルポ。2017年07月01日読了。

納豆は日本だけのものではない、アジア各地に納豆(大豆を発酵させた食べ物)はある!

著者は20年前にタイにチェンマイに住んでいた時、ミャンマー系(のゲリラがタイに作った拠点)に出入りしており、その時納豆せんべい汁を食べ、衝撃を受けた。

14年前、ミャンマーと中国の国境近くで、ミャンマーのゲリラと行動を共にしていた時、糸引き納豆が食事に出てきて驚いた。

納豆は日本だけで食べられている食品ではない、ということを(いろんな人に)話すとみな驚く。しかしそこで、「日本とミャンマーの納豆って同じなの、それとも違いがあるの?」とか「そもそも納豆って日本独自の食品なの?」などの質問を受け、答えられなかった著者は、アジア各地に「普通に食されている」納豆を調査するため、アジア各地に飛んだ。

調査の過程、著者が仮説を立てる、仮設が外れる、更に調査、更に驚きの発見!

の繰り返しですがl、私は著者(高野秀行氏)のファンなので、毎度のことながら楽しく読みました。


8点/10点満点

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2015/05/09

高野秀行「恋するソマリア」感想。
ソマリア潜入ルポ。2015年02月10日読了。

本書は、「謎の独立国家ソマリランド― そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」2013年03月14日読了。5点(内容9点・比喩1点)/10点満点、の続編である。

ソマリアは現在、大きく3つの国内国に分断されている。北部、ジブチの隣がソマリランド。アフリカの角に当たる部分がプントランド。南部ソマリアがいわゆるソマリア本体で国際的に認められている暫定政権がある。ソマリランドは英国植民地、プントランドと南部ソマリアはイタリア植民地。ソマリランドは独立を宣言しているが、国際的には承認されていない(こういう形での独立を認めてしまうと、雨後の竹の子の如く独立を希望する小国家が乱立してしまうため。南スーダンは、スーダン政府公認の下、分離独立の住民投票を行い、99%の賛成票が得られたので独立できた)


本書は、ソマリランドのケーブルTV局のジャーナリストと行動を共に、治安としてはかなり安全な部類に入るソマリランドだけではなく、プントランドや、南部ソマリアまで踏み込んだ記録である。

著者らしく、戦場ルポでもなければ、地誌学的な研究でもない。ソマリアのことがいろいろ知りたくなったから、日常生活から政治まで知ることができるのなら何でも見聞きしてやろう、というノリである。

AMISOM(アフリカ連合によるソマリアミッション)軍に同行取材する形で南部ソマリアに行った際は、イスラム過激派アル・シャバーブからロケットランチャーで攻撃される経験もした。

だがそういうところより、日常に何気ない部分の描写が面白い。

p113
「半年前は1ドル=33,000ソマリアシリングだったのが、今は1ドル=19,000ソマリアシリングと二倍近くに高騰している。昨年(注:20012年かな?)の「大飢饉キャンペーン」で世界中から莫大な援助物資と義援金が流れ込み、ドルが暴落したのだという。」

p136
「ソマリアを知らない外国人にはひじょうに意外なことだが、内戦と無政府状態が二十年続く戦国都市モガディショでは民政がたいへん発達している。電気・水道・学校・病院は主に各氏族の有力者が運営している。携帯電話はネットも当たり前のように普及している。市内や国内外の諸都市を結ぶバス・飛行機も普通にある。 (中略) ただし、氏族社会で全てがうまくいくわけではない。中でも政府軍兵士や民兵による「イスバーロ(自主検閲)」と「ゴミ問題」はいつも紛糾の種だ。」


松本仁一「カラシニコフ」2005年11月28日読了。10点満点
で、ソマリアに携帯電話会社が3社もあると書かれていて非常に驚いた。


本書はソマリアが舞台なので、高野秀行ファンとソマリアに関心がある人以外はなかなか手を出しにくいのだが、ソマリアに何の興味もない人でも十分面白く感じる本に仕上がっていると思う。

高野秀行の特長であるマニアックな取材対象、何をしたいんだかよく分からない飄々とした雰囲気、くだらないことに情熱を傾ける姿勢を変えずに、万人受けする内容に仕上がっている。

これから先、知名度がどんどん高まって行くような気がする。


9点/10点満点

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2013/07/23

高野秀行「移民の宴」感想。
在日外国人の食事ルポ。2013年07月02日読了。

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移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活

高野秀行氏が、
日本に住んでいる外国人の家や集会に行って、
在日外国人がどんな食べ物を食べているのかを取材した本。

ヨーロッパのコックから「私は移民じゃないから、このタイトルの取材には協力できない」と断られたりしながら、どうにかこうにか取材を行い、一冊の本のしたもの。

目次から拾っていくと、
・成田のタイ寺院(仏教)
・イランのベリーダンサー
・震災下の在日外国人
・南三陸町のフィリピン人
・神楽坂のフランス人
・四谷の中華学校
・館林市のモスク
・鶴見の沖縄系ブラジル人
・西葛西のインド人
・下目黒のロシア正教
・杉並区に住む朝鮮系中国人のキムチ
・盲目のスーダン人(アブディン)

日本に住んでいる外国人は、みんな頑張って自国の食材を手に入れ、自分が慣れ親しんだ味を再現しようと頑張っているなあ。

と思うのと同時に、こういうことが出来るのは、円といいう通貨が強くて、貿易の自由があって、商売が成り立ちさえすれば世界中のどんなところからでも何でも(検疫でNGなのは無理だけど)輸入できる日本という国ならではなんだろうと思う。

で、本書は元もと雑誌連載をまとめたっぽく、取材先を探すのにかなり雑誌編集者の力を借りているみたいで、そういう意味では純粋な自腹ルポである「謎の独立国家ソマリランド― そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」とは著者の力の入り方が異なるよなあ、と思うのだけど、読む方は取材費が雑誌社持ちか自腹かってのは特に気にしないし、雑誌社は高野秀行しか書けない軽妙な文章を求めているから高野秀行に発注しているんだろうし。

私はそういう軽妙な文章(文体)に惹かれて買っているのでありまして。


7点/10点満点


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2013/03/25

高野秀行「謎の独立国家ソマリランド― そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」感想。
ソマリア潜入ルポ。2013年03月14日読了。

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謎の独立国家ソマリランド ― そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア


本書は、2009年と2011年の2回にわたり、ソマリアに渡航して現地を取材した高野秀行渾身のルポである。

ソマリアという国がある。↓この辺である。


大きな地図で見る

リドリー・スコットの映画「ブラックホーク・ダウン」で、アメリカ兵(特殊部隊)がボコボコにやられて殺されて裸に剝かれてつるし上げられた国である。

そのソマリアは、「ブラックホーク・ダウン」の内戦(1993年)以降、無政府状態になった国として知られている。昨今はイスラム法廷と名乗るグループが首都モガディシュを制圧したとの報道もあるし、海賊行為(アデン湾を通るオマーンやサウジアラビアの石油タンカーを狙っている)でも有名である。

ソマリアは、アメリカの特殊部隊をボコボコにしたことから、世界中の誰が行ってもボコボコにされて身ぐるみ剥がされるか、もしくはぶち殺される「リアル北斗の拳」国家として有名になった。知らない人も多いだろうが。

しかーし。

ソマリアはかなり前から、ソマリランドとプントランドと南部ソマリアの3つに分裂している。南部ソマリアが、国連が承認しているソマリア国である

ソマリランドは旧イギリス領、
プントランドと南部ソマリアは旧イタリア領。

で、ソマリランドは国際的に承認されていないけど、実質的に独立国家と同じ状態になっていて、自治が完成している。

しかも武装解除が終わっていて(進行形じゃなくて完了形!)、ソマリランド内は誰も武装していない。警察官ですら棍棒しか持っていない。

ホントか?

今までそれなりに世界情勢の本を読んできて、世界情勢のブログをたくさんRSSリーダーに登録して、まあそれなりに世界情勢を知っている気になってている私だが、ソマリランドが安全なのは間違いならしい。

たぶん著者も同じような情報を掴んだのだと思う。

で、経緯はともかくとして、著者はソマリランドに飛んだ。それが2009年。ソマリランドを取材して疑問が解けてすっきりして、さあ本を書くか!と思ったけど、大元の本国ソマリアを知らない。ソマリアの現状を知らないままソマリランドの本を書いて良いのか? すっきりしないので、改めてソマリアとプントランド取材に行ったのが2011年。で2009年と2011年の取材成果をまとめたのが本書。

で、今回の作品は内容的には大満足で、5ッ星で文句ない。

今回もいろいろ紹介しようかなと付箋をたくさん付けた。

P3253548

で、まあ本書もいろいろ紹介しようかと思ったが、どうにもこうにもダメなのだ。

内容はすごいのだ。9点は付けて良い。

しかし、文章がダメだ。特に比喩。ソマリ人の氏族を源平合戦に比喩しているのだが、それがダメだ。

これで良いとする人もいるだろうが、私はダメだった。

ソマリランドは、
イサック奥州藤原氏系の
 ハバル・アワル伊達氏
 ハバル・ユニス武田氏
 ハバル・ジャロ上杉氏
プントランドは
東国ダロッド平氏系の
 マジェルテーン北条氏
 ドゥルバハンテ里見氏
 ワルセンゲリ三浦氏
南部ソマリアは
ハウィエ源氏系の
 義経系ハバル・ギディル
 頼朝系アブガル
モガディシュ以南は
農民系ラハウェイン尚氏

……こんなのがいっぱい出てくる。


この比喩がどうにもこうにも、受け入れられない。
何のためにこんな比喩をしたのか。
まあファンだから「ミャンマーの柳生一族」で受けた手法をそのまま用いたのだろうということはわかるが、今回は大失敗である。

ただでさえ分かりづらいソマリ人の氏族構成を、源平合戦の頃の日本に喩えるのである。

私は日本史が大の苦手で、源氏だ平氏だ藤原氏だと喩えられても、まったく一欠片も何のイメージも湧かなく、ソマリ人の名前に加えて源氏平氏の名前まで覚えなくてはならないから、徹頭徹尾苦痛だった。

しかも挙げ句の果てには源氏平氏の名前が尽きたから、適当なその頃の武将の名前を用いている。

ここまで来ると、何のために比喩したのか分からない。

読者にソマリ人社会を理解しやすいように比喩したはずなのに、ソマリ人の名前だけではなく、源氏平氏の名前まで覚えなくてはならない苦痛を強いている。

ルポの内容はすごく良い。

私はかなりの高野ファンだけど、これはダメだった。


5点(内容9点・比喩1点)/10点満点


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2012/04/12

高野秀行「未来国家ブータン」感想。
探検記。2012年04月04日読了。

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未来国家ブータン


2週間ほど当ブログの更新が滞っていましたが、再開します。


◆本書の紹介(紀伊國屋Bookwebより)
GNPよりGNH、生物多様性、環境立国…今世界が注目する「世界でいちばん幸せな国」の秘密を解き明かす。

第1章 ブータン雪男白書(政府の公式プロジェクトで雪男調査;雪男を捕まえた話 ほか)
第2章 謎の動物チュレイ(天国にいちばん近い村;謎の動物チュレイ ほか)
第3章 ラムジャム淵の謎(遠野は生きている;ラムジャム淵の謎 ほか)
第4章 ブータン最奥秘境の罠(雪男のための保護区;幽霊を怖がってはいけない ほか)
第5章 幸福大国に隠された秘密(未来国家への道;「自由」に苦しまないブータン人 ほか)
ブータン政府公認プロジェクトで雪男探し!!
「あの国には雪男がいるんですよ!」。そのひと言に乗せられて高野氏はブータンヘ飛んだ。雪男を探しながらも、「世界最高の環境立国」「世界で一番幸せな国」と呼ばれる本当の理由にたどりつく。


◆感想

私のイチオシ紀行作家、高野秀行の新刊である。

禁煙国家であるブータンは、本書を読む前まで、GNH=国民総幸福量の話と、民族衣装をまとって農業中心で最近まで鎖国をしていてその姿は古き良き昔の日本みたいな国、という取り上げられ方ばかりで、ヘビースモーカーの私的にはイマイチ魅力のない国であった。(実態の一例として、ブータンでは民族差別を行い、ネパール系ブータン人は難民と化している(ブータン難民を参照))


個人的にはブータンに行くこともないだろうし、ブータンの本は読んだことがないし読む気もなかったけど、高野秀行が書いた本なら別だ。読まなきゃ。


マレーシアでバイオベンチャーの会社を経営している友達の要請で、ブータンで生物資源の調査をすることになった高野秀行。当初はそれほど興味はなかった。

だがしかし、ブータン国立生物多様性センターのプロジェクト主任が「ブータンには謎の生物などいません。でも雪男ならいますよ」という衝撃の告白をさらりと言ってしまったことから、未確認動物(UMA)ハンター高野秀行の心は大きく動かされるのだった。


という出だしからして、高野秀行ファンの心を鷲掴みにする展開である。


空港のあるパロに着き、首都ティンプーへ行き、プナカ、ガサ、ラヤと行き、プナカに戻って、ジャカル、タシガン、ランジュン、メラ、サクテンと行って、ティンプーに戻る。

すげえ、GoogleMapで道も出てないような場所ばかりだ。

ガサ(A)とタシガン(B)だけピンを打ったGoogleMapを作ってみた。

大きな地図で見る


本書に出てくるブータンの人々や暮らしは、ちょっと想像を超えていた。

想像以上に、昔話の日本人みたいな生活をしていた。

そこかしこに民話みたいな話が転がっている。「精霊がいる」「不思議な生き物(チュレイ)がいる」「役場の職員が数年前に雪男に攫われた」

ヒマラヤ山脈の真ん中に位置するブータンの田舎町に行くには、道なき山道を、標高3000m超級の山道を何日も歩かないと行けない。車が通れる道はないから、歩き+荷役動物(馬など)でなければ行けない。そんな場所があちこちにある。

それで(現代の世界経済の中で)生活できていた(例えば山の中に冬虫夏草が採れるので、それを取って中国人と取引している)。


高野秀行の本の面白さは、高野秀行が書くユーモア溢れる文体にあるので、私はその魅力を伝えることはなかなか出来ないのだが、それはさておき、本書は日本で出版されている数少ないブータン本の中でも出色の出来であるとの書評もある(らしい)ので、

いや、実際に読んで、この本は今までの高野本の中でも相当完成度が高いぞ!

と思うのである。

堪能。


9点/10点満点


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2011/07/07

高野秀行「イスラム飲酒紀行」感想。
紀行エッセイ。2011年06月30日読了。

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イスラム飲酒紀行


辺境大好き高野秀行の最新単行本であります。
本作はイスラムの国々で酒を飲む話であります。

カタール、パキスタン、アフガニスタン、チュニジア、イラン、マレーシア、トルコ、シリア、ソマリランド、バングラデシュというイスラム国家で、酒を求めて彷徨う話が満載です。


……とは言ってもなあ。トルコやマレーシアやチュニジアやシリアってのは普通に酒が飲める国だからなあ。それほど面白いエピソードになるのかなあ。

と思っていたのだが、これが予想以上に面白エピソードが満載なのである。

なんといってもイランの話がすごい。

イランと言えばホメイニ氏がイスラム革命を起こし、宗教上の最高指導者が国の最高権力者という、傍から見たらがちがちのイスラム国家である。そんな国で酒が飲めるのか?と思うのであるが、約1年前にインドのデリー空港で出会った日本語を喋れるイラン人も「イランでも酒は手に入るよ」と言っていたので、高野秀行もイランで酒を手に入れることに成功するのだろうと予想しながら読んだのだが、ちょっと予想を超えていた。


出たばかりの新刊なので、細かな内容は書かないけど、

うん、本書は面白かった。


8点/10点満点


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2011/02/22

高野秀行「世にも奇妙なマラソン大会」感想。
エッセイ。2011年02月05日読了。

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世にも奇妙なマラソン大会

とある深夜、著者高野秀行が「アフリカ・中東 マラソン」で検索すると、
サハラ・マラソン
がヒットした。

Webサイトを覗いてみると、アルジェリアにある西サハラ難民キャンプ(兼ポリサリオ戦線ゲリラの拠点)で開催される、西サハラ独立運動を支援するマラソン大会だった。「う~ん、面白い!」と思った著者は、サハラ・マラソンの参加申込みボタンをポチッと押していた。著者は週に1~2回ジョギングをする程度で、長くても8キロしか走ったことがない……

いつもの高野作品と同じように、おもしろおかしい文章で綴られるサハラ・マラソン顛末記。これが本書の約半分。

残りは、ブルガリアで両刀遣いのオヤジに迫られる話、
インド入国禁止状態になっている著者が、パスポートを合法偽造するために改名を試みる話、
他、ミニエッセイが7編。

高野秀行ファンなら、サハラ・マラソンを目にした高野秀行が取るべき行動を取っていることに笑い、インド入国禁止になっけどインドへ行きたくて行きたくてしょうがない高野秀行がなりふり構わない手段に打って出たことに笑い、両刀遣いのオヤジの誘いに乗ってしまうことに笑えるのだけれども。

高野秀行ファンじゃない人には敷居の高いエッセイになってしまっているのではないかなあ。と思うのであった。


7点/10点満点


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2010/11/23

高野秀行「腰痛探検家」感想。
エッセイ。2010年11月23日読了。

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腰痛探検家


本書は高野秀行が腰痛と闘う物語である。

出たばっかりの新刊本(文庫オリジナル)だから細かな感想は差し控えるが、本に挟み込まれている「集英社新刊案内」に高野秀行(と角幡唯介)の顔写真が載っているくらいなので、今月の集英社一押しの本なのかも知れない。と書いておこう。


本書の感想とは別で、腰痛歴15年の私から著者高野秀行に一言申し上げたい。

「歳取ったら病気は治りにくくなるんだよ」


7点/10点満点


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